2013年版「WordPress の現在」基調講演 マット・マレンウェッグ こんにちは。 すごい、満員ですね!みんな、元気? (拍手) ふう。ほんとにたくさんの人がいますね。 ちょっと気になったんだけど、みんなどこから来たの? NY、DC、ブラジル、DC、ボストン? テキサス? テキサスから来た人、いる? (歓声) いいグループが集まってるね。 始める前に、 まず、ゴールデンゲートスポンサーに お礼を述べたいと思います。 Bluehost 社と Dreamhost 社。 両方、僕も使っている すばらしいホスティングサービスです。 (拍手) 次に、 WordCamp SF でボランティアしてくれている方 手を挙げてください。 この方たちに拍手を ! (拍手) 彼らがいなければ、 こんなにスムーズなイベントは無理だったでしょう。 皆さんこれまで一日半、楽しんでくれていますよね ? ですよね、ですよね。 では本題に入りましょう。 2013年、State of the Word の時間です。 僕の名前はマット・マレンウェッグ。 毎年言っていますが (笑) 。 セッション中に僕へツイートしたければ、 アカウントは @photomatt ブログは、もちろん http://ma.tt/ です。 僕らは今年も、一年ごとに起こる変移を継続しています。 今回は、8回目の WordCamp サンフランシスコです。 そうですよね ? 最初始まった頃のことを考えるのはおもしろいです。 約3週間で計画を立てて、 会場が決まる1日前に告知を始め、 約300人が来てくれました。 WordCamp 運営者の皆さん、 会場が決まる前日に告知をするのはおすすめしません (笑) いい写真をいくつか持ってきました。 かなり前なので、振り返るのもいいかなと思って。 駐車場の看板にTシャツをのせて、 参加者が見つけられるようにしました。 受付には敷地を囲むくらいの行列ができていました。 たくさん人がいたからというわけではなくて 参加者が到着してから 参加用バッジを印刷することにしたからです。 ネットワークもすごく「洗練」されたものでした (笑) ご覧の通り、Linksys コンシューマー向けの 「高品質」製品を用意していました。 席が足りなかったので、 床に座っている人もたくさんいました。 でもほんとに楽しかったです。 みんなも楽しんでいたし、 音楽だってありました。 それから、ぼくの髪はすごく短かった。 信じられます ? でもあれから今まで、WordCamp の考え方は ほとんど変わっていません。 シンプルで、低コストなイベントであること。 例えばマイク・アダムスやニコライが話したような とても技術的なトピックについて学んだり よりよいブロガーになる方法や写真撮影の手法など、 WordPress ブログのコンテンツに関する ユーザー向けのトピックなどを学んだりするために 世界中から人が集まるというイベントであること。 でもまあそれ以外の部分は、 やりながら答えを見つけてきました。 参加者がお互いつながれるように 広すぎる地域よりもローカルなイベントを推奨し、 なるべく低コストに抑え、 かっこいいTシャツを用意し、 …ここにいる参加者のたくさんの人が WordCamp Tシャツを 着ているのが見えますね。 そうそう、明日 Automattic のオフィスに行ったら 「Tシャツ博物館」がありますよ。 世界の WordCamp の Tシャツを集めて かっこいい、アートっぽい展示として飾っています。 ちょっと気になったんだけど、ここにいる人で 最初の WordCamp に来てくれた人、いますか ? ボウ、君は手を下げて (笑) 。 この調査は正確じゃないですね。 10回以上 WordCamp に行ったことがある人は ? 20回以上 ? 今年だけで ? (笑) いや、本当に可能なんです。 これまでに合計314回の WordCamp が開催されました。 今年だけでも72回です。 でももっと驚いたのは WordCamp でこれまでにスピーカーになった人の 数を合計すると何人になるか、分かる人はいますか ? 1,026人。これは、過去1年間だけの数です。 これまで12ヶ月間での合計数です。 さらに、もっと驚きなのは WordPress.tv の WordCamp 動画はこれまでに 合計140万回再生されています。 スピーカーにプレッシャーを与えるわけではありませんが 観客席にいる、多すぎると思える人たちよりも もっと多くの観客がいるということです。 その他最近の話をしましょう。 祝福パーティの二日酔いが思い出に なった人もいるかもしれませんが 5月27日に10周年を迎えました。 (拍手) テキサス州オースティンから ベトナムのハノイまで、 世界中でお祝いが開かれました。 Meetup.com サイトによると、 合計4,999人が参加したそうです。 最後の写真の人はどこにいたんだっけ ? (訳注: コア開発者の Dougal) でも、ほんとに現実じゃないような感じがしました。 これ、すてきですよね ! でももっとすごかったのは、これ。 プラグインピニャータ。 (歓声) あのパーティに行ってた人もいた ? (うん !) ピニャータだけじゃなくて、 現実じゃないように思えたのは、 でも、世界中からストリームに写真が、 24時間くらいの間ずっと 表示され続けるのを眺めたことでした。 マイク・リトルと僕が10年前にスタートを助けた このプロジェクトがそのきっかけになったなんて、と。 10年の時間を経て 100%確実に言えるのは、 WordPress ピニャータが現れて叩かれるなんて、 僕らのどちらもまったく予想していませんでした。 これまで1年間を振り返って、 10周年を迎えた以外に何があったか見てみましょう。 もちろん、Elvin のリリースがありました。 やっと、メディア機能関連のリニューアルを行って、 とても人気があるリリースでした。 Twenty Twelve テーマも追加しました。 これは、その新しいメディア画面です。 また、管理画面を Retina 向けに対応するという 最初の試みも行いました。 さて、 3.6 リリースについて たくさんの質問や噂があるのは知っています。 Jay-Z や ジャスティン・ティンバーレイクが アフターパーティに来るのかどうか、という質問と 同じくらいたくさん。 いろいろな理由から、今週末 3.6 リリースは行いません。 イベントを楽しみに来てるんですから。 リリースが楽しくないって訳じゃないですけど (笑) 。 でも、ちょっと違ったことを試してみることにしました。 3.6 リリースビデオ世界初の試写会を みなさんと一緒にここで行います。 準備はいいですか ? じゃあ、照明を落としてもらえますか ? ちょっと暗めにしましょう。 音楽でもかけた方がいいですよね。 ♪ Let's get it on... では、どうぞ。 この動画は今までとちょっと違います。 "3.6 Oscar" "Twenty Thirteen テーマの紹介" "大胆でカラフルな、 ブログにフォーカスしたデフォルトテーマ" これが Twenty Thirteen だよ。 "ユニークなスタイルの投稿フォーマット" "どんなデバイス上でも美しく表示" "ネイティブな動画に新規対応" "URL をペーストすれば完了" "(ネイティブな音声対応も)" "Rdio と Spotify 埋め込みにデフォルト対応" プロの俳優を雇いました (笑) 。 "自動保存機能の改善で、中断したところから再開可能に" 今の、見たよね ? "メニュー UI の改善でカスタマイズがさらに簡単に" "投稿ロック機能の改善で、誰がいつ編集中か分かります" "新しい履歴管理機能: 投稿のタイムマシーン" "WordPress 3.6:" "メディア・コラボレーション・編集・ナビゲーションをストリームライン化" "3.6 Oscar" (大きな拍手) マーク・ジェイクィスとアレン・ホークリー どこにいる ? それからキャンベル ! バージョン 3.6 のリード開発者たち ! (大きな拍手) もうすぐ公開されます。 でもまだ詳しくは言えないけど…本当にもうすぐ。 もう見たと思いますが、ジャズミュージシャン名は 「オスカー」です。 オスカー・ピーターソンからもらいました。 さらに、過去一年間では WordPress.org サイトにも いくつかの更新を加えました。 大きな変更はもちろん、make.wordpress.org ブログ。 1年間に合計で1万件以上の投稿とコメントが ブログに寄せられました。 本当にたくさんです。昨年に比べ倍以上になっています。 プラグイン作者もこの会場にいると思いますが… 待って。プラグイン作者の方は手を挙げてみてください。 ちょっと興味がわいたので。 わぁ、けっこう… うーん、会場の手を挙げた人の割合を口にすると 間違ってるって周りからよく笑われるんですが まあ、じゃあ、9割くらいと言っておきましょう (笑) 。 会場にいる人のうちでね。 新しいプラグインレビューシステムを導入しました。 五つ星評価はすべて、 レビューに付随するようになりました。 つまり、例えば 理由なくプラグインに一つ星をつけることは できなくなりました。 各レビューはスレッド形式になっており 返信をつけることもできます。 さらに、評価とレビューの投稿者は 後から評価の変更もできるようになりました。 (拍手) これは見ていて本当にわくわくします。 一つ星が五つ星に変更されたのを何度も目にしたので。 また、プラグイン作者が今までよりも プラグインのフォーラムで活発に 活動するようになったとも思います。 そんなにたくさんのコードを変更したわけではないのに、 ちょっとしたひとつの変更が ユーザーの行動に大きな変化を及ぼしたのは 興味深いと思います。 将来は、現在の五つ星評価のシステムをリタイヤして 100%プラグインを使った形式にします。 プラグインレビュー・評価のリセットを行います。 オットーが正確な数字を知ってると思うけど 今のところ、5万件だっけ ? だいたいあってる ? 4万件。 ソフト・ローンチ以来、4万件のレビューが 追加されたそうです。 そしてついに …すでに最初の章を読んだ方もいるかもしれませんが… 「WordPress the Book」 WordPress の歴史を綴った本の 第一章を公開しました。 ひと味違った試みとして、初めて …少なくとも僕が関わった本としては初めて、 GitHub 上で執筆が行われています。 WordPress の歴史に書かれているテキストの 変更、歴史、プルリクエストなどを 実際に見ることができます。 ソフトウェア自体と似た手法で その歴史の本を書いているのは とてもぴったりの方法だと思います。 これは、ショバーンとクリスタが執筆中です。 二人に拍手を ! (拍手) その他のコアプロジェクト関連の動きとして 4,600万回のダウンロード。 つまり、1年間毎日14万7千回 ダウンロードされたということになります。 いつも本当にびっくりします。 336個のテーマが追加されました。 昨年の数に比べ、2.3倍です。 注目に値するのは、これらのテーマひとつひとつが テーマレビュープロセスを通過したという点です。 申請されたテーマそれぞれに、 たくさんのレビューが行われます。 次に、9,334個のプラグインが申請され、 6,758個が承認されました。 通らなかった3,000個ちょっとのプラグインには 申し訳ないですが。多分スパムかな (笑) 。 でも、とうとう公式ディレクトリ登録プラグインの数が 2万6千個を超えたのを見ることができてうれしく思います。 ほんとうに、使えるプラグインの数が すごく増えたと言えます。 最後にスポットライトを当てたい部分は モバイルアプリがうまくいっているという点です。 合計、15回のアップデートを行いました。 iOS で3回、Android と Windows Phone でそれぞれ6回。 より素早く改善が行われています。楽しみですね。 毎年貢献者についてお話しするとき、 数人の方をハイライトしています。 コミュニティの新顔たち。 ここにいる皆さんと世界中で動画を見ている方に 彼らをご紹介したいと思います。 まず、二人。 二人のコンスタンティンです。 (拍手) 次に、マイクとアダム。 このアダムの写真は数時間前に取りました (笑) 。 (拍手) この写真と同じ人を会場で見つけられるはずです。 全く同じ服装をしていますから。 スコットとドリュー。 (拍手) スーパーヒーロー ? WordPress 貢献者 ? 彼がどちらなのかは、よく分かりませんが。 最後にデイヴ・マーティンと、ヨアン・アズムスン。 (拍手) 他にも多くの人が話題にしているのは、 アンケートの結果についてです。 約3万件の返信がありました。 178ヶ国から。 いつもと同じように、 WordPress の好きな点を尋ねました。 「雨に濡れたバラ」や「子猫のひげ」は 上位には入りませんでしたが、 「コミュニティ」や「使いやすさ」が、 引き続き多くの人が挙げた好きな点でした。 そして、嫌いな点としては今回も 「プラグイン」が優勝。 2万6千個のプラグインのうち、 いくつかが悪さしているんでしょう (笑) 。 でも「なし」というキーワードが上位にあったのも うれしく思いました。 続いて「アップデート」「セキュリティ」がランクイン。 今年は気になっていた新しい質問も加えました。 「WordPress にアクセスするのに どのデバイスを使っていますか ?」 という複数選択可の質問です。 例えば僕が回答するなら WordPress を Web、iPad、iPhone、Android Phone で 使うと答えるでしょう。 結果はこうなりました。 とても興味深いと思います。 だんだん表示されてきます。 両端の回答が興味深いと感じました。 間にある回答はだいたい期待通りでした。 まず、最初に謎に思ったのは WordPress を Web 上でまったく使わないと答えた 2%の人たちって誰なんだろう ? ってこと。 おもしろいですね。 どうやってアンケートに答えたのかな ? スマホでしょうか。 次に右側。 おもしろいと思ったのは、 12% が、例えば MarsEdit のような デスクトップアプリから WordPress を使っていること。 期待していたよりもかなりたくさんの数でした。 