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Dialogue: 0,0:00:14.00,0:00:16.00,Default,,0000,0000,0000,,何世紀も前 エミリー・ディキンソンは\Nこう書きました
Dialogue: 0,0:00:16.00,0:00:18.00,Default,,0000,0000,0000,,「本のように素早く 私たちを\Nさらってくれる船はない」
Dialogue: 0,0:00:18.00,0:00:20.00,Default,,0000,0000,0000,,その通りですね
Dialogue: 0,0:00:20.00,0:00:24.00,Default,,0000,0000,0000,,私たちは本を手に取ったり\Nテレビをつけたり 映画を観ると
Dialogue: 0,0:00:24.00,0:00:28.00,Default,,0000,0000,0000,,物語の波にさらわれて\N想像の世界へと誘われます
Dialogue: 0,0:00:28.00,0:00:31.00,Default,,0000,0000,0000,,そして 新しいけれど\N見覚えのある土地に上陸すると
Dialogue: 0,0:00:31.00,0:00:34.00,Default,,0000,0000,0000,,何か不思議なことが起こります
Dialogue: 0,0:00:34.00,0:00:36.00,Default,,0000,0000,0000,,足を踏み入れると\N私たちは変わるのです
Dialogue: 0,0:00:36.00,0:00:40.00,Default,,0000,0000,0000,,これまでたどってきた作者や登場人物の\N足跡をたどりはしません
Dialogue: 0,0:00:40.00,0:00:43.00,Default,,0000,0000,0000,,私たちは彼らになりきって\N歩み始めるのです
Dialogue: 0,0:00:43.00,0:00:47.00,Default,,0000,0000,0000,,心理学や神経科学\N幼児発達や生物学の研究者は
Dialogue: 0,0:00:47.00,0:00:50.00,Default,,0000,0000,0000,,作家や読者がずっと前から\N知っていたことを証明する―
Dialogue: 0,0:00:50.00,0:00:53.00,Default,,0000,0000,0000,,計量可能な科学的証拠を得ようと\N研究を始めつつあります
Dialogue: 0,0:00:53.00,0:00:57.00,Default,,0000,0000,0000,,物語には人の視点を変える\N独特の力があるということです
Dialogue: 0,0:00:57.00,0:01:00.00,Default,,0000,0000,0000,,物語が文化を形作っていること―
Dialogue: 0,0:01:00.00,0:01:03.00,Default,,0000,0000,0000,,人生についての考えの多くは事実ではなく
Dialogue: 0,0:01:03.00,0:01:06.00,Default,,0000,0000,0000,,物語に由来すること―
Dialogue: 0,0:01:06.00,0:01:08.00,Default,,0000,0000,0000,,階級や結婚 ジェンダーという考えすら
Dialogue: 0,0:01:08.00,0:01:12.00,Default,,0000,0000,0000,,比較的新しいということ\Nそして長く浸透していた概念が
Dialogue: 0,0:01:12.00,0:01:17.00,Default,,0000,0000,0000,,18世紀に見直され 初期の小説に\N描かれたことがわかっています
Dialogue: 0,0:01:17.00,0:01:21.00,Default,,0000,0000,0000,,努力ではなく階級で\N人の価値が決まる世界や
Dialogue: 0,0:01:21.00,0:01:24.00,Default,,0000,0000,0000,,女性が男性の不完全なコピーに過ぎない世界
Dialogue: 0,0:01:24.00,0:01:28.00,Default,,0000,0000,0000,,愛情による結婚が目新しい世界を\N想像してみてください
Dialogue: 0,0:01:28.00,0:01:32.00,Default,,0000,0000,0000,,サミュエル・リチャードソンの『パメラ』が\N書かれたのはそんな時代でした
Dialogue: 0,0:01:32.00,0:01:36.00,Default,,0000,0000,0000,,リチャードソンの恋愛物語に出てくる\N貧しい使用人階級のヒロインは
Dialogue: 0,0:01:36.00,0:01:40.00,Default,,0000,0000,0000,,階級が上の恋人よりも\N道徳的にも知的にもすぐれています
