WEBVTT 00:00:00.000 --> 00:00:02.000 私はジョナサン ジットレインです 00:00:02.000 --> 00:00:05.000 最近の仕事で私はずっと悲観的だったので 00:00:05.000 --> 00:00:09.000 今朝は楽観的になろうと試みたい 00:00:09.000 --> 00:00:11.000 そして将来のインターネットに 00:00:11.000 --> 00:00:13.000 希望が持てる理由を 00:00:13.000 --> 00:00:16.000 現在の状況から説明したいと思います NOTE Paragraph 00:00:16.000 --> 00:00:20.000 現在は昔よりも希望が少なくなっているように見えます 00:00:20.000 --> 00:00:22.000 みんな親切でなくなり 00:00:22.000 --> 00:00:26.000 人を信じなくなっています 例として 00:00:26.000 --> 00:00:28.000 ちょっとテストをしてみましょう 00:00:28.000 --> 00:00:35.000 今までにヒッチハイクをしたことのある人はどれくらいいますか? 00:00:35.000 --> 00:00:38.000 たくさんいますね ではこの10 年間に 00:00:38.000 --> 00:00:43.000 ヒッチハイクをしたという人は? 00:00:43.000 --> 00:00:46.000 そうでしょう 何が変わったのでしょうか? 00:00:46.000 --> 00:00:49.000 公共交通機関が良くなったからではないですよね 00:00:49.000 --> 00:00:52.000 1つの見方は 世の中が下り坂にあり 00:00:52.000 --> 00:00:55.000 悪い方向に向かっているというものです NOTE Paragraph 00:00:55.000 --> 00:00:58.000 しかし私は3 つの例を通して 00:00:58.000 --> 00:01:01.000 トレンドラインが別な方向を向いており 00:01:01.000 --> 00:01:03.000 そしてインターネットが 00:01:03.000 --> 00:01:06.000 その力になっていることを示したいと思います 00:01:06.000 --> 00:01:09.000 第一の例は インターネット自体です 00:01:09.000 --> 00:01:13.000 この3 人はインターネットの創始者たちです 00:01:13.000 --> 00:01:15.000 彼らは1960 年代に 00:01:15.000 --> 00:01:19.000 ロサンゼルス郊外の同じ高校に通っていたクラスメートです 00:01:19.000 --> 00:01:22.000 フランス語クラブとか弁論クラブとかありますよね 00:01:22.000 --> 00:01:24.000 彼らは「グローバルネットワークを作ろう」クラブで 00:01:24.000 --> 00:01:27.000 それはすごくうまくいきました NOTE Paragraph 00:01:27.000 --> 00:01:30.000 この写真はニューズウィーク誌の 00:01:30.000 --> 00:01:33.000 インターネット25 周年記念号のために撮られたものです 00:01:33.000 --> 00:01:35.000 見ての通り 00:01:35.000 --> 00:01:38.000 彼らは基本的に変わり者でした 00:01:38.000 --> 00:01:41.000 彼らにはグローバルネットワークを考え出す上で 00:01:41.000 --> 00:01:43.000 1 つ大きな制限と 00:01:43.000 --> 00:01:46.000 1 つ大きな自由がありました 00:01:46.000 --> 00:01:50.000 制限は 彼らにはお金が全然なかったということです 00:01:50.000 --> 00:01:53.000 彼らには物理的なネットワークに投資すべき資金が 00:01:53.000 --> 00:01:55.000 これといってありませんでした 00:01:55.000 --> 00:01:57.000 夜通し荷物を運ぼうと思ったら 00:01:57.000 --> 00:02:00.000 トラックや人やハブが必要です 00:02:00.000 --> 00:02:02.000 彼らには何もありません NOTE Paragraph 00:02:02.000 --> 00:02:04.000 しかし彼らには驚くほどの自由がありました 00:02:04.000 --> 00:02:08.000 そこから収益を得る必要がなかったのです 00:02:08.000 --> 00:02:12.000 インターネットには ビジネスプランなどあったためしがありません 00:02:12.000 --> 00:02:14.000 CEO もいません 00:02:14.000 --> 00:02:18.000 構築に責任を持つ会社もありません 00:02:18.000 --> 00:02:20.000 かわりにいたのは 00:02:20.000 --> 00:02:23.000 何か面白いものを一緒に作ろうという連中です 00:02:23.000 --> 00:02:25.000 それで大儲けできるぞと 00:02:25.000 --> 00:02:29.000 聞いたわけでも 考えたわけでもありません NOTE Paragraph 00:02:29.000 --> 00:02:32.000 その精神は ネットワークアーキテクチャを 00:02:32.000 --> 00:02:34.000 それ以前 