これは、ブラウザ以外のデスクトップアプリです。 それから、 Android タブレットについて耳にした噂や ニュースで聞いた話によると、 全然使われていないということらしかったので 18%が WordPress を Android タブレットからも 使っていると聞いてけっこうびっくりしました。 ここで、Android タブレットを使っている人います ? 今使っている人 ? (笑) いいね。 質問には Kindle Fire のことも書いたと思うので、 それも含まれていると思います。 次に、もちろん いつものスタンダードな質問を尋ねました。 「WordPress を何に使っていますか ?」 毎年変化を見るのが興味深い質問です。 去年と今年の結果を含めました。 どちらも CMS としての利用者が少し増えており、 ブログと CMS 両方という人がちょっと減りました。 ブログだけという人もほんの少し減りました。 今年初の選択肢として加えたのが、 アプリケーションプラットフォーム としての WordPress 利用。 現在、3万人のうち7%です。 つまり1500人以上 ? が、 WordPress を主に アプリケーションプラットフォームとして 使っているとのことです。 このことについて1〜2年前に話し始めたとき、 このサイクルの最初の方にいるんだ、と言いました。 なので、だんだん増えていっているのを見てうれしく思うし ブログ / CMS 両方の人の数字に 近づいていくと予想しています。 今年、もう一つ新しいことをしました。 実は僕たちがやったのではなくて、 WPEngine のすばらしい皆さんがやってくれたのですが。 広範囲の、統計的に有効な アメリカ合衆国の成人人口のサンプルに対し この質問を尋ねたそうです。 「WordPress を知っていますか ?」 他の質問もいくつか聞いたみたいですが。 これは一般的に、ブランド認知度調査と呼ばれるものです。 30%弱の人が「はい」と答えたそうです。 これがいい数字なのかどうか、 まだ判断に迷っているんですが でも、僕のランダムサンプリングの 調査結果とは一致しています。 飛行機で隣に座った人に対しての。 最近は、3人に1人くらいは僕を見て 変なやつだと思わないみたいだし WordPress のロゴがいろんなところについてるのも 不思議がられないですから。 「その "W" のロゴ、何 ?」って。 なので、これは良いことです。 やっぱりこの数がいいか悪いかまだ分からないんですが、 今後のベースラインとしては興味深い数だと思います。 3分の1というのはけっこうメインストリームだと思いますが それ以上にメインストリームになれるでしょうか ? 例えば、ジャスティン・ビーバー並みに。 (笑) でも、猿の助けは借りずに。 ビーバーのファンは猿のストーリー知ってるよね。 ベルリンにペットの猿を連れて行って 通関に引っかかっちゃったらしいんだけど 猿を置き去りにしたんだって。 (ええーっ) ああ、ブーイングしないで。 おっと、スライドがまだあったみたい。失礼。 では、最後に 僕らが「Web を民主化する」というゴールに向けて 進捗を計るために主に使っている数字をご紹介します。 Web の 18.9% が WordPress を使っています。 (拍手) この数字にはいつも本当に驚かせられます。 この調査は以前よりもさらに広範囲になっています。 以前はトップ100万サイトの調査だったのですが 現在はトップ1000万サイトに対して調査を行っています。 今のところ最善の方法です。 このデータはすばらしいですし、 昨年の成長は喜ぶべきことではありますが、 しかし、数字の裏を見ると危険も潜んでいます。 おっと、スライドが見られないですね。残念 ! あーあ。 昨年の WordCamp、午前中のセッションで 僕が、これまでの WordCamp の中で 最も重要なプレゼンだったと思うものがありました。 僕のものも含めて。 僕のよりも良かった。 カリフォルニア在住のプロダクトデザイナー ニア・イーアルのものです。 彼の話した内容を噛み砕いてご紹介しますが 実際のプレゼンを見たい方は WordPress.tv でどうぞ。 彼のサイトは「NearAndFar.com」。 このサイト名は 彼の名前の読み方を思い出す唯一の手がかりです (笑) 。 僕の大好きなブログのひとつでもあります。 彼の話した内容について触れる前に、 アンケートを取らせてください。 そんなに昔ではないですが、WordCamp で 「スマートフォンを持っている人 ?」と尋ねたら 半分以下しか手を挙げなかったことがありました。 iPhone はまだたった5歳なんだって 簡単に忘れてしまいますよね。 その以前は Treo とか Blackberry とかを持っていたんです。 でも、みんなスマホを持っていると想定しましょう。 別のアンケートをします。 今までに「ファントム・バズ (幻想振動症候群)」を 感じたことがある人 ? ですよね。 じゃあ、友達の電話がバイブレートして、 ポケットにある自分の電話を確認したことは ? それとか、テーブルがバイブレーションで揺れて みんなびくっとしたりしますよね。 さらに、「あくびの感染」の現代版は、 誰かがスマホを取り出すと、他の人もみんなそうする現象。 共有というか、伝染性がありますよね。 インディアナ大学のリサーチによると 過去2週間に 89% の学部生が ファントム・バズを経験したそうです。 原因はまだはっきり解明されていないそうですが 電話の振動を発生させるきっかけに対して 心理的な愛着があればあるほど、 この体験をする傾向があるそうです。 特に、テキストメッセージの着信とか。 ちょっとクレイジーだなと思いました。 スマホが体の一部になって、 存在しないと変な気分になる、みたいな。 正直に言ってください。 このプレゼンが始まってから スマホの画面を見た人、手を挙げて。 痛っ。 来年はもっと面白くするよう、がんばります。 (笑) 長いヒゲの人をもっと登場させないと。 気づいたか分からないけど、 あの動画の気に入ってるところは、 分かりやすいよう音量をちょっと上げたんだけど ヒゲの二人がハイファイブをやったあと、 指をパチンってスナップしたところ。 すごい良かった。 話を戻して、ニアによると この原因には理論がある。 「(A.) T. A. R. I.」理論。 この ATARI の A にはあまり意味がなくって、 冠詞の a みたいなもの。 TARI のパートは興味深い。 T はきっかけ (Trigger)、A は行動 (Action) 。 R は報酬 (Reward)、I は投資 (Investment) 。 「きっかけ」は、内部的なものでもいいし 外部的なものでもいい。 外部的きっかけは、例えばスマホの振動。 または運転しているときに看板を見かけて 何らかの行動を起こすことを決めたりとか。 WordPress ブログで新しいコメントがついて、 メール通知が来たりとか。 内部的きっかけは、感情とか状態とか。 疲れていたり、寂しかったり、退屈していたり おなかが空いていらいらしていたり。 そういう気持ちになったことある ? こういうのが、内部的きっかけ。 