WEBVTT 00:00:01.111 --> 00:00:03.643 2012年の冬に 00:00:03.667 --> 00:00:05.684 祖母の家を訪ねたときのことです 00:00:05.708 --> 00:00:07.351 インド南部なのですが 00:00:07.375 --> 00:00:08.684 そのあたりの蚊は 00:00:08.708 --> 00:00:12.393 アメリカ生まれの血が 大好物なようで― NOTE Paragraph 00:00:12.417 --> 00:00:13.518 (笑) NOTE Paragraph 00:00:13.542 --> 00:00:14.792 もう本当に NOTE Paragraph 00:00:15.375 --> 00:00:18.708 滞在中 私は思いがけず ある物を譲り受けました 00:00:19.583 --> 00:00:22.101 こちらのアンティークの楽器です 00:00:22.125 --> 00:00:24.059 1世紀以上前に 00:00:24.083 --> 00:00:26.726 貴重な木材から 手彫りで作られたこの楽器は 00:00:26.750 --> 00:00:28.101 真珠が埋め込まれ 00:00:28.125 --> 00:00:30.458 金属弦が数十本 張られています 00:00:31.958 --> 00:00:34.059 家に代々伝わる物で 00:00:34.083 --> 00:00:36.184 私の過去と未来 00:00:36.208 --> 00:00:38.434 つまり 両親が生まれた国と 00:00:38.458 --> 00:00:40.059 私がこれから選ぶ地を 00:00:40.083 --> 00:00:41.792 つなぐものです NOTE Paragraph 00:00:43.125 --> 00:00:46.059 それを手にしたときは 分からなかったのですが 00:00:46.083 --> 00:00:50.125 後に私の研究にとって 重要なメタファーになりました NOTE Paragraph 00:00:50.917 --> 00:00:52.684 こんな格言がありますね 00:00:52.708 --> 00:00:55.042 「今ほど良い時はない」 00:00:56.167 --> 00:01:00.000 でも今はむしろ 「今しか存在しない」ではないでしょうか 00:01:01.000 --> 00:01:05.726 目の前で起こる一瞬の出来事に 私たちは自らの人生や 00:01:05.750 --> 00:01:08.250 経済そして政治を 支配されているように思えます 00:01:09.821 --> 00:01:14.272 その日に自分がした何でもないことや その時 有名人が流したツイートで 00:01:14.297 --> 00:01:17.106 すぐ頭がいっぱいになります 00:01:18.518 --> 00:01:23.256 ビジネスも同じで 目の前の利益を追求するあまり 00:01:23.914 --> 00:01:26.414 将来の成長に必要なことを すぐ蔑ろにしてしまいます 00:01:28.247 --> 00:01:31.913 政府も同じで あっという間に傍観者となり 00:01:32.294 --> 00:01:34.936 次世代のために 漁場や農地を守るのではなく 00:01:35.532 --> 00:01:38.397 枯渇されるがままに してしまいます 00:01:40.428 --> 00:01:42.428 私はこう感じています 00:01:42.649 --> 00:01:47.514 このままだと私たちの世代は 良き祖先になれないのではないかと 00:01:48.777 --> 00:01:52.837 人間は 進化して 先を読む力を身に付けました 00:01:52.861 --> 00:01:55.045 星図を描き 00:01:55.069 --> 00:01:57.212 来世を夢見ますし 00:01:57.236 --> 00:01:59.277 後で収穫するために 種を植えます 00:02:00.569 --> 00:02:05.587 この類まれな力は 科学界では 「メンタルタイムトラベル」とも呼ばれ 00:02:05.611 --> 00:02:09.878 人類文明の ほぼすべてを 支えるものです 00:02:09.902 --> 00:02:12.462 農業からマグナ・カルタ 00:02:12.486 --> 00:02:14.170 インターネットまで 00:02:14.194 --> 00:02:16.777 どれも最初は 頭の中から生まれました NOTE Paragraph 00:02:18.361 --> 00:02:19.628 でも現実に目を向けて 00:02:19.652 --> 00:02:22.253 今の私たちの行動を見ると 00:02:22.277 --> 00:02:26.402 この素晴らしい能力をどうも あまり使っていないようです 00:02:28.069 --> 00:02:30.236 いったい なぜでしょう? 