WEBVTT 00:00:10.470 --> 00:00:13.350 前回 私がTEDの 00:00:13.350 --> 00:00:16.496 メインステージに立ったのは 00:00:17.740 --> 00:00:21.584 2013年2月のことでした 00:00:23.622 --> 00:00:26.929 カリフォルニア州 ロングビーチでした 00:00:29.734 --> 00:00:33.061 その際 TEDから賞金をいただきました 00:00:33.302 --> 00:00:34.910 100万ドルです 00:00:35.670 --> 00:00:37.548 私個人の口座に入るかと思ったのですが 00:00:37.548 --> 00:00:39.555 そうはしてもらえませんでした 00:00:39.555 --> 00:00:41.034 (笑) 00:00:41.034 --> 00:00:43.189 賞金は大学に贈られました 00:00:43.688 --> 00:00:48.443 それはともかく 私はこうしてまた TEDのステージに立っています 00:00:50.781 --> 00:00:52.864 100万ドル 使っちゃいました 00:00:53.066 --> 00:00:54.408 (笑) 00:00:55.364 --> 00:00:57.958 あれから何が起きたか お話ししましょう 00:00:58.210 --> 00:01:00.256 あの賞金で私が何をしたか 00:01:00.256 --> 00:01:04.343 現在どうなっているか 皆さんにご報告しようと思います 00:01:04.343 --> 00:01:06.780 まだ使い切ってません ちょっぴり残っています 00:01:06.780 --> 00:01:08.404 (笑) 00:01:10.816 --> 00:01:16.124 TEDから賞をいただいた際 副賞もいただいたんです 00:01:17.374 --> 00:01:23.063 サンダンス・インスティテュートが プロジェクトの全容を 00:01:23.724 --> 00:01:26.918 『クラウド上の学校』という題の ドキュメンタリーにしてくれました 00:01:27.285 --> 00:01:30.901 現時点では まだ完成していないのですが 00:01:31.295 --> 00:01:33.805 予告編を手に入れましたので 00:01:33.805 --> 00:01:36.666 皆さんにご覧いただこうかと思います 00:01:39.837 --> 00:01:43.111 (映像)スガタ・ミトラ: 学習の未来は どうなっていくでしょうか 00:01:44.664 --> 00:01:49.654 「知」そのものが時代遅れになる― 00:01:49.654 --> 00:01:52.245 そんな日が来るのでしょうか 00:01:52.704 --> 00:01:56.202 学校に行く必要は なくなるのでしょうか 00:01:57.000 --> 00:02:00.411 知りたいと思ったら 何でも 00:02:00.411 --> 00:02:02.965 2分で調べがつくように なるのでしょうか 00:02:02.965 --> 00:02:04.930 [2013年 スガタ・ミトラはTEDに 00:02:04.930 --> 00:02:07.510 学習の未来を見つけるための 助けを求めました] 00:02:08.570 --> 00:02:11.384 私の願いは教育施設をつくること 00:02:12.140 --> 00:02:15.409 まとめ役が提示した 大きな疑問をきっかけに 00:02:15.790 --> 00:02:19.478 子どもたちが知的冒険の旅に出る そんな場です 00:02:19.740 --> 00:02:22.262 この施設は事実上 無人です 00:02:22.262 --> 00:02:24.840 名前は「クラウド上の学校」です 00:02:29.404 --> 00:02:32.460 女性:息子には教育を受けさせたいと 強く望んでいますが 00:02:32.460 --> 00:02:35.174 学校の状況からすると それは難しいのです 00:02:35.174 --> 00:02:36.864 [コラカティにある元小学校] 00:02:36.864 --> 00:02:39.117 良い教師は へき地には行きません 00:02:39.117 --> 00:02:42.789 へき地に行けば行くほど 初等教育の質が落ちます 00:02:42.789 --> 00:02:45.543 [スガタはプロジェクトの実施場所に インドの農村部と― 00:02:45.543 --> 00:02:47.163 イングランド北東部を選んだ] 00:02:47.163 --> 00:02:50.441 どうやって「クラウド上の学校」を つくるか わかりません 00:02:50.441 --> 00:02:52.496 つくったことないですから 00:02:53.545 --> 00:02:55.825 デザインを考案中です 00:02:55.825 --> 00:02:59.485 子どもたちのものになり 子どもたちが運営できるようなデザインです 00:02:59.485 --> 00:03:02.580 そんな状況です 壮大な実験ですよ 00:03:05.706 --> 00:03:08.528 我々が知る「学校」というものは 時代遅れなのです 00:03:09.563 --> 00:03:11.443 先生:始まった途端に 00:03:11.443 --> 00:03:13.933 生徒たちが盛り上がり 楽しそうにする様子を見て 00:03:13.933 --> 00:03:17.936 自分の授業や教師という役割に対する 見方が変わりました 00:03:17.936 --> 00:03:21.659 教室の前で話すことが減り 子どもたちに任せることが増えました 00:03:23.595 --> 00:03:25.937 女子生徒:とても気に入っています 自主性があるし 00:03:25.937 --> 00:03:27.927 友達と協働できますから 00:03:27.927 --> 00:03:31.337 スガタ:コラカティはイングランドの学校と 違うかもしれないし同じかもしれない 00:03:31.337 --> 00:03:33.537 そこを見ていくのが楽しみです 00:03:33.791 --> 00:03:36.505 ここに建つ建物の前面を ガラス張りにして 00:03:37.005 --> 00:03:38.439 スカイプで入ってくる― 00:03:38.439 --> 00:03:40.764 まとめ役の人を等身大で映し出すための 00:03:40.764 --> 00:03:43.236 大型スクリーンを設置する考えです 00:03:43.443 --> 00:03:46.443 男の子:ロンドンにいる先生が インターネットを使って教えてくれます 00:03:50.927 --> 00:03:53.821 女性:コンピュータについて 知りたかったことなんて 00:03:53.821 --> 00:03:55.362 オフにする方法ぐらいでした 00:03:56.707 --> 00:03:57.865 こんにちは 00:03:57.865 --> 00:03:59.863 こんにちはラヴィーン こんにちは 00:03:59.863 --> 00:04:01.442 会えてうれしいわ 00:04:02.122 --> 00:04:03.472 見て これ作ったのよ 00:04:03.662 --> 00:04:06.248 何かわかる? おっとっと 00:04:06.248 --> 00:04:07.887 (笑) 00:04:07.889 --> 00:04:09.587 男の子:英語は世界中で使われています 00:04:09.587 --> 00:04:13.334 小さいうちから習っておけば 大人になって役立ちます 00:04:15.634 --> 00:04:17.391 女性:子どもが知りたいと思ったときに 00:04:17.391 --> 00:04:19.231 どこへ行き どう探せばいいか 00:04:19.231 --> 00:04:22.000 わかるようにしていきます 00:04:22.000 --> 00:04:25.713 スガタ:裕福な子どもたちには 学習を助ける人がついているものです 00:04:25.713 --> 00:04:27.863 しかし荒廃した地区の子どもたちほど 00:04:27.863 --> 00:04:30.993 本当に学習の仕方を知る必要があり 切実なのです 00:04:31.593 --> 00:04:33.533 そこで役に立つのがインターネットです 00:04:34.082 --> 00:04:37.314 ハチの巣や雷雨と同じく 学習というのは 00:04:37.431 --> 00:04:39.766 創発現象の1つです 00:04:39.766 --> 00:04:43.719 学習を強制するのではなく 学習を自然に発生させるのです 00:04:44.337 --> 00:04:46.719 [クラウド上の学校] 00:04:46.719 --> 00:04:48.739 (拍手) 00:04:59.560 --> 00:05:01.230 プロジェクトを考えました 00:05:02.440 --> 00:05:03.760 TEDのためのプロジェクトです 00:05:03.760 --> 00:05:07.516 受け取った賞金をどう使うか あちらが指示してくるんですよ 00:05:08.962 --> 00:05:10.632 そこでプロジェクトを作りました 00:05:10.632 --> 00:05:14.542 7つの研究所を建てるプロジェクトです 00:05:16.222 --> 00:05:18.292 7つの学習研究所です 00:05:18.762 --> 00:05:23.153 5つはインドに 2つはイングランドに建てます 00:05:25.048 --> 00:05:26.908 どんな研究所でしょう? 