WEBVTT

00:00:00.629 --> 00:00:05.917
現代における
最も重要な経済的事実を紹介します

00:00:05.917 --> 00:00:09.947
今 所得格差が急拡大し

00:00:09.947 --> 00:00:12.872
特に最上層部とその他との間での
格差が急拡大しています

00:00:12.872 --> 00:00:14.708
特に最上層部とその他との間での
格差が急拡大しています

00:00:14.708 --> 00:00:18.730
この変化が最も顕著なのは
米国と英国ですが

00:00:18.730 --> 00:00:20.928
グローバルな現象です

00:00:20.928 --> 00:00:23.251
共産主義国の中国でも

00:00:23.251 --> 00:00:24.974
元共産主義国のロシアでも

00:00:24.974 --> 00:00:28.268
インドや 私の祖国カナダでも
起こっています

00:00:28.268 --> 00:00:31.235
穏健な社会民主主義国である―

00:00:31.235 --> 00:00:34.860
スウェーデン フィンランド
ドイツなどでさえ そうです

NOTE Paragraph

00:00:34.860 --> 00:00:38.771
何が起こっているのか
少し数字で見てみましょう

00:00:38.771 --> 00:00:41.480
米国では 1970年代
富裕層である「1％」が

00:00:41.480 --> 00:00:45.757
国民所得の10％を
稼いでいました

00:00:45.757 --> 00:00:47.521
国民所得の10％を
稼いでいました

00:00:47.521 --> 00:00:50.830
今日では
富裕層は 倍以上の

00:00:50.830 --> 00:00:53.269
20％超を稼ぐようになっています

00:00:53.269 --> 00:00:55.369
でも さらに衝撃的なのは

00:00:55.369 --> 00:00:58.055
所得分布の頂点で
起こっていることです

00:00:58.055 --> 00:01:00.297
所得分布の頂点で
起こっていることです

00:01:00.297 --> 00:01:03.301
今日 アメリカでは
上位0.1％が

00:01:03.301 --> 00:01:06.530
国民所得の
8％以上を稼いでいます

00:01:06.530 --> 00:01:08.420
国民所得の
8％以上を稼いでいます

00:01:08.420 --> 00:01:12.913
30年前の富裕層「1％」の比率を
稼いでしまっているわけです

00:01:12.913 --> 00:01:15.681
はっきりさせるため
別の数字を見てみましょう

00:01:15.681 --> 00:01:19.199
これは 2005年に

00:01:19.199 --> 00:01:20.658
ロバート・ライシュ

00:01:20.658 --> 00:01:23.397
クリントン政権時代の労働長官が
計算したものです

00:01:23.397 --> 00:01:28.701
ライシュは
誰もが認める2人の富豪

00:01:28.701 --> 00:01:31.421
ビル・ゲイツと
ウォーレン・バフェットを取り上げ

00:01:31.421 --> 00:01:34.370
この2人が所有する資産の合計は

00:01:34.370 --> 00:01:39.123
アメリカ社会の下層40%である
1億2千万人の

00:01:39.123 --> 00:01:41.965
総資産と同じであると言いました

00:01:41.965 --> 00:01:44.329
実はウォーレン・バッフェトは
超富豪でありながら

00:01:44.329 --> 00:01:47.133
実はウォーレン・バッフェトは
超富豪でありながら

00:01:47.133 --> 00:01:50.860
この現象に
絶えず鋭い目を向けていて

00:01:50.860 --> 00:01:54.162
彼自身 お気に入りの
数字があります

00:01:54.162 --> 00:01:58.105
バフェットがよく指摘するのは

00:01:58.105 --> 00:02:00.267
1992年に
フォーブス400に入った人たち―

00:02:00.267 --> 00:02:02.596
1992年に
フォーブス400に入った人たち―

00:02:02.596 --> 00:02:05.993
つまり アメリカの金持ちの
トップ400人の総資産額が

00:02:05.993 --> 00:02:08.765
3000億ドルであったことです

00:02:08.765 --> 00:02:09.966
考えてみてください