あるいはそれ以降の 00:02:34.000 --> 00:02:38.000 どんなデジタルネットワークとも違ったものにしました 00:02:38.000 --> 00:02:40.000 あまりに変わっていたため 00:02:40.000 --> 00:02:44.000 インターネットがうまく機能するかどうか分らないとさえ言われてきました 00:02:44.000 --> 00:02:47.000 1992 年になっても IBM は言っていたのです 00:02:47.000 --> 00:02:50.000 インターネットプロトコルを使って 00:02:50.000 --> 00:02:53.000 企業ネットワークを構築することは不可能だと 00:02:53.000 --> 00:02:55.000 今日のインターネットエンジニアの中にさえ 00:02:55.000 --> 00:02:59.000 インターネット自体試験プロジェクトであり まだ結果は出ていない 00:02:59.000 --> 00:03:00.000 そう言う人がいます (笑) NOTE Paragraph 00:03:00.000 --> 00:03:04.000 インターネット技術のマスコットがあるとしたら 00:03:04.000 --> 00:03:07.000 それはクマバチだと言われるゆえんです 00:03:07.000 --> 00:03:10.000 クマバチの体は 飛べるためには 00:03:10.000 --> 00:03:12.000 羽の長さに対して大きすぎるのです 00:03:12.000 --> 00:03:17.000 それがどういうわけか クマバチは飛ぶことができます 00:03:17.000 --> 00:03:20.000 うれしいことに 政府の多額の資金を使って 00:03:20.000 --> 00:03:23.000 3年ほど前に ハチがどうやって飛んでいるのかが 00:03:23.000 --> 00:03:25.000 ついに解明されました 00:03:25.000 --> 00:03:27.000 (笑) 00:03:27.000 --> 00:03:29.000 非常に難しい話なのですが どうやら― 00:03:29.000 --> 00:03:32.000 羽をすごく速く動かしているかららしいです 00:03:32.000 --> 00:03:35.000 (笑) NOTE Paragraph 00:03:35.000 --> 00:03:39.000 ではインターネットを動かしているアーキテクチャというのは 00:03:39.000 --> 00:03:42.000 どう変わっているのでしょうか? 00:03:42.000 --> 00:03:44.000 データをある場所から別な場所へ 00:03:44.000 --> 00:03:47.000 動かすのに 運送会社みたいにはやりません 00:03:47.000 --> 00:03:50.000 それよりは観客席に近い 00:03:50.000 --> 00:03:51.000 (笑) 00:03:51.000 --> 00:03:53.000 ご自分がネットワークの一部だと思ってください 00:03:53.000 --> 00:03:56.000 何かスポーツを観戦しています 00:03:56.000 --> 00:03:58.000 このような座席に座っていて 00:03:58.000 --> 00:04:00.000 誰かがビールを注文します 00:04:00.000 --> 00:04:03.000 それは通路で手渡され 00:04:03.000 --> 00:04:05.000 あなた方は隣席の責務として 00:04:05.000 --> 00:04:07.000 自分のズボンを汚すリスクを冒しながら 00:04:07.000 --> 00:04:10.000 ビールを目的地へと 00:04:10.000 --> 00:04:12.000 受け渡していくのです NOTE Paragraph 00:04:12.000 --> 00:04:14.000 そのためにお金を払う人はいません 00:04:14.000 --> 00:04:17.000 隣の席にいる者の努めというだけです 00:04:17.000 --> 00:04:21.000 そしてこれは インターネットをパケットが動いている仕組みでもあるのです 00:04:21.000 --> 00:04:23.000 ときには25 回から30 回も中継されます 00:04:23.000 --> 00:04:25.000 間でデータを受け渡す組織には 00:04:25.000 --> 00:04:27.000 契約上あるいは法律上の 00:04:27.000 --> 00:04:31.000 義務は何もありません 00:04:31.000 --> 00:04:33.000 送信者に対しても 00:04:33.000 --> 00:04:36.000 受信者に対しても NOTE Paragraph 00:04:36.000 --> 00:04:40.000 観客席にいて目的地を指定するのはもちろん困難です 00:04:40.000 --> 00:04:42.000 大きな信頼が必要ですが 00:04:42.000 --> 00:04:45.000 「ペンサコラまでお願いします」というわけにはいきません 00:04:45.000 --> 00:04:49.000 インターネットにはアドレスと指示が必要です 00:04:49.000 --> 00:04:53.000 実はインターネットには全体の地図というのは存在しないことが分ります 00:04:53.000 --> 00:04:56.000 みんな劇場の中に座っているようなものなのですが 00:04:56.000 --> 00:04:59.000 霧が立ちこめていて 00:04:59.000 --> 00:05:01.000 すぐ近くにいる人しか見えません 00:05:01.000 --> 00:05:04.000 では誰がどこにいるのか どうやって分るのでしょう? 