デフォルトの反応がすでにある。 例えば寂しく思ったときに Facebook をチェックするとか。 この反応が起こるとき、脳は何も考えていません。 自動的な反応なんです。 この反応が起こっているときに脳をスキャンすると、 活性化される脳の一部が… なんていうんだっけ、用語があったよね。 自律… 何とか。 脳内で高度な処理をする部分は動作していないんです。 文字通り、動物的な脳の中枢部分だけが 物事に直接反応しているんです。 そして、面白いことが起こるんです。 例えば、コメント通知が来て電話が鳴るとします。 電話がバズる ? (笑) バズ・ライトイヤーからコメントの通知が来たから (笑)。 で、読みたくなる。 そこで、WordPress のアイコンをクリックします。 こういう時に脳の報酬を感じる部分で ドーパミンが活性化するのは 報酬を実際に受け取るより前なんだそうです。 報酬を「期待すること」自体が ドーパミンを発生させるんです。 実際に報酬を受け取った瞬間には… 例えば、バズ・ライトイヤーからのすてきなコメントとか… ドーパミンレベルは下がるんです。 そして、脳の報酬を感じる部分はそこまで反応しない。 とても興味深いと思います。 次に、心理学者スキナーの実験などからも 分かっているように、 報酬は、間欠性がある方が効果的だそうです。 例えば、 誰かお気に入りの読者からのコメントとか 給料が銀行口座に振り込まれたというメール通知とか。 ナイジェリアの王子があなたの口座に お金を振り込みたいっていう通知とか。 (笑) これらにはそれぞれ違ったレベルの価値がありますよね。 それが、このシステムが中毒的になる理由でもあります。 電話で通知音が鳴ったときポケットから出そうとすると ドーパミンが発生しますが、 でも開けてみると、 毎回給与振り込みの通知ではないわけです。 まあ、隔週1度くらいしかメールをチェックしなくて、 そのたびに振り込みの通知が来るのではない限り。 最後に、Investment (投資) の I について。 投資、つまり、自分自身で何かを作ること。 この一番うまい説明のしかたはっていうと、 会場で、IKEA の家具を組み立てたことがある人、いる ? たくさんのパーツと不可解な説明書を手にして いっしょうけんめい組み立てて。 完成したものを眺めて、 「ちょっと曲がってるな…」みたいな。 で、余るべきではないパーツがいくつか残っていたり。 でも、自分で作った家具なんだ。 いい気分だよね。 僕、実は他の州に引っ越すときに IKEA の家具を わざわざ運んだことがあったよ。 捨ててまた新しいのを買った方が安いのにね。 他の州に運ぶより。 でも、これは「投資」の一部なんです。 何かに対して力を注いだ場合、 さらに愛着を感じるようになるんです。 折り紙を使った研究が行われています。 プロの折り紙作成者が作った すごくよくできた作品と、 普通の人が折った作品を用意して、 第三者に両方を評価してもらったそうです。 プロの作品はもちろん100点満点。 かっこよくて、誰もが気に入りました。 一方、自分で作った作品を評価した場合、 プロの作品に対して平均9割くらいの点をつけたそうです。 しかし、第三者が普通の人の技術を評価した場合は 約1割くらいの点数になったそうです。 つまり、人は自分自身の作品の価値を 9倍も過大評価してしまうということです。 他の人の評価に比べて。 例えばこういった時のことも考えてみてください。 Facebook プロフィールのヘッダー画像を選ぶ時に 自分のパーソナリティを完璧に表現する画像を探したり 26,000個のプラグインから 自分のサイトにぴったり合ったものを見つけるために 何時間も費やした場合。 こういった「投資」を行うことで 結果に対してさらに愛着を持つようになるんです。 WordPress ユーザーというコンテキストをもとに、 習慣、ループ、フック、きっかけなどについて考えるのは 面白いと思います。 全然コードを触らないユーザーの場合は ? 開発者の場合は ? プラグイン作者の場合は ? 彼らを引きつけるものって何だろう ? この図は、ユーザーが WordPress に対し どうして魅力を感じるのかを表した一つの例です。 インスピレーションを受けてアイディアが生まれる。 これがきっかけです。 それに対する最初の反応は投稿を書き始めること。 WordPress にログインして書き込み、公開する。 次に、フィードバックをもらい始める。 これが「報酬」であるとも言えます。 長い時間をかけた投稿を誰も読んでくれないことも 時にはありますが…。 そういうとき、最悪だよね。 5分くらいで書いた投稿にたくさんトラフィックが来て 何時間もかけたものは、反応が鈍かったりね。 よくあることなのかな (笑) ? 「投資」は、かけた時間でもあるし 同時に、蓄積された価値でもある。 例えば、購読者数とか。 増えていく数は、 プラットフォームに対する時間投資の象徴でもある。 Twitter のフォロワーやブログの購読者は、 ブログを書いたりツイートをしたりした 時間を表しているともいえる。 これに関しては、モバイルアプリから 多くのインスピレーションを受けています。 画面サイズの小ささというよりは、 モバイルデバイスを使っている場合に 人々の集中力が持続する時間は短い、という点にです。 もしくは、この State of the Word を聞きながら モバイルデバイスを使っている場合に (笑) 。 こういった制約はクリエイティビティを産み出します。 アプリケーションが進化した 方向性を振り返ってみると、 いくつかの鍵となる体験が大きく関わっています。 WordPress の標準機能、投稿作成やデザインというのも もちろんありますが、 でも、ユーザーがアプリを使い続ける きっかけとなっている進化の多くは、 例えば、退屈な感情に効果的な Reader 購読機能とか エゴを満たしてくれる統計機能とか トリガーがたくさん詰まった通知機能とかいったものです。 こういった機能が改善していくに従って、 WordPress が毎日の習慣になっているユーザーは 飛躍的に増えると思います。 この会場にいるみなさんの多くがそうであるように。 少なくとも、サンフランシスコでの土曜日の 習慣の一部としては。 モバイルチーム自体も この一年間で非常に大きくなりました。 ですから、こういった機能がさらにすばやく 改善されていくのを見られると思います。 先ほど話したように 過去12ヶ月で15回のリリースを行いましたが、 この数は増えていくでしょう。 モバイルアプリの大きな機能が増えていくという意味で。 そして、今までにモバイルアプリで見られなかった 興味深いシフトが起こってきています。 これまでモバイルアプリは 既存の WordPress ユーザーによって利用されていましたが 最近では新しいユーザーが WordPress を始めるきっかけにもなっています。 ここで考えてみると、 モバイルアプリのユーザー体験ループは、 まず消費。例えば読者への通知とか。 次に生産。つまり投稿の作成。 それから管理。 今回、iOS で NUX(新ユーザー向け体験)関連の 最初のイテレーションを行いました。 