00:02:09.966 --> 00:02:11.993
1992年当時は
億万長者でなくても

00:02:11.993 --> 00:02:14.966
フォーブス400に入れました

00:02:14.966 --> 00:02:18.979
でも 今では
その数字は4倍以上になり

00:02:18.979 --> 00:02:21.865
1.7兆ドルです

00:02:21.865 --> 00:02:24.043
言うまでもなく

00:02:24.043 --> 00:02:26.504
こんなことは
中産階級には

00:02:26.504 --> 00:02:27.889
起こっていません

00:02:27.889 --> 00:02:32.590
中産階級の資産は
減らないせよ 頭打ちの状態です

NOTE Paragraph

00:02:32.590 --> 00:02:36.650
今 世界中で超富豪が台頭していますが

00:02:36.650 --> 00:02:38.691
私たちは それに
なかなか気付きません

00:02:38.691 --> 00:02:40.374
その理由として
あげられるのは

00:02:40.374 --> 00:02:43.352
茹でガエルの寓話と同じで

00:02:43.352 --> 00:02:45.915
ゆっくりした変化は

00:02:45.915 --> 00:02:47.455
気付きにくいということです

00:02:47.455 --> 00:02:50.359
たとえ それがもたらす影響が
甚大であってもです

00:02:50.359 --> 00:02:53.591
じわじわと熱される水の中で
カエルは どうなりましたか？

00:02:53.591 --> 00:02:56.406
でも それだけではありません

00:02:56.406 --> 00:02:58.516
所得格差について話すことは

00:02:58.516 --> 00:03:01.047
フォーブス400に入らない人にとっても

00:03:01.047 --> 00:03:03.188
不安を感じさせます

00:03:03.188 --> 00:03:06.633
あまり明るく
見通しの良い話ではありません

00:03:06.633 --> 00:03:09.162
決まった大きさのパイを
どう分けるかであって

00:03:09.162 --> 00:03:12.214
パイをどう大きくするか
という話ではないですから

00:03:12.214 --> 00:03:14.942
フォーブス400に
入っている人にとっては

00:03:14.942 --> 00:03:17.740
所得分配について

00:03:17.740 --> 00:03:21.427
そして その先の
所得再分配について話すことは

00:03:21.427 --> 00:03:23.967
明らかな脅威ともなるでしょう

NOTE Paragraph

00:03:23.967 --> 00:03:28.243
現在 所得格差は急速に広がっており

00:03:28.243 --> 00:03:30.356
特に最上位では
格差がさらに広がっています

00:03:30.356 --> 00:03:33.944
いったい何が原因で
どう対処したらよいのでしょうか？

00:03:33.944 --> 00:03:37.610
政治的な要因もいくつかあります

00:03:37.610 --> 00:03:43.205
低税率や規制緩和
特に金融サービスの規制緩和

00:03:43.205 --> 00:03:48.335
民営化
労働組合への弱い法的保護

00:03:48.335 --> 00:03:50.775
これら全てが

00:03:50.775 --> 00:03:54.892
所得分布の頂点にいる人を
さらに豊かにしているのです

NOTE Paragraph

00:03:54.892 --> 00:03:58.315
これらの政治的要因は
大きな意味で

00:03:58.315 --> 00:04:01.644
「縁故資本主義」と
まとめることができます

00:04:01.644 --> 00:04:03.821
つまり この政治的変革は

00:04:03.821 --> 00:04:05.983
コネがある特定の者の
利益とはなっても

00:04:05.983 --> 00:04:09.521
それ以外の者には
たいしてメリットがないのです

00:04:09.521 --> 00:04:12.910
事実上
縁故資本主義を取り除くのは

00:04:12.910 --> 00:04:14.951
大変 難しいものです

00:04:14.951 --> 00:04:18.444
例えば ロシアでは
何年にもわたり 様々な改革者たちは

00:04:18.444 --> 00:04:21.838
汚職を失くそうと努力してきましたし

00:04:21.838 --> 00:04:24.867