00:05:04.000 --> 00:05:06.000 右にいる人に向かって 00:05:06.000 --> 00:05:09.000 左に見えるものを伝えるのです 00:05:09.000 --> 00:05:11.000 逆方向にも同じことをします 00:05:11.000 --> 00:05:13.000 これをずっと繰り返して行くのです 00:05:13.000 --> 00:05:16.000 そうすると どこに何があるかおおよそ分るようになります NOTE Paragraph 00:05:16.000 --> 00:05:21.000 これがインターネットのアドレッシングとルーティングの仕組みです 00:05:21.000 --> 00:05:25.000 これは親切と信頼に依存したシステムであり 00:05:25.000 --> 00:05:28.000 とてもデリケートで脆弱な面があります 00:05:28.000 --> 00:05:30.000 まれではありますが 00:05:30.000 --> 00:05:33.000 ハチの巣の中の1 匹がついた 1 つの嘘によって 00:05:33.000 --> 00:05:35.000 大きな混乱が 00:05:35.000 --> 00:05:37.000 引き起こされることがあります NOTE Paragraph 00:05:37.000 --> 00:05:40.000 たとえば去年のことですが 00:05:40.000 --> 00:05:42.000 パキスタン政府が 00:05:42.000 --> 00:05:45.000 国内のインターネットサービスプロバイダに 00:05:45.000 --> 00:05:49.000 パキスタン国民がYouTube を見られなくするよう求めました 00:05:49.000 --> 00:05:51.000 政府の気に入らないビデオがあって 00:05:51.000 --> 00:05:53.000 確実にブロックしたかったのです 00:05:53.000 --> 00:05:55.000 これは良くあることで 至る所の政府が 00:05:55.000 --> 00:05:57.000 インターネットのコンテンツをブロックしたり 00:05:57.000 --> 00:06:00.000 フィルタリングしたり 検閲したりしています NOTE Paragraph 00:06:00.000 --> 00:06:02.000 あるISP が 00:06:02.000 --> 00:06:05.000 加入者の視聴をブロックするために 00:06:05.000 --> 00:06:08.000 ちょっと変わった手段を選びました 00:06:08.000 --> 00:06:10.000 突然言い始めたのです 00:06:10.000 --> 00:06:13.000 インターネットで問い合わせが来たら答える仕方で 00:06:13.000 --> 00:06:15.000 周りに対して 00:06:15.000 --> 00:06:20.000 突然気づいたかのように 言い始めたのです 00:06:20.000 --> 00:06:22.000 自分がYouTube であると 00:06:22.000 --> 00:06:25.000 「その通り 私がYouTube である」 00:06:25.000 --> 00:06:27.000 この結果 YouTube へ向かう 00:06:27.000 --> 00:06:29.000 加入者のパケットは 00:06:29.000 --> 00:06:32.000 このISP を目的地と勘違いして留まり 00:06:32.000 --> 00:06:34.000 ISP は中身を見ずに捨て 00:06:34.000 --> 00:06:36.000 ブロックの目的を達します NOTE Paragraph 00:06:36.000 --> 00:06:38.000 しかしそれだけでは終わりませんでした 00:06:38.000 --> 00:06:40.000 この告知は 00:06:40.000 --> 00:06:42.000 一歩先へと送られ 00:06:42.000 --> 00:06:45.000 広まっていったのです 00:06:45.000 --> 00:06:47.000 この事後分析資料を 00:06:47.000 --> 00:06:49.000 見ていただけばわかりますが 00:06:49.000 --> 00:06:51.000 最初の時点では 00:06:51.000 --> 00:06:53.000 YouTube が見られました 00:06:53.000 --> 00:06:55.000 その次の時点で 00:06:55.000 --> 00:06:58.000 偽の告知が行われます 00:06:58.000 --> 00:07:00.000 そして2分のうちに 00:07:00.000 --> 00:07:02.000 それは広まっていき 00:07:02.000 --> 00:07:05.000 世界中でYouTube がブロックされることになりました 00:07:05.000 --> 00:07:08.000 イギリスのオックスフォードにいても YouTube を見ようとすると 00:07:08.000 --> 00:07:10.000 パケットがパキスタンに行ったきり 00:07:10.000 --> 00:07:13.000 戻ってこなくなりました NOTE Paragraph 00:07:13.000 --> 00:07:15.000 考えてみてください 00:07:15.000 --> 