私は去年皆さんに3つのことをお伝えしました。 お伝えしたのは、世界の統計が 正しく伝えられていないこと。 そのため、私たちは古い常識にとらわれており、 発展途上国と工業先進国の常識が間違っていること。 アニメーショングラフが違いを作ること。 物事は変化します。 今日、国連統計局のホームページにおいて、 2007年5月1日までにデーターベースへの全面的なアクセスができるようになります。 (拍手) スクリーンで皆さんと一緒に見ていきましょう。 三つのことが起きました。 国連は統計データベースをオープンにしました。 さらに、新しいソフトウェアのバージョンがあり ネット上で動きます、 したがって、ダウンロードする必要はないのです。 昨年お見せした内容を、もう一度見ていただきます。 丸は国です。 横軸は出生率です、一人の女性に何人の子供がいるか、 そして縦軸は平均寿命の年数です。 1950年です。ここにいるのが工業先進国です、 ここにいるのが発展途上国です。 この時点では、我々と彼らは別でした。 世界には大きな格差がありました しかし世界は変化しました。良い方向に動いたのです、 これが実際に起こったことです。 中国は赤い大きな丸です、 その青い丸はインドです。 今年はもうすこし真面目に 物事が変化したのかを 説明してみましょう。 アフリカはとり残されています、問題ありです、そうですね? 大家族のままで、HIVが蔓延し、 国家が破綻しました、このように。 これがだいたい昨年お見せしたものです、 今見ていただいているのは未来です。 話を続けましょう。これは可能でしょうか? ここにあるのは、存在しない統計です。 私たちがここ(2003年)にいるのですが、 このグラフのようになるのは可能でしょうか? これを見届けるつもりです 100歳まで生きようと思います。 これが私たちが今日いるところ(2005年)です。 このかわりに世界の経済情勢と 子供の生存率の関係を見ていただきます。 縦軸を変更しましょう: 幼児死亡率に変更します、--生存率です-- ここでは4人の子供が死にます、ここでは200人です。 次に横軸を一人当たりGDPとします。 これが2007年です。 時間をさかのぼってみましょう、歴史的な統計を追加しました-- 戻って、戻って、戻って、--100年前には大して統計がありません。 いくつかの国のみ統計がありました。 書庫をあさって見つけだし、 1820年までさかのぼれました、 オーストリアとスウェーデンだけの統計がわかりました。 (笑) しかし、彼らはここです、1年間に1人当たり1000ドルです。 そして、子供の1/5を最初の誕生日までに失ってしまいます。 これが世界で起こったことです。全世界を見てみれば、 どのようにして少しずつリッチにリッチになってきたか、 統計が追加されてわかるでしょう。 統計が増えるにつれ、美しくなったでしょう? この重要性がわかりますか? ここでは、子供たちは長生きできません。 前の世紀、1870年、ヨーロッパは子供にとって悪い環境でした、 統計のほとんどがヨーロッパのものだからです。 世紀をまたいでようやく、 90%以上の子供が1歳以上生きるようになったのです。 インドが上昇してきます、インドの最初のデータです。 これがアメリカです、ここから動き出して、金を稼でいきます。 すぐに中国があらわれます。この遠い隅の方からやってきます。 健康になっていきます。毛沢東の成果です。 しかし、金持ちにはなっていません。 毛沢東の死後、トウ小平でお金を稼ぐようになりました。 ここからこのように動いています。 このように多くの丸は上昇しました、 これが、今日の世界の姿です。 (拍手) アメリカを見てみましょう。 この機能で、--世界に、ここで止まれと命令できます。 アメリカを取り上げてみましょう-- バックグランドが見たいのです-- このように選択し、過去にさかのぼってみます。 アメリカがこのように 大きな流れの右側へいることがわかります。 いつの時代でも、お金の側にいます。 1915年に戻ると、アメリカはインドの横にいます。 現在のインドのです。 これは、アメリカが豊かになったこと、 しかし、今日のインドよりも多くの子供を失っていたこと、を意味します。 ここを見てください、現代のフィリピンと比較してください。 現代のフィリピンは経済的には、 第一次大戦中のアメリカと同じ程度です。 しかし、健康面でみると、アメリカをかなり未来に進めなくては 同じ健康度とは言えません、 フィリピンと同じ程度にするためには。 