1 00:00:00,952 --> 00:00:02,714 私は気象学者です 2 00:00:02,738 --> 00:00:05,881 物理気象学の学士、修士 博士号まで持っているので 3 00:00:05,905 --> 00:00:08,041 れっきとした気象学者です 4 00:00:08,444 --> 00:00:13,143 そうすると いつもされる 質問が4つあります 5 00:00:13,167 --> 00:00:15,723 この予想はまず当たります 6 00:00:15,747 --> 00:00:17,603 (笑) 7 00:00:17,627 --> 00:00:19,675 その質問というのは— 8 00:00:19,699 --> 00:00:22,183 「マーシャル どのチャンネルに出てるの?」 9 00:00:22,207 --> 00:00:24,024 (笑) 10 00:00:24,048 --> 00:00:26,889 「シェファード博士 明日の天気を教えてください」 11 00:00:26,913 --> 00:00:27,913 (笑) 12 00:00:27,937 --> 00:00:29,524 そして お気に入りのやつ 13 00:00:29,548 --> 00:00:32,867 「娘が9月に結婚するんですが 式は屋外なんです 14 00:00:32,867 --> 00:00:34,227 雨は降るでしょうか?」 15 00:00:34,251 --> 00:00:35,633 (笑) 16 00:00:35,657 --> 00:00:38,562 冗談じゃなく 聞かれるんですが 答えられません 17 00:00:38,586 --> 00:00:40,526 現在の科学ではまだ無理です 18 00:00:41,185 --> 00:00:44,088 でも最近よく聞かれるのは 19 00:00:44,112 --> 00:00:49,194 「シェファード博士 気候変動を 信じますか?」 20 00:00:49,331 --> 00:00:52,607 「地球温暖化が起こっていると 信じますか?」 21 00:00:52,807 --> 00:00:56,430 この質問には いつもぎょっとします 22 00:00:56,430 --> 00:00:58,392 間違った質問の仕方だからです 23 00:00:58,392 --> 00:01:00,886 科学は「信念体系」ではありません 24 00:01:00,911 --> 00:01:04,667 私の10歳の息子は「歯の妖精」を 信じています 25 00:01:04,838 --> 00:01:09,097 卒業してもらわないと 歯が抜けるたびに お金を取られてかないませんが— 26 00:01:09,097 --> 00:01:10,728 (笑) 27 00:01:10,752 --> 00:01:12,577 歯の妖精を信じています 28 00:01:12,601 --> 00:01:14,732 考えてみてください 29 00:01:15,361 --> 00:01:17,909 バンク・オブ・アメリカのビルが アトランタにありますが 30 00:01:17,933 --> 00:01:20,488 こんなことを言う人はいないでしょう 31 00:01:20,512 --> 00:01:23,091 「あのビルの上からボールを投げたら 32 00:01:23,115 --> 00:01:25,629 落下するって 信じます?」 33 00:01:25,807 --> 00:01:29,491 そんな質問ないですよね 重力は事実なんだから 34 00:01:30,427 --> 00:01:34,541 ではなぜ 「重力を信じますか?」 という質問は耳にしないのに 35 00:01:34,565 --> 00:01:39,040 「地球温暖化を信じますか?」 という質問は耳にするのでしょう? 36 00:01:40,161 --> 00:01:42,923 考えてほしいことがあります 37 00:01:43,799 --> 00:01:46,869 アメリカ科学振興協会(AAAS)は 38 00:01:46,869 --> 00:01:49,768 科学界でも有数の組織の一つですが 39 00:01:49,792 --> 00:01:53,712 科学者や一般の人に 様々な科学トピックについて尋ねました 40 00:01:53,736 --> 00:01:54,935 こういった内容です 41 00:01:54,959 --> 00:01:59,676 遺伝子組み換え食品や 動物実験の是非 人類の進化はあったのかなど 42 00:01:59,709 --> 00:02:02,209 科学者たちの反応を見てください 43 00:02:02,233 --> 00:02:04,947 こうしたトピックの研究者たちの 答えが赤のグラフ 44 00:02:04,971 --> 00:02:07,598 対して グレーは一般人の答えです 45 00:02:07,622 --> 00:02:09,978 どうしてこうなったのでしょう? 