00:07:17.000 これは世界で最も力のある企業による 00:07:17.000 --> 00:07:19.000 世界で最も人気のあるサイトです 00:07:19.000 --> 00:07:23.000 YouTube やGoogle には何ら 00:07:23.000 --> 00:07:26.000 これに関して特権がないのです 00:07:26.000 --> 00:07:30.000 それでも どうやってか 問題は 00:07:30.000 --> 00:07:32.000 2 時間後には解決していました 00:07:32.000 --> 00:07:34.000 何が行われたのでしょう? NOTE Paragraph 00:07:34.000 --> 00:07:37.000 手がかりとして NANOG に目を向けましょう 00:07:37.000 --> 00:07:40.000 北米ネットワーク オペレーターズ グループです 00:07:40.000 --> 00:07:42.000 そこでは人々が 00:07:42.000 --> 00:07:44.000 外は晴れているというのに 00:07:44.000 --> 00:07:46.000 窓のない部屋に籠もり 00:07:46.000 --> 00:07:48.000 端末に向かって 00:07:48.000 --> 00:07:51.000 メールやメッセージを読んでいます 00:07:51.000 --> 00:07:55.000 ちょうどこのような等副フォントで 00:07:55.000 --> 00:07:57.000 そしてネットワークの話をしています 00:07:57.000 --> 00:07:59.000 彼らの中には世界中のISP の 00:07:59.000 --> 00:08:01.000 中堅社員がいます 00:08:01.000 --> 00:08:03.000 その1 人がこのようなメッセージを送ります 00:08:03.000 --> 00:08:06.000 「おかしなやつが現れたようだ YouTube が乗っ取られた! 00:08:06.000 --> 00:08:09.000 これは訓練ではない YouTube のエンジニアが 00:08:09.000 --> 00:08:11.000 へまをしたわけでもない 00:08:11.000 --> 00:08:13.000 パキスタンで何かが起こっている」 00:08:13.000 --> 00:08:17.000 そしてこの問題を解決するために彼らは力を合わせます NOTE Paragraph 00:08:17.000 --> 00:08:20.000 だからこれは火事のようなものです 00:08:20.000 --> 00:08:24.000 悪いニュースは 消防隊はいないということです 00:08:24.000 --> 00:08:27.000 いいニュースは いろんな人がどこらかともなく姿を現し 00:08:27.000 --> 00:08:31.000 火を消し止め そしてお金も賞賛も求めることなく 00:08:31.000 --> 00:08:36.000 立ち去っていくということです (拍手) 00:08:36.000 --> 00:08:38.000 このような形態の 00:08:38.000 --> 00:08:40.000 見知らぬギークによる親切を表す 00:08:40.000 --> 00:08:42.000 適切なモデルは何かと考えていました 00:08:42.000 --> 00:08:47.000 (バットシグナルを背景にたたずむバットマンのシルエット―笑) 00:08:47.000 --> 00:08:50.000 合図が出ると 00:08:50.000 --> 00:08:52.000 人々が助けに現れるのです 00:08:52.000 --> 00:08:56.000 このモデルは 探してみると至る所にあるのが分ります NOTE Paragraph 00:08:56.000 --> 00:08:59.000 第二の例 Wikipedia 00:08:59.000 --> 00:09:02.000 ジンボ(ジミー・ウェールズ)という男が2001年に現れて言いました 00:09:02.000 --> 00:09:05.000 「いいこと思いついた! 7 つの記事から出発して 00:09:05.000 --> 00:09:07.000 誰でも いつでも 何でも編集できるようにしたら 00:09:07.000 --> 00:09:10.000 すごい百科事典ができるぞ! どうだい?」 00:09:10.000 --> 00:09:14.000 確かに これ以上ないくらい間抜けなアイデアです 00:09:14.000 --> 00:09:15.000 (笑) 00:09:15.000 --> 00:09:20.000 実際 Wikipedia はあまりに間抜けなアイデアなので 00:09:20.000 --> 00:09:23.000 ジンボ自身考えてはいませんでした NOTE Paragraph 00:09:23.000 --> 00:09:25.000 ジンボが考えていたのはNupedia です 00:09:25.000 --> 00:09:27.000 これはまったく従来的なものになるはずでした 00:09:27.000 --> 00:09:29.000 彼は気前よくお金を払い 00:09:29.000 --> 00:09:31.000 そのお金で人々に 00:09:31.000 --> 00:09:33.000 記事を書いてもらうのです 00:09:33.000 --> 00:09:35.000 Wiki は 他の人が修正案を書けるよう 00:09:35.000 --> 00:09:37.000 後から導入された 00:09:37.000 --> 00:09:39.000 裏部屋のようなものでした 