世界大恐慌以来で 最悪の

00:04:24.867 --> 00:04:28.024
経済危機を経験した後でさえ
銀行の再規制は

00:04:28.024 --> 00:04:29.646
大変困難でした

00:04:29.646 --> 00:04:34.242
多国籍の大企業においては

00:04:34.242 --> 00:04:38.253
「邪悪にならない」を
モットーとする企業も含め

00:04:38.253 --> 00:04:41.027
中産階級とほぼ同じ税率で
税金を支払わせるのさえ

00:04:41.027 --> 00:04:43.135
とても難しくなっています

00:04:43.135 --> 00:04:46.171
現実的に言って
縁故資本主義をなくすのは

00:04:46.171 --> 00:04:48.167
本当に難しいことです

00:04:48.167 --> 00:04:51.635
しかし 理論的には簡単なことです

00:04:51.635 --> 00:04:57.284
縁故資本主義が
良いと思う人なんていません

00:04:57.284 --> 00:04:59.931
実際 これについては

00:04:59.931 --> 00:05:03.166
左派と右派も珍しく
意見が一致します

00:05:03.166 --> 00:05:05.986
縁故資本主義の批判は
「ティーパーティー」にとっても

00:05:05.986 --> 00:05:10.283
「ウォール街を占拠せよ」にとっても
重要なことなのです

NOTE Paragraph

00:05:10.283 --> 00:05:14.621
でも もし縁故資本主義が
少なくとも 頭で考える分には

00:05:14.621 --> 00:05:16.656
容易であったとしても

00:05:16.656 --> 00:05:19.931
ややこしいのは
急拡大する所得格差を

00:05:19.931 --> 00:05:22.684
経済的に助長しているものです

00:05:22.684 --> 00:05:26.423
それ自体は
それほど不可解ではありません

00:05:26.423 --> 00:05:29.470
グローバル化と技術革新は

00:05:29.470 --> 00:05:32.010
共に経済に変革を
もたらしてきました

00:05:32.010 --> 00:05:33.708
ただ 私たちの生活を変え

00:05:33.708 --> 00:05:35.805
グローバル経済を変えると同時に

00:05:35.805 --> 00:05:39.272
超富裕層を
台頭させています

00:05:39.272 --> 00:05:40.852
考えてください

00:05:40.852 --> 00:05:42.840
史上初めて

00:05:42.840 --> 00:05:45.579
熱血な起業家の人が

00:05:45.579 --> 00:05:47.278
斬新なアイデアか

00:05:47.278 --> 00:05:49.693
素晴らしい新製品を
思い付いたとしたら

00:05:49.693 --> 00:05:53.372
すぐに ほぼ何の障壁もなく

00:05:53.372 --> 00:05:57.352
10億万人以上の
グローバル市場にアクセスできます

00:05:57.352 --> 00:06:01.186
その結果
とても とても頭が良くて

00:06:01.186 --> 00:06:02.981
とても とてもラッキーな人は

00:06:02.981 --> 00:06:05.832
とても とてもリッチに

00:06:05.832 --> 00:06:08.362
とても とても早くなります

00:06:08.362 --> 00:06:11.204
この現象の
最近の典型例は

00:06:11.204 --> 00:06:13.184
デイヴィッド・カープです

00:06:13.184 --> 00:06:16.039
ブログサービスTumblrの
創業者である この26歳は

00:06:16.039 --> 00:06:18.821
最近 会社をヤフーに

00:06:18.821 --> 00:06:21.854
11億ドルで売却しました

00:06:21.854 --> 00:06:23.392
考えてもみてください

00:06:23.392 --> 00:06:27.806
11億ドルを 26歳でです

00:06:27.806 --> 00:06:31.253
ご承知のとおり
技術革新やグローバル化は

00:06:31.253 --> 00:06:34.874
こうしたスーパースター効果を

00:06:34.874 --> 00:06:36.817
スポーツや
エンターテイメントなどの

00:06:36.817 --> 00:06:39.120