00:05:26.908 --> 00:05:31.098 それ以前に起きたことを知らないと わからないでしょうね 00:05:31.098 --> 00:05:32.778 詳しくは説明しませんが 00:05:32.778 --> 00:05:36.727 TEDプライズの前の15年を通じて 00:05:37.748 --> 00:05:41.628 私が理解に至ったことがあります 00:05:41.628 --> 00:05:44.388 皆さんが知っていて 2分でわかるようなことです 00:05:44.978 --> 00:05:48.012 つまり疑問がわいたとき 00:05:49.168 --> 00:05:52.894 答えを求めて尋ねる相手は もう人間ではないということです 00:05:54.272 --> 00:05:57.802 答えを教えてくれるものがありますね 00:05:58.702 --> 00:06:00.392 何のことでしょう? 00:06:01.062 --> 00:06:03.212 インターネットですね クラウドと呼んでいます 00:06:04.867 --> 00:06:07.710 私に言わせれば これは人間以外で初の 00:06:09.737 --> 00:06:12.357 意識と知性を持った存在です 00:06:12.897 --> 00:06:14.757 私たちはとうとう出会いました 00:06:15.098 --> 00:06:19.303 私たちはずっと他の星から エイリアンが来るんだと思っていました 00:06:20.146 --> 00:06:23.796 足が長く丸い目をした 緑色の異星人です 00:06:24.744 --> 00:06:26.984 実際は違っていました 00:06:28.476 --> 00:06:32.276 エイリアンの実体は40億人から 成り立っています 00:06:33.382 --> 00:06:36.703 ただし人ではありません 物体です 00:06:38.416 --> 00:06:42.506 その物体に尋ねれば 知りたいことは何でも教えてくれます 00:06:43.667 --> 00:06:47.977 そういう状況の中で 子どもたちと教育はどうなっていくでしょう 00:06:50.570 --> 00:06:52.686 世界中から報告が届いています 00:06:52.686 --> 00:06:56.377 子どもたちが人間に質問することは なくなってきています 00:06:57.474 --> 00:07:00.254 人間に質問しなければならないとすれば 00:07:00.254 --> 00:07:02.944 それは携帯電話に尋ねた後での話です 00:07:05.124 --> 00:07:09.601 子どもたちは四則演算を習いたがりません 00:07:10.646 --> 00:07:13.964 とっくにやり方を知っているからだそうです 00:07:13.964 --> 00:07:16.127 電話でできます 00:07:16.964 --> 00:07:21.129 子どもたちは特に読み方を 覚えたがりません 00:07:22.491 --> 00:07:26.839 読み方がわからなくても 読み上げてくれるものが 00:07:27.551 --> 00:07:29.501 あるからだそうです 00:07:31.215 --> 00:07:34.744 いまの子どもたちは 手書きを嫌がります 00:07:34.744 --> 00:07:36.370 どうして手書きを 00:07:36.370 --> 00:07:38.970 習わなくちゃいけないか 知りたいと言います 00:07:38.970 --> 00:07:41.813 一生のうちに手書きをすることなんて あるでしょうか? 00:07:42.500 --> 00:07:46.407 さて このように読み書きそろばんが 見下された世界では 00:07:46.407 --> 00:07:49.640 どんなことが起きるでしょうか 00:07:51.281 --> 00:07:53.901 そんな世界で 実験をしてみたいと思いました 00:07:54.771 --> 00:07:59.110 インターネットが使える 子どもたちのための施設をつくり 00:08:00.929 --> 00:08:03.959 子どもたちはその中で 好きなことをやるというアイデアです 00:08:03.959 --> 00:08:07.249 そこには監督も先生もいません 00:08:09.179 --> 00:08:11.620 いるとすれば 子どもたちに求められた場合で 00:08:11.969 --> 00:08:15.349 どこか他の場所からインターネットを使い 00:08:16.262 --> 00:08:17.692 スカイプで登場します 00:08:18.600 --> 00:08:22.570 8歳から13歳ぐらいの子どもたちと 一緒にやっています 00:08:25.289 --> 00:08:28.589 彼らはスカイプで 大人と話すのが大好きです 00:08:31.589 --> 00:08:35.729 相手が引退した教員だったりすると 特に喜びます 00:08:37.289 --> 00:08:38.422 子どもたちに尋ねました 00:08:39.621 --> 00:08:41.943 「なぜそんなに好きなの? 