46 00:02:09,982 --> 00:02:11,844 どうしてこんな差が? 47 00:02:12,743 --> 00:02:17,364 科学者と 一般の方の意見に こんなにも差があるなんて 48 00:02:17,364 --> 00:02:19,656 私の分野ではどうでしょう 49 00:02:19,680 --> 00:02:21,330 例えば「気候変動」です 50 00:02:21,330 --> 00:02:24,231 科学者の87%は 51 00:02:24,255 --> 00:02:29,173 人間が気候変動に加担していると 思っています 52 00:02:29,450 --> 00:02:32,237 しかし一般の人は50%だけ? 53 00:02:33,323 --> 00:02:34,704 一体なぜ? 54 00:02:34,728 --> 00:02:38,521 「何が科学に対する認識を 形作るのだろう?」と 55 00:02:38,521 --> 00:02:41,592 疑問を持たずにはいられません 56 00:02:42,655 --> 00:02:43,929 興味深い疑問です 57 00:02:43,929 --> 00:02:46,647 私はこれについて かなり考えてきました 58 00:02:48,434 --> 00:02:53,100 私が思うに 一般の人々の 科学的認識を形成するものには 59 00:02:53,124 --> 00:02:55,974 信念体系とバイアスがあります 60 00:02:56,219 --> 00:02:57,935 「信念体系」と「バイアス」です 61 00:02:57,935 --> 00:02:59,759 少しお付き合いください 62 00:03:00,005 --> 00:03:02,458 その中の3つの要素を お話ししたいと思います 63 00:03:02,482 --> 00:03:06,155 「確証バイアス」 「ダニング=クルーガー効果」 64 00:03:06,179 --> 00:03:08,044 そして「認知的不協和」です 65 00:03:08,068 --> 00:03:12,581 たいそう学術的で小難しそうで まあその通りなんですが 66 00:03:12,585 --> 00:03:16,892 説明を聞けば皆さんは 「ああ それなら分かる! 67 00:03:16,892 --> 00:03:20,159 そういう人なら知ってるよ」 となるでしょう 68 00:03:21,355 --> 00:03:23,554 「確証バイアス」というのは 69 00:03:24,260 --> 00:03:28,732 自分が既に信じていることを支持する 証拠ばかり見つけること 70 00:03:28,756 --> 00:03:32,440 これは私たち皆が やってしまいがちなことでしょう 71 00:03:33,427 --> 00:03:34,890 これを見てください 72 00:03:34,890 --> 00:03:36,427 私はツイッターをやってますが 73 00:03:36,427 --> 00:03:38,709 雪が降るとよく 74 00:03:38,709 --> 00:03:40,928 こんなツイートが来ます 75 00:03:40,928 --> 00:03:43,148 (笑) 76 00:03:43,172 --> 00:03:47,031 「シェファード博士 うちの庭には 地球温暖化が50センチ積もってるぜ 77 00:03:47,031 --> 00:03:49,843 気候変動って何の話よ?」 78 00:03:49,843 --> 00:03:52,541 本当にこれがよく来るんですよ 79 00:03:52,909 --> 00:03:55,846 まあ 可笑しいツイートです 私もクスリときますよ 80 00:03:55,870 --> 00:04:00,295 でも これには科学的に 根本的な勘違いがあるんです 81 00:04:00,295 --> 00:04:01,870 だって このツイートで 82 00:04:01,870 --> 00:04:04,865 書いている人は「天気」と「気候」の 違いが分かっていないのが 83 00:04:04,865 --> 00:04:06,611 明白ですから 84 00:04:07,466 --> 00:04:11,014 私はよく 天気は「気分」で 85 00:04:11,038 --> 00:04:14,047 