1 00:00:04,643 --> 00:00:09,500 バービー映画の大きな文化的影響は 誇張する方が難しい 2 00:00:09,606 --> 00:00:10,857 "ハイ バービー" 3 00:00:11,225 --> 00:00:12,215 "ハイ ケン" 4 00:00:12,805 --> 00:00:21,994 映画は観客を魅了し 批評家を驚かし 議論を呼び 巨額の興行収入を生み出した 5 00:00:22,102 --> 00:00:27,597 "バービーの世界興行収入は10億ドルを記録" 6 00:00:27,687 --> 00:00:36,669 映画が人形関連であることを考えると 見事な文化的成果と言えるだろう 7 00:00:36,763 --> 00:00:42,500 しかしそれを喜べない1つのグループがいた 8 00:00:43,435 --> 00:00:48,509 "ピンクの楽しい映画が右翼の標的に" 9 00:00:48,600 --> 00:00:52,785 "男性を弱く描くことで 女性を持ち上げている" 10 00:00:52,875 --> 00:00:55,933 "フェミニストによる家父長制の悪口" 11 00:00:56,023 --> 00:01:00,631 "女の子にパパはバカだと教えている" 12 00:01:00,735 --> 00:01:03,432 "あれはフェミニストのゴミです" 13 00:01:03,532 --> 00:01:06,242 "ケンはバカでやな奴" 14 00:01:06,352 --> 00:01:11,099 "ケンだけでなく すべての男性に対する攻撃だ" 15 00:01:11,434 --> 00:01:20,427 映画を見た人は混乱するかもしれない 映画ではケンは好意的に描かれていたからだ 16 00:01:20,714 --> 00:01:24,586 むしろ同情的すぎるほどに 17 00:01:24,696 --> 00:01:26,355 "私謝らないと" 18 00:01:27,192 --> 00:01:35,597 文化戦争の火に油を注ぐためだけの パフォーマンスだとして無視もできる 19 00:01:35,699 --> 00:01:43,491 しかしこのバックラッシュを 真剣に受け取ってしまうのは有害だ 20 00:01:43,589 --> 00:01:47,284 あるワードが神経に触ったらしい 21 00:01:47,391 --> 00:01:52,537 "バービーはまだ観てませんが 人々が 家父長制について話してるのは聞きます" 22 00:01:52,643 --> 00:01:56,163 "フェミニズムだ 家父長制だ すべてと戦うのだ" 23 00:01:56,260 --> 00:02:00,735 "映画では家父長制という用語が 何度も使われていました" 24 00:02:00,845 --> 00:02:05,453 "家父長制と言う度に怒ってたら 映画が終わる前に気絶する" 25 00:02:05,554 --> 00:02:08,413 "10回以上は使われていた" 26 00:02:08,499 --> 00:02:12,321 "家父長制が大きな要素になっている" 27 00:02:12,421 --> 00:02:21,464 "誰も本当の意味をわかっていない 家父長制という言葉が何度も使われた" 28 00:02:21,961 --> 00:02:31,647 言葉の意味を知らないにしては 驚くべきレベルの防衛反応だ 29 00:02:32,131 --> 00:02:39,812 映画のフェミニズムには批判もあるが この動画ではその問題には回答しない 30 00:02:39,916 --> 00:02:45,854 ここでは家父長制を説明するものとして この映画を取り上げていきたい 31 00:02:45,968 --> 00:02:51,196 それは何でないか 男性含め誰に害をなしているのか 32 00:02:52,413 --> 00:02:53,311 "脇を締めろ" 33 00:02:53,414 --> 00:03:01,745 生産的議論のためには用語が持つ 嫌悪感を理解する必要がある 34 00:03:01,854 --> 00:03:03,572 "まるでハチの巣だ" 35 00:03:03,682 --> 00:03:11,301 実際には家父長制は男性の象徴ではなく 男らしさの類語でもない 36 00:03:11,424 --> 00:03:13,929 男性憎悪とも関係ない 37 00:03:14,039 --> 00:03:16,971 "僕も戸惑ってる" 38 00:03:17,349 --> 00:03:25,931 家父長制という言葉に人々が戸惑うのも メディアでは普通聞かないから無理はない 39 00:03:26,193 --> 00:03:32,583 この用語は昔から フェミニストを からかうジョークの中で使われてきた 40 00:03:32,689 --> 00:03:36,933 "ブラジャーを燃やして 家父長制に抵抗しましょう" 41 00:03:37,033 --> 00:03:41,228 "ハーヴェイに会わないと 下着を燃やすのはそのあと" 42 00:03:41,319 --> 00:03:47,526 "ロジャーさんの家父長制バイアスを 3分間指摘してあげたのが最後" 43 00:03:47,633 --> 00:03:50,470 "金曜日王が人形を支配してるのよね" 44 00:03:50,580 --> 00:03:51,689 "遅れた" 45 00:03:52,762 --> 00:03:55,934 "家父長制的価値観が教育を抑圧してる" 46 00:03:56,034 --> 00:03:56,631 "そう" 47 00:03:56,711 --> 00:04:02,205 metoo運動が起きてからは パターンに変化が見られる 48 00:04:02,299 --> 00:04:07,822 "来ないで 私は家父長制を解体する あなたから始めてもいい" 49 00:04:07,920 --> 00:04:12,385 最近は10代の皮肉屋キャラが この言葉をよく使う 50 00:04:12,482 --> 00:04:18,019 "騎士道精神に従ったんだ? 