その結果、iPhone デバイスからの新規ユーザーが 3倍になったのです。 これがもしかしたら、 Web からは WordPress を全く使わないという 2% に含まれる人かもしれません。 こういった人たちが、 WordPress をこれから使う新しい世代だというのは 間違いありません。 特に、今後ラップトップやタブレットを使わないような 世界中の地域でもパブリッシングを民主化していけば なおのことです。 これは、今後起こっていくことです。 ご覧いただいたように、7%が WordPress を アプリケーションプラットフォームとして使っています。 ブライアン・リチャードが先日送ってくれたこの動画が とてもいいなと思いました。 もう一度、照明を落としてください。 この動画では、僕が想像もしなかったやり方で WordPress を アプリケーションプラットフォームとして活用しています。 これが、現在起こっていることの一部を 説明するものになれば幸いです。 いい感じの照明、お願い。 どうぞ。 "クレジットは賞品との交換に使われますが" "バッジは常にキープされます" "DMA で賞品をもらうには" "キオスクでログインしてバウチャーを印刷してください" "賞品はそれぞれユニークです" "各バウチャーに説明が印刷されています" これは彼女が何か買っているところじゃないよ。 "次回 DMA を訪れる際には" "DMA フレンド会員に登録するために" "キオスクにお立ち寄りください" この iPad 上で表示されているのはすべて、 バックエンドが WordPress でできています。 ここでは見えないですが iPad のカメラの前で会員証をかざしてスキャンすることで プロフィールを表示させることができるんです。 バックエンドは、すべて WordPress。 「Web サイト」でさえもないんです。 すごいですよね。 (拍手) アプリケーションプラットフォームとしての WordPress というコンセプトを初めてご紹介したのは 数年前、この同じステージでした。 そのとき、これに似たようなものを見ていただきました。 WordPress の進化についてお話しました。 2003年から2007年、ブログとしての WordPress。 2008年から2011〜2012年は、CMS としての WordPress。 そして、2012年以降さらに5年間のトレンドは アプリケーションプラットフォームとしての WordPress が 主要なものになるのではないかと。 うーん、 これは間違っていたと思います (笑) 。 まあ、心配しないで。 基本的に、考える方向が ずっと間違っていただけだと思うんです。 これらが、次々に起こる一連の流れであるかのように お話ししていましたが、 実際起こっているのは、 この3つすべてが一度に別のレベルで 同時に進行しているということです。 実際、WordPress の最初のリリースを考えてみると アプリケーションプラットフォームとしての WordPress という要素がすでにありました。 データベースレイヤーや、ユーザーログインシステムとか。 CMS の要素も。 バージョン 1.5 では 固定ページとテーマが導入されました。 もちろん、ブログは最初からその要素がありました。 でも最初の方の WordPress はこんな感じだったんです。 逆さのピラミッドみたいな。 プラットフォームの部分はあまりしっかりしておらず、 その上に構築するやり方もやや不安定でした。 でも今はこの図のような形で ブログから CMS、 そしてプラットフォームへの進化を理解しています。 実のところ、ピラミッドだけではなく WordPress というプラットフォームが いろいろなものに接続しているという感じです。 CMS はアプリケーションのうちのひとつ。 ブログはアプリケーションである CMS のうちのひとつ。 そして E-コマースも。 将来には他にも、 さらにその上に構築されるものが出てくるでしょう。 いままで WordPress に追加された機能は 一つ残らずすべて これら3つのレイヤーのうちいずれかに接続できます。 これらのレイヤーと接続するものは、 これらの重要なレゴのひとつだと言えるでしょう。 レゴの話をしたところで、 ショバーンのプレゼンでレゴのスライド見た人いる ? うん、すごい良かったよね。 でも、なんで僕がニワトリのレゴだったのか不明だけど。 WordPress の歴史をレゴの人物で イラスト化したプレゼンだったんだけど マイク・リトルのキャラは100歳くらいに見えたから かわいそうだった。 WordPress が始まったとき彼は31歳くらいだったから。 で、僕はニワトリ。腕は羽だよ。 皆さんのためにニワトリの コスチュームを探してみたんだけど、 WordPress のロゴがついたのは見つからなかったので…。 さっきも言ったように、すべてが これら3つのいずれかに当てはまる。 これは次の話題につながってる。 バージョン 3.7。 3.7 についてまずお知らせしたい驚きの事実は 10月初旬にリリースされる予定ということ。 えっ ? (笑) うん、僕も同じ反応だった。 これは、プラットフォームに焦点を当てたリリースになる。 取り組む予定なのは最下層のレイヤー、 アプリケーションプラットフォームとしての WordPress。 リーダーは、アンドリュー・ネイシンとジョン・ケイヴ。 二人ともここにいる。 アンドリュー、ジョン、立ってもらえる ? (拍手) 安定性とセキュリティにフォーカスします。 それを示すのは、 言語パッケージ、 マイナーリリースの自動アップグレード、 そしてパスワード周りの強化。 パスワードや Cookie をもっと安全にします。 こんなに早く完成させられると思う理由は この多くはすでにプラグインとして存在しているからです。 さらに、3.7 リリースを 多くのことをリセットするために使おうと思っています。 例えば、現在3,800件以上の 解決していない Trac チケットがあります。 だから、この部分をぜひクリーンアップしたいと思います。 これは、僕らが快適に思うには多すぎる数ですから。 WordPress プロジェクト史上最も多い数です。 さらに、開発者向けリソースも新しく増やす予定です。 developer.wordpress.org をここで初めて告知します。 今サイトに行ってもこんな風にしか見えませんが。 まだ何もないです。 (笑) 基本的にこれは、 WordPress の関数リファレンス。 コードと PHPDoc をソースにしたもの。 手動で編集した Codex ではなくて。 Codex のページをリダイレクトして 常に最新のコードリファレンスを提供できます。 さらに、3.7 ではプラグイン・テーマエディタで コードを編集する際に関数の定義を この新しいリソースに直接リンクします。 いいものになると思います。 (拍手) こういったベースとなるコンポーネントは 一般ユーザーの視点からは魅力的ではありませんが、 プラットフォームの観点からはとても重要だと思います。 これがあることで、上にいろいろなものを 構築できるようになるからです。 