00:02:32.569 --> 00:02:37.795 コミュニティやビジネス 制度の在り方に 問題があるのです 00:02:37.819 --> 00:02:40.944 私たちが先を読むのを阻む 仕組みになっているのです 00:02:42.444 --> 00:02:45.045 ここで 私たちが犯しつつある 3つの重大な過ちについて 00:02:45.069 --> 00:02:46.402 お話ししましょう NOTE Paragraph 00:02:47.569 --> 00:02:49.777 1つ目は 評価対象を 誤っていることです 00:02:51.569 --> 00:02:54.962 企業を見るとき 四半期毎の利益や 00:02:54.986 --> 00:02:57.503 目先の株価に注目していては 00:02:57.527 --> 00:02:59.295 長期的に見て 市場シェアを上げられるか 00:02:59.319 --> 00:03:02.045 新たな価値を生み出せるか 見極めるのは 00:03:02.069 --> 00:03:04.337 おそらく難しいでしょう 00:03:04.361 --> 00:03:09.462 相手が子どもの場合 親がテストの点数ばかり気にするのは 00:03:09.486 --> 00:03:12.462 その子の長期的な学習や好奇心に 00:03:12.486 --> 00:03:14.444 良いこととは限りません 00:03:15.402 --> 00:03:18.027 私たちは 将来 重要になることを 評価していないのです NOTE Paragraph 00:03:19.861 --> 00:03:22.920 先読みを阻む2つ目の過ちは 00:03:22.944 --> 00:03:24.527 何に対して報いるか にあります 00:03:25.652 --> 00:03:28.795 政治やビジネス界のリーダーが 惨事に対処し 00:03:28.819 --> 00:03:32.045 そのことを公表すると 00:03:32.069 --> 00:03:34.587 私たちは賛辞を送りますが 00:03:34.611 --> 00:03:36.170 それで リーダーに対して 00:03:36.194 --> 00:03:40.170 そもそも惨事自体が起こらないよう 資金を投入することを促す訳でも 00:03:40.194 --> 00:03:44.878 洪水からコミュニティを守り 不平等と戦い 00:03:44.902 --> 00:03:46.670 研究や教育に資金を提供して 00:03:46.694 --> 00:03:49.194 将来への投資を促す訳でもありません NOTE Paragraph 00:03:50.861 --> 00:03:54.837 先読みを阻む3つ目の過ちは 00:03:54.861 --> 00:03:56.777 想像が及んでいないことです 00:03:58.402 --> 00:04:00.295 私たちが未来について考えるとき 00:04:00.319 --> 00:04:03.087 注目しがちなのは 具体的な予測です 00:04:03.111 --> 00:04:06.361 占星図を使おうが アルゴリズムを使おうが それは同じです 00:04:07.569 --> 00:04:12.611 それに比べ 未来の様々な可能性を 想像することは ぐっと少ないでしょう 00:04:14.319 --> 00:04:19.295 2014年に西アフリカで エボラ出血熱が流行したとき 00:04:19.319 --> 00:04:22.962 世界中の公衆衛生に関わる専門職員は 初期の危険信号に気づき 00:04:22.986 --> 00:04:25.212 予測ツールは 00:04:25.236 --> 00:04:28.253 流行が どう拡大するか 可能性を示していたにもかかわらず 00:04:28.277 --> 00:04:32.212 大流行になることを見抜けませんでした 00:04:32.236 --> 00:04:34.378 早期に介入がなされなかった結果 00:04:34.402 --> 00:04:37.361 流行は拡大し 1万1千以上の命が奪われました 00:04:38.611 --> 00:04:41.920 たくさんの情報と正確な予報があるのに 00:04:41.944 --> 00:04:44.753 最大級のハリケーンに 備えようとしないのは 00:04:44.777 --> 00:04:48.944 往々にして それがどれだけ危険か 想像できていないからです NOTE Paragraph 00:04:51.152 --> 00:04:53.503 さて こうした過ちの話を聞くと 00:04:53.527 --> 00:04:55.878 