1 00:00:02,990 --> 00:00:08,603 『Metro Exodus』の話題では 「没入型」という用語がよく使われる 2 00:00:09,000 --> 00:00:12,430 だがこの言葉は 実際は何を意味しているのだろうか? 3 00:00:12,470 --> 00:00:16,412 というのも この用語は明確には定義されていないのだ 4 00:00:16,452 --> 00:00:20,159 超リアルなグラフィックを 意味することもあれば 5 00:00:20,199 --> 00:00:24,368 サバイバルホラー、VR ゲーム 没入型シムにも使われている 6 00:00:24,408 --> 00:00:30,168 あまりに魅力的で現実世界を無視してしまうようなゲームを 没入型と呼ぶ人もいる 7 00:00:30,208 --> 00:00:35,362 これは極めて漠然とした言葉であり ゲーム設計の真面目な専門用語というよりも 8 00:00:35,402 --> 00:00:37,672 広告の流行語としてよく使われる 9 00:00:37,712 --> 00:00:43,260 とはいえ『Metro Exodus』が 没入型と呼ばれる理由はよく分かる 10 00:00:43,300 --> 00:00:47,479 というのも、これは他のゲームでは あまり見られないことを実現しており 11 00:00:47,519 --> 00:00:52,031 僕は自分がこのゲームの中に存在していると 本気で感じたのだ 12 00:00:52,071 --> 00:00:58,693 実際、以前にこの感覚を覚えたタイトルは 『Subnautica』『STALKER: Shadow of Chernobyl』 13 00:00:58,733 --> 00:01:01,338 『Event[0]』『Far Cry 2』だけだ 14 00:01:01,378 --> 00:01:05,750 これは TV の前に座っているのを忘れて 15 00:01:05,790 --> 00:01:09,927 アフリカや滅亡後のロシアを彷徨ってると 本気で思うほどじゃない 16 00:01:09,967 --> 00:01:12,097 僕はそこまで馬鹿じゃないぞ 17 00:01:12,137 --> 00:01:15,959 だが「その場所にいる」という感覚の 納得感が 18 00:01:15,999 --> 00:01:19,511 他のほとんどのゲームよりも はるかに強いのだ 19 00:01:19,551 --> 00:01:23,161 この一年は既に山のような数の—— 20 00:01:23,201 --> 00:01:28,292 滅亡後で、オープンワールドのシューターで クラフトと乗り物があるゲームで溢れているが 21 00:01:28,332 --> 00:01:35,261 『Metro Exodus』は核で荒廃した土地にいる感覚を 上手く表現している唯一のゲームなのだ 22 00:01:35,301 --> 00:01:39,525 そこでこの動画では その「流行語」を分解しながら 23 00:01:39,565 --> 00:01:43,122 極めて具体的で、完全に触知的な 設計判断を見ていきたい 24 00:01:43,162 --> 00:01:49,525 それを 4A Games が使ったことでプレイヤーは 『Metro Exodus』の世界に引き摺り込まれるのだ 25 00:01:52,640 --> 00:01:59,287 まず背景として、最初の2作品 『Metro 2033』と『Metro Last Light』では 26 00:01:59,327 --> 00:02:04,023 核戦争で破壊された モスクワの廃墟が舞台になる 27 00:02:04,063 --> 00:02:09,344 地上は危険な、放射線を浴びた地獄の光景で そこを変異した生物が這っている 28 00:02:09,384 --> 00:02:13,945 だが地下鉄のトンネルは 安全で暖かく、活気に満ちている 29 00:02:13,985 --> 00:02:19,104 過去作は主に一本道のシューターだが 『Exodus』はかなり違う 30 00:02:19,144 --> 00:02:23,765 今作では、主人公のアルチョムと仲間たちが 地下鉄を後にして 31 00:02:23,805 --> 00:02:29,211 戦後のロシアを横断して 地上にある安住の地を探すのだ 32 00:02:29,251 --> 00:02:33,287 最初は徒歩で それから鉄道で移動する 33 00:02:33,327 --> 00:02:36,480 旅の途中で様々な場所に立ち寄る 34 00:02:36,520 --> 00:02:40,956 過去作を思い出すような 直線的なステージもあれば 35 00:02:40,996 --> 00:02:47,289 小型のオープンワールドに降りることもある 例えば、凍ったヴォルガ川の岸辺や 36 00:02:47,329 --> 00:02:51,783 砂のまばらな荒野など ここは実は干上がったカスピ海だ 37 00:02:51,823 --> 00:02:57,076 そしてこの小さなオープンワールドにおいて 『Metro Exodus』は最も没入感が高いのだ 