WEBVTT 00:00:01.024 --> 00:00:02.766 古生物学― 00:00:02.766 --> 00:00:05.631 子供向けの科学で 00:00:05.631 --> 00:00:08.544 もっぱら恐竜を発掘し 00:00:08.544 --> 00:00:11.188 「ジュラシックパーク」の コスチュームを見せびらかす 00:00:11.188 --> 00:00:13.399 地面には みんなが眺められるよう 00:00:13.399 --> 00:00:15.736 頭蓋骨が転がっている 00:00:16.149 --> 00:00:19.593 関係あるものと言えば 釣りタイトルを別にすると 00:00:19.593 --> 00:00:22.247 塗り絵帖と 怪獣映画くらい 00:00:22.792 --> 00:00:25.507 ちょっと待てよ・・・ 00:00:26.801 --> 00:00:29.325 それって古生物学じゃない NOTE Paragraph 00:00:29.815 --> 00:00:31.276 古生物学とは 00:00:31.276 --> 00:00:34.258 過去のあるゆる生命の研究で 00:00:34.258 --> 00:00:38.363 ご先祖から 得体の知れないものまであって 00:00:38.363 --> 00:00:42.270 「我々は何者なのか?」 「我々はいかにして今に至ったのか?」という 00:00:42.270 --> 00:00:44.650 根本的な疑問に 答えようとするものであり 00:00:44.650 --> 00:00:47.083 その「我々」というのは 最も広い意味― 00:00:47.083 --> 00:00:48.976 生命そのものです NOTE Paragraph 00:00:49.714 --> 00:00:51.861 恐竜は鳥類の中の 00:00:51.861 --> 00:00:54.972 小さなグループに過ぎませんが― NOTE Paragraph 00:00:54.972 --> 00:00:56.194 (笑) NOTE Paragraph 00:00:56.194 --> 00:00:59.194 メディアの注目を 独占しています NOTE Paragraph 00:00:59.194 --> 00:01:02.161 古生物学・・・ (右) 恐竜 (左) 昔の驚くほど多様な生命 NOTE Paragraph 00:01:02.161 --> 00:01:05.263 これはすごく正確な描写で 私が作ったわけではありません 00:01:05.263 --> 00:01:06.898 本当のことです 00:01:06.898 --> 00:01:12.889 古生物学者は恐竜を 入門薬物とみなしています 00:01:12.889 --> 00:01:15.867 化石記録には いかしたものがもっとあり 00:01:15.867 --> 00:01:18.239 よく研究されています 00:01:18.239 --> 00:01:20.188 過去40億年を巡る 00:01:20.188 --> 00:01:23.494 恐竜抜きのツアーに ご案内しましょう NOTE Paragraph 00:01:23.494 --> 00:01:24.795 (笑) NOTE Paragraph 00:01:24.795 --> 00:01:26.732 まずは遺伝物質です 00:01:26.732 --> 00:01:29.824 基本的にはウイルスであり それがタンパク質を作り始め 00:01:29.824 --> 00:01:32.309 環境をむしばみました 00:01:32.514 --> 00:01:35.396 地球は生命に感染したのです 00:01:35.826 --> 00:01:39.735 新しい細菌には 日光を食べられるものがいて 00:01:39.735 --> 00:01:41.267 酸素を作り 00:01:41.267 --> 00:01:43.302 空気から炭素を取り込み 00:01:43.302 --> 00:01:48.776 他の微生物の食べ物の鉄を 壊し 錆びさせました 00:01:48.776 --> 00:01:51.569 それか何十億年も続きました NOTE Paragraph 00:01:51.569 --> 00:01:54.774 細菌の中には 他の細菌を食べたり 00:01:54.774 --> 00:01:58.563 酸素をエネルギーに変えて 力を得るものもいて 00:01:58.563 --> 00:02:01.697 動物や植物の 先ぶれとなりました 00:02:01.697 --> 00:02:04.506 しかしその結果として 気候変動が起きて 00:02:04.506 --> 00:02:07.017 寒くなったり 