気候は「性格」だと例えています 86 00:04:14,981 --> 00:04:16,132 考えてみましょう 87 00:04:16,156 --> 00:04:18,680 天気は「気分」で 気候は「性格」です 88 00:04:18,680 --> 00:04:22,609 今日の皆さんの気分からは 皆さんの性格は必ずしも判断できません 89 00:04:22,633 --> 00:04:25,403 寒い1日からも 気候変動について何も判断できません 90 00:04:25,427 --> 00:04:27,557 暑い日だってそうです 91 00:04:29,974 --> 00:04:31,674 「ダニング=クルーガー効果」 92 00:04:31,674 --> 00:04:34,535 コーネル大学の2人の学者によって 報告されたもので 93 00:04:34,535 --> 00:04:36,730 これに関する論文を読めば 94 00:04:36,730 --> 00:04:39,669 あらゆる小難しい学術用語が 並んでいることでしょう 95 00:04:39,669 --> 00:04:43,386 自分はものを知っているという 優越感の錯覚をもたらすコンプレックス ― 96 00:04:43,386 --> 00:04:46,897 つまり 人は自分が実際より物事を 知っていると考えがちで 97 00:04:47,553 --> 00:04:50,866 また 自分の無知を 過小評価しがちだということです 98 00:04:50,866 --> 00:04:53,314 それから「認知的不協和」です 99 00:04:54,831 --> 00:04:57,164 認知的不協和は興味深いですよ 100 00:04:57,538 --> 00:05:01,098 この間は (マーモットで天気占いをする) グラウンドホッグデーでしたね? 101 00:05:01,132 --> 00:05:03,923 これは認知的不協和を説明するのに ぴったりです 102 00:05:03,923 --> 00:05:07,785 知的な人が マーモットによる天気予想が 当たるか聞いてくるんですから 103 00:05:07,785 --> 00:05:10,150 (笑) 104 00:05:10,174 --> 00:05:13,031 でも これもいっつも 聞かれるんです 105 00:05:13,031 --> 00:05:13,999 (笑) 106 00:05:14,023 --> 00:05:17,796 農業暦 (Farmer's Almanac) というのもあります 107 00:05:17,796 --> 00:05:21,849 農業暦は昔からあり 皆さんにおなじみです 108 00:05:22,259 --> 00:05:25,671 しかしペンシルベニア州立大学の 研究によると 109 00:05:25,695 --> 00:05:29,109 その正確性はたったの37%なんです 110 00:05:31,458 --> 00:05:35,029 現在は科学の時代で 111 00:05:35,053 --> 00:05:36,951 天気は予測できます 112 00:05:36,951 --> 00:05:39,376 半信半疑の方もいらっしゃるのは 知っていますが 113 00:05:39,376 --> 00:05:42,843 今の天気予報は90%以上の 精度があります 114 00:05:42,843 --> 00:05:46,141 たまに外れたのばかり 印象に残っているだけです 115 00:05:46,141 --> 00:05:47,641 (笑) 116 00:05:50,043 --> 00:05:53,878 確証バイアス ダニング=クルーガー効果、認知的不協和 117 00:05:53,878 --> 00:05:59,454 これらが人々の科学に対する認識や バイアスを形作っているのだと思います 118 00:05:59,625 --> 00:06:01,774 でも リテラシーの不足や ニセ情報というのも 119 00:06:01,798 --> 00:06:04,395 私たちを真実から遠ざけます 120 00:06:05,911 --> 00:06:08,299 2017年のハリケーンの季節に 121 00:06:08,299 --> 00:06:11,226 メディアはリポーター達に 122 00:06:11,226 --> 00:06:16,953 天気予報に関するフェイクニュースを 声高に指摘させなければなりませんでした 123 00:06:18,204 --> 00:06:20,628 私たちはそんな時代にいるんです 124 00:06:20,628 --> 00:06:23,111 私はソーシャルメディアで しょっちゅう