1957年で、ようやくアメリカの健康は フィリピンと同じになるのです。 皆さんが言うグローバリズムという「ドラマ」です、 アジア、アラブの国々、ラテンアメリカ、 経済的に恵まれるよりもさきに、より健康に、 より教育され、人の資源に恵まれるようになります。 これが今日起きていることが食い違いがあります、 振興国の経済においてです。 社会的利益、社会的進歩が先で、 経済的な進歩は遅れて続くのです。 1957年、当時のアメリカは現在のチリと同じぐらいの経済力でした。 アメリカを今のチリと同じぐらいに健康にするには、 何年ぐらいかかるでしょうか? 私は、ここまでかかると思います、--2001年か、2002年-- アメリカは、チリと同じぐらいの健康度になりました。 チリは、追いついたのです。 数年で、チリの子供の生存率はアメリカを 追い抜くかも知れません。 これが変化なのです、 健康に関して30、40年のタイムラグがあります。 健康の変化に伴って、教育レベルも変わってきました。 さらに、多くの社会的基盤もです、 一般的な人的資源もあります、 私たちは、これをもっていくことができます-- 皆さんに、スピードの具合をお見せしたいと思います、 変化のスピード、どのぐらい速く変化したのか。 1920年に戻りましょう、日本を見たいと思います。 同時に、スウェーデンとアメリカも見ましょう。 要するに、ここでレースを行うわけです、 ここのアメリカは黄色のフォード、 この下の日本は赤いトヨタ、 スウェーデンは茶色のボルボです。 (笑) さあ、始まり、始まり。 トヨタのスタート地点はメチャクチャ悪いですね、おわかりでしょう。 アメリカのフォードはオフロードを走っています。 ボルボはとても調子が良いですね。 これは戦争です。トヨタは道から外れていたものの、今では トヨタはスウェーデンよりも健康側を走ってきています お分かりですか? スウェーデンを追い越しました、 スウェーデンよりも健康です。 私がボルボを売って、トヨタを買ったからでしょう。 (笑) 日本が猛スピードで変化したのがわかりますね。 本当に追いついたのです。 これは徐々に変化していきます。 何世代分も見なくては理解できません。 ここで、私の家系のことを話しましょう-- このようなグラフを作りました。 これは同じものです、お金がここにあって、健康がここ、わかりますか? これが私の家族です。 これがスェーデンです。1830年、私のひいひいおばあさんが生まれました。 スウェーデンは今のシエラレオネと同じです。 ここが、私のひいおばあさんが生まれたところです、1863年です。 スウェーデンはモザンビークと同じです。 ここが、私のおばあさんの生まれた年で1891年です。 彼女は、私が子供の時に世話をしてくれました、 私が話しているのは統計ではなく 私の家族の歴史です 私が統計を信じるのは、 私のおばあさんが統計を実証したときです。 (笑) これこそが歴史的統計を確認する最高の方法だと思います。 スウェーデンはガーナと同じでした。 とても面白いものです、膨大な多様性が サハラ以南のアフリカで見られることは。 昨年申し上げたことを、もう一度繰り返します。 私の母が生まれた時代のスェーデンは今のエジプトと同じ程度です 私が生まれたのは、今のメキシコと同じ程度です 私の娘が生まれたのは、今のチリと同じ程度です 私の孫が生まれたのは、今のシンガポールと同じ程度です、 地球で最も健康的な国です。 2,3年前にスウェーデンを追い抜きました、 子供の生存率において。 しかし、この国は小さいのです。 彼らはとても病院に近いのです、 邪魔になる森林もありません。 (笑) シンガポールを尊敬します。 シンガポールは最も良い国です、現時点で。 また、これはとても良い話に似ています。 しかし、本当は簡単ではありませんが、とても良い話です。 私は機能の一つをお見せしましょう、 私たちは変数の色を変更することもできます、 ここで何を選びましょうか。 二酸化炭素排出量、国民1人当たりのトン数。 1962年には、アメリカは1人当たり16トンの排出でした。 中国は0.6トンでした。 インドは国民1人当たり0.32トンでした。 時間が経過すると何が起きるでしょうか? そう、皆さんが見ているのは、より豊かになって より健康になる、良い話です-- 人類の全てが、二酸化炭素の排出というコストによって成し遂げました。 今までに、それをした人は誰もいません。 私たちには、最新データが全て集まっているわけではありません、 今日、まさにホットなデータだからです。 さあここをみてください。