38 00:02:58,380 --> 00:03:02,851 まず『Metro Exodus』が没入感を実現するための 最も明らかな方法は 39 00:03:02,891 --> 00:03:06,728 ゲーム内世界から離れることが ほとんどないという方法だ 40 00:03:06,768 --> 00:03:09,628 地図は革製のバインダーに セロテープで貼られ 41 00:03:09,668 --> 00:03:13,170 クエストマーカーは 手首に装着されたコンパス上にある 42 00:03:13,210 --> 00:03:18,948 クラフトをするときは、素材を取り出すために バックパックを地面に下ろす必要がある 43 00:03:18,988 --> 00:03:23,834 他のゲームでは間違いなくこれを メニュー画面や HUD 要素にしてるだろうが 44 00:03:23,874 --> 00:03:27,529 本作はこの世界の物理的で 触知的なものにしている 45 00:03:27,569 --> 00:03:34,206 つまりプレイヤーが周囲の世界から断たれるのは 一時停止か、稀なロード画面のときだけなのだ 46 00:03:34,246 --> 00:03:40,811 そしてこの設計には興味深い副産物がある これらの行為をするときは無防備になるのだ 47 00:03:40,851 --> 00:03:44,595 クラフトはゲームを停止して 安全なメニュー画面でやるのではなく 48 00:03:44,635 --> 00:03:47,470 リアルタイムでこの世界でやるのだ 49 00:03:47,510 --> 00:03:54,008 つまり戦闘中にすぐに治療キットを作りたい場合 安全な場所を見つけて急いでバッグを下ろして 50 00:03:54,048 --> 00:03:57,335 絆創膏を急ごしらえする必要があるのだ 51 00:03:57,375 --> 00:04:03,787 もちろん、これをやり過ぎる場合もある 『RDR2』のようなゲームは—— 52 00:04:03,827 --> 00:04:08,276 世界との触知的、物理的な 相互作用に焦点を当てており 53 00:04:08,316 --> 00:04:14,531 高精細なアニメとメニューのおかげで カウボーイ帽の本物のカタログを覗いてる気分になる 54 00:04:14,571 --> 00:04:18,353 だがバランスが崩れて 退屈になることもあったし 55 00:04:18,393 --> 00:04:23,010 ゲームプレイの結果が面白くなることも ほとんどなかった 56 00:04:23,380 --> 00:04:25,945 だが『Exodus』の設計は もっと地に足がついている 57 00:04:25,985 --> 00:04:29,514 多くのオープンワールドゲームで 見られるのは強化だ 58 00:04:29,554 --> 00:04:34,375 プレイしながら通貨を入手して メニューを開いて新スキルを開放する 59 00:04:34,415 --> 00:04:37,455 基本アクションや 超人的なパワーなどだ 60 00:04:37,495 --> 00:04:40,815 繰り返すが 『Exodus』はゲーム世界に残り続ける 61 00:04:40,855 --> 00:04:45,429 キャラに対する強化は 実際に見つけたアイテムだけなのだ 62 00:04:45,469 --> 00:04:49,371 それは捨てられた武器から剥ぎ取った スコープやサイレンサー 63 00:04:49,411 --> 00:04:52,241 旅で見つけた 便利アイテムなどのことだ 64 00:04:52,281 --> 00:04:55,823 『Metro Exodus』は実際は ゴミ拾いをしている感じだが 65 00:04:55,863 --> 00:05:00,007 他のゲームはどちらかと言えば 買い物に近い 66 00:05:01,980 --> 00:05:05,503 『Metro Exodus』が没入感を実現する もう1つの方法は 67 00:05:05,543 --> 00:05:10,584 プレイヤーに周囲の状況や 自分の状態を強く意識させることだ 68 00:05:10,624 --> 00:05:14,721 絶えず何かを修理することを要求されるのだ 69 00:05:14,761 --> 00:05:18,651 ガスマスクは数分ごとに フィルター交換が必要になる 70 00:05:18,691 --> 00:05:21,945 ガラスのヒビ割れや穴は 補修しないといけない 71 00:05:21,985 --> 00:05:27,464 加圧式のライフルを使い続けるためには 手で物理的に空気を充填する必要がある 72 00:05:27,504 --> 00:05:31,765 銃は定期的に手入れしないと 戦闘中に弾が詰まってしまう 73 00:05:31,805 --> 00:05:38,246 ヘッドライトや暗視ゴーグルなどの電子機器は 電気が減ったら手回しで充電しないといけない 74 00:05:38,286 --> 00:05:42,540 体力は再生しないので 治療キットで自分を治す必要がある 75 00:05:42,580 --> 