これに対処しています 125 00:06:23,111 --> 00:06:24,812 誰かが予報をツイートして— 126 00:06:24,812 --> 00:06:26,866 ハリケーン・イルマに関する ものでしたが 127 00:06:26,866 --> 00:06:30,346 問題はそれが ハリケーンセンターによる ものでなかったことです 128 00:06:30,608 --> 00:06:33,395 人々はそれをリツイートして 爆発的に広めてしまいました 129 00:06:33,419 --> 00:06:36,674 その情報は国立ハリケーンセンターから 出たものではなかったのに 130 00:06:38,363 --> 00:06:40,631 私はジョージア大学に来る前 131 00:06:40,631 --> 00:06:42,747 12年間 NASAで働き 132 00:06:42,747 --> 00:06:45,406 今は地球科学諮問委員会の 委員長をしていて 133 00:06:45,406 --> 00:06:47,283 先週ワシントンに 行っていたんですが 134 00:06:47,307 --> 00:06:49,294 とても面白いものを見つけました 135 00:06:49,318 --> 00:06:52,556 これは衛星を使った NASAのモデルと科学データですが 136 00:06:52,580 --> 00:06:54,863 2017年のハリケーンの動きを 表しています 137 00:06:54,887 --> 00:06:57,693 ハリケーン・ハービーが分かりますか? 138 00:06:57,693 --> 00:07:00,538 アフリカから飛んで来る 塵を見てください 139 00:07:00,617 --> 00:07:05,604 アメリカ北西部や カナダ西部の山火事も 140 00:07:05,628 --> 00:07:08,078 そしてハリケーン・イルマが来ます 141 00:07:08,923 --> 00:07:11,526 本当に興味深いものです 142 00:07:11,688 --> 00:07:13,993 私は天気オタクなので 143 00:07:14,982 --> 00:07:20,825 重要なことは このように 天気や気候システムを観察するだけでなく 144 00:07:20,825 --> 00:07:22,745 予測できる技術があるということです 145 00:07:22,745 --> 00:07:24,567 このような科学的知見があります 146 00:07:24,567 --> 00:07:27,498 先ほどお話ししたような 誤認識やバイアスは 147 00:07:27,522 --> 00:07:29,092 必要ないんです 148 00:07:29,116 --> 00:07:30,475 知識がありますから 149 00:07:30,475 --> 00:07:31,857 でもこの例を考えてみましょう 150 00:07:31,857 --> 00:07:35,543 これはハリケーン・ハービーの後の テキサス州ヒューストンです 151 00:07:35,736 --> 00:07:38,673 私は『フォーブス』誌へ 定期的に寄稿していて 152 00:07:38,673 --> 00:07:43,128 ハリケーン・ハービーが上陸する 1週間前にこんな記事を書きました 153 00:07:43,128 --> 00:07:46,750 「降雨量は1000〜1300ミリとなるでしょう」 154 00:07:46,776 --> 00:07:49,260 それを1週間前に書いていたんです 155 00:07:49,284 --> 00:07:51,410 それなのに ヒューストンの人々と話すと 156 00:07:51,434 --> 00:07:55,003 「こんなにひどくなるなんて 思ってもいなかったよ」と言うんです 157 00:07:55,003 --> 00:07:56,268 もう本当に… 158 00:07:56,292 --> 00:07:57,473 (ため息) 159 00:07:57,497 --> 00:07:58,577 (笑) 160 00:07:58,577 --> 00:07:59,991 1週間も前に言ったのに 161 00:07:59,991 --> 00:08:01,045 でも… 162 00:08:01,069 --> 00:08:03,567 ええ 可笑しいですよね でも現実には 163 00:08:03,591 --> 00:08:09,735 私たちは皆 自分の経験の範囲外のことを 理解するのが難しいんです 164 00:08:09,759 --> 00:08:12,119 ヒューストンの人々は雨に慣れっこです 