Dialogue: 0,0:01:40.00,0:01:42.00,Default,,0000,0000,0000,,この本は 伝統に真っ向から反対し
Dialogue: 0,0:01:42.00,0:01:44.00,Default,,0000,0000,0000,,大きな論争を引き起こしました
Dialogue: 0,0:01:44.00,0:01:47.00,Default,,0000,0000,0000,,国会よりも『パメラ』の方が\N話題であったくらいです
Dialogue: 0,0:01:47.00,0:01:50.00,Default,,0000,0000,0000,,この本は激しい論争と\N対抗するような作品を生みました
Dialogue: 0,0:01:50.00,0:01:52.00,Default,,0000,0000,0000,,『パメラ』を受け入れられない\N人々がいた一方で
Dialogue: 0,0:01:52.00,0:01:55.00,Default,,0000,0000,0000,,新しい物語の世界を\N歓迎する人々もいました
Dialogue: 0,0:01:55.00,0:01:58.00,Default,,0000,0000,0000,,このベストセラー作品と\Nその系譜を継ぐ作品群の
Dialogue: 0,0:01:58.00,0:02:01.00,Default,,0000,0000,0000,,『高慢と偏見』 『ジェーン・エア』 \N『トワイライト』などでは
Dialogue: 0,0:02:01.00,0:02:05.00,Default,,0000,0000,0000,,同じ筋書きが繰り返し語られ\N今ではすっかり当たり前のものとなった
Dialogue: 0,0:02:05.00,0:02:07.00,Default,,0000,0000,0000,,教訓を教えてくれます
Dialogue: 0,0:02:07.00,0:02:10.00,Default,,0000,0000,0000,,小説はまた 思想家たちの
Dialogue: 0,0:02:10.00,0:02:12.00,Default,,0000,0000,0000,,考えを形作ってもきました
Dialogue: 0,0:02:12.00,0:02:14.00,Default,,0000,0000,0000,,ダーウィンの『進化論』は\N彼が愛読した
Dialogue: 0,0:02:14.00,0:02:17.00,Default,,0000,0000,0000,,物語に多くを負うているという\N学者もいます
Dialogue: 0,0:02:17.00,0:02:19.00,Default,,0000,0000,0000,,ダーウィンの説は 知性や俊敏さ
Dialogue: 0,0:02:19.00,0:02:23.00,Default,,0000,0000,0000,,変化への順応性を重要視しており\Nどれも主人公に欠かせない性質です
Dialogue: 0,0:02:23.00,0:02:26.00,Default,,0000,0000,0000,,あなたが読んでいるのが\N『ハリー・ポッター』でも『大いなる遺産』でも
Dialogue: 0,0:02:26.00,0:02:29.00,Default,,0000,0000,0000,,それはダーウィンが触発された\Nたぐいの物語なのです
Dialogue: 0,0:02:29.00,0:02:32.00,Default,,0000,0000,0000,,しかし 最近の研究によると\Nダーウィンの説は完全ではなく―
Dialogue: 0,0:02:32.00,0:02:36.00,Default,,0000,0000,0000,,主人公である男性や女性\Nあるいは生き物が
Dialogue: 0,0:02:36.00,0:02:40.00,Default,,0000,0000,0000,,単独で世界に立ち向かうという\N認識が間違っているかもしれません
Dialogue: 0,0:02:40.00,0:02:42.00,Default,,0000,0000,0000,,競争に組み込まれていたり
Dialogue: 0,0:02:42.00,0:02:45.00,Default,,0000,0000,0000,,自分の物語のたった１人の\N主人公なのではなく
Dialogue: 0,0:02:45.00,0:02:48.00,Default,,0000,0000,0000,,私たちは共に冒険をする\N仲間なのかもしれません
Dialogue: 0,0:02:48.00,0:02:51.00,Default,,0000,0000,0000,,ハリーというよりも\Nホビットのようだということです
Dialogue: 0,0:02:51.00,0:02:54.00,Default,,0000,0000,0000,,もちろん 時には 歩いている靴が\Nすり減ってしまうこともあります
Dialogue: 0,0:02:54.00,0:02:58.00,Default,,0000,0000,0000,,結局 ジェーン・オースティンや\Nマーク・トウェインの靴でちょっとどころか