華やかな世界で生み出してきました

00:06:39.120 --> 00:06:42.495
素晴らしいアスリートや

00:06:42.495 --> 00:06:46.839
パフォーマーが
今日では 以前にないくらい

00:06:46.839 --> 00:06:50.507
グローバル経済で
自らの才能を生かしているのです

00:06:50.507 --> 00:06:52.587
でも 今では
スーパースター効果は

00:06:52.587 --> 00:06:55.569
経済全体に広がってきています

00:06:55.569 --> 00:06:57.746
スーパースター科学技術者もいれば

00:06:57.746 --> 00:06:59.467
スーパースター銀行家もいて

00:06:59.467 --> 00:07:02.803
スーパースター弁護士や
スーパースター建築家もいます

00:07:02.803 --> 00:07:04.232
スーパースター料理家も

00:07:04.232 --> 00:07:05.744
スーパースター農家もいます

00:07:05.744 --> 00:07:08.527
それから
これは私のお気に入りの例ですが

00:07:08.527 --> 00:07:10.518
スーパースター歯医者もいます

00:07:10.518 --> 00:07:12.622
その最も輝かしい例が

00:07:12.622 --> 00:07:15.984
ベルナルド・トゥアティです
フランス人で

00:07:15.984 --> 00:07:18.303
同じスーパースターの笑顔作りを
手助けしています

00:07:18.303 --> 00:07:20.984
例えば ロシア人実業家
ロマン・アブラモヴィッチや

00:07:20.984 --> 00:07:23.845
ヨーロッパ生まれのアメリカ人
ファッションデザイナー

00:07:23.845 --> 00:07:25.890
ダイアン・フォン・ファステンバーグです

NOTE Paragraph

00:07:25.890 --> 00:07:28.973
グローバル化や技術革新が

00:07:28.973 --> 00:07:30.885
こうした世界的な超富豪を

00:07:30.885 --> 00:07:33.356
生み出しているのは
良く分かりますが

00:07:33.356 --> 00:07:37.523
それをどう捉えるかは
とても難しいものがあります

00:07:37.523 --> 00:07:39.049
というのも

00:07:39.049 --> 00:07:41.426
縁故資本主義とは対照的に

00:07:41.426 --> 00:07:45.336
グローバル化と技術革新が
成し遂げてきたことの多くは

00:07:45.336 --> 00:07:47.699
とても肯定的なものだからです

00:07:47.699 --> 00:07:49.434
まずは 技術から始めましょう

00:07:49.434 --> 00:07:53.044
私は インターネットも
モバイル機器も大好きです

00:07:53.044 --> 00:07:54.878
そして このトークを

00:07:54.878 --> 00:07:58.564
この会場にいなくても
望めば誰もが

00:07:58.564 --> 00:08:00.611
見ることができるのは
素晴らしいと思います

00:08:00.611 --> 00:08:03.720
グローバル化は
さらに素晴らしいものです

00:08:03.720 --> 00:08:05.707
このグローバル化は

00:08:05.707 --> 00:08:08.131
世界の最貧困層にいる

00:08:08.131 --> 00:08:11.180
何億のもの人々を
貧困から救い

00:08:11.180 --> 00:08:12.622
中産階級へと導きました

00:08:12.622 --> 00:08:15.664
世界の豊かな側に
住んでいる人も

00:08:15.664 --> 00:08:19.171
グローバル化で 様々な商品を
手に入れやすくなりました

00:08:19.171 --> 00:08:21.697
あなたのiPhoneを作ったのが
誰か考えてください―

00:08:21.697 --> 00:08:25.519
そして 古くからあるものも
かなり安くなりました

00:08:25.519 --> 00:08:28.143
食器洗浄機やTシャツも
そうでしょう

NOTE Paragraph

00:08:28.143 --> 00:08:30.679
よくないことはあるでしょうか？

00:08:30.679 --> 00:08:32.571
実は いくつかあります

00:08:32.571 --> 00:08:34.675
心配していることの一つは