165 00:08:12,119 --> 00:08:14,413 洪水もいつものことです 166 00:08:14,413 --> 00:08:17,597 でもあそこまでひどいのは 経験がなかった 167 00:08:17,597 --> 00:08:21,950 ヒューストンの降雨量は だいたい年間860ミリです 168 00:08:21,974 --> 00:08:25,369 でもその時は3日で 1300ミリ降ったんです 169 00:08:25,369 --> 00:08:28,681 例外的な出来事 異常なことでした 170 00:08:30,188 --> 00:08:33,029 信念体系とバイアス リテラシー、誤情報 171 00:08:33,053 --> 00:08:37,806 私たちの認識を制限するこうしたものから どうやったら自由になれるんでしょう? 172 00:08:38,633 --> 00:08:42,366 ヒューストンまで行かなくても 身近な例があります 173 00:08:42,390 --> 00:08:43,571 (笑) 174 00:08:43,595 --> 00:08:45,508 「スノーポカリプス」を覚えていますか? 175 00:08:45,532 --> 00:08:47,333 (笑) 176 00:08:47,357 --> 00:08:48,857 「スノーマゲドン」? 177 00:08:48,881 --> 00:08:50,032 「スノーゴジラ」は? 178 00:08:50,056 --> 00:08:52,029 どう呼んでもいいんですが 179 00:08:52,029 --> 00:08:54,906 結局5センチぽっちの降雪でした 180 00:08:54,906 --> 00:08:57,053 (笑) 181 00:08:57,077 --> 00:09:00,482 アトランタはたった5センチの雪のために 街が麻痺したんです 182 00:09:00,482 --> 00:09:01,967 (笑) 183 00:09:02,982 --> 00:09:07,236 実際には当時 冬季暴風雨警戒警報が出ていたんです 184 00:09:07,260 --> 00:09:09,895 それを冬期気象注意報にしました 185 00:09:09,919 --> 00:09:12,483 多くの人は警報が緩和されたと誤解して 186 00:09:12,483 --> 00:09:15,470 「そんなにひどくならなさそうだな」 と思ったんです 187 00:09:15,470 --> 00:09:17,318 実際の警戒レベルは 188 00:09:17,318 --> 00:09:19,172 緩和ではなく引き上げでした 189 00:09:19,196 --> 00:09:21,923 予測モデルが送られて来るたびに 様相は悪化して行きました 190 00:09:21,923 --> 00:09:25,903 誤認識によって窮地に 追いやられた一例です 191 00:09:26,165 --> 00:09:28,141 そこで質問は 192 00:09:28,165 --> 00:09:32,486 どうやって自分の範囲を 広げれば良いかということです 193 00:09:33,823 --> 00:09:35,863 円の面積は「π X r の2乗」です 194 00:09:35,863 --> 00:09:38,280 半径(範囲)を伸ばすと 面積(領域)も広がります 195 00:09:38,280 --> 00:09:42,655 科学に対する理解の範囲は どうすれば広げられるんでしょう? 196 00:09:42,655 --> 00:09:44,713 私の考えはこうです 197 00:09:44,720 --> 00:09:47,791 まず自分のバイアスを振り返ってみる 198 00:09:47,815 --> 00:09:49,961 皆さんにそうしてもらいたいのです 199 00:09:49,961 --> 00:09:52,853 自分の中のバイアスを振り返ってみて 200 00:09:52,853 --> 00:09:54,378 どこから来たかを考えるんです 201 00:09:54,378 --> 00:09:57,586 自分の生い立ちか 政治観か 信仰か— 202 00:09:57,610 --> 00:10:00,709 自分のバイアスは何で出来ているのか? 203 00:10:01,982 --> 00:10:03,419 そして情報の出所を見直す 204 00:10:03,443 --> 00:10:06,224 どこから科学情報を得ているのか? 205 00:10:06,553 --> 00:10:08,529 科学的知識を得るのに 206 00:10:08,553 --> 00:10:11,023 どんなものを読み 何を聞いているか? 