店員: マスクをつけて! ハリ・スリーニヴァサンの 『Take On Fake』です 巷で見聞きしたり ネットで共有されたりする 内容の真偽を暴きます ここ数か月というもの 一部の人たちは コロナの世界的流行を 公衆衛生問題としてのみでなく 政治問題ともとらえています マスク一つとってみても 着用義務を課されるのは誰か? いつどこで?という具合です マスク問題に関する議論が過熱し ときには激しい対立を引き起こす事象が 国中で起きています (動画)店員: 当店の方針です 女性: 私を差別しているでしょ わかっているの? 女性: 私には憲法上の権利があるのよ 男性: 脅すつもりか?下がれ! 人々は マスク不着用を正当化するべく あらゆる手を使っています 例えば このインスタグラムの投稿は ラミネート加工した身分証明書の写真で 「マスク着用免除カード」とあります 米国司法省と障害者法(ADA)とならび 「呼吸する自由を守る機関」という団体名が 記載されています ポインター・インスティチュートで マスクに関する誤情報を追う 記者のアレックス・マハデヴァンに 話を聞きました まさに先日 テイクアウトを取りに行ったとき 女性が二人 マスク着用拒否を理由に 退店させられるのを目撃したところです お尋ねのこのカードに関して言えば インスタグラムの投稿を実際に見て 直ちに怪しいと思いました ハッシュタグが複数記載されていることから 誰かが情報を急速に広めようとしていると わかるからです お気づきかもしれませんが ハッシュタグの中には 非主流派といえど人気が高まっている Qアノンという陰謀論のものもあります というわけで 何かがおかしいとすぐ気づきました 公式にみせかけたロゴがついていて ADAと米国司法省の名が記載されています まず手始めに 簡単なキーワード検索をしたところ トップにADAからの警告が出てきます ADA.govというアドレスから 公式サイトであることがわかります 文字通り マスクにまつわる誤情報をうたった 配布物に関する警告です 当該事例では カードを見ると 発行元は米国司法省発行とありますが 公式サイトでは 「司法省では配布物の発行も 承認もしていない」といっています つまり ADAと司法省が伝えたいのは 「このような配布物をみたら よく考えてみてください」と 嘘を見破る最初のステップとなったわけですが 優れたファクトチェッカーの常で もう少し深堀りしたいと考え 誰がこの情報を流しているのか 探し当てたい思います 「呼吸する自由を守る機関」の 団体名も記載しています 聞いたことのない名前ですから ファクトチェッカーなら誰でもするように 別のタブをひらき 「呼吸する自由を守る機関」を検索します 出てくるのは 数々のファクトチェックに関する記事で ニューヨーク・タイムズなどの 信頼性の高いサイトによるものですが 同時に オフィシャルサイトと 見受けられるものも出てきます すぐに危険信号と気づくでしょう サイトのレイアウトを見れば 公式なものには微塵も感じられません 味気ないものが多い政府のサイトにしては 見た目が華やかすぎますね (笑)そうですね 掲載されているのは 「イベントの予定はないこと 追って更新すること またボランティア募集要項」等です これといった情報の記載がありません グッズも販売しているようですが 購入する術がないのがわかります 購入したくても クリックするところがありません また ここからカードを印刷できるようで PDFファイルをダウンロードできます これが誤情報の根源です これを見ておわかりいただけますように こういったものがいとも簡単に ダウンロードできるのです また「WHOIS」というサイトで ドメイン所有者の検索をしますと ドメインが登録がされたのは わずか49日前です 誤情報が流れ始めたちょうどその頃 ドメインが登録されたことになります 最初にチェックしたときは 404エラー(Not found)がでて サイトが存在しなかっとこを意味します ここでも 危険信号が出ています これを見た人はこんな風に言ったとしましょう 「PDFファイルから 本物に見せかけたニセのカードを 印刷する人がいるのか」と その結果は? 不信感が残ります 人々はますますこれを政治問題化します マスクを着用することの効果については アメリカ疾病管理予防センターと WHOが立証済みです 公衆衛生に関する正当な関心事であって 実に主流とされる結論と思うのです このような団体は無害に思えるでしょうが これをマスクを着用しないこを 正当化させる理由として利用し 他人にも広めようとしている人たちがいます 単に会社の規則を守っているだけの 店員に嫌がらせをする人さえいます (動画)女性: 個人的に訴えますからね わかってる? 店員: 当店の規則を守っているだけですから みんな疲弊しています 仕事や生活が元に戻ることを待ち望んでいます こういったカードは 人々にコントロール感をあたえますが 現実ではありません しかしながら ネットで流れる情報は 現実社会で私たちに降りかかります 情報を共有する前によく考えましょう それではまた フェイクニュースは拡散せず 自分を見失わなわず ハリ・スリーニヴァサンの 『Take on Fake』でした 今回もご視聴ありがとうございました ウイルスがまん延しており 同時に誤情報もはびこっています そこで 次回より送りする一連の放送では いかにジャーナリストが 果てなき骨折り仕事に取り組み 誤情報や偽情報に対処しているかをお見せして 皆さんにもお使いいただける ツールのご紹介をしてまいります