暑くなったりし 00:02:07.017 --> 00:02:11.349 結局 地球は氷河におおわれた 雪玉になりました 00:02:11.538 --> 00:02:15.112 この時期は専門用語で 「雪玉地球」と言います NOTE Paragraph 00:02:15.434 --> 00:02:18.295 (笑) NOTE Paragraph 00:02:18.295 --> 00:02:20.740 7~8億年前のことです 00:02:20.740 --> 00:02:23.349 それはそれとして 微生物が集まって 00:02:23.349 --> 00:02:25.760 多細胞生物を 作り出しました NOTE Paragraph 00:02:25.760 --> 00:02:29.474 6億年前に 幾何学的なコロニーが現れ 00:02:29.474 --> 00:02:31.784 水中の微生物を 取り込みました 00:02:31.784 --> 00:02:36.125 それはすぐ現在の動物の祖先に 取って代わられます 00:02:36.125 --> 00:02:38.454 カンブリア爆発です 00:02:38.454 --> 00:02:41.645 ロブスターの親戚が 他の動物を 00:02:41.645 --> 00:02:44.743 触手で捕まえて 食べていました 00:02:44.749 --> 00:02:49.467 鎧のある多毛類が 海の底をのたうち 00:02:49.467 --> 00:02:51.744 新たな生態系を作りました 00:02:52.097 --> 00:02:56.415 オタマジャクシみたいな我々の祖先が 太古の海岸線を動き回り 00:02:56.415 --> 00:03:00.252 その親戚でウナギみたいな のどに歯ぎしりする歯を持ったのが 00:03:00.252 --> 00:03:04.211 アイスクリームコーンのような 最初のサンゴ礁の上を泳ぎ 00:03:04.211 --> 00:03:06.373 スクールバスくらいもある イカのお化けや 00:03:06.373 --> 00:03:09.177 腹をすかせた海サソリから 身をかわしていました 00:03:09.177 --> 00:03:11.697 菌類が陸に進出しました 00:03:11.703 --> 00:03:15.366 でも氷河がまた広がり 大概のものが死に絶えました NOTE Paragraph 00:03:15.641 --> 00:03:18.392 しかし大量絶滅は新たな 機会を生み出しました 00:03:18.392 --> 00:03:20.812 顎のない魚が海を席巻し 00:03:20.812 --> 00:03:24.534 先端や突起やヒレを 誇示していました 00:03:24.534 --> 00:03:29.481 クモやサソリや巻貝やミミズのようなものが 地上に現れました 00:03:29.649 --> 00:03:33.129 中国のどこかで 顎を発達させた魚が出てきて 00:03:33.129 --> 00:03:35.780 顎のない魚や海サソリや 00:03:35.780 --> 00:03:37.907 枝を生やしたプランクトンを 00:03:37.907 --> 00:03:39.549 絶滅に追いやりました 00:03:39.549 --> 00:03:42.684 ヒレの中に腕骨を持つ魚に 00:03:42.684 --> 00:03:46.859 それぞれ7~8本の指を 生やすものが現れました 00:03:47.007 --> 00:03:50.668 地上では樹木が現れて 大きく育ち 00:03:50.668 --> 00:03:54.204 死ぬ前に一度 胞子をまき散らしました NOTE Paragraph 00:03:54.617 --> 00:03:56.970 しかし再び氷河が発達し 00:03:56.970 --> 00:03:59.359 第二の大量絶滅が起きます 00:03:59.359 --> 00:04:03.010 奇妙な魚と 鎧のあるウミユリの時代になりました 00:04:03.010 --> 00:04:04.692 羽のあるサメ 00:04:04.692 --> 00:04:06.716 電動丸鋸みたいな顎のあるサメ 00:04:06.716 --> 00:04:09.317 小さな歯で覆われたヒレを持つサメ 00:04:09.317 --> 00:04:11.513 かみ砕く歯状のものを持つサメ 00:04:11.513 --> 00:04:14.883 現在のエンゼルフィッシュや ウナギのような硬骨魚が 00:04:14.883 --> 00:04:16.504 初めて現れました NOTE Paragraph 00:04:16.649 --> 00:04:18.026 湿地が発達し 00:04:18.026 --> 00:04:21.899 3メートルあるヤスデが這い 巨大なトンボが飛んでいました 00:04:21.899 --> 00:04:24.776 それがパンゲア超大陸中に広がって 00:04:24.776 --> 00:04:27.018 死んで石炭を作り出し 00:04:27.018 --> 00:04:30.591 1億年の氷河期に繋がりました NOTE Paragraph 00:04:30.716 --> 00:04:35.014 脊椎動物がついに陸に現れ 00:04:35.014 --> 00:04:37.143 ワニっぽい両生類や 00:04:37.143 --> 00:04:40.355 サーベル状の牙を持つ 哺乳類の祖先に繋がりました 00:04:40.355 --> 00:04:44.059 しかしシベリア中で 火山噴火が起き 00:04:44.059 --> 00:04:45.395 ほとんどが死滅しました 00:04:45.395 --> 00:04:47.806 第三の大量絶滅です NOTE Paragraph 00:04:47.957 --> 00:04:49.099 (笑) NOTE Paragraph 00:04:49.099 --> 00:04:50.991 生命が失われかけた時でした 00:04:51.307 --> 00:04:56.433 孤独で寂しい牙のある哺乳類が 生き延びて栄えましたが 00:04:56.434 --> 00:04:59.603 すぐ走るワニに取って代わられました 00:04:59.603 --> 00:05:02.365 海には 海生爬虫類や 00:05:02.365 --> 00:05:06.764 生きたウニの仲間でできた 巨大な筏 00:05:06.764 --> 00:05:11.967 鎧のあるイカ 様々な形のアンモナイトがいました NOTE Paragraph 00:05:12.347 --> 00:05:14.772 しかしそれからパンゲア大陸が 分裂し始め 00:05:14.772 --> 00:05:19.272 後に大西洋となる 溶岩の海を作り 00:05:19.272 --> 00:05:21.708 大気に有毒ガスを噴出し 00:05:21.708 --> 00:05:24.222 第四の大量絶滅が起きます NOTE Paragraph 00:05:24.222 --> 00:05:25.438 (笑) NOTE Paragraph 00:05:25.438 --> 00:05:27.810 絶滅はこの5回以外にも たくさん起きましたが 00:05:27.810 --> 00:05:29.334 でかいやつということです NOTE Paragraph 00:05:29.334 --> 00:05:31.920 (笑) NOTE Paragraph 00:05:32.662 --> 00:05:36.802 ついには 鯨サイズの魚や 00:05:36.802 --> 00:05:41.396 日光を食べる藻類を使って 巨大になった珊瑚に群がる 00:05:41.396 --> 00:05:44.257 現代的な魚が現れました 00:05:44.257 --> 00:05:48.709 カニや エイや その他の歯を持つ魚が現れ 00:05:48.709 --> 00:05:50.048 殻を噛み砕き 00:05:50.048 --> 00:05:53.478 食う側・食われる側の 軍拡競争になりました 00:05:53.478 --> 00:05:56.500 海の生物多様性が 爆発的に高まりました NOTE Paragraph 00:05:57.244 --> 00:05:59.624 哺乳類が木に登ったり 飛んだり 00:05:59.624 --> 00:06:03.693 現代的な様々なことを するようになり 00:06:04.238 --> 00:06:08.401 最初のハチによって受粉した 最初の花を食べていました 00:06:08.401 --> 00:06:12.226 陸と海とで生態系の進化があり 00:06:12.226 --> 00:06:14.219 現代の世界に繋がりました 00:06:14.434 --> 00:06:17.502 ただ小惑星がメキシコに落ちて 00:06:17.502 --> 00:06:21.635 反対側のインドの火山噴火を誘発し 00:06:21.635 --> 00:06:24.112 再びほとんどが死に絶えました NOTE Paragraph 00:06:24.112 --> 00:06:25.598 (笑) NOTE Paragraph 00:06:25.598 --> 00:06:30.026 しかし―いつでも「しかし」があります 私たちがいるわけですから― 00:06:30.026 --> 00:06:32.431 哺乳類が灰の中から立ち上がり 00:06:32.431 --> 