お先真っ暗のように 感じるかもしれませんが 00:04:55.902 --> 00:04:57.836 どれも避けられないものではありません 00:04:57.860 --> 00:04:59.860 すべて避けることができます 00:05:01.402 --> 00:05:03.962 未来に向けて より良い決断を するのに必要なのは 00:05:03.986 --> 00:05:05.795 先読みを助けてくれるツール 00:05:05.819 --> 00:05:08.170 先のことを考えやすく してくれるものです 00:05:08.194 --> 00:05:14.795 昔の船長が水平線を見渡すのに使った 望遠鏡のようなものです 00:05:14.819 --> 00:05:19.170 距離の離れた海の先を見る代わりに 00:05:19.194 --> 00:05:22.444 時間的に離れた未来を 見通すためのツールです 00:05:23.986 --> 00:05:26.045 いくつかご紹介しましょう 00:05:26.069 --> 00:05:28.087 研究の中で見つけたもので 00:05:28.111 --> 00:05:30.069 先を読むのに役立つと思います NOTE Paragraph 00:05:31.736 --> 00:05:33.837 最初にご紹介するツールは 00:05:33.861 --> 00:05:37.420 長期的な取り組みをしつつ 今も利益を生み出すというものです 00:05:37.444 --> 00:05:41.420 こちらは 農家のウェス・ジャクソンです カンザス州でご一緒しました 00:05:41.444 --> 00:05:42.878 ジャクソンは気づいていました 00:05:42.902 --> 00:05:46.712 現在 世界では ほとんどの作物が 00:05:46.736 --> 00:05:49.503 次世代が食べていくのに必要な 肥沃な表土の養分を 00:05:49.527 --> 00:05:51.527 食い尽くす形で育てられています 00:05:52.569 --> 00:05:54.878 ジャクソンは科学者たちと 力を合わせて 00:05:54.902 --> 00:05:59.045 多年生の穀類を育てることにしました 00:05:59.069 --> 00:06:01.420 深く根を張るので 農場の肥沃な表土を守り 00:06:01.444 --> 00:06:04.111 浸食を防ぐとともに 将来の収穫を守ることができます 00:06:05.277 --> 00:06:06.920 とはいえ 00:06:06.944 --> 00:06:10.878 今 農家の人たちに こうした作物を育てさせるには 00:06:10.902 --> 00:06:13.795 年間収穫量を上げるとともに 00:06:13.819 --> 00:06:18.212 その穀物でシリアルやビールを作ってくれる 会社を見つける必要がありました 00:06:18.236 --> 00:06:22.319 農家が 明日のために働きながら 今日の利益も得るためです NOTE Paragraph 00:06:23.402 --> 00:06:25.462 この戦略は実証済みです 00:06:25.486 --> 00:06:28.295 ジョージ・ワシントン・カーヴァーが 00:06:28.319 --> 00:06:31.795 20世紀初頭に 南北戦争後のアメリカ南部で 00:06:31.819 --> 00:06:33.837 使った戦略です 00:06:33.861 --> 00:06:38.962 カーヴァーが ピーナッツの 3百もの利用法を考案した話は有名です 00:06:38.986 --> 00:06:41.837 彼が思いついた商品やレシピのお陰で 00:06:41.861 --> 00:06:43.569 ピーナッツの人気は高まりました 00:06:44.402 --> 00:06:47.069 でも なぜそうしたかは さほど知られていません 00:06:47.986 --> 00:06:50.753 彼は 綿花の収穫減少にあえぐ アラバマの貧しい小作農を 00:06:50.777 --> 00:06:53.003 助けようとしていました 00:06:53.027 --> 00:06:55.628 綿花畑にピーナッツを植えれば 00:06:55.652 --> 00:06:57.003 土壌が改善され 00:06:57.027 --> 00:07:00.045 数年後には綿花の収穫高は 改善しますが 00:07:00.069 --> 00:07:03.308 農家を動かすには目先の利益も 必要だと考えたのです NOTE Paragraph 00:07:04.277 --> 00:07:07.069 では 先読みのための もう1つのツールをご紹介します 00:07:07.944 --> 00:07:12.170 過去の記憶を生かすことで 