私から永遠の感謝を引き出す家父長制の道具に" 51 00:04:18,121 --> 00:04:19,942 "普通はありがとうって言う" 52 00:04:20,032 --> 00:04:28,957 反抗的で純朴な様子の演出に使われるが その観察は間違っているわけではない 53 00:04:29,066 --> 00:04:33,116 "結婚は女性を縛る家父長的な制度よ" 54 00:04:33,216 --> 00:04:39,354 "夫の所有物となり子供を産まされ 名前も夫のものに変えられる" 55 00:04:39,452 --> 00:04:41,753 "プロムは植民地時代…" 56 00:04:41,851 --> 00:04:44,022 "植民地時代後の構造" 57 00:04:44,122 --> 00:04:47,306 "でも抗議の一環として参加する" 58 00:04:47,634 --> 00:04:50,941 "ヘイヘイ ホーホー 家父長制を廃止せよ" 59 00:04:51,053 --> 00:04:54,573 "ヘイヘイ ホーホー 家父長制を廃止せよ" 60 00:04:55,453 --> 00:04:59,737 この新しい文脈でも 用語は 決め台詞として使われている 61 00:04:59,847 --> 00:05:01,708 "…それだけ?" 62 00:05:01,818 --> 00:05:04,642 ただ意味は曖昧なままだ 63 00:05:04,742 --> 00:05:08,808 "若草物語って言うの 4人の姉妹が家父長制を…" 64 00:05:08,906 --> 00:05:10,568 "やだ 人形" 65 00:05:10,658 --> 00:05:17,220 具体性のなさは 知っている人だけが 笑えるものであることを示している 66 00:05:17,314 --> 00:05:20,135 "家父長制を倒せ!" 67 00:05:20,241 --> 00:05:21,009 "バカ!" 68 00:05:21,482 --> 00:05:25,788 それ以外の人は困惑するか脅威を感じる 69 00:05:25,913 --> 00:05:28,020 "家父長制は初耳だ" 70 00:05:28,115 --> 00:05:31,600 "それって男と馬が仕切ってる?" 71 00:05:34,241 --> 00:05:37,656 すまない ケン 馬は関係してない 72 00:05:37,861 --> 00:05:41,745 しかしなぜそう思ったかは理解できる 73 00:05:41,927 --> 00:05:45,623 "不公平です 家父長制が悪い" 74 00:05:45,733 --> 00:05:49,365 "それに家父長制って何です?" 75 00:05:50,566 --> 00:05:59,169 家父長制とは 男性の権力と権威を 高めるために作られた社会のことだ 76 00:06:00,854 --> 00:06:06,771 社会学的には4つの原則に基づく 社会システムのことである 77 00:06:06,895 --> 00:06:18,351 "社会はその程度により家父長的である 男性支配的 男性中心的 男性基準的 支配への執着による組織化" 78 00:06:18,448 --> 00:06:27,963 意味を説明するが 覚えておくべきは システムと人は同じではないことだ 79 00:06:28,080 --> 00:06:31,008 "ここはもうケンランドだ" 80 00:06:31,118 --> 00:06:40,687 映画ではケンが家父長制を導入するが ケンや仲間は家父長制そのものではない 81 00:06:40,796 --> 00:06:42,147 "俺はただの男だ" 82 00:06:42,247 --> 00:06:46,893 ケンは行動によって家父長制を作る 83 00:06:47,007 --> 00:06:52,961 彼らが参加をやめると システムも存在をやめる 84 00:06:53,826 --> 00:07:01,990 ボードゲームのルール説明に 個々のプレイヤーの性格は不要だ 85 00:07:02,086 --> 00:07:09,750 同様に家父長制の説明に 男性個人への非難は必要ない 86 00:07:10,199 --> 00:07:22,404 映画は白人キャラに焦点を当てているが 家父長制は人の属性によって影響が異なる 87 00:07:22,526 --> 00:07:24,034 "問題か?" 88 00:07:24,682 --> 00:07:32,461 ここからは「The Gender Knot」 という本に基づいて話を進める 89 00:07:32,571 --> 00:07:35,171 悪魔は細部に宿るので ケンランドを使おう 90 00:07:35,251 --> 00:07:36,464 "ケンダム" 91 00:07:36,791 --> 00:07:38,059 "ケンダムランド" 92 00:07:38,154 --> 00:07:39,454 "自由と男の国" 93 00:07:39,554 --> 00:07:40,661 "ここね" 94 00:07:40,747 --> 00:07:45,078 ケンダムランドを家父長制の説明に使う 95 00:07:45,178 --> 00:07:47,021 "道が開けそうだ" 96 00:07:47,111 --> 00:07:48,291 "よかった" 97 00:07:48,393 --> 00:07:53,356 家父長制の第一の特徴は男性支配だ 98 00:07:53,474 --> 00:08:01,468 これは簡単だ 意味は権威的地位が 一般に男性に与えられていること 99 00:08:01,572 --> 00:08:08,957 基本的に社会階層を見上げていくと より男性が多くなってくる 100 00:08:09,991 --> 00:08:15,585 映画は男性支配を鮮やかに描いている 101 00:08:15,941 --> 00:08:21,513 強くて重要とされる男性たちの画像が示される 102 00:08:21,934 --> 00:08:28,215 最近まで女性はこれらの分野から 排除されていた 103 00:08:28,621 --> 00:08:31,041 "高度で高収入な仕事くれ" 104 00:08:31,151 --> 00:08:32,535 "MBAが要る" 105 00:08:32,635 --> 00:08:39,924 ケンも重要な教訓を学ぶ 権力の要求はぶしつけに断られる 106 00:08:40,032 --> 00:08:43,514 "あなたには盲腸すら切らせない" 107 00:08:43,614 --> 00:08:44,282 "男だ" 108 00:08:44,372 --> 00:08:45,143 "医者じゃない" 109 00:08:45,233 --> 00:08:45,746 "頼む" 110 00:08:45,816 --> 00:08:46,529 "ダメ" 111 00:08:47,069 --> 00:08:53,236 男性支配は全男性個人が 力を持つことを意味しないのだ 112 00:08:53,346 --> 00:08:55,705 "ヒラの僕は女?" 113 00:08:55,805 --> 00:09:00,980 事実 家父長制にいる男性のほとんどは 大きな権力を得ることはないだろう 114 00:09:01,090 --> 00:09:02,947 "これはまずい" 115 00:09:03,057 --> 00:09:03,820 "何?" 116 00:09:04,058 --> 00:09:10,400 むしろ他の権力ある男性の下で 一生労働させられる 117 00:09:10,766 --> 00:09:12,741 "女性役員はいない?" 118 00:09:13,251 --> 00:09:20,536 マテル社はこの通りだが 家父長制社会で 女性がトップに行くのは不可能ではない 119 00:09:20,648 --> 00:09:30,405 しかし女性の権力の維持は困難になる 女性は特別な例外とみなされるからだ 120 00:09:30,517 --> 00:09:31,822 "みんな大好き" 121 00:09:31,922 --> 00:09:37,466 バービーランドとは違い アメリカに女性大統領はいない 122 00:09:37,567 --> 00:09:39,107 "なぜ輝いてるの?" 123 00:09:39,207 --> 00:09:40,841 "ノーコメント" 124 00:09:40,951 --> 00:09:47,232 しかし最終的に女性が地位を得たとしても それは家父長制の終わりを意味しない 125 00:09:47,356 --> 00:09:50,508 家父長制は回復力を持つからだ 126 00:09:50,618 --> 00:09:59,315 女性たちが懸命に戦ったおかげで 制度は何十年とかけて進化し 変化してきた 127 00:09:59,408 --> 00:10:02,825 だがテーブルはまだ男性が支配的だ 128 00:10:02,958 --> 00:10:06,050 "家父長制を回せてないのか?" 129 00:10:06,160 --> 00:10:08,384 "いや 僕らは…" 130 00:10:09,084 --> 00:10:12,816 "回してるさ ただうまく隠してる" 131 00:10:14,991 --> 00:10:19,192 家父長制の2つ目の特徴は 男性中心的であることだ 132 00:10:19,302 --> 00:10:25,630 シンプルに男性や少年の行動に 主な焦点が当たっている状態だ 133 00:10:26,274 --> 00:10:33,725 バービーランドが視覚的に驚きなのは 女性中心というレアな世界を見せるからだ 134 00:10:34,471 --> 00:10:40,265 ハリウッドで見られたのは 1950年代のSFだけに留まる 135 00:10:40,372 --> 00:10:45,923 "未知の惑星に着陸 足の長い美女たちに捕まる" 136 00:10:46,201 --> 00:10:51,318 "リーダーに会わせろと言うと このような生き物に会わせた" 137 00:10:51,424 --> 00:10:54,135 "金星にいる人たちだ" 138 00:10:54,783 --> 00:10:56,028 "ハイ バービー" 139 00:10:56,350 --> 00:10:57,689 "イェイ 宇宙!" 140 00:10:57,974 --> 00:11:03,835 バービーランドでは バービーの行動に焦点が当たり 141 00:11:03,962 --> 00:11:08,500 クーデターのあと ケンはすぐに バービーたちを押しのけた 142 00:11:08,751 --> 00:11:14,363 そして自身と男らしさを すべての中心に置いた 143 00:11:14,473 --> 00:11:20,274 "何もかもが男の価値を 高め 広めるためにある" 144 00:11:20,406 --> 00:11:25,125 これは私たちの 男性中心社会を投影している 145 00:11:25,505 --> 00:11:33,426 ニュースを見たり 映画を観るだけで 男性を主人公とした物語があふれてくる 146 00:11:35,619 --> 00:11:37,821 "国家の象徴" 147 00:11:38,346 --> 00:11:40,857 "世界のヒーロー" 148 00:11:42,663 --> 00:11:45,674 "希望の光を…" 149 00:11:46,108 --> 00:11:50,634 もちろん女性が中心に 置かれることもある 150 00:11:50,741 --> 00:11:57,223 しかしそれは女性の物語として描かれ 人間の物語とは描かれない 151 