00:06:36.224 極度の暑さの中で小さくなりましたが それから大きくなっていきました 00:06:36.224 --> 00:06:38.978 北極にもヤシの木があり ヘビがいました 00:06:38.978 --> 00:06:42.613 肉食の鹿みたいな犬が 太古の川辺を跳ね回り 00:06:42.613 --> 00:06:45.060 その親戚は海に戻って 00:06:45.060 --> 00:06:48.258 カワウソみたいな 最初の鯨になりました 00:06:48.258 --> 00:06:51.742 ハイエノドンその他の肉食獣が 00:06:51.742 --> 00:06:54.996 巨大な首の長いサイに 追い払われていました NOTE Paragraph 00:06:54.996 --> 00:06:57.602 この時点では みんな馴染みがあるようで 00:06:57.602 --> 00:06:59.230 ちょっと違っています 00:06:59.268 --> 00:07:02.503 南極では氷河期が始まり 00:07:02.503 --> 00:07:07.208 二百万年ぶりに 極地が氷で覆われました 00:07:07.208 --> 00:07:09.769 これにより世界の他の部分は 干上がりましたが 00:07:09.769 --> 00:07:14.116 それが草や げっ歯類や 猫類の繁栄に繋がりました 00:07:14.116 --> 00:07:15.518 アフリカのどこかで 00:07:15.518 --> 00:07:18.485 サルが新たなサバンナを 歩き始めました 00:07:19.002 --> 00:07:21.843 それに巨大なサーベル状の牙を持つ サケがいたのも 00:07:21.843 --> 00:07:23.462 言っておかねばなりません NOTE Paragraph 00:07:23.462 --> 00:07:25.849 (笑) NOTE Paragraph 00:07:26.225 --> 00:07:29.136 そういうことが 起こったことや 00:07:29.136 --> 00:07:30.853 さらに多くのことが 分かっています 00:07:30.853 --> 00:07:31.923 どうやってか? 00:07:31.923 --> 00:07:33.223 なぜか? 00:07:33.223 --> 00:07:34.825 古生物学は 00:07:34.825 --> 00:07:40.386 いくつもの分野や技術が交わる 盛んな科学分野です 00:07:40.386 --> 00:07:43.140 化石記録のように 大きなデータは他になく 00:07:43.140 --> 00:07:45.124 私たちはそれを 徹底的に調べています 00:07:45.124 --> 00:07:46.441 CTスキャン 00:07:46.441 --> 00:07:47.814 同位体 00:07:47.814 --> 00:07:49.305 ゲノム 00:07:49.305 --> 00:07:50.764 ロボット 00:07:50.764 --> 00:07:52.728 数学的シミュレーションや 00:07:52.728 --> 00:07:54.842 様々な分析法などを 00:07:54.842 --> 00:07:57.237 最大限に駆使することで 00:07:57.237 --> 00:08:00.785 過去と進化の仕組みは 解明できるのです NOTE Paragraph 00:08:01.049 --> 00:08:04.049 それはまた未来の予測を 可能にします 00:08:04.049 --> 00:08:06.839 次の大量絶滅の後に 何が起きるのか? 00:08:06.839 --> 00:08:09.283 どんな奇妙なものが 現れるのか? 00:08:09.307 --> 00:08:11.374 哺乳類はまた 小さくなるのか? 00:08:11.712 --> 00:08:13.904 哺乳類はそもそも 生き残るのか? 00:08:14.831 --> 00:08:20.236 要は 私たちは恐竜について 多くのことを学びましたが 00:08:20.236 --> 00:08:24.080 これまでに生きてきた その他 99.9%の生き物について 00:08:24.080 --> 00:08:26.466 学ぶべきことがたんとあり 00:08:26.466 --> 00:08:28.993 それが古生物学だということです NOTE Paragraph 00:08:28.993 --> 00:08:30.200 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:08:30.200 --> 00:08:35.219 (拍手と歓声)