00:07:12.194 --> 00:07:14.277 未来を想像できるようにするものです 00:07:15.069 --> 00:07:17.128 私は福島県を訪れました 00:07:17.152 --> 00:07:24.236 2011年の東日本大震災と津波で発生した 原発事故から6年を迎えたときでした 00:07:25.319 --> 00:07:29.712 そこで私は女川原子力発電所のことを 知りました 00:07:29.736 --> 00:07:32.545 女川原発は 皆さんご存知の 福島第一原発よりも 00:07:32.569 --> 00:07:35.444 震源地にもっと近い場所にあります 00:07:36.319 --> 00:07:43.378 でも 女川原発は 周辺住民の 避難場所となっていました 00:07:43.402 --> 00:07:45.253 それほど安全だったのです 00:07:45.277 --> 00:07:47.027 津波の影響も受けませんでした 00:07:48.111 --> 00:07:52.628 これは 平井弥之助という技術者が 00:07:52.652 --> 00:07:53.902 先読みをしたお陰でした 00:07:54.986 --> 00:07:58.753 1960年代 平井は 女川原発の建設にあたり 00:07:58.777 --> 00:08:00.462 建設地を海岸線から離れた― 00:08:00.486 --> 00:08:03.277 より高い場所にし 高い防波堤も設けさせました 00:08:04.402 --> 00:08:08.045 彼は 故郷の神社が 869年に津波で 00:08:08.069 --> 00:08:11.694 被害を受けたことを 知っていたからです 00:08:12.694 --> 00:08:16.462 歴史を知っていたことで 平井は 他の人が想像しえなかったものを 00:08:16.486 --> 00:08:17.986 想像することができたのです NOTE Paragraph 00:08:19.986 --> 00:08:21.861 さて もう1つご紹介します 00:08:22.777 --> 00:08:26.795 皆で共に代々伝えていくものを 創ることです 00:08:26.819 --> 00:08:29.670 こちらの メキシコ太平洋岸で ロブスター漁をする人たちが 00:08:29.694 --> 00:08:32.128 私に教えてくれました 00:08:32.152 --> 00:08:34.878 彼らは その地での ロブスターの漁獲量を 00:08:34.902 --> 00:08:37.045 1世紀近くも維持してきました 00:08:37.069 --> 00:08:43.920 ロブスターを 皆の子どもや孫たちに受け継ぐ 共有資源と捉えることで守ったのです 00:08:43.944 --> 00:08:46.337 どのロブスターを獲るか 注意深く評価し 00:08:46.361 --> 00:08:49.444 繁殖に必要なロブスターまで 獲り尽くさないようにしています 00:08:50.569 --> 00:08:53.503 北米の30以上の漁場で 00:08:53.527 --> 00:08:56.545 これと似たような取り組みが なされています 00:08:56.569 --> 00:09:01.128 「漁獲枠」と言われる 漁場における長期的権益を作ることで 00:09:01.152 --> 00:09:03.378 今 海にあるものをただ獲るのではなく 00:09:03.402 --> 00:09:07.045 長期的な漁場保存に向かうよう 00:09:07.069 --> 00:09:09.152 漁業関係者を導くのです NOTE Paragraph 00:09:11.027 --> 00:09:13.712 皆さんにご紹介したい 先読みのためのツールは 00:09:13.736 --> 00:09:15.252 もっとたくさんあり 00:09:15.276 --> 00:09:17.170 いろんな場面で使われています 00:09:17.194 --> 00:09:20.587 例えば 投資会社が 目先の株価より先を見据えていたり 00:09:20.611 --> 00:09:22.587 国政選挙が 選挙資金提供者の目先の利益に 00:09:22.611 --> 00:09:25.569 左右されないように していたりです 00:09:27.111 --> 00:09:31.045 私たちは こうしたツールを できるだけ多く集めないといけません 00:09:31.069 --> 00:09:33.503 そして 評価対象を見直し 00:09:33.527 --> 00:09:35.462 報いる対象を変え 00:09:35.486 --> 00:09:38.277 先にあるものを想像する勇気を 持つのです NOTE Paragraph 00:09:40.402 --> 