気に入ってるの?」 00:08:41.953 --> 00:08:43.547 「うん 大好きだよ」 00:08:43.547 --> 00:08:45.634 「なぜそんなに好きなの?」 00:08:45.634 --> 00:08:48.469 「だってね オフにしたら先生を消せちゃうんだよ」 00:08:48.469 --> 00:08:50.048 (笑) 00:08:55.608 --> 00:08:58.456 2013年2月以降に私がやったことは 00:08:59.538 --> 00:09:03.731 まず場所を探すこと それから建設を始めました 00:09:05.634 --> 00:09:10.768 7つの研究所がカバーするのは 本当に辺ぴな地域― 00:09:13.944 --> 00:09:15.134 その地域とは 00:09:16.254 --> 00:09:20.679 電気も医療機関も学校もなく 何もない ただの荒地ですが 00:09:21.508 --> 00:09:23.760 そのような へき地から 00:09:24.978 --> 00:09:27.978 イングランドの中流層が住む地域までの 00:09:27.978 --> 00:09:30.377 いろいろな場所をカバーします 00:09:31.698 --> 00:09:34.070 7つの研究所の建設が終わり 00:09:34.770 --> 00:09:38.332 今月 最後の1つを オープンさせたばかりです 00:09:39.072 --> 00:09:40.384 最初の研究所は 00:09:40.384 --> 00:09:43.531 2013年11月にオープンしました 00:09:47.616 --> 00:09:49.758 TEDプライズを受賞した年です 00:09:49.908 --> 00:09:52.518 ご覧ください その研究所の写真です 00:09:53.398 --> 00:09:56.078 イングランドの キリングワースという町にあります 00:09:56.674 --> 00:09:59.314 実は学校の中にあるんです 00:09:59.734 --> 00:10:02.684 ジョージ・スティーブンソン高校という 学校です 00:10:03.513 --> 00:10:05.902 ジョージ・スティーブンソンの家の すぐ近くです 00:10:05.902 --> 00:10:09.072 蒸気機関を初めて動かした人物ですよね 00:10:11.052 --> 00:10:12.442 キリングワースでは 00:10:14.976 --> 00:10:16.358 部屋はこんな感じで 00:10:17.210 --> 00:10:21.914 素敵な休憩室みたいでしょう コンピュータやXboxもあります 00:10:27.923 --> 00:10:29.973 この部屋ができたとき 先生たちは 00:10:29.973 --> 00:10:32.073 「スガタ これはやりすぎだよ 00:10:32.073 --> 00:10:35.543 Xboxなんかがあったら 生徒たちはどうなると思います? 00:10:35.543 --> 00:10:38.713 Xboxで遊んでばかりになりますよ」 と言いました 00:10:39.749 --> 00:10:42.169 私は言いました 「それこそが我々の課題でしょう」 00:10:42.169 --> 00:10:45.029 部屋へ入っていって 地理を教えるとして 00:10:45.619 --> 00:10:47.929 生徒たちがXboxで遊ぶようなら 00:10:48.649 --> 00:10:52.016 地理はXboxより退屈だということです 00:10:53.395 --> 00:10:57.545 そうなったら地理の方をしっかり調査して カリキュラムから外すなり 00:10:58.064 --> 00:11:00.864 どうにかして地理を Xboxに入れるなりすべきです 00:11:01.916 --> 00:11:05.461 子どもたちに言いつけるなんてダメです 「Xboxを取り上げて 00:11:06.046 --> 00:11:09.674 ゲーム以外のことをするように 学校に入れますよ」 00:11:12.023 --> 00:11:16.068 それは子どもの注意を引くやり方として 正しくありません 