2001年です。 私が世界的指導者たちと議論した際には、 多くの方が、問題は新興経済国であるとしています、 新興国が二酸化炭素を大量に排出しているのだと。 インドの環境大臣は言いました、 「あなた方こそが問題を引き起こした犯人です。 OECD諸国--高所得国家-- 彼らが気候変動を引き起こしたのです。 しかし許しましょう、知らなかったのだから。 しかし、これからは、私たちは国民1人当たりで計算します。 これからは国民一人当たり計算です。 人類誰もが、一人当たりの排出量で責任があるのです。」 これが示すのは気候の破滅なくして、 世界中の豊かな経済や 健康はありえなかったということです。 これが変わらなくてはいけなかったことです。 私は皆さんに世界の良い面ばかりを見せてると批判されてきました、 しかし、私はそうは思わないのです。 世界は、かなり乱雑なところなのです。 これをドルストリートと呼びましょう。 誰もが、この通りのどこかに住んでいます。 いくら稼ぐのか、--いくら生活にかかるのか-- 一日にどれぐらい稼げるのかによります。 この家族は1日に約1ドル稼ぎます。 さあ、ここから通りをたどってみましょう、 ここにいる家族は、1日に約2、3ドル稼ぎます。 さらに進みます、通りには初めて庭が現れました、 彼らは1日に10から50ドル稼ぎます。 どんな生活をしているのでしょうか。 寝るところを見て、わかるとおり、 彼らは、床で敷物の上で寝ています。 このように、貧困社会では 世帯収入の80%が、エネルギーと その日の食糧に費やされます。 ベッドが手に入るのは、2から5ドルのところです。 ここは、とても良いベッドルームですね。見ての通り。 この講義をイケアの人たちにもしました、 ここにソファーがあるのか知りたかったようです。 (笑) これがソファーです、収入によって変わってきます。 面白いことに、パノラマ写真を見ていくとわかるように、 この家族は、まだ床に座っています、 ここにソファーがあるにもかかわらず。 台所を見てみましょう、見てのとおり、 1ドルと10ドルの間で、女性にとって大差がないことがわかります。 ここにきてようやく、女性にとって 働きやすい環境が、整ってきます。 違いが見たければ、 こちらの、トイレを見ることです。 変化します、変化します。 絵も画像も全てアフリカのものです、 もっと良くなることができます。 私たちは貧困から脱出できるのです。 私の元々の研究はITでも何でもありません。 私は20年間を、アフリカ農民とのインタービューに費やしました、 彼らは飢餓寸前のところでした。 これは農民ニーズの研究の成果なのです。 この画面の良いところは、画像をよくみても 誰が研究者かわからない点です。 研究が社会にとって役立つときは、 皆さんが人々と同居しなくてはなりません。 貧困の中で生きて行くのは生存がかかっています。 食糧を手に入れること。 この二人の若い農民は 両親がHIVとAIDSのために死亡したためです-- 彼女らは、ベテランの農学者と話し合います。 この人はマラウイの中で最高の農学者の1人です、ユナタンベ クンビラと言います、 どのようなキャッサバを植えるか議論しています-- 人類が発見した、日光を食物に変える最高の変換機です。 彼女たちは、とてもとても熱心にアドバイスをもらいたがっています、 貧困の中で、生き残るためです。 それは、ストーリーのひとつです、 貧困からの脱出です。 この女性は次のように言いました。「技術をください。 この臼は嫌いです、何時間もかかります。 製粉機があれば、小麦粉が作れます、 そうすれば、他の家族の分の支払いができるのです。」 技術は、皆さんを貧困から救ってくれます、 貧困から抜け出すには市場が必要です。 この女性はとても幸せです、彼女の品物を市場に運んでいます。 しかし、公共投資による学校教育に彼女はとても感謝しています、 数を数えられるようになりました、市場に行ってもだまされることはないでしょう。 彼女は市場に出られて、家にいる必要がないよう 子供が健康であることを願います 彼女は社会基盤も望んでいます--道路が舗装されていると良いのです、 融資の面でも良いことがありました。 マイクロクレジットで彼女は自転車を買いました、ご存知ですね。 いつ何をもって市場に行くべきか情報を得ます。 皆さんにはこれが可能です。 私の20年間のアフリカの経験から、 外見上の不可能は可能であることがわかりました。 アフリカは悪くなってなんかいません。 50年間、彼らは中世期以前の状況から、 100年前のヨーロッパまで来たのです、 国と政府が機能をし始めたような。 