00:09:39.000 --> 00:09:42.000 それがプロジェクト全体を占めるくらいに 00:09:42.000 --> 00:09:44.000 成長したのです NOTE Paragraph 00:09:44.000 --> 00:09:47.000 今日では Wikipedia はすごく普及し 00:09:47.000 --> 00:09:51.000 中国のレストランのメニューにまで顔を出すようになりました 00:09:51.000 --> 00:09:57.000 ("Stir-fried wikipedia"などの料理名が並んでいるメニュー) (笑) 00:09:57.000 --> 00:09:59.000 でっち上げてなんかいませんよ 00:09:59.000 --> 00:10:01.000 (笑) 00:10:01.000 --> 00:10:04.000 これについては ご説明できますが 今のところは― 00:10:04.000 --> 00:10:06.000 こうとだけ言っておきましょう 00:10:06.000 --> 00:10:08.000 Wikipedia は唐辛子と炒めたのが 00:10:08.000 --> 00:10:10.000 おすすめです (笑) NOTE Paragraph 00:10:10.000 --> 00:10:13.000 でもWikipedia は何もせずに機能するわけではありません 00:10:13.000 --> 00:10:15.000 どうなっているのでしょうか? 00:10:15.000 --> 00:10:17.000 ここにも窓のない奥まった 00:10:17.000 --> 00:10:19.000 部屋があるのがわかります 00:10:19.000 --> 00:10:21.000 たくさんの人が 晴れた日に 00:10:21.000 --> 00:10:24.000 部屋の中に籠もって 00:10:24.000 --> 00:10:26.000 管理者用掲示板を見つめています 00:10:26.000 --> 00:10:29.000 これ自体 誰でも編集できるWikipedia のページになっています 00:10:29.000 --> 00:10:32.000 問題があればここに報告するようになっています 00:10:32.000 --> 00:10:35.000 ここに記録されているのは 00:10:35.000 --> 00:10:38.000 「ひどいことの連続としての歴史」です NOTE Paragraph 00:10:38.000 --> 00:10:42.000 1番は「ユーザAndyvphil による甚だしく偏向した編集」とあります 00:10:42.000 --> 00:10:45.000 Andyvphil 氏がここにいたらごめんなさい 00:10:45.000 --> 00:10:47.000 相手の肩を持つわけではありません 00:10:47.000 --> 00:10:50.000 お次は「Anon が取り消し攻撃してくる」と 00:10:50.000 --> 00:10:52.000 私が好きなのは「長い話になる」 00:10:52.000 --> 00:10:53.000 (笑) 00:10:53.000 --> 00:10:57.000 このページに上がってくる問題の数よりも 00:10:57.000 --> 00:10:59.000 このページをチェックし 00:10:59.000 --> 00:11:02.000 問題を解決しようという人たちの方がたくさんいるのです NOTE Paragraph 00:11:02.000 --> 00:11:05.000 それがWikipedia を沈まずにいさせているのです 00:11:05.000 --> 00:11:08.000 Wikipedia はいつでも 00:11:08.000 --> 00:11:13.000 崩壊の45 分前という状態にあります 00:11:13.000 --> 00:11:15.000 スパムボットが徘徊し すべての記事を 00:11:15.000 --> 00:11:17.000 ロレックスの広告に変えようとしています 00:11:17.000 --> 00:11:18.000 (笑) 00:11:18.000 --> 00:11:21.000 この細いギークの防衛線で 00:11:21.000 --> 00:11:23.000 守られているのです 00:11:23.000 --> 00:11:25.000 彼らがやっているのは 00:11:25.000 --> 00:11:27.000 仕事だからではありません 00:11:27.000 --> 00:11:29.000 使命感によってです 00:11:29.000 --> 00:11:32.000 彼らは大事なことを気にかけており 00:11:32.000 --> 00:11:34.000 それ故に行動に駆り立てられるのです NOTE Paragraph 00:11:34.000 --> 00:11:36.000 彼らは「対荒らし部隊」という 00:11:36.000 --> 00:11:38.000 グループまで作り 00:11:38.000 --> 00:11:41.000 「礼儀 成熟 責任」という標語の元 00:11:41.000 --> 00:11:43.000 ページを掃除し続けています 00:11:43.000 --> 00:11:46.000 もし週末に 00:11:46.000 --> 00:11:50.000 大人気のスタートレックの集まりか何かがあったとしたら 00:11:50.000 --> 00:11:52.000 誰が番をするのかと気になります 00:11:52.000 --> 00:11:57.000 (笑) NOTE Paragraph 00:11:57.000 --> 