00:05:49,433 このように定期的に自分を整備することで 自分のキャラや必要性を常に考えないといけないのだ 76 00:05:49,473 --> 00:05:55,647 サバイバルゲームには一般的にこうした遊びがある 絶えずエネルギーを失って空腹になり 77 00:05:55,687 --> 00:06:01,390 次の食事がどこにあるのか常に考えないといけないので その状況にさらに没入するのだ 78 00:06:01,430 --> 00:06:05,503 しかしこれらのゲームは やりすぎだと思う 79 00:06:05,543 --> 00:06:11,212 これらのメーターはすぐに底をつくため 常にエネルギー不足にイライラすることになる 80 00:06:11,252 --> 00:06:14,663 そして世界を現実の場所としてではなく—— 81 00:06:14,703 --> 00:06:19,536 常に注ぎ足しが必要な『The Sims』的なメーターの 集合体として考えるようになるのだ 82 00:06:19,576 --> 00:06:22,044 本作はもっと軽いタッチだ 83 00:06:22,084 --> 00:06:25,675 アルチョムはサンドイッチを食べたり トイレに行ったりする必要はないし 84 00:06:25,715 --> 00:06:29,382 何かが壊れたときの罰は 一時的な停滞だけだ 85 00:06:29,422 --> 00:06:36,144 だがプレイヤーの心を没頭させて キャラをもっと意識させるにはこれで十分なのだ 86 00:06:36,184 --> 00:06:38,949 厳しい資源不足も同様だ 87 00:06:38,989 --> 00:06:44,311 このゲームでは常に弾薬が不足するので 戦う前に弾を数えることが大切だ 88 00:06:44,351 --> 00:06:47,579 弾が十分にないと生還できないからだ 89 00:06:47,619 --> 00:06:50,724 敵は素通りさせたほうが 良いかもしれない 90 00:06:50,764 --> 00:06:55,316 前述のようにクラフトが可能だが ここにも制限がある 91 00:06:55,356 --> 00:06:59,825 結局のところ、これはセロテープで ヘリコプターを作るゲームではないのだ 92 00:06:59,865 --> 00:07:06,287 まず『Metro Exodus』のクラフト資源は2つしかない 「金属部品」と「化学薬品」だ 93 00:07:06,327 --> 00:07:12,543 そして全てのアイテムがこの2つから作られるので どれに素材を使うのか常に判断しないといけない 94 00:07:12,583 --> 00:07:18,411 体力パックを作る? 弾薬は? フィルターか手榴弾か? 全てを得ることはできない 95 00:07:18,451 --> 00:07:22,944 また本作はプレイヤーの位置によって クラフトできるものを制限している 96 00:07:22,984 --> 00:07:27,017 作業台にいる時は銃弾を作れるのだが 97 00:07:27,065 --> 00:07:31,957 外で作れる弾丸は 空気銃のボールベアリングだけなのだ 98 00:07:31,997 --> 00:07:35,829 だから何を持っていくのか 事前に考えないといけない 99 00:07:35,869 --> 00:07:39,553 本作が周囲の状況を より意識させる主な方法は 100 00:07:39,593 --> 00:07:42,937 多くのオープンワールドがしていることを やらないことだ 101 00:07:42,977 --> 00:07:48,514 アイコンや「?」や、小さな興味ポイントで 地図を埋め尽くすことをしないのだ 102 00:07:48,554 --> 00:07:52,933 それどころか本作ではミッションマーカーを除いて 地図は空っぽだ 103 00:07:52,973 --> 00:07:58,608 そして地図埋めはプレイヤー次第だ そのためには高所へ行って双眼鏡を出して 104 00:07:58,648 --> 00:08:01,595 気になる場所にレンズを向けるのだ 105 00:08:02,274 --> 00:08:06,321 だが実際にそこへ到達すると 『Exodus』はまたしても 106 00:08:06,361 --> 00:08:09,969 普段のオープンワールドゲームとは 大きく異なっている 107 00:08:10,846 --> 00:08:14,108 『Exodus』が世界に誘い込む3つ目の方法は 108 00:08:14,148 --> 00:08:17,813 何が起きているかの完全な情報を 与えないことだ 109 00:08:17,853 --> 00:08:20,711 『Rage 2』などをプレイすると—— 110 00:08:20,751 --> 00:08:26,644 地図上の各エリアがどんな場所なのか 100m 以内に入るとすぐ正確に教えてくれる 111 00:08:26,684 --> 00:08:32,809 この場合は盗賊の野営地だ だからゲーム内に 20 ほどある他の野営地と同様に 112 00:08:32,849 --> 00:08:36,845 ここには殺す必要のある悪党が 大勢いると分かる 113 00:08:36,885 --> 00:08:42,017 そこにある資源すら教えてくれるのだ チェックリストが嫌いな人はいないだろ? 