207 00:10:11,023 --> 00:10:13,612 それから周りに伝えることも大事です 208 00:10:13,612 --> 00:10:18,210 どうやって自分のバイアスを見つめ直し 情報源を評価し直したかを話してください 209 00:10:18,210 --> 00:10:20,704 この40秒のビデオを聞いてみましょう 210 00:10:20,728 --> 00:10:25,506 グレッグ・フィシェルという アメリカの有名なTV気象予報士です 211 00:10:25,530 --> 00:10:27,053 ローリー・ダーラム地域の方で 212 00:10:27,077 --> 00:10:28,842 その地域では尊敬されている予報士ですが 213 00:10:28,842 --> 00:10:30,181 気候変動懐疑論者でした 214 00:10:30,205 --> 00:10:32,186 でも彼がこう明かしたのを 聞いてください 215 00:10:32,186 --> 00:10:34,116 (グレッグ・フィシェル) 私が間違っていたのは 216 00:10:34,116 --> 00:10:36,210 最近まで気づいていなかったのですが 217 00:10:36,210 --> 00:10:39,247 私は自分が信じていたことを 支持する情報だけを 218 00:10:39,247 --> 00:10:41,682 探していたということです 219 00:10:41,706 --> 00:10:46,103 そして反対の情報には 耳を貸しませんでした 220 00:10:46,559 --> 00:10:48,630 ある日 目が覚めて 221 00:10:48,654 --> 00:10:52,352 ある疑問が芽生えました 222 00:10:52,918 --> 00:10:55,522 「グレッグ 確証バイアスに 陥っているんじゃないか? 223 00:10:55,546 --> 00:11:00,051 自分がそうだと考えることを 支持する情報だけを見ているのでは?」 224 00:11:00,069 --> 00:11:02,508 もし自分に正直になるなら— そう努めているのですが 225 00:11:02,522 --> 00:11:05,340 そうだと認めるしかありませんでした 226 00:11:05,340 --> 00:11:07,783 それで科学者たちと話し 227 00:11:07,807 --> 00:11:09,865 査読を受けた論文を読み 228 00:11:09,889 --> 00:11:13,245 ペンシルベニア州立大学で 学生の頃に 229 00:11:13,245 --> 00:11:16,988 教え込まれた姿勢を取ってみると 230 00:11:17,665 --> 00:11:20,357 人間が気候変動に影響を 与えていないと論じるのは 231 00:11:20,381 --> 00:11:22,355 かなり難しくなってきました 232 00:11:22,355 --> 00:11:25,041 程度については 議論の余地があったとしても 233 00:11:25,041 --> 00:11:29,584 「全くそんな現象は無い」と言うのは 科学者として人として 234 00:11:29,584 --> 00:11:32,024 とても無責任なことでした 235 00:11:33,387 --> 00:11:37,248 (シェファード)グレッグ・フィシェルは 自分の科学理解の範囲を 236 00:11:37,272 --> 00:11:38,895 どのように広げたかを語りました 237 00:11:38,919 --> 00:11:41,144 私たちが自分の範囲を広げる時 238 00:11:41,144 --> 00:11:44,196 それは「より良い未来を作る」とかではなく 239 00:11:44,220 --> 00:11:48,137 私たちの知る世界の姿を 守ることなのです 240 00:11:48,180 --> 00:11:53,604 科学の理解に関する「半径」を 広げることは 241 00:11:54,292 --> 00:11:57,664 ここジョージア州のアセンズにも アトランタにも 242 00:11:57,688 --> 00:12:00,906 ジョージア州全体にも 世界にも とても大切なことなんです 243 00:12:00,906 --> 00:12:02,928 ですから自分の半径を 広げてください 244 00:12:02,952 --> 00:12:04,135 ありがとうございました 245 00:12:04,159 --> 00:12:08,174 (拍手)