00:11:17.043 --> 00:11:19.553 その部屋で何が起きているか ご覧ください 00:11:20.216 --> 00:11:23.096 部屋の隅にいる5人の子どもたちは 00:11:23.096 --> 00:11:25.087 何か調べ物をしていますね 00:11:25.087 --> 00:11:27.251 1人はXboxをやっています 00:11:27.251 --> 00:11:30.221 十分に興味をそそるものが 与えられていれば 00:11:30.231 --> 00:11:33.194 子どもたちはXboxし放題になど ならないのです 00:11:34.001 --> 00:11:36.011 我々の思い違いでした 00:11:37.795 --> 00:11:39.895 これもキリングワースの写真です 00:11:39.895 --> 00:11:43.566 彼らがやっているのは 自己学習環境というものです 00:11:44.824 --> 00:11:49.067 とても単純なものです コンピュータ5台と子ども20人を 00:11:50.454 --> 00:11:54.079 部屋に入れて質問を投げかけます 00:11:54.714 --> 00:11:57.828 おもしろい質問でなくてはなりません 00:11:59.054 --> 00:12:00.932 私たちは「大きな疑問」と呼んでいます 00:12:02.054 --> 00:12:03.734 「大きな疑問」とはどんなものでしょう 00:12:05.004 --> 00:12:09.238 内容は多種多様です 例を挙げましょう 00:12:12.849 --> 00:12:17.343 たとえばこんな問題です 「樹木は考えることができるだろうか?」 00:12:21.099 --> 00:12:25.954 こんな質問を投げかけると 子どもたちはまずブツブツ言います 00:12:25.954 --> 00:12:28.954 「木には無理でしょ」 「できるかも」「わかんない」 00:12:28.954 --> 00:12:31.534 あとは放っておき 子どもたちにこう言います 00:12:31.534 --> 00:12:35.784 「私も答えは知らないんだけど 調べてみたらどうかな?」 00:12:36.164 --> 00:12:39.584 すると こうなります ご覧のとおりです 00:12:40.176 --> 00:12:43.865 30~40分経つと子どもたちが寄ってきて 00:12:44.736 --> 00:12:47.901 子どもらしからぬ結果を持ってきます 00:12:49.116 --> 00:12:51.977 彼らが持ってくるのは 思考の本質であったり 00:12:51.977 --> 00:12:54.905 生物学の最近の進歩だったりします 00:12:55.605 --> 00:12:59.276 これぞ自己学習環境です 00:12:59.826 --> 00:13:02.802 こちらはニューデリーの カルカジでの様子です 00:13:05.058 --> 00:13:09.867 壁にはスカイプで現れたまとめ役がいます ここは女子校です 00:13:12.694 --> 00:13:15.344 生徒たちは最初 英語を一言も話せませんでした 00:13:15.344 --> 00:13:18.248 2014年2月にオープンしました 00:13:21.184 --> 00:13:23.607 調査チームを送り込んで 00:13:24.477 --> 00:13:27.798 当初の英語レベルを測定させました 00:13:28.260 --> 00:13:30.284 結果は ほぼゼロでした 私はこう言いました 00:13:30.284 --> 00:13:33.779 「2ヶ月おきぐらいに測定しよう」 00:13:35.154 --> 00:13:36.819 3日ぐらい経って 00:13:36.819 --> 00:13:40.381 ここに映っているまとめ役と スカイプで話す中で 00:13:41.728 --> 00:13:44.414 私は尋ねました 「そっちの調子はどう?」 00:13:44.414 --> 00:13:46.744 彼女は「とても良いわよ 本当に良い子ばかり 00:13:46.744 --> 00:13:50.274 1人の子にこう言われたわ 『次はいつ来るの?』」 00:13:50.854 --> 00:13:53.764 私は言いました 「その子は何語で言ったの?」 00:13:54.584 --> 00:13:56.804 まとめ役の返事は「英語」でした 00:13:58.968 --> 00:14:03.538 1ヶ月後にレベルを測定しようと 研究チームを送り込んだところ 00:14:04.638 --> 00:14:08.275 彼女に「遅すぎる」と言われました もう出来上がっていました 00:14:08.822 --> 00:14:10.999 こんなに速い変化は 見たことがありません 00:14:10.999 --> 00:14:13.189 私はデリーに出向き 生徒たちに尋ねました 00:14:13.189 --> 00:14:16.047 「どうしてこんなに速く できるようになったの?」 