私は、サハラ以南のアフリカが世界中で最も成功した地域だと思っています、 ここ50年で。 どのような状況だったのかを考慮していなかったため、 おろかな考えでした、発展途上国にとって、 アルゼンチンとモザンビークを50年間前と一緒くたにして モザンビークは悪くなったと思っていたのです。 私たちは、世界のことをもう少し知らなければなりません 私の家の隣人は200種類ものワインを知っています。 彼は全て知っているのです。 彼はブドウの名前、温度、何でも知っています。 私は2種類のワインしか知りません、赤と白です。 (笑) しかし、隣人は二種類の国しか知りません、 産業国と、発展途上国です。 私は200の国をしっています、私は小さいデータも知っています。 皆さんにも出来ます (拍手) しかし、私は真剣に取り組まなくてはなりません。皆さんは真剣に取り組む時に何をしますか? パワーポイントでプレゼンをするのでしょう、違いますか? (笑) オフィス製品に敬意を払っていますか、違う? これは何でしょう?これは何でしょう?私は何を話しているかわかりますか? 私が伝えたいことは、進歩には様々な次元があるということです。 誰もが得意分野を望んでいます。 もし、皆さんが法人組織にいるのなら、マイクロクレジットがお好みでしょう。 もし、皆さんが非政府組織で戦っているのであれば、 男女平等が好きでしょう。 あるいは、皆さんが教員であれば、好きなものはユネスコなどですね。 全世界的なレベルでいうと、私たちは自分自身を超えるものを持たなくてはなりません。 私たちにはすべてが必要です。 進歩には、これらすべてが重要です、 特に貧困から抜け出したばかりで 福祉に向かおうとしているときには。 さて、何が必要か考えるということは、 何が開発のゴールなのか、 何が開発の手段なのかを考えることです。 もっとも重要な手段が何なのかをあげてみましょう。 経済の発展が公衆衛生学教授の私としては、 開発にとってもっとも重要なものです。 なぜなら、生存の80%を説明できるからです。 統治。ちゃんと機能する政府があること、 カリフォルニアが悲惨な1850年を乗り越えたように。 最終的に法律を機能させたのは政府です 教育、人的資源は重要です。 健康も重要です、しかし、それほど手段としては重要ではない。 環境は重要です。 人権も重要です。しかし、1点です。 何がゴールなのでしょうか?私たちは何を目指しているのでしょうか? お金ではありません。 お金はゴールではないのです。 最高の手段ですが、ゴールとしての価値はありません。 統治、小さなことに投票するのも面白いことです。 しかし、それもゴールではありません。 学校、それもゴールではない手段だ。 健康、2点あげよう。健康は素晴らしい 特に私の年代にとっては--健康だからここに立っていられます。 すばらしい。二点さしあげましょう。 環境、それはとてもとても重要です。 節約しないと、孫には何も残せない。 しかし、何が重要な目標なのでしょうか? もちろん、人権です。 人権は目標です。 しかし、進歩を遂げるためには十分な手段ではありません。 最後に文化。まさしく文化こそ最も重要なのです、 なぜなら、文化こそ人生に喜びをもたらすからです。 それこそが、生きる価値です。 そう、外見上の不可能は可能になるのです。 たとえアフリカの国々でも可能なのです。 外見上の不可能が可能になったスライドを皆さんに見ていただきました。 ぜひ覚えておいてください、お願いです、私の一番の主張は、 これです、外見上の不可能は可能であるということです。 私たちはよりよい世界を作ることができるのです。 皆さんにスライドをご覧いただいたように、私はパワーポイントを使って立証しました、 皆さんに納得もしてもらおうと思います、文化を通じて。 (爆笑) (拍手) 吾輩の剣をこれに! 剣呑みは古代インドから伝わった。 文化表現こそが、何千年もの間、 人間を触発してきたものだ、深く考えることを。 (笑) 我輩は諸君らに証明してみせよう、外見上の不可能は可能であることを、 使うのは、鋼、鋼鉄である、 これはスウェーデン陸軍で使われていた軍隊銃剣である、 最後の戦争をした1850年のものだ。 これは鋼鉄製である。この音が聞こえるであろう。 これから、(会場の笑い)、この鋼の刃を用いて 血と肉でできた私の体を貫いて見せよう。 諸君らに証明する、外見上の不可能は可能であることを。 諸君、しばらくの間、静粛にしていただきたい。 (会場総立ちで拍手の嵐)