114 00:08:42,690 --> 00:08:48,918 だが『Metro Exodus』は世界に関する情報を 伝えないことで大きな利益を得ている 115 00:08:49,150 --> 00:08:53,396 ここで僕は壊れた飛行機の格納庫を見つけた 116 00:08:53,436 --> 00:08:57,680 外で飛行するガーゴイル変異体を 見つけて殺した 117 00:08:59,203 --> 00:09:02,829 それから内部に入ると モンスターの群れがいた 118 00:09:02,869 --> 00:09:07,281 すると突然、盗賊の集団が外に現れ 僕に向かって吠え始めた 119 00:09:07,321 --> 00:09:11,237 それから盗賊たちを撃退したが 1人が諦めて降伏した 120 00:09:11,816 --> 00:09:15,721 何が起きているのか正確には分からず 何も予測できなかった 121 00:09:15,761 --> 00:09:18,836 努力が報われるのかどうかも 分からなかった 122 00:09:18,876 --> 00:09:23,331 ただ目の前にある出来事に 完全に没頭するしかなかった 123 00:09:23,371 --> 00:09:30,319 何故ならゲームにシステムがあるとき、それをどの程度 プレイヤーに公開するかは開発者次第だからだ 124 00:09:30,359 --> 00:09:34,953 『Rage 2』や『Far Cry New Dawn』などは かなり公開しているが 125 00:09:34,993 --> 00:09:41,946 より没入型のゲームは情報を隠して 次の展開を予測できないようにしている 126 00:09:41,986 --> 00:09:47,022 例えば敵が降伏したとき、疑問に思う 「こいつらを放置するとどうなる?」 127 00:09:47,062 --> 00:09:50,019 背後に忍び寄って来る? それとも逃げる? 128 00:09:50,059 --> 00:09:53,764 殺したら何が起こる? ただ分からないのだ 129 00:09:53,804 --> 00:09:55,103 別の話を紹介しよう 130 00:09:55,143 --> 00:10:00,610 カスピ海エリアで トラックで徘徊している盗賊に待ち伏せされ 131 00:10:00,650 --> 00:10:03,841 埃だらけの激しい銃撃戦に 巻き込まれた 132 00:10:03,881 --> 00:10:10,525 それから暫くして隠れ家で寝たのだが 外で敵に包囲された状況で目が覚めた 133 00:10:10,957 --> 00:10:13,298 僕には全く分からないままだ 134 00:10:13,338 --> 00:10:18,033 これが台本通りのイベントなのか それとも AI によるシステム的な瞬間なのか… 135 00:10:18,073 --> 00:10:21,076 でも効果は同じだから問題ない 136 00:10:21,116 --> 00:10:26,271 驚異的で、予測不可能で 不安を誘発する瞬間だった 137 00:10:26,311 --> 00:10:30,338 『Far Cry New Dawn』のスカベンジャーなどと 比較してほしい 138 00:10:30,378 --> 00:10:34,500 頭上にはアイコンがあり 画面隅にはヒントが表示されるので 139 00:10:34,540 --> 00:10:39,079 これが紛れもなく 用意されたコンテンツの塊であり 140 00:10:39,119 --> 00:10:44,515 何度も繰り返されるものだとすぐに分かってしまう ゲームっぽくて非現実的に感じる 141 00:10:44,938 --> 00:10:47,298 いつものように これはバランスの問題だ 142 00:10:47,338 --> 00:10:53,100 システムがあまりに隠されているため プレイヤーが全く理解できないゲームもある 143 00:10:53,140 --> 00:10:56,878 プレイヤーが効果的な計画を立て 意図的にプレイするには 144 00:10:56,918 --> 00:11:00,409 ある程度の情報と 予測可能性が必要だ 145 00:11:00,449 --> 00:11:03,029 つまりただの完全なランダムだけでなく 146 00:11:03,069 --> 00:11:08,006 プレイヤーがシミュレーションの限界を 見つけることを防いでもいるのだ 147 00:11:10,103 --> 00:11:13,137 最後は、プレイヤーに対する反応だ 148 00:11:13,177 --> 00:11:16,646 最も信頼できる没入的なゲーム世界とは 149 00:11:16,686 --> 00:11:21,090 プレイヤーの存在と決断に 最も効果的に反応するものだと思う 150 00:11:21,130 --> 00:11:24,010 『Metro