00:14:16.655 --> 00:14:19.315 彼女たちの答えは 実に驚くべきものでした 00:14:19.767 --> 00:14:22.767 「テレビ画面に現れる あの女の人 知ってるでしょ?」 00:14:22.767 --> 00:14:25.429 「あの人 英語しかわからないの」 00:14:25.808 --> 00:14:27.453 (笑) 00:14:27.911 --> 00:14:29.552 なんとも単純なことでした 00:14:32.185 --> 00:14:35.342 こちらはイングランドの ニュートン・エイクリフという小さな町です 00:14:37.129 --> 00:14:40.538 地図を思い浮かべたなら 北東部にあります 00:14:41.567 --> 00:14:43.560 グリーンフィールズという学校で 00:14:44.540 --> 00:14:47.625 ここに私たちの「クラウド上の学校」が あります 00:14:48.370 --> 00:14:52.236 ここでは壁の一面がガラスにしてあります 00:14:53.550 --> 00:14:58.211 その向こう側には典型的な英国の郊外の 緑が広がっています 00:15:00.498 --> 00:15:04.188 室内には人工芝を敷き詰めました 部屋に入ると 00:15:04.188 --> 00:15:06.731 いきなり外にいるような気分になります 00:15:06.731 --> 00:15:08.811 芝がつながって見えるからです 00:15:08.811 --> 00:15:12.877 室内にベンチやガス灯などをしつらえて 00:15:13.681 --> 00:15:16.383 その間にコンピュータを何台か 置いています 00:15:17.983 --> 00:15:23.191 ですから子どもたちがこの部屋に入り 好きにさせておく間― 00:15:23.805 --> 00:15:26.589 ちなみに自己学習環境を 実施している間は 00:15:26.739 --> 00:15:30.096 先生はその場に留まらず 外へ出ることになっています 00:15:30.593 --> 00:15:33.333 先生は授業を始めたら 出て行ってしまうのです 00:15:33.812 --> 00:15:37.802 部屋の外からガラス越しに 子どもたちの様子を観察します 00:15:40.730 --> 00:15:43.526 ある時 ごく最近ですが グリーンフィールズで 00:15:43.820 --> 00:15:48.798 8歳の子たちが先生に言われて この部屋にやってきました 00:15:49.810 --> 00:15:53.080 先生は言いました これは自己学習環境でよくやることですが 00:15:53.080 --> 00:15:54.510 子どもたちに こう言うんです 00:15:54.510 --> 00:15:56.840 「今から45分間 先生は皆に― 00:15:56.840 --> 00:15:59.497 話しかけることができません 皆も先生に話しかけてはいけません」 00:15:59.840 --> 00:16:01.738 コミュニケーション無しです 00:16:01.738 --> 00:16:05.276 自分たちで頑張ります 「大きな疑問」が与えられます 00:16:05.552 --> 00:16:07.155 先生はこれをやりました 00:16:08.264 --> 00:16:12.096 8歳児たちは取り組んでいました 00:16:14.018 --> 00:16:16.238 しばらくして― 先生の言葉を覚えていますか? 00:16:16.238 --> 00:16:18.588 「先生は皆に話しかけない 皆も先生に話しかけない」 00:16:19.020 --> 00:16:22.426 しばらくして生徒の1人が ガラス窓のところへやってきて 00:16:22.426 --> 00:16:28.136 手にした紙を持ち上げました そこにはこう書いてありました 00:16:28.146 --> 00:16:29.936 「助けて!