プラットフォームの上に構築するものを話す上で、 まずは「MP6」のストーリーをお話ししたいと思います。 2013年の最初に 3.6 のサイクルを始めたときから 今までの間に、2つの主要機能がキャンセルになりました。 ひとつはアイコンビジュアルのリフレッシュ。 もうひとつは投稿フォーマット。 アイコンは2月に、投稿フォーマットは5月に 中止となりました。 アイコンの方はぼくが責任者でもあったので、 ここでお話したいと思います。 過去、WordPress はアイコンやグラフィックを まったく含んでいませんでした。 ひとつの理由は、オープンソース版で 僕らの考えに合ったものが 存在しなかったから。 それから、作り方を知っている人が 知り合いにいなかったから (笑) 。 だからそれが、できない理由だった。 Jen が、2.7 リデザインの頃 コンテストをする案を思いつきました。 GPL ライセンスのアイコンを誰でも応募できるものです。 いくつか面白い応募がありました。 これは、実際の応募の一部です。 覚えていますかね。Crazy Horse の頃です。 右のものはご存じのはずです。 ベン・ダンクルという男性の作品です。 彼も会場にいるはずです。 ベン、どこ ? おお ! (拍手) ところで、後で声をかけてくれますか ? まだ話すチャンスがなかったから、 会いに来てください。 彼が一人で、WordPress のアイコンだけではなく WordPress 関連の主なプロダクトや プラグインなどのアイコンをほとんどデザインしたんです。 3.6 向けによりフラットなデザインを提案したとき、 分かっていました。 アイコンをデザインしたときも、それで終わらないことが 分かっていたように。 例えば、台所のものをしまったり 床を掃いたりして部屋を掃除した後に周りを見回すと、 壁を塗り直す必要があることに気づくことがあります。 壁を塗ってからまた見回すと、 家具の位置がイマイチ、と思い始める。 そして家具を移動した後は 「うーん、あの壁がそもそもいらないかも」と思って 壁を外してしまう (笑) 。 MP6 は、ちょっとそんな感じでした。 WordPress に導入するものの優先順位をつけるとしたら アイコン自体はほぼ最下位に近いでしょう。 そんなに重要ではない。 しかし、これを導入することで 解像度に依存しないデザインや レスポンシブデザインなどに 対応せざるを得なくなることは知っていました。 これは、新アイコンをリリースから外すのを決定した その時の会話スレッドです。3月1日。 スケジュールが遅れているときは早めに機能を外すという 良いお手本を見せようと思ったのです。 そこでまず、チームを作りました。 マット・トーマスに声をかけました。 そして、「今週何してる ?」って聞いたんです。 すると彼は、コアを手伝ってくれるって言ったんです。 オットー、ヨエン、ベンも参加しました。 ベンはすでに作業を始めていました。 そして本格的にスタート。 MP6 という名前のプラグインを登録しました。 この意味はまだ秘密です。 公開しません。 ちなみに、ジャスティン・ティンバーレイクと Jay-Z とは 何の関連もありません。 そして、その後の17週間で 17回の MP6 リリースを行いました。 イテレーションを通して数多くの点を含めました。 うまくいった理由は、7つあると思います。 今から考えると、特にそう思いますが サイクルのかなり初期のうちにコアから分離したこと。 もうすぐリリースされるバージョンに対し、 (約5ヶ月前である) 2月末という時期に。 早まったことだったかもしれない。 想像したよりもスケジュールは 遅れてはいなかったかもしれない。 主な理由のひとつは、例えば WYSIWYG のアイコンがまだ全部完成してなかったので、 リリースまでに完成する時間がないと思ったからでした。 後になって思えば、 その必要は多分なかったのでしょうが 結果的にプロジェクトの最高のポイントになりました。 なぜかというと コアの一部でありつつ外部のものとしてやれたから。 これは、いくつか興味深い点を露わにしてくれました。 まず、非常にはっきりとリーダーを指名したこと。 そして、コアからの支持。 コアチームと MP6 グループが両方、 マット・トーマス (MT) を全面的に支持しました。 WordPress のデザイナーとして7、8年の経験がある とても才能がある人です。 彼は WordPress.com や WordPress.org の サイトデザインもたくさん手がけ、 2.6 リデザインにも非常に貢献した人です。 彼は僕にとってのジョナサン・アイブみたいな人。 いろいろ考えを共有しています。 コアチーム全体が、マット・トーマスの決めたことは 何であっても採用すると言ってくれたのです。 これはどういう意味かというと、 コアチームは必然的に、多様性のあるグループで さまざまな美的感覚を持つ人がいるわけです。 複数の人が属する委員会がデザインすることで 身動きがとれなくなるようなことを避けたかった。 ですから、はっきりしたリーダーシップが存在することは とても大事だったのです。 コア貢献者が参加したがらなくなるんじゃないかって 思うかもしれませんが 実際のところは、とても刺激的でした。 なぜなら、 一人のリーダーだけを納得させれば良かったからです。 形を持たないコミュニティとかではないし、 投票して決断するべきか ? などと迷う必要もなかった。 最終決断を行うのは一人だけだったからです。 次に、結果よりもプロセスにフォーカスしたこと。 これはどういうことかというと… 僕は、彼に言ったんです。 いくつか先のスライドにチャットの画面があると思うけど 基本的に言ったことは、 「毎週何かをリリースして、変更を加えよう」 「毎週新機能をリリースしよう」って。 その後ちょっと修正して、 「まあ、なにかひとつでも変更するようにしよう」 「毎回新しい機能を追加するんじゃなくても」と。 でも何が起きても、毎週金曜日には 必ずリリースを行うことを決めたんです。 月曜から木曜は、 …まあ普通、月曜から金曜の午後は… 作業をやって、 金曜が終わる前のいつかに 公開することにしました。 これはとてもうまくいきました。 なぜかというと 一つの理由として、 プラグインは誰でもダウンロードして使えるので テストが簡単でした。 たくさんのフィードバックをもらえました。 二つ目の理由は、何か新しいものを追加しても 長くとも6日後には みんなの目に触れることになったこと。 成功したときもそうでないときもあったけど。 短いサイクルが、とっても良かった。 それから、これは良いことか悪いことか分からないけど 確かに一つのポイントではあった。 Skype でチャットをしたこと。 関係者みんなが含まれているチャットルームがあって 非同期型でいつもオンラインになっていた。 みんな、いろんなデバイスからログインできた。 通常は IRC で話し合いをする。 理由は分からないけど Skype で会話を続けていた。 これをまたやるべきだって言ってるわけじゃないけど、 でも面白いダイナミクスが促進されたと思う。 