00:08:34.675 --> 00:08:38.838
いわゆる実力のある超富豪の台頭が

00:08:38.838 --> 00:08:41.534
簡単に縁故資本主義に
なりうることです

00:08:41.534 --> 00:08:44.193
想像してみてください
素晴らしい起業家のあなたが

00:08:44.193 --> 00:08:47.570
アイデアや商品を
全世界の何十億の人に

00:08:47.570 --> 00:08:48.949
売ることに成功して

00:08:48.949 --> 00:08:51.515
億万長者になるとします

00:08:51.515 --> 00:08:53.884
そうなると
ある誘惑に駆られます

00:08:53.884 --> 00:08:56.859
自らの経済的知性を使い

00:08:56.859 --> 00:09:01.131
グローバルの
政治経済ルールを操作し

00:09:01.131 --> 00:09:03.217
自分に有利にすることです

00:09:03.217 --> 00:09:05.966
これは 単なる仮定の話
ではありません

00:09:05.966 --> 00:09:10.395
Amazon Apple Google
Starbucksを見てください

00:09:10.395 --> 00:09:12.499
これらは
世界で最も尊敬され

00:09:12.499 --> 00:09:15.045
愛され 革新的な企業ですが

00:09:15.045 --> 00:09:17.969
同時に 特に長けていたのは

00:09:17.969 --> 00:09:20.207
国際税制をたくみに使い

00:09:20.207 --> 00:09:24.765
支払う税金を大幅に
減らすことです

00:09:24.765 --> 00:09:29.080
今あるグローバル政治経済制度を

00:09:29.080 --> 00:09:31.168
最大限有利になるよう操るだけで

00:09:31.168 --> 00:09:33.313
満足するわけがありません

00:09:33.313 --> 00:09:37.630
一度 所得分配の
最上層にあるような―

00:09:37.630 --> 00:09:40.703
ものすごく大きな
経済的権力や

00:09:40.703 --> 00:09:43.953
それに伴う政治的権力を
手にしてしまうと

00:09:43.953 --> 00:09:46.466
ゲームのルールを

00:09:46.466 --> 00:09:50.054
自分の有利になるように
変えたくなってしまうものなのです

00:09:50.054 --> 00:09:52.156
自分の有利になるように
変えたくなってしまうものなのです

00:09:52.156 --> 00:09:54.890
これもまた 単なる
仮定の話ではありません

00:09:54.890 --> 00:09:56.825
ソビエト崩壊後の
ロシアの新興財閥が

00:09:56.825 --> 00:10:00.087
ロシアの天然資源について
世紀の民営化をしたときに

00:10:00.087 --> 00:10:02.057
したことでもあります

00:10:02.057 --> 00:10:03.831
それは 米国や英国における

00:10:03.831 --> 00:10:05.866
金融サービスの規制緩和が
招いた結果の

00:10:05.866 --> 00:10:08.101
別の見方でもあります

NOTE Paragraph

00:10:08.101 --> 00:10:10.027
心配していることの
二つ目は

00:10:10.027 --> 00:10:12.758
実力のある超富豪の台頭が

00:10:12.758 --> 00:10:15.504
貴族政治に陥りやすいことです

00:10:15.504 --> 00:10:17.579
これら超富豪層は

00:10:17.579 --> 00:10:19.386
アルファギークとも言えます

00:10:19.386 --> 00:10:21.900
こうした人たちは
今日の経済において

00:10:21.900 --> 00:10:24.308
分析力 数学的なスキルが

00:10:24.308 --> 00:10:28.490
どれだけ重要か
よく分かっています

00:10:28.490 --> 00:10:30.909
だから 彼らは

00:10:30.909 --> 00:10:33.686
これまでにないくらいの
時間とリソースを費やし

00:10:33.686 --> 00:10:35.583
子どもを教育しているのです

00:10:35.583 --> 00:10:38.850
中産階級も
教育に多くを使いますが

00:10:38.850 --> 00:10:41.211
グローバル世界での