00:11:57,648 --> 00:12:05,017 「バービー」は社会で女性であることの 経験についての物語だ 152 00:12:05,119 --> 00:12:08,461 "不安 パニック 強迫観念は別売り" 153 00:12:08,859 --> 00:12:11,876 「オッペンハイマー」と比較しよう 154 00:12:11,967 --> 00:12:16,316 世界の破壊者になる物語だ 155 00:12:16,860 --> 00:12:26,610 世界の破壊者は男性だが 社会での男性の体験は描いていない 156 00:12:27,500 --> 00:12:32,273 クリストファー・ノーランの映画はすべて 男性を中心に展開するが 157 00:12:32,384 --> 00:12:40,686 性別の話はなく 人間の経験を 表現したものとして作られている 158 00:12:41,218 --> 00:12:50,152 一方ガーウィグの映画はすべて女性中心で 男の世界で生きることを表現している 159 00:12:50,247 --> 00:12:52,975 "よくやった" 160 00:12:53,258 --> 00:12:59,810 これは両監督に対する批判ではない 男性中心主義が意味することの表れだ 161 00:12:59,932 --> 00:13:10,010 家父長制では男性が人間の基本とされ 男性の経験が人間の探求として捉えられる 162 00:13:10,132 --> 00:13:16,252 一方女性の経験はまず 女らしさに関連して語られる 163 00:13:19,303 --> 00:13:25,946 男性中心主義という根深い文化は 一般向け映画において 164 00:13:26,042 --> 00:13:32,463 男らしさを中心に描かなかった作品が なぜ反発を生むのかの説明になる 165 00:13:34,585 --> 00:13:40,605 3つ目の男性基準はもう少し複雑だが 家父長制パズルの重要なピースだ 166 00:13:40,720 --> 00:13:54,961 "それは何がよいか 望ましいか 好ましいか または正常かについて核となる文化的考え方が 私たちが男性 男性性 男らしさについて 考えていることと文化的に関連付けられることだ" 167 00:13:55,063 --> 00:14:02,449 それゆえにタフさ 競争心 強さ 自制心や合理性の高い職業が 168 00:14:02,571 --> 00:14:08,380 私たちの社会では高く評価され 高い報酬をもらっている 169 00:14:09,842 --> 00:14:19,755 思いやりやケアの職業は女性的とされ システム的に価値が下げられ資金不足だ 170 00:14:19,864 --> 00:14:21,545 "グレッグも医学部だ" 171 00:14:21,645 --> 00:14:23,363 "本当?分野は?" 172 00:14:23,536 --> 00:14:24,568 "看護です" 173 00:14:27,050 --> 00:14:32,282 「バービー」ではケンたちが 攻撃的な男性基準の社会を築く 174 00:14:32,578 --> 00:14:35,934 バービーランドにあった 女性的なものを捨て去り 175 00:14:36,049 --> 00:14:44,350 1980年代映画で見られた 男らしさの表現を取り入れた 176 00:14:44,574 --> 00:14:54,851 ピンクの家具を黒の革張りに替え カウボーイ風にし ジムの器具を置いた 177 00:14:54,961 --> 00:14:57,772 "ただ受け入れろ ベイビー" 178 00:14:58,582 --> 00:14:59,596 "ベイビー?" 179 00:14:59,666 --> 00:15:03,819 だが男性基準は美学よりも深い 180 00:15:03,944 --> 00:15:12,041 ケンが家父長制を決断した時行動も変わり 男性的な価値観を反映させようとした 181 00:15:12,141 --> 00:15:15,220 "俺の新妻として居ていいぞ" 182 00:15:15,330 --> 00:15:17,810 "または長年腐れ縁の彼女として" 183 00:15:17,910 --> 00:15:23,251 偽りの虚勢の裏に 傷ついた感情を隠している 184 00:15:23,366 --> 00:15:24,698 "ビールくれ" 185 00:15:24,983 --> 00:15:27,643 "ビール運びはお断り" 186 00:15:28,573 --> 00:15:29,684 "いいさ" 187 00:15:29,900 --> 00:15:37,903 家父長制の下ではリーダーの概念が 男らしさと密接に結びついている 188 00:15:38,622 --> 00:15:43,551 そうしてすべての男性が デフォルトで社会的に高められ 189 00:15:43,665 --> 00:15:48,538 女性は軽視され 劣ったものとみなされる 190 00:15:48,887 --> 00:15:50,022 "うまそうだ" 191 00:15:50,122 --> 00:15:51,918 "ホットな体だね" 192 00:15:52,008 --> 00:16:00,224 そして権力を持たない男性でさえも 自分は女性より優れていると考える 193 00:16:00,427 --> 00:16:05,688 この点はケンの 社会運営能力のなさで強調される 194 00:16:05,790 --> 00:16:08,163 "昼からベロベロだぜ" 195 00:16:08,271 --> 00:16:09,542 "俺も同じ" 196 00:16:09,642 --> 00:16:14,133 一日中酒を飲み ゲームしたりして過ごす 197 00:16:14,531 --> 00:16:16,290 "毎晩ボーイズ・ナイトだ" 198 00:16:16,401 --> 00:16:23,602 それでも家父長制下の男性というだけで 自分たちは優れていると考えている 199 00:16:23,711 --> 00:16:26,728 "ここは最高だ!" 