Exodus』は確かに これがたくさんある 151 00:11:24,050 --> 00:11:29,802 銃を携行したまま人に近づけば 相手はそれに気づくし、喜ぶ人もいるだろう 152 00:11:29,842 --> 00:11:35,340 奴隷や捕虜などを救出することは 後に影響を及ぼすことがある 153 00:11:35,380 --> 00:11:39,760 ヴォルガのある場所で 僕は人を救って鍵をもらった 154 00:11:39,800 --> 00:11:44,191 その後、その鍵を使って 浸水した駅のドアを開けて 155 00:11:44,231 --> 00:11:46,802 暗視ゴーグルを発見した 156 00:11:46,842 --> 00:11:53,036 これはすごいことだ そのゴーグルは僕の 不毛の地での物語を強烈に思い出させるモノになった 157 00:11:53,076 --> 00:11:58,932 『Exodus』にはギターや迷子のテディベアを 探してほしいと頼むキャラがいる 158 00:11:58,972 --> 00:12:05,240 これはクエストログのチェックリストにはならないし 行動しても具体的な報酬はほぼない 159 00:12:05,280 --> 00:12:09,521 だが真心のこもったキャラが プレイヤーの親切に反応するゲームは 160 00:12:09,561 --> 00:12:12,454 それに努力するだけの価値がある 161 00:12:12,494 --> 00:12:18,222 これは全て『Metro Exodus』の 欠点の1つである道徳システムに反映される 162 00:12:18,262 --> 00:12:23,294 こうしたシステムは、いわゆるプレイヤーの 良い行動、悪い行動を重みづけして 163 00:12:23,334 --> 00:12:26,956 それに応じて良い結末、悪い結末の カットシーンを流すのだ 164 00:12:26,996 --> 00:12:32,040 そして悪い結末は、恐らくシリーズの続編で 無かったことにされるのだろう 165 00:12:32,240 --> 00:12:38,354 だから『Metro』よりも反応性に優れたゲームを 今後紹介するつもりだ 166 00:12:38,394 --> 00:12:42,853 でもそれは没入の重要な部分だし 間違いなく話す価値がある 167 00:12:43,660 --> 00:12:48,544 『Metro Exodus』はゲームの没入感を高める 4つの鍵を示している 168 00:12:48,584 --> 00:12:55,154 物事を地に足がついたものにするため 全ての相互作用を身体的、触知的、世界内のものにする 169 00:12:55,194 --> 00:12:58,654 世界に自分が存在していると 強く意識させるために 170 00:12:58,694 --> 00:13:03,245 プレイヤーに機器を整備したり 双眼鏡で偵察したりしてもらう 171 00:13:03,980 --> 00:13:10,812 ゲームの基本システムに関する情報を隠すことで 次の展開を予測できないようにする 172 00:13:10,852 --> 00:13:16,307 プレイヤーの行動に対して意見を言ったり 報酬を与えたり、覚えたりして反応する 173 00:13:16,347 --> 00:13:21,023 『Metro』の没入型スリルは 写実的なグラフィックスや 174 00:13:21,063 --> 00:13:25,431 すごい音響設計や ロシア語音声で遊べることだけが理由ではない 175 00:13:25,471 --> 00:13:29,675 (ロシア語で話している) 176 00:13:29,715 --> 00:13:35,495 ゲームが一人称視点で、主人公が無口という 単純な要素だけではない 177 00:13:35,535 --> 00:13:39,687 これらは全て重要だが こうした設計判断が組み合わさって 178 00:13:39,727 --> 00:13:43,172 『Metro Exodus』を ゲーム以上のものにしている 179 00:13:43,212 --> 00:13:49,023 それは悲惨で、不可知で、未知の場所を プレイヤーが旅することなのだ 180 00:13:51,062 --> 00:13:51,752 (字幕翻訳:Nekofloor) 181 00:13:52,001 --> 00:13:53,822 ご視聴ありがとう! 182 00:13:53,862 --> 00:13:57,656 GMTK Game Jam が 8月に始まることをお忘れなく 183 00:13:57,696 --> 00:14:01,020 詳細は来月にお知らせする 184 00:14:01,060 --> 00:14:06,019 GMTK は Patreon.com で番組を支援するファンに 支えられている 185 00:14:06,059 --> 00:14:09,568 番組を支援してくれる皆には 本当に感謝している 186 00:14:09,608 --> 00:14:13,175 その金額や期間に関係なくだ! 187 00:14:13,215 --> 00:14:14,003 ありがとう