00:09:44.111 ご想像のとおり これは簡単なことではありません 00:09:45.111 --> 00:09:48.378 自身の生活の中で 使えるツールもあれば 00:09:48.402 --> 00:09:52.611 会社やコミュニティの中で あるいは社会全体で 00:09:53.319 --> 00:09:55.652 行うべきこともあります 00:09:57.569 --> 00:09:59.861 未来には それだけの価値があります NOTE Paragraph 00:10:03.194 --> 00:10:07.753 私自身がこの努力を続けられるのは 先ほどご紹介した楽器があるからです 00:10:07.777 --> 00:10:09.277 「ディルルバ」といいます 00:10:10.027 --> 00:10:13.712 この楽器は 曾祖父のために 特別に作られた物です 00:10:13.736 --> 00:10:16.503 曾祖父は 20世紀初頭に インドで名を馳せた― 00:10:16.527 --> 00:10:18.069 音楽・芸術の批評家でした 00:10:20.319 --> 00:10:24.527 曾祖父は 先を読んでいたようで 00:10:25.736 --> 00:10:29.878 曾祖母が全財産を質入れしようとしたときも この楽器を守りました 00:10:29.902 --> 00:10:31.152 それは さておき― 00:10:33.652 --> 00:10:36.670 曾祖父は 次世代に 引き継ぐことで楽器を守りました 00:10:36.694 --> 00:10:38.378 曾祖父は楽器を祖母に譲り 00:10:38.402 --> 00:10:40.402 そして祖母は私に譲りました NOTE Paragraph 00:10:42.777 --> 00:10:45.670 この楽器の音色を 初めて耳にしたとき 00:10:45.694 --> 00:10:46.944 憑りつかれたようになり 00:10:47.944 --> 00:10:51.902 ヒマラヤ山脈に立ち込める霧の中で さまよう者の声 00:10:53.361 --> 00:10:55.861 過去からの声を聞いているか のように感じました NOTE Paragraph 00:10:56.986 --> 00:11:00.777 (音楽) NOTE Paragraph 00:11:32.902 --> 00:11:34.152 (音楽終わり) NOTE Paragraph 00:11:37.069 --> 00:11:40.069 これは 友人のシムラン・シンによる演奏です 00:11:41.027 --> 00:11:44.253 私が弾くと 猫の金切り声のような音に なってしまうので 00:11:44.277 --> 00:11:45.545 遠慮しておきました NOTE Paragraph 00:11:45.569 --> 00:11:48.212 (笑) NOTE Paragraph 00:11:48.236 --> 00:11:51.212 この楽器は今 私の家にありますが 00:11:51.236 --> 00:11:53.277 私の物ではありません 00:11:54.777 --> 00:11:57.277 私はしばらくの間 預かっているだけです 00:11:58.444 --> 00:12:01.861 私には そのほうが ただ所有するより意義深く思えます 00:12:03.986 --> 00:12:09.611 この楽器の前では 私は 子孫でも祖先でもあります 00:12:11.236 --> 00:12:14.527 この楽器は 自分がより大きな物語の 一部だと感じさせてくれるのです NOTE Paragraph 00:12:16.652 --> 00:12:18.128 私は信じています 00:12:18.152 --> 00:12:22.194 私たちが先を読む力を取り戻す ただ1つの最強の方法は 00:12:23.861 --> 00:12:27.777 自らを 憧れの良き祖先だ と考えることです 00:12:29.527 --> 00:12:32.111 自身の子どもに対する祖先 というだけではなく 00:12:33.569 --> 00:12:35.444 全人類に対する祖先です 00:12:36.944 --> 00:12:38.861 受け継がれるものが何であれ 00:12:40.111 --> 00:12:42.111 その大小を問わず 00:12:43.736 --> 00:12:44.986 守ってください 00:12:46.527 --> 00:12:49.902 それが奏でる音楽は 世代を越えて共鳴するはずです NOTE Paragraph 00:12:50.569 --> 00:12:51.837 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:12:51.861 --> 00:12:57.402 (拍手)