200 00:16:26,828 --> 00:16:29,537 バービーたちは召使いだ 201 00:16:29,647 --> 00:16:33,204 "私の腹ペコボーイズ おやつはどう?" 202 00:16:33,684 --> 00:16:40,327 現実世界では少数の女性が 男性基準の社会でも権力を得ている 203 00:16:40,438 --> 00:16:52,366 しかしそのためには他の同じ立場の男性より 攻撃的で無感情であると示す必要がある 204 00:16:52,475 --> 00:17:00,723 つまり女性であっても家父長制の 男性基準に適応することが求められるのだ 205 00:17:02,319 --> 00:17:11,755 家父長制の最後の4つ目の特徴は 支配への執着による組織化だ 206 00:17:11,857 --> 00:17:18,597 男性は女性と他の脅威となる男性を 支配することで特権を維持している 207 00:17:20,338 --> 00:17:25,816 映画ではこの要素は描かれていないが 女性への暴力の脅威を描いている 208 00:17:25,911 --> 00:17:27,198 "笑ってくれ" 209 00:17:27,308 --> 00:17:30,510 家父長制維持の重要な要素だ 210 00:17:30,630 --> 00:17:34,988 "僕はそうは感じない ただ憧れの視線を感じる" 211 00:17:35,245 --> 00:17:39,036 "エロ目線でもなく 暴力的でもない" 212 00:17:39,156 --> 00:17:41,453 "私への視線は暴力的" 213 00:17:41,553 --> 00:17:43,995 支配は他の方法でもできる 214 00:17:44,101 --> 00:17:51,192 ケンは暴力を理解していないが 日常を支配するための強制がある 215 00:17:51,309 --> 00:17:52,549 "みんなどうしたの?" 216 00:17:52,649 --> 00:17:57,234 "家父長制という美しい理論を 説いたらひれ伏した" 217 00:17:57,346 --> 00:18:02,580 ケンは議会を乗っ取るだけでなく ドリームハウスも支配する 218 00:18:02,673 --> 00:18:07,256 "ここはケンの ムキムキマッチョハウスだ" 219 00:18:07,366 --> 00:18:12,390 バービーたちを操って 新しい地位を受け入れさせる 220 00:18:12,512 --> 00:18:14,664 "ビールほしい人?" 221 00:18:14,764 --> 00:18:17,315 "何してるの?医者でしょ?" 222 00:18:17,425 --> 00:18:19,461 "お飾り役楽しい" 223 00:18:19,581 --> 00:18:27,833 男性は知的に優れているという幻想は 男性支配の神話を強化する上で重要だ 224 00:18:27,940 --> 00:18:29,494 "俺が教えよう" 225 00:18:29,594 --> 00:18:31,808 "俺たちが教えるよ!" 226 00:18:31,917 --> 00:18:35,352 それゆえ特権的地位に値する 227 00:18:35,456 --> 00:18:36,596 "よく聞け" 228 00:18:36,686 --> 00:18:46,236 男性は時に強い支配を実行することで 自身の満たされない感情を埋め合わせる 229 00:18:46,344 --> 00:18:52,114 "毎晩6時には帰宅し このテーブルに食事を用意すること" 230 00:18:52,224 --> 00:18:55,118 特に女性と子供に対して 231 00:18:55,312 --> 00:18:56,244 "嫌よ" 232 00:18:56,387 --> 00:18:59,205 "君を押し倒したい…" 233 00:18:59,610 --> 00:19:01,060 本に戻る 234 00:19:01,162 --> 00:19:12,289 "男性は想定される(また期待される) 常に自分をコントロールし 無感情であり(怒りと激情は除き) 自身を無敵で自律的であると示すことを" 235 00:19:12,409 --> 00:19:24,000 "独立して 強く 理性的で 論理的で 冷静で 博識で いつも正しく あらゆる状況を支配することを 特に女性が関わる時は" 236 00:19:26,087 --> 00:19:29,301 "誰から? 誰とやり取り?" 237 00:19:29,959 --> 00:19:30,789 "別に" 238 00:19:30,899 --> 00:19:31,871 "見せろ" 239 00:19:33,151 --> 00:19:34,021 "ケン!" 240 00:19:34,111 --> 00:19:42,338 社会の中で男性の支配への執着は強く 女性を支配できてないとされた男性は 241 00:19:42,847 --> 00:19:49,106 女性に尻に敷かれ 鎖に繋がれているとして嘲笑われる 242 00:19:49,788 --> 00:19:55,608 一方女性を支配する男性に対する 蔑称は存在しない 243 00:19:55,741 --> 00:19:57,778 できない男性にだけだ 244 00:19:59,632 --> 00:20:04,990 支配への執着は 大小様々な形で現れる 245 00:20:05,110 --> 00:20:10,338 "ぜひ入ってほしい その巨大な箱の中に" 246 00:20:10,438 --> 00:20:17,229 女性の体と性に対する支配は 家父長制の核となる教義だ 247 00:20:17,435 --> 00:20:19,409 "箱に入れ このアマ!" 248 00:20:20,589 --> 00:20:27,431 ケンによる政府の支配を思い出そう 権力を使いバービーを市民生活から追い出した 249 00:20:27,529 --> 00:20:32,128 "48時間後ケンたちの投票で 憲法が改正され" 250 00:20:32,248 --> 00:20:35,576 "ケンのケンによる ケンのための国となる!" 