エリート教育競争は

00:10:41.211 --> 00:10:42.995
幼稚園から始まり

00:10:42.995 --> 00:10:46.733
ハーバードやスタンフォード
MITにたどり着くまで続きます

00:10:46.733 --> 00:10:50.211
残り99％の者は 「1％」に
さらに大きな差を

00:10:50.211 --> 00:10:51.750
つけられつつあります

00:10:51.750 --> 00:10:54.456
その結果が
経済学者のアラン・クルーガーと

00:10:54.456 --> 00:10:58.161
マイルズ・コラックが
「グレート・ギャッツビー・カーブ」と呼ぶものです

00:10:58.161 --> 00:11:00.964
所得格差が広がるにつれ

00:11:00.964 --> 00:11:03.737
社会的流動性は低くなります

00:11:03.737 --> 00:11:06.495
超富豪の台頭は
能力主義の結果かもしれませんが

00:11:06.495 --> 00:11:08.711
所得分布の最上層に生まれなければ

00:11:08.711 --> 00:11:13.595
ますます 競争にすら
参加できなくなりつつあります

NOTE Paragraph

00:11:13.595 --> 00:11:16.619
そして三つ目が
最も心配なことなのですが

00:11:16.619 --> 00:11:20.970
グローバルな超富豪層台頭の原因となる

00:11:20.970 --> 00:11:24.160
これらの概してポジティブな勢力が
同時にどれだけ

00:11:24.160 --> 00:11:27.592
西洋の工業国における
中産階級を空洞化させているかです

00:11:27.592 --> 00:11:30.546
西洋の工業国における
中産階級を空洞化させているかです

00:11:30.546 --> 00:11:32.633
まずは技術から見てみましょう

00:11:32.633 --> 00:11:35.706
億万長者を生み出す
この勢力はまた

00:11:35.706 --> 00:11:39.729
多くの伝統的な中産階級の仕事を
呑み込んで行っています

00:11:39.729 --> 00:11:42.668
最後に 旅行代理店を
使ったのはいつですか？

00:11:42.668 --> 00:11:45.749
産業革命とは対照的に

00:11:45.749 --> 00:11:47.905
この新しい経済の巨人たちは

00:11:47.905 --> 00:11:50.707
新しい仕事をそれほど
生み出してはいません

00:11:50.707 --> 00:11:54.526
ゼネラルモーターズは
最盛期には何十万人も雇いましたが

00:11:54.526 --> 00:11:57.549
Facebookは
1万人にも至りません

00:11:57.549 --> 00:12:00.219
同じことは
グローバル化にも言えます

00:12:00.219 --> 00:12:03.462
新興国において
何億もの人々を

00:12:03.462 --> 00:12:05.802
貧困から救っている一方で

00:12:05.802 --> 00:12:08.668
西洋の先進国から

00:12:08.668 --> 00:12:10.969
多くの業務を
アウトソースしています

00:12:10.969 --> 00:12:13.736
おそるべき現実はこうです

00:12:13.736 --> 00:12:15.993
経済が成長すれば

00:12:15.993 --> 00:12:18.930
当然 皆が豊かになるという決まりは

00:12:18.930 --> 00:12:20.633
当然 皆が豊かになるという決まりは

00:12:20.633 --> 00:12:22.943
どこにもないのです

00:12:22.943 --> 00:12:25.617
それが示されているのは

00:12:25.617 --> 00:12:29.300
現代で最も危機感を感じさせる
統計です

00:12:29.300 --> 00:12:33.358
1990年代後半から
生産性の向上は

00:12:33.358 --> 00:12:36.020
賃金や雇用の増加とは

00:12:36.036 --> 00:12:37.970
切り離されてきました

00:12:37.970 --> 00:12:40.914
つまり 私たちの国は
より豊かになり

00:12:40.914 --> 00:12:43.538
企業もより効率的に
なっていますが

00:12:43.538 --> 00:12:45.479
より多くの仕事を
生み出すことはなく

00:12:45.479 --> 00:12:49.350
全体として賃金も
増えていません