00:11:59.000 ここで目にしているのは… 00:11:59.000 --> 00:12:02.000 (笑) 00:12:02.000 --> 00:12:06.000 ここで目にしている現象は 00:12:06.000 --> 00:12:10.000 交通工学者ハンス モンデルマンが 00:12:10.000 --> 00:12:12.000 オランダで発見したことを思わせます 00:12:12.000 --> 00:12:14.000 ここ南ケンジントンでも見られますが 00:12:14.000 --> 00:12:19.000 外的な規則や信号といったものを取り除くと 00:12:19.000 --> 00:12:21.000 より安全で 人々が機能でき 00:12:21.000 --> 00:12:24.000 互いにより人間的に接するような 00:12:24.000 --> 00:12:27.000 環境ができるのです 00:12:27.000 --> 00:12:29.000 自分の行動に対する責任を 00:12:29.000 --> 00:12:31.000 人々が自覚するからです 00:12:31.000 --> 00:12:34.000 Wikipedia はこの原理を活用しているのです NOTE Paragraph 00:12:34.000 --> 00:12:37.000 スターウォーズキッドを覚えている人もいるでしょう 00:12:37.000 --> 00:12:41.000 哀れな10 代の少年が ゴルフボール拾い器をライトセーバーみたいに 00:12:41.000 --> 00:12:43.000 振り回しているビデオです 00:12:43.000 --> 00:12:46.000 このビデオは本人の了承なしに 本人が知ることもなく 00:12:46.000 --> 00:12:48.000 インターネットで公開され 00:12:48.000 --> 00:12:51.000 瞬く間に広まり すごい人気になったのです 00:12:51.000 --> 00:12:54.000 本人は ひどく恥をかくことになりました NOTE Paragraph 00:12:54.000 --> 00:12:56.000 百科事典として Wikipedia には 00:12:56.000 --> 00:12:59.000 スターウォーズキッドの項目があります 00:12:59.000 --> 00:13:01.000 Wikipedia の各項目には 00:13:01.000 --> 00:13:03.000 議論のためのページがあるのですが 00:13:03.000 --> 00:13:06.000 そこでWikipedian たちが徹底した議論をしました 00:13:06.000 --> 00:13:10.000 本人の名前を記事に載せるべきか 00:13:10.000 --> 00:13:12.000 ということについてです 00:13:12.000 --> 00:13:14.000 両方の意見があるのが分ります 00:13:14.000 --> 00:13:16.000 これはそのほんの一部です 00:13:16.000 --> 00:13:18.000 異論もありましたが 00:13:18.000 --> 00:13:20.000 彼らは最終的には 00:13:20.000 --> 00:13:22.000 本名を載せないことに決めました 00:13:22.000 --> 00:13:25.000 一般のメディアのほとんどが載せていたにもかかわらずです 00:13:25.000 --> 00:13:28.000 彼らはそれが正しいことだとは思わなかったのです 00:13:28.000 --> 00:13:30.000 善意のなせる技です NOTE Paragraph 00:13:30.000 --> 00:13:32.000 スターウォーズキッドのページの一番上には 00:13:32.000 --> 00:13:34.000 本人の氏名を書き込まないことという 00:13:34.000 --> 00:13:37.000 警告が今でもあります 00:13:37.000 --> 00:13:39.000 書き込んだら即座に削除されます 00:13:39.000 --> 00:13:43.000 あの決定に同意しなかった人たちでさえ 00:13:43.000 --> 00:13:46.000 決定を尊重し 00:13:46.000 --> 00:13:48.000 それを守るべく行動します 00:13:48.000 --> 00:13:52.000 自分の意見よりも大きなものを信じているからです 00:13:52.000 --> 00:13:55.000 法律家として言わせてもらうと 彼らは法や 00:13:55.000 --> 00:13:59.000 先例拘束の原則といったものを 運営する中で作り出しているのです NOTE Paragraph 00:13:59.000 --> 00:14:02.000 これはWikipedia に限った話ではありません 00:14:02.000 --> 00:14:04.000 様々なブログにも見られます 00:14:04.000 --> 00:14:07.000 これは2005 年のビジネスウィーク誌の表紙です 00:14:07.000 --> 00:14:09.000 ワオ! ブログがあなたのビジネスを変える! 