251 00:20:36,478 --> 00:20:40,303 子供のおもちゃなので バービーは再生産はできない 252 00:20:40,403 --> 00:20:45,435 ミッジはいったん別として 他のバービーは子供を持てない 253 00:20:45,546 --> 00:20:53,065 しかし持てるならケンはきっと 権利を制限するだろう 現実世界のように 254 00:20:54,505 --> 00:20:59,700 この社会制度は明らかに 女性に対し抑圧的だ 255 00:20:59,798 --> 00:21:05,409 だが家父長制は男性に利する一方で 逆説的に毒杯でもある 256 00:21:05,519 --> 00:21:08,159 人間性を奪うからだ 257 00:21:08,260 --> 00:21:13,254 "彼らの目を彼ら自身に向けさせるの" 258 00:21:13,348 --> 00:21:22,789 表面しか触れられてないが ケンの物語の中に 家父長制が男性を害するヒントが隠れている 259 00:21:23,542 --> 00:21:30,210 ハリウッドは男女の戦争を好んで描くが その枠組みは重要な点を見逃している 260 00:21:30,320 --> 00:21:35,082 家父長制は男性と女性の競争ではないのだ 261 00:21:35,189 --> 00:21:40,377 むしろそれは支配権をめぐって 人々が争う終わりなき競争であり 262 00:21:40,497 --> 00:21:45,907 社会学者はそれを男らしさの階層と呼んだ 263 00:21:47,099 --> 00:21:52,536 白人異性愛者の男性的理想が その階層の頂点だ 264 00:21:52,644 --> 00:22:01,170 それ以外の同性愛や女性らしさは 階層を下に追いやる要素となる 265 00:22:01,296 --> 00:22:03,327 "平手打ちだ 気に入るぞ" 266 00:22:06,027 --> 00:22:12,667 ケンが戦争する時 その相手は バービーではなく 他のケンだった 267 00:22:12,769 --> 00:22:13,901 "戦争だ" 268 00:22:15,118 --> 00:22:16,027 "バービーと?" 269 00:22:16,107 --> 00:22:16,760 "ケン" 270 00:22:16,850 --> 00:22:17,781 "俺ら?" 271 00:22:17,871 --> 00:22:18,869 "他のケン" 272 00:22:19,077 --> 00:22:24,699 バービーの映画はここまで 家父長制を説明するのに役立ってきた 273 00:22:24,812 --> 00:22:30,351 だが男性同士の争いについては この物語の有用性は限られている 274 00:22:30,452 --> 00:22:32,811 "ビーチは手に余るな" 275 00:22:32,911 --> 00:22:36,071 "ケガさえなきゃやってる" 276 00:22:36,171 --> 00:22:37,637 "何でもやろう" 277 00:22:37,727 --> 00:22:43,354 例えば家父長制が何か知る前から 278 00:22:43,445 --> 00:22:50,520 ケンとケンはバービーの気を引くために 激しい競争を繰り広げていた 279 00:22:51,052 --> 00:22:53,164 "君には無理だろ" 280 00:22:53,266 --> 00:22:57,527 バービーの脚本はここで 少しひねりを入れすぎた 281 00:22:57,633 --> 00:23:05,405 重なり合う比喩や寓話が多いため ケンについてのメッセージが複雑だ 282 00:23:05,539 --> 00:23:13,563 ケン同士の敵対関係は女性同士の争いを 性別転換させたものかもしれない 283 00:23:13,665 --> 00:23:18,841 "僕が存在できるのは 君の視線のぬくもりの中だけ" 284 00:23:18,941 --> 00:23:24,256 しかしそれでは家父長制批判としては あまり成功していない 285 00:23:24,370 --> 00:23:29,742 ケンの競争心には男性特権の 響きが感じられるからだ 286 00:23:29,859 --> 00:23:32,506 "怖いんだな 誘われてもない" 287 00:23:32,616 --> 00:23:37,429 映画前半のこの振る舞いは 家父長制が絡むものではない 288 00:23:37,538 --> 00:23:39,728 そうであるべきなのに 289 00:23:39,837 --> 00:23:40,706 "ハイ バービー" 290 00:23:42,141 --> 00:23:43,126 "ハイ ケン" 291 00:23:43,248 --> 00:23:48,247 支配への執着は男性を 恐怖の連鎖に閉じ込める 292 00:23:48,358 --> 00:23:49,513 "ハイ バービー" 293 00:23:49,862 --> 00:23:50,563 "ハイ ケン" 294 00:23:50,663 --> 00:23:55,505 男性は支配を重視するほど それを失うことを恐れる 295 00:23:56,504 --> 00:24:01,507 それにより男性は他の男性への 劣等感に悩まされる 296 00:24:01,612 --> 00:24:06,666 男性たちは自らの男らしさに 安心感を感じることができない 