Dialogue: 0,0:02:58.00,0:03:01.00,Default,,0000,0000,0000,,とんでもなく長い旅路を歩くのですから
Dialogue: 0,0:03:01.00,0:03:04.00,Default,,0000,0000,0000,,これは 名作を読んで 楽しめない\Nというのではありません
Dialogue: 0,0:03:04.00,0:03:06.00,Default,,0000,0000,0000,,ディケンズと旅をし
Dialogue: 0,0:03:06.00,0:03:08.00,Default,,0000,0000,0000,,自分にどんな期待をかければいいか\Nピップから教えてもらいましょう
Dialogue: 0,0:03:08.00,0:03:12.00,Default,,0000,0000,0000,,オースティンとエリザベスと一緒に\Nプライドや偏見について語り合うのです
Dialogue: 0,0:03:12.00,0:03:14.00,Default,,0000,0000,0000,,トウェインとミシシッピ川を下り
Dialogue: 0,0:03:14.00,0:03:17.00,Default,,0000,0000,0000,,ジムに善い人間であることが\Nどういうことか教えてもらいましょう
Dialogue: 0,0:03:17.00,0:03:20.00,Default,,0000,0000,0000,,でも 旅路で覚えておかねばならないのは
Dialogue: 0,0:03:20.00,0:03:22.00,Default,,0000,0000,0000,,地形は変わったのだということです
Dialogue: 0,0:03:22.00,0:03:25.00,Default,,0000,0000,0000,,新たな時代を歩むための\N新しいブーツを探さねばなりません
Dialogue: 0,0:03:25.00,0:03:29.00,Default,,0000,0000,0000,,たとえば カットニス・エヴァディーンの\Nキャピトルとの戦いのように
Dialogue: 0,0:03:29.00,0:03:32.00,Default,,0000,0000,0000,,『ハンガー・ゲーム』は資本主義についての\N新しい見方につながるでしょうか？
Dialogue: 0,0:03:32.00,0:03:37.00,Default,,0000,0000,0000,,集団よりも個人を優先させてはならない\N理由について教えてくれるでしょうか？
Dialogue: 0,0:03:37.00,0:03:40.00,Default,,0000,0000,0000,,『アグリーズ』は完璧な体を\N追い求める危険性と
Dialogue: 0,0:03:40.00,0:03:42.00,Default,,0000,0000,0000,,メディアに美を定義させる危うさを\N反映しているでしょうか？
Dialogue: 0,0:03:42.00,0:03:45.00,Default,,0000,0000,0000,,『シーカーズ』は地球温暖化への道を\N越えて行けるでしょうか？
Dialogue: 0,0:03:45.00,0:03:48.00,Default,,0000,0000,0000,,トクロやカリク\Nルサや他の熊たちが直面する
Dialogue: 0,0:03:48.00,0:03:51.00,Default,,0000,0000,0000,,生死にかかわる困難は\N動物たちや動物の世界における
Dialogue: 0,0:03:51.00,0:03:53.00,Default,,0000,0000,0000,,人間の立場を描いているのでしょうか？
Dialogue: 0,0:03:53.00,0:03:56.00,Default,,0000,0000,0000,,どの物語が私たちの想像力に働きかけ
Dialogue: 0,0:03:56.00,0:04:00.00,Default,,0000,0000,0000,,どの物語が私たちの将来に\N影響するかはわかりません
Dialogue: 0,0:04:00.00,0:04:02.00,Default,,0000,0000,0000,,でも いい知らせは
Dialogue: 0,0:04:02.00,0:04:05.00,Default,,0000,0000,0000,,日々の生活でも 新しい物語に\N飛び込むことができるということです
Dialogue: 0,0:04:05.00,0:04:09.00,Default,,0000,0000,0000,,影響や創造力 変化を与えてくれる\N新しい物語―
Dialogue: 0,0:04:09.00,0:04:12.00,Default,,0000,0000,0000,,あなただって物語を書くことができるのです
Dialogue: 0,0:04:12.00,0:04:15.00,Default,,0000,0000,0000,,最後はこの問いで締めくくりましょう
Dialogue: 0,0:04:15.00,0:04:19.00,Default,,0000,0000,0000,,次はどんな物語を試してみる？