みんな、より安心して考えを共有できている気がした。 心配をせずに。 世界中の人たちが見ていることや 通りすがりの人のフィードバックや 時に make.wordpress.org で見られるような ネガティブなコメントなどを。 ある意味安全なスペースがあることで 少なくとも、MP6 のクリエイティブなデザイナーたちは お互いにイテレーションできるオープンなプロセスが あるように感じられたんだと思う。 そして、もっと率直なフィードバックを お互いに出せるようになった。 もし公開されたブログ上だったら 「うーん、それはちょっとないんじゃない ?」とか 言いづらいかもしれないけど。 公開ブログ上で 友達に失礼なことは言いたくないだろうから。 でもプライベートな場なら、 他の人が見ていないから、そういう会話も 起こりうる。 フィードバックがとても密だった。 さらに、やる気を持っている人には誰でも 参加できるようにしたこと。 4人から始まって、14人のコミッターに増えた。 とても活発なプラグインになった。 ネイシンが統計情報をまとめてくれたけど、 プラグインファイルを昨年コミットした人は約6500人いて 過去4ヶ月、その中でマット・トーマスのコミット頻度は 28位だった。 過去1年間にアクティブだった6000人の プラグインコミッターの中で ! 最後に、WordPress 界の最高のデザイナーたちが このプロジェクトに参加してくれた。 このヘッダー画像からも分かるよね (笑) ご覧の通り… いけてる点を全部挙げておこう。 Papyrus と Comic Sans フォント。 (笑) レインボーの Fauxgo (フェイクロゴ) 。 タイポグラフィオタクの皆さん ! 文末のウィドー (孤立行) もあるよ。 一単語だけはみ出してる。 レンズ反射効果。 いけてる要素をすべて詰め込んだ (笑) ある意味これはジョークで、 「このプラグインを使わないで」と書くことで 逆に使ってテストしてもらえるようにしたかった。 それから、この楽しい要素が グループの絆を強めるのにもちょっと役立ったと思う。 そしてこれも、今後考えなきゃいけないことでもある。 なぜなら、時に 現地語化や国際化などによって WordPerss コードベースにあるインサイドジョークが 失われることもある。 "You're Cheating, huh?" (間違えましたか ?) とか、 ゴーストバスター関連のジョークとか。 「キーマスター」ね。 例えばそういうこと。 そういったことの一部が洗練されすぎてしまったりする。 たまには面白くなかったりもする荒削りな部分は、 いいものだと思う。 「マトリックス」のジョークも削除されちゃったんだよね ? 「マトリックス」にちなんだ隠し機能があったんだけど、 リビジョン機能を変更した時に外してしまった。 あの隠し機能、みんな見たことある ? 見たことない人 ? おもしろいのに ! あと1、2日くらい以内に試してみて。 リビジョン管理画面を開いて、 あるリビジョンを、同一リビジョンと比較するんだ。 ラジオボタンを使って、同じリビジョンを比較できる。 でも、何が起こるかは言わないよ。 …ということで、MP6 プロジェクトはうまくいった。 解像度に依存しないアイコンも完成した。 これはビフォー&アフターの画像。 7〜8年くらい蓄積されていた CSS を 完全に取り除いて一からやり直したので 管理画面の色を変えたりするのも本当に簡単になった。 例えばこれは、コアのものではないけど 25行くらいのカスタマイズ。 それだけで色を完全に変更できる。 MP6 のダークカラーが気に入らない場合は、 簡単に変えられる。 さらに、完全なレスポンシブ対応も行った。 画面がだんだん動き始めるはず…。 メニューが上部の「ハンバーガーボタン」に格納される。 ポン ! 何で「ハンバーガー」なの ? って思ってる ? 3つの層があるアイコンで、 ハンバーガーみたいだからって言うのが理由。 あんまりいい名前じゃないね。 何でみんな「ハンバーガーボタン」って呼ぶのかな。 実は、僕は心の中で「SAMO ボタン」って呼んでる。 バスキアってアーティスト、知ってる ? 彼がやった、3本線のデザイン。 E に縦線を入れなかった。 それから、Jay-Z のアルバム 「The Blueprint 3」のカバーにも描いてあった。 だからこれから、SAMO ボタンって呼ぶことにしよう。 あ、彼のグラフィティの名前が、SAMO だったんだよ。 The Same Old Stuff っていう意味。 ということで、レスポンシブデザインになりました。 どんな画面サイズでも美しく表示されます。 これは、プラグインのパワーを証明していると思う。 WordPress に関する統計を見ただけでもそれは分かる。 昨年、コア開発に参加したのは約1500人。 Trac でコメントやパッチ、コミットをしたり、 すべてを含めて。 一方、プラグインレポジトリにコミットしたのは6500人。 そしてもちろん、プラグインの方がテストが簡単です。 他の人に、パッチを適用してテストしてもらうのは 大変な時もあります。 でも、プラグインをワンクリックで インストールしてもらうのは簡単です。 そして、みんな知っているように 使われることは、アイディアにとって空気のようなもの。 これは僕が心から信じていることですが、 利用者にしっかり使い倒してもらって 毎日触れてもらわないと どんなふうに作用するか本当には理解できません。 これは、コアの WordPress リリースで 四苦八苦していることでもあります。 時々、何かやっていて ほとんど完成しているべきベータサイクルの時点なのに 使い始めたら、「うーん…」となってしまったり。 早めに毎日使ってもらえるようにすればするほど いい結果になります。 ということで、開発をコアから切り離したことが 結果的には最高のポイントでした。 さらに、3.8 の開発において 興味深い形態を提案することになりました。 3.8 に関して、驚くようなことをお知らせします。 3.8 フィーチャリング・ルーク・スカイウォーカー。 (笑) 嘘です、心配しないでください。 ジャズミュージシャンの名前からコードネームを取る伝統は これからも続けていきます。 でも、3.8 の開発は明日始まります。 3.7 の開発が始まるのと同じ日です。 開発を同時に始めます。 12月の初頭のリリースを目指しています。 ははは。 絶対にやり遂げるよ。 (拍手) また、3.7 で先駆けて行うことを 3.8 にも適用します。 小さなチーム、素早いイテレーション、 ボトルネックの低減、そして一時的なフック。 3.7 では、すべての新機能の開発を 独立したユニットとして行います。 プラグインとしてです。 それぞれのプラグインを、今説明したような MP6 の開発をしている中で偶然に進化したモデルに従って 開発するように試みます。 明確なリーダー、 プラグインに簡単にコミットできる人たち、 できるだけ頻繁なリリース、 そして、使えて触れるものがあること。 考えてみて。 以前、カノニカル・プラグインとか コア・プラグインについて話していたことがあったのを 覚えていますか ? あのアイディアを逆にしたようなものです。 