297 00:24:06,775 --> 00:24:11,126 "ケンと賭けをした 帰ればダサいと思われる" 298 00:24:11,226 --> 00:24:12,710 "ケンはダサいものよ" 299 00:24:12,804 --> 00:24:13,563 "ダサくない" 300 00:24:13,633 --> 00:24:19,718 映画では家父長制の支配権争いが 奇妙なバレエの夢で最高潮に達する 301 00:24:19,824 --> 00:24:24,139 しかし現実世界での帰結は 深刻なものになりうる 302 00:24:24,996 --> 00:24:30,725 現実世界での暴力はほぼ 男性による男性へのものだ 303 00:24:31,886 --> 00:24:37,099 この現実からの転用がバービーの 家父長制打倒計画の一部だが 304 00:24:37,209 --> 00:24:41,875 ケンを騙して互いに戦わせよう というのは間違った考えだ 305 00:24:41,975 --> 00:24:46,955 "ケンたちの自尊心と嫉妬心をもて遊んで お互いを敵にさせるの" 306 00:24:47,074 --> 00:24:51,754 このシーンは面白いし 曲の選択も完璧だが 307 00:24:51,854 --> 00:25:00,022 攻撃的な行動は家父長制の特徴であり 利用できる男性のバグではない 308 00:25:00,739 --> 00:25:02,539 "潰し合ってる" 309 00:25:02,629 --> 00:25:09,248 男性の暴力は女性に操られて 行うものではない 310 00:25:10,322 --> 00:25:16,772 また描かれていないのは 家父長制がいかに 男性に圧力をかけ自傷させているかだ 311 00:25:16,888 --> 00:25:21,735 直接的 間接的に 依存症や危険な行動で 312 00:25:23,695 --> 00:25:27,764 弱さの表出の禁止が 問題をさらに複雑にする 313 00:25:27,864 --> 00:25:34,550 男性は助けを求めることが困難になり 感情的な支援関係を築けない 314 00:25:34,650 --> 00:25:35,335 "ケン" 315 00:25:35,425 --> 00:25:36,464 "バービー" 316 00:25:36,905 --> 00:25:38,350 "どこまで見てた?" 317 00:25:38,451 --> 00:25:43,429 もちろんすべての人が 愛や養育を必要とする 318 00:25:44,350 --> 00:25:49,630 しかし家父長制はケア行動を 女性的と決めつけているため 319 00:25:49,740 --> 00:25:57,560 男性は真の男のアイデンティティを保つため 感情面を犠牲にせざるをえないと感じている 320 00:25:57,675 --> 00:26:04,059 その結果 特にストレートの男性は 女性に責任があると間違って信じている 321 00:26:04,159 --> 00:26:06,672 "でも泊めたくない" 322 00:26:06,912 --> 00:26:08,004 "ケンのせい?" 323 00:26:08,091 --> 00:26:09,626 "ケンは友達" 324 00:26:09,706 --> 00:26:10,352 "おやすみ" 325 00:26:10,432 --> 00:26:15,857 拒絶されることが 感情を女性に 奪われることだと感じたとしても 326 00:26:15,967 --> 00:26:25,084 それは女性ではなく家父長制の問題だ 家父長制が男性の感情をブロックしている 327 00:26:25,179 --> 00:26:30,088 だからバービーに拒絶された時 ケンは激怒する 328 00:26:30,205 --> 00:26:32,938 "いやお前が俺をダメにした!" 329 00:26:33,035 --> 00:26:36,139 そして自分を含めみんなを傷つける 330 00:26:38,059 --> 00:26:39,613 "僕を見るな!" 331 00:26:41,523 --> 00:26:49,567 「The Will to Change」という本で 家父長制下の男性が説明されている 332 00:26:49,683 --> 00:26:59,331 "少年たちに自らの弱さを軽蔑するよう 教えることは 自ら魂の殺人者となるように 彼らを社会化する一つの方法である" 333 00:26:59,435 --> 00:27:03,803 ケンが家父長制下で幸せではなかったのも 不思議ではない 334 00:27:03,938 --> 00:27:11,949 ケンダムランドで彼は遠ざかっていた バービーから 自身の感情から 他のケンから 335 00:27:13,984 --> 00:27:20,536 嘘発見器にかけられたジュリア・フォックスが TikTokで流行っている 336 00:27:20,654 --> 00:27:24,132 "家父長制が嫌いですが いい男性もいっぱいいる" 337 00:27:24,222 --> 00:27:25,034 "質問に答えて" 338 00:27:25,114 --> 00:27:27,164 "男性は憎んでいません" 339 00:27:27,262 --> 00:27:28,198 "嘘です" 340 00:27:29,191 --> 00:27:36,643 流行った動画はここで切られているが 続きの部分は示唆に富んでいる 341 00:27:36,752 --> 00:27:45,549 "女性を抑圧して得している男性がいる 文化 社会 宗教の場面で" 342 00:27:45,659 --> 00:27:49,295 "男性がもっとこの問題に 立ち上がってほしい" 343 00:27:49,415 --> 00:28:00,960 男性全員は憎んでいないと説明している 憎んでいるのは男性が何もしていないという事実だ 344 