もうお手上げ」 00:16:30.268 --> 00:16:31.885 (笑) 00:16:33.911 --> 00:16:36.531 先生が「コミュニケーションを とってはいけない」ではなく 00:16:36.531 --> 00:16:39.279 「話しかけてはいけない」 と言ったからです 00:16:39.531 --> 00:16:41.781 賢い考えだと思いました 00:16:43.503 --> 00:16:45.943 これもグリーンフィールズの様子です 00:16:47.635 --> 00:16:48.819 こちらもです 00:16:50.065 --> 00:16:52.152 ベンガル州チャンドラコナは 00:16:53.682 --> 00:16:55.792 とても辺ぴな場所です 00:16:57.252 --> 00:17:00.409 インドの地図を思い浮かべたら 00:17:00.812 --> 00:17:05.656 東部を見てください ビルマやタイに近い方です 00:17:07.842 --> 00:17:10.002 そのあたりの地域です 00:17:11.739 --> 00:17:14.645 チャンドラコナにある この建物で 00:17:16.405 --> 00:17:18.493 「クラウド上の学校」をつくりました 00:17:19.405 --> 00:17:23.515 親たちがやってきて言いました みんな農家の人です 00:17:23.925 --> 00:17:25.855 「ここで何をすればいいんだ?」 00:17:25.855 --> 00:17:28.595 私は言いました 「ここへ子どもたちを送ってください」 00:17:28.595 --> 00:17:30.156 彼らは「何のために?」 00:17:30.885 --> 00:17:33.771 私は「ここで学習をするんです」 00:17:34.505 --> 00:17:38.221 彼らはコンピュータを指差して 「あのテレビ画面から?」 00:17:38.405 --> 00:17:41.275 私は「あれはテレビじゃありません コンピュータです」 00:17:41.625 --> 00:17:44.175 彼らは「同じじゃないの?」 00:17:44.175 --> 00:17:46.025 私は「いや ちょっと違います」 00:17:46.845 --> 00:17:50.054 彼らは「誰が教えるの?」 00:17:50.735 --> 00:17:53.425 私は「独習で学びます」 00:17:53.945 --> 00:17:57.545 「どうやって?」 「インターネットを使うんです」 00:17:58.205 --> 00:18:00.145 「インターネットって何?」 00:18:01.955 --> 00:18:03.933 さて どうしましょうか 00:18:06.458 --> 00:18:08.888 内部はこんな感じです 00:18:09.256 --> 00:18:12.716 よく見ていただくと奥の方に 00:18:14.556 --> 00:18:18.355 オーストラリア人男性がいて 子どもたちに話しかけています 00:18:19.676 --> 00:18:22.645 子どもたちのアクセントがどうなるか 考えるとゾッとしますが 00:18:22.935 --> 00:18:25.055 ともあれ子どもたちは先生が大好きです 00:18:25.055 --> 00:18:26.585 (笑) 00:18:27.454 --> 00:18:30.429 3ヶ月後 チャンドラコナを訪れたとき 00:18:31.988 --> 00:18:35.188 背が高くて細身の 女の子がいるんですが 00:18:39.783 --> 00:18:43.043 彼女が言いました 「私たちは本当にこの場所が大好き」 00:18:43.251 --> 00:18:44.811 私は尋ねました「どこが好き?」 00:18:45.805 --> 00:18:48.535 彼女の答えは 「どんなことでも見つけられるところ」 00:18:49.465 --> 00:18:52.325 「たとえば? 今日は何を見つけるつもり?」と聞くと 00:18:52.325 --> 00:18:56.534 彼女は言いました 「学校で 植物が緑色なのは 00:18:58.715 --> 00:19:00.825 クロロフィルのせいだと教わったわ 00:19:00.825 --> 00:19:05.186 そしてクロロフィルは光を取り込んで エネルギーを作り出すの 00:19:07.356 --> 00:19:09.656 今日はクロロフィルが 00:19:09.656 --> 00:19:14.510 なぜ青や黄色や赤じゃなく 緑でなくちゃいけないか調べるつもり 00:19:16.996 --> 00:19:18.421 なぜか知ってる?」 