00:14:09.000 --> 00:14:12.000 これが馬鹿げて見えるのは分ります 00:14:12.000 --> 00:14:14.000 あらゆるおかしなプロジェクトが行われていますから NOTE Paragraph 00:14:14.000 --> 00:14:16.000 これは私のお気に入りのブログです 00:14:16.000 --> 00:14:19.000 CatsThatLookLikeHitler.com 00:14:19.000 --> 00:14:20.000 (笑) 00:14:20.000 --> 00:14:23.000 自分の猫はヒットラーに似ているという人たちが 00:14:23.000 --> 00:14:25.000 写真を投稿します 00:14:25.000 --> 00:14:32.000 (笑) 00:14:32.000 --> 00:14:34.000 分ります 4 番目のやつ 毎日家に帰ると 00:14:34.000 --> 00:14:36.000 あれが出迎えるところを想像してみてください 00:14:36.000 --> 00:14:37.000 (笑) NOTE Paragraph 00:14:37.000 --> 00:14:41.000 同じようなことは人を対象としても 00:14:41.000 --> 00:14:43.000 行われています 00:14:43.000 --> 00:14:47.000 これは失敗した肖像写真を集めたサイトです 00:14:47.000 --> 00:14:50.000 こうあります 「丸太の柵のある牧歌的な草地 00:14:50.000 --> 00:14:52.000 後ろにあるの 動物の死骸じゃない?」 00:14:52.000 --> 00:14:53.000 (笑) 00:14:53.000 --> 00:14:55.000 「あれはどう見ても 00:14:55.000 --> 00:14:57.000 動物の死骸だよ」 NOTE Paragraph 00:14:57.000 --> 00:14:59.000 こういうのがずっと並んでいます 00:14:59.000 --> 00:15:03.000 しかしこんなのも―所有者の要求により画像は削除されました 00:15:03.000 --> 00:15:05.000 そう 所有者の求めで削除されたのです 00:15:05.000 --> 00:15:07.000 ここで風刺された人が 00:15:07.000 --> 00:15:10.000 このサイトをやっている人にメールを送り 00:15:10.000 --> 00:15:13.000 法的な脅しではなく 金銭によるのでもなく 00:15:13.000 --> 00:15:15.000 ただ「あれ削除してもらえない?」と言い 00:15:15.000 --> 00:15:17.000 「ああ いいよ」と NOTE Paragraph 00:15:17.000 --> 00:15:21.000 私たちはオンラインアーキテクチャを作れると思います 00:15:21.000 --> 00:15:24.000 そのような人間的な要求をずっと 00:15:24.000 --> 00:15:26.000 簡単に行えるようなものを 00:15:26.000 --> 00:15:28.000 ここで実現したいのは 00:15:28.000 --> 00:15:30.000 私たちが出会うデータは 00:15:30.000 --> 00:15:34.000 クリックし 貼り付け コピーし 転送する対象であっても 00:15:34.000 --> 00:15:37.000 実際は人の感情や努力や影響を 00:15:37.000 --> 00:15:39.000 表しているのであり 00:15:39.000 --> 00:15:41.000 それをどう扱うか 00:15:41.000 --> 00:15:44.000 倫理的な判断ができるようにするということです NOTE Paragraph 00:15:44.000 --> 00:15:47.000 それは現実世界へも拡がるだろうと思います 00:15:47.000 --> 00:15:50.000 もっと検閲のある世界になり 00:15:50.000 --> 00:15:53.000 至る所にカメラがあり ネットにも上げられるとき 00:15:53.000 --> 00:15:55.000 「私は写真を公開されたくない」 00:15:55.000 --> 00:15:57.000 そう書いた服を着た写真に対し 00:15:57.000 --> 00:16:00.000 テクノロジーは 00:16:00.000 --> 00:16:02.000 写真を撮った人に 00:16:02.000 --> 00:16:04.000 その人は公開される前に 00:16:04.000 --> 00:16:06.000 連絡を求めていることを 00:16:06.000 --> 00:16:08.000 わかるようにでき 00:16:08.000 --> 00:16:10.000 写真を撮った人は 00:16:10.000 --> 00:16:14.000 それをどう尊重するか決められます NOTE Paragraph 00:16:14.000 --> 00:16:16.000 現実の世界では そういうフィルタリングが 00:16:16.000 --> 00:16:18.000 パキスタンで行われているのを見ました 00:16:18.000 --> 00:16:22.000 そして私たちにはこのようなシステムを作る手段があり 00:16:22.000 --> 00:16:25.000 人々が出会ったフィルタリングを報告することができます 00:16:25.000 --> 00:16:29.000 それはもはや「分らないけど行けないみたいだ 他へ行こう」というのではなく 00:16:29.000 --> 00:16:31.000 ネットワークのどこで何がブロックされ 00:16:31.000 --> 00:16:34.000 検閲されているのかについての 00:16:34.000 --> 00:16:36.000 集合的意識が突然生み出されるのです 00:16:36.000 --> 00:16:40.000 テクノロジーを模倣した生物を 