00:28:01,069 --> 00:28:05,008 では制度を終わらせるため 男性には何ができるのか 345 00:28:05,108 --> 00:28:06,971 "ケンだ 見つかった" 346 00:28:07,878 --> 00:28:14,867 ここで説明のためにアレンを使おう バービーの革命に加わった唯一の男だ 347 00:28:14,985 --> 00:28:17,187 カメオの二人は脇に置こう 348 00:28:17,290 --> 00:28:18,500 "シュガー・ダディ?" 349 00:28:18,604 --> 00:28:22,611 "そういう名前じゃない 犬がシュガーで 私がダディ" 350 00:28:22,711 --> 00:28:24,623 "私には魔法のイヤリング" 351 00:28:24,719 --> 00:28:32,743 この3人のキャラはクィア的だ 男性だが彼らは疎外されている 352 00:28:33,195 --> 00:28:41,478 男性が家父長制から抜け出そうとする時に よくある間違いをアランは体現している 353 00:28:41,593 --> 00:28:45,829 最初アランは何もしていなかった 354 00:28:45,931 --> 00:28:53,088 傍観者であり ケンダムランドでの 権力レベルを測る役割でしかなかった 355 00:28:53,197 --> 00:28:55,787 "アランもマッサージ楽しんでる" 356 00:28:55,877 --> 00:28:57,147 "楽しんでない" 357 00:28:57,237 --> 00:28:58,403 "足もみ大好き" 358 00:28:58,503 --> 00:29:05,053 現実世界にいる男性のようにアランは 積極的には女性の抑圧に加担しない 359 00:29:05,175 --> 00:29:07,679 しかし反対もしない 360 00:29:08,314 --> 00:29:10,113 "こんなの消しちまえ!" 361 00:29:10,209 --> 00:29:17,040 アランがしたのは逃げることだった 逃げ道を見つけて利用した 362 00:29:17,110 --> 00:29:17,589 "誰?" 363 00:29:17,659 --> 00:29:20,583 "アランだ ケンから逃げたい" 364 00:29:20,693 --> 00:29:23,742 "あれ以上いたら心が折れる" 365 00:29:23,842 --> 00:29:32,458 現実の男性は家父長制から出られない それは社会全体に織り込まれているからだ 366 00:29:32,590 --> 00:29:33,435 "どうする?" 367 00:29:33,545 --> 00:29:35,365 "車に乗って歌ってて" 368 00:29:35,465 --> 00:29:40,633 次にアランがしたのは 騎士道的な暴力を振るうことだった 369 00:29:41,853 --> 00:29:48,057 女性が直面する不公正を知ったあと 問題から距離を置こうとする男性もいる 370 00:29:48,188 --> 00:29:53,662 悪い男を叩くことで 自分の責任から逃れようとするのだ 371 00:29:54,627 --> 00:30:01,967 だが家父長制は人ではない 社会制度の顔にパンチはできない 372 00:30:02,890 --> 00:30:07,924 "大変だ ケンカをした フェミニズムを解決した" 373 00:30:08,030 --> 00:30:11,930 "やったんだよ ニュース級の戦いだった" 374 00:30:12,016 --> 00:30:19,955 そして多くの場合 男性の暴力は役に立たない それは家父長制的価値観の再現になるだけだ 375 00:30:20,058 --> 00:30:28,317 アランはフラフラするが 最後には バービーの革命に参加し共に立ち上がる 376 00:30:28,435 --> 00:30:33,778 だがアランは ケンと対立しようとはしない 377 00:30:34,010 --> 00:30:40,440 残念だ 他の男性にできる最も重要なことは 他の男性の行動に抗議することだからだ 378 00:30:40,973 --> 00:30:44,984 家父長制の風潮に 逆らうよう呼びかけられる 379 00:30:47,456 --> 00:30:55,115 男女の幸福に有害であるにもかかわらず 家父長制は多くの人にとって見えないままだ 380 00:30:55,221 --> 00:30:59,369 バービーの映画は完全ではないが それを可視化した 381 00:30:59,482 --> 00:31:07,485 これが右翼言論人がこのファンタジーに 脅威を感じてしまった理由だろう 382 00:31:07,592 --> 00:31:16,174 映画は家父長制を描いただけでなく それが必然のものではないことを示唆している 383 00:31:16,279 --> 00:31:22,846 そうしてすべての社会制度に関する 真実を示している 解体できると 384 00:31:22,963 --> 00:31:27,149 "バービーもケンも 影で生きるべきじゃない" 385 00:31:27,259 --> 00:31:28,398 "アランも" 386 00:31:29,070 --> 00:31:36,422 制度に立ち向かう選択は 男性にとって危険だが 女性は特にそうだ 387 00:31:36,792 --> 00:31:44,348 それでも世界中で女性たちが 家父長制に挑んでいる かつてないほどに 388 00:31:44,453 --> 00:31:50,332 そして現実に日々多くの男性が 女性と共に立ち上がることを選んでいる 389 00:31:50,455 --> 00:31:56,488 自由と人間性を取り戻す 戦いに参加することを 390 00:31:56,859 --> 00:31:58,714 "ありがとう"