00:19:18.746 --> 00:19:23.226 私は「いや 全然わからないよ なぜ緑じゃなくちゃいけないんだろう」 00:19:24.186 --> 00:19:26.656 彼女は言いました 「きっと調べたらわかるよ」 00:19:28.750 --> 00:19:29.863 3ヶ月ですよ 00:19:31.614 --> 00:19:33.714 これも中の様子です 00:19:34.771 --> 00:19:39.504 こちらは一番のへき地です コラカティという所で ここもインド東部です 00:19:39.995 --> 00:19:42.229 ガンジス川が海に流れ込む場所です 00:19:43.719 --> 00:19:45.227 何もないところです 00:19:45.227 --> 00:19:47.987 電気も医療機関も学校もありません 00:19:48.667 --> 00:19:51.447 何もないは言いすぎでしたね ベンガルトラはいるし 00:19:52.087 --> 00:19:53.467 (笑) 00:19:53.947 --> 00:19:57.987 コブラもいるし たくさんの子どももいます 00:20:00.467 --> 00:20:03.274 建物が要るということで 私がこれを建てました 00:20:03.577 --> 00:20:07.543 太陽光発電ができ 高さ14メートルの塔がついています 00:20:09.251 --> 00:20:10.911 以前はインターネット接続ができず 00:20:10.911 --> 00:20:14.407 受信機を竹竿に くくりつけて 上へ上へと 高さ14メートルまで 00:20:14.407 --> 00:20:19.240 持ち上げていました 今や3Gの8メガバイト毎秒です 00:20:22.497 --> 00:20:26.245 石器時代の暮らしに 3Gが入ってきたというわけです 00:20:29.742 --> 00:20:32.892 チャンドラコナでは 授業がしょっちゅう中断します 00:20:32.892 --> 00:20:35.232 様々な問題が起きますからね 00:20:36.971 --> 00:20:40.214 床にケーブルが這っているのですが― 00:20:40.751 --> 00:20:44.421 すべてのコンピュータをつなぐ インターネットケーブルです 00:20:44.421 --> 00:20:47.831 ああいうケーブルって クリーム色をしてますよね 00:20:49.507 --> 00:20:54.460 あれを取り外して どこかに吊らなければなりませんでした 00:20:55.247 --> 00:20:59.551 というのも とても薄い色の細いヘビがいて 00:21:00.327 --> 00:21:05.909 インターネットケーブルの色に合わせて 体色を変化させ そこで寝るんです 00:21:08.260 --> 00:21:10.040 いささか奇妙な問題です 00:21:10.040 --> 00:21:12.790 皆さんの学校で こんな問題は なかなか起きないでしょう 00:21:12.790 --> 00:21:14.160 (笑) 00:21:16.478 --> 00:21:18.818 インターネットはつながったり切れたりです 00:21:20.168 --> 00:21:22.908 子どもたちは5キロ歩いて学校へ来て 00:21:23.181 --> 00:21:25.996 インターネットがダメなら 5キロ歩いて帰ります 00:21:26.471 --> 00:21:28.971 もちろん彼らはその状況を 良く思っていません 00:21:29.481 --> 00:21:31.351 しかし いろいろある中で 00:21:32.221 --> 00:21:37.611 彼らはゲームを見つけ ダウンロードして遊びます 00:21:39.630 --> 00:21:42.360 どうにかこうにか そこまで行き着くわけです 00:21:43.012 --> 00:21:46.503 つい先日 子どもたちに ウェブページってどんなものか尋ねました 00:21:47.977 --> 00:21:50.462 彼らはしばらく考えて言いました 00:21:50.462 --> 00:21:54.225 「ウェブページは ここにいない誰かが作ってて 00:21:55.032 --> 00:22:00.274 その人はすごく遠くにいるんだけど こういうのを通して送ってくれるんだ 00:22:01.092 --> 00:22:04.024 このクリーム色のヘビみたいなのを 通してね」 00:22:04.268 --> 00:22:05.742 (笑) 00:22:07.018 --> 00:22:10.138 別の施設の最新画像です この写真しかないのですが 00:22:10.138 --> 00:22:12.448 六角形です うちで一番いい建物です 00:22:13.481 --> 00:22:17.626 そこでは研究が始まろうとしています 00:22:19.111 --> 00:22:23.371 建設には膨大な時間がかかり 100万ドルのほとんどを費やしました 00:22:24.402 --> 00:22:26.472 しかし千人もの子どもたちが 00:22:27.751 --> 00:22:31.981 千人もの実に興味深い子どもたちが クラウドに加わることができました 00:22:33.508 --> 00:22:34.733 ありがとうございました 00:22:35.040 --> 00:22:37.100 (拍手)