コアに含めるに至らない重要度の低い機能を プラグインにしてコアと同様にメンテナンスするのではなく 今やっているのは、コアに最も重要な機能を 可能な限り包括的でオープンに開発し どんなことが起きるのかを見てみよう、ということです。 これについてとてもわくわくしています。 3.8 リリースのヘッドラインとなる2つの機能は、 すでにかなり進んでいるからです。 ひとつは MP6 プラグイン。 さっきも話したように、プラグインとして 今すぐダウンロードして試すことができます。 フェイクロゴと Papyrus フォントが 好きな人には特におすすめです。 そして、Twenty Fourteen テーマ。 これも今までとは 少しリリースのやり方を変えたいと思っています。 車会社みたいなやり方にしたいんです。 2014年が終わる前に 2014 モデルをリリースする。 (笑) 考えてみると、 コア貢献者にとってもループがあるんです。 図にするとこんな風。 あるアイディアがあって、パッチを作成し、 レビューとフィードバックをもらい、 コアに統合され、お祝いをする。 そしてまたアイディアができてパッチを作り…などなど。 でも現在、このループには穴がたくさんあります。 例えば、3800件のオープン Trac チケット。 レビューも反応もついていないものもたくさんあります。 このループをもっと完成に近づければ、 もっと多くの人が参加への魅力を感じてくれると思います。 もうひとつ、言い忘れていました。 3.7 に関してですが、 WordPress コンポーネントの構成を変更します。 現在60個のコンポーネントがありますが、 これを90個に増やします。 しかし、多くはサブコンポーネントになります。 トップレベルコンポーネントは35個くらいになるでしょう。 コンポーネントというのは、WordPress コードベースの 論理的なセクションのことです。 例えば、コンポーネントの一例は、 コメント機能・WYSIWYG 機能などです。 ということで、新構成を導入する予定です。 考え方はこうです。 将来いつか、各コンポーネントが独自のチームみたいに なれるかもしれないのです。 それぞれにリードが存在して、コアチームのように。 さらに、ひとつのコンポーネントの情報だけを 購読できるように変更します。 勢いよく流れてくるすべての Trac チケットやコメントを すべてフォローするのはかなり大変になってきたからです。 すべてをフォローする必要はないかもしれないですよね。 関連するものだけを購読できるようにします。 3.8 に含まれるものはすでに触れましたね。 リリースの時期も。 データの陰に、危機が隠れていると思います。 僕らはもっと素早く対応する必要があります。 これは単に WordPress.com だけのデータですが、 7日前に作成された5万ブログのうち、 今日まだアクティブに使われているのは、 たったの4%だけです。 つまり、ブログを始めた人たちのうち 96%は脱落してしまうという比率なんです。 WordPress.org ユーザーの場合、 もっと高いんじゃないかと思っています。 プラグインやテーマなど、 さらに多くのステップが存在するからです。 すごく多い数ですよね。 良いニュースと悪いニュースがあります。 悪いニュースは、96%の人が ブログをやめてしまうということ。 良いニュースは、それでもまだたくさんの人が 毎日トライしてくれているということ。 今まで話したように、WordPress 利用者の絶対数は だんだん増えています。 そしてもう一つの良いニュースは、 4%は笑えるくらい低い数字だということです。 まだまだ改善の余地がたくさんあります。 もし改善できたら、来年また壇上に立ったときには 各種統計の数はこれまで話したよりも もっともっと多くなっているはずです。 そして、Web パブリッシングの民主化というゴールに それだけ近づけるということです。 これは簡単なことではありません。 大きな挑戦です。 でも、可能だと思います。 これをどうやって実現するかについて、 いくつかのアイディアのうち、こういうものがあります。 MP6 について話したとき、 壁を塗る例を挙げましたよね。 1ヶ月くらい前、デザイナーたちと話していて 今回のゴールである「ビジュアルだけを変更する」という 制限がもしなかったら WordPress の管理画面をどんな風にしたいと思う ? という質問をしました。 その時出てきた様々なレイアウトの一部を紹介します。 個人的に特に気に入ったものをご覧いただいています。 メニュー、WYSIWYG など。 もし、こういうアイディアがあったらどうでしょう。 投稿フォーマットが投稿全体に適用するものではなくて ひとつの投稿内で複数使えるものだったら ? ドラッグ&ドロップして、配置を換えたりできる。 地図や引用文、画像。 複数画像のギャラリーなどを含めるのも 簡単にできます。 こういったアイディアは プラグインを使って検討できることの一例だと思います。 でも、コアで開発するのは難しいのではないでしょうか。 少なくとも、何かを壊してしまわないかと 心配にはなるでしょう。 最初、コアで解像度に依存しない対応を進めていたけど 行き詰まってしまった主な理由の一つとして、 フォントファイルをどうするか ? ということがありました。 埋め込みや、ライセンスや、リンクや、色々。 時に、開発の大事な部分が そういった実装の細かい部分に 埋もれてしまうことがあります。 これを完全にひっくり返すことができると思うんです。 良い報せは、これほど WordPress に参加し始めるのに 適したタイミングはない、ということです。 このモデルに移行することで、多くの門が開かれます。 WordPress がこれまでに成功を収めてきたのは、 何か魔法のような機能のおかげなどではありません。 それを誤解して、 WordPress の機能をコピーする人もいますが。 成功の鍵は僕たちがプロセスに対して 決して満足しないという点にあります。 コミュニティとして僕たちは、 ここにいる皆さんのような人たち、ユーザーにとって 重要なことに集中してきました。 これまでそれはうまくいってきました。 これを通して、世界の Web サイトのうち18%に 使われるまでに成長できましたし、 僕らはいわゆる「インディペンデント Web」の 最後の生き残りのような存在でもあります。 でも、 もしあなたが 例えばソーシャルネットワーキングサービスの 広告主に個人情報を売り払っていることや 納得できない利用規約のポリシーなどに対して 文句を言ったことがあるなら、 Web 上で変えたいことを 体現する人になってください。 WordPress に参加しましょう。 貢献しましょう。 サポート、ドキュメンテーション、コーディング、 デザイン、どんなことでも。 そうすれば、一緒にこの変化を実現できます。 僕らがやらなければ、きっと誰もやらないと思います。 この考え方こそが 10年経った今になって 「WordPress はスタート地点に立ったばかり」 まだそんな気がしている理由だと思います。 どうもありがとう。 (拍手)