NOTE Paragraph

00:12:49.350 --> 00:12:53.559
これら全てから導き出せる
恐ろしい結論として

00:12:53.559 --> 00:12:57.270
構造的失業があります

00:12:57.270 --> 00:13:01.057
でも 私がより不安になるのは
別のシナリオです

00:13:01.057 --> 00:13:03.649
結局のところ
労働の完全自由市場においては

00:13:03.649 --> 00:13:06.851
ほぼ全員に
仕事は見つけられます

00:13:06.851 --> 00:13:08.879
でも 心配なことは

00:13:08.879 --> 00:13:12.525
少数の天才たちが

00:13:12.525 --> 00:13:14.605
Googleやその類を発明し

00:13:14.605 --> 00:13:19.800
残りの人たちは
天才の肩もみをするだけになることです

NOTE Paragraph

00:13:19.800 --> 00:13:22.433
私は こうした思いで
とても悲観的になると

00:13:22.433 --> 00:13:26.262
産業革命を思い起こし
気を休めます

00:13:26.262 --> 00:13:30.157
恐ろしいといっても

00:13:30.157 --> 00:13:32.657
結局はうまくいったわけでしょう？

00:13:32.657 --> 00:13:39.680
ここにいる私たちは
より豊かに 健康に 背も高く―

00:13:39.680 --> 00:13:41.706
まあ ちょっと例外はありますが―

00:13:41.706 --> 00:13:46.697
より長生きをするようになっています
19世紀初頭の先祖とは違います

00:13:46.697 --> 00:13:49.281
でも 覚えておくべきことは

00:13:49.281 --> 00:13:52.103
産業革命の成果を
幅広く社会で

00:13:52.103 --> 00:13:53.782
共有するようになるまで

00:13:53.782 --> 00:13:56.345
共有するようになるまで

00:13:56.345 --> 00:13:59.740
私たちは二つの不況を
乗り越えねばなりませんでした

00:13:59.740 --> 00:14:01.599
1930年代の世界大恐慌と

00:14:01.599 --> 00:14:04.453
1870年代の大不況です

00:14:04.453 --> 00:14:07.620
そして 二つの世界大戦や

00:14:07.620 --> 00:14:09.699
ロシア 中国での共産革命

00:14:09.699 --> 00:14:12.024
西洋における大きな
社会政治的な大混乱もありました

00:14:12.024 --> 00:14:14.780
西洋における大きな
社会政治的な大混乱もありました

00:14:14.780 --> 00:14:17.500
また意図的に

00:14:17.500 --> 00:14:20.038
社会政治的な改革も行ないました

00:14:20.038 --> 00:14:22.617
社会政治的な改革も行ないました

00:14:22.617 --> 00:14:24.961
私たちは近代的福祉国家を作りました

00:14:24.961 --> 00:14:26.703
公教育を作りました

00:14:26.703 --> 00:14:28.407
公的医療保障制度も作りました

00:14:28.407 --> 00:14:30.182
公的年金も作りました

00:14:30.182 --> 00:14:32.207
労働組合も作りました

NOTE Paragraph

00:14:32.207 --> 00:14:34.723
今日 私たちが
生き抜こうとしているのは

00:14:34.723 --> 00:14:36.684
経済変革の時代です

00:14:36.684 --> 00:14:39.990
その変革は
規模 範囲ともに

00:14:39.990 --> 00:14:42.258
産業革命に匹敵します

00:14:42.258 --> 00:14:45.449
この新しい経済が
超富豪層だけではなく

00:14:45.449 --> 00:14:47.567
全ての人に
確実に利益をもたらすよう

00:14:47.567 --> 00:14:49.231
私たちは
同じくらい野心的な

00:14:49.231 --> 00:14:53.150
社会的 政治的変革の時代に
乗り出して行かねばなりません

00:14:53.150 --> 00:14:55.808
新たなニューディール政策が
必要なのです

NOTE Paragraph

00:14:55.808 --> 00:14:59.808
（拍手）