00:16:40.000 --> 00:16:43.000 模倣したテクノロジーの話をしましょう 逆かもしれませんが NOTE Paragraph 00:16:43.000 --> 00:16:46.000 ニューヨーク大学の研究者が笑顔の描かれた 00:16:46.000 --> 00:16:48.000 厚紙の小さなロボットを作りました 00:16:48.000 --> 00:16:51.000 モーターがついていて真っ直ぐにだけ進めます 00:16:51.000 --> 00:16:53.000 旗が立っていて行きたい先が書かれており 00:16:53.000 --> 00:16:55.000 「ここに行くのを助けてください」 00:16:55.000 --> 00:16:57.000 と言っています 00:16:57.000 --> 00:17:01.000 これをマンハッタンの通りで放しました 00:17:01.000 --> 00:17:03.000 (笑) 00:17:03.000 --> 00:17:06.000 最近では何にでも資金が出るものです 00:17:06.000 --> 00:17:08.000 ここに図示されているのは 00:17:08.000 --> 00:17:11.000 この曲がれないロボットの方向を変えるために 00:17:11.000 --> 00:17:13.000 43人の人が手助けし 00:17:13.000 --> 00:17:15.000 ワシントンスクエアパークの一方の端から 00:17:15.000 --> 00:17:17.000 別な端へと進んだ道のりです NOTE Paragraph 00:17:17.000 --> 00:17:21.000 これは第三の例であるヒッチハイクに繋がります 00:17:21.000 --> 00:17:24.000 私はヒッチハイクが死に絶えたとは思いません 00:17:24.000 --> 00:17:28.000 なぜか? Craigslist には相乗りの掲示板があるのです 00:17:28.000 --> 00:17:31.000 これがヒッチハイク板と呼ばれていたとしたら 00:17:31.000 --> 00:17:33.000 閑古鳥が鳴いていたでしょう 00:17:33.000 --> 00:17:36.000 しかしこれは相乗り板です 実際は同じことですが 00:17:36.000 --> 00:17:38.000 どうしてみんな ここを見に行くのでしょう? 00:17:38.000 --> 00:17:41.000 わかりません たぶん彼らは 00:17:41.000 --> 00:17:47.000 殺人者は前もって予定を組んだりしないと思っているのでしょう (笑) 00:17:47.000 --> 00:17:49.000 いいえ 本当の答えは 00:17:49.000 --> 00:17:51.000 ひとたび見方を変えたなら 00:17:51.000 --> 00:17:54.000 かつては良かったけどなぜか駄目になった 00:17:54.000 --> 00:17:57.000 プロジェクトに対する古い考えから離れるなら 00:17:57.000 --> 00:17:59.000 Craigslist が示しているように 00:17:59.000 --> 00:18:03.000 人の親切や共有は 00:18:03.000 --> 00:18:06.000 再び活気を得るものなのです NOTE Paragraph 00:18:06.000 --> 00:18:08.000 そしてこれは 00:18:08.000 --> 00:18:10.000 CouchSurfing.org のようなものにより 00:18:10.000 --> 00:18:13.000 際立って示されます 00:18:13.000 --> 00:18:16.000 CouchSurfing はついに2者を結びつけたのです 00:18:16.000 --> 00:18:19.000 遠くへ行って 00:18:19.000 --> 00:18:24.000 見知らぬ他人の家のカウチにタダで寝泊まりしたい人と 00:18:24.000 --> 00:18:26.000 見知らぬ遠くに住む人に 00:18:26.000 --> 00:18:30.000 自分のカウチにタダで寝泊まりしてほしい人をです 00:18:30.000 --> 00:18:34.000 素晴らしいアイデアです 00:18:34.000 --> 00:18:36.000 このハチは確かに飛びました NOTE Paragraph 00:18:36.000 --> 00:18:39.000 どれほど多くのカウチサーフィンが成功しているかは驚くばかりです 00:18:39.000 --> 00:18:43.000 疑問に思っておられるでしょうが これまでCouchSurfing に関わる事故は 00:18:43.000 --> 00:18:45.000 1 件も起きていません 00:18:45.000 --> 00:18:48.000 評判システムがあって 00:18:48.000 --> 00:18:51.000 カウチサーフィンをしたあと評価するようになっています 00:18:51.000 --> 00:18:54.000 だから選択の偏りはあるかもしれません 00:18:54.000 --> 00:18:58.000 (笑) NOTE Paragraph 00:18:58.000 --> 00:19:02.000 だから私が言いたいのは 00:19:02.000 --> 00:19:05.000 インターネットは単なる情報の山ではないということです 00:19:05.000 --> 00:19:08.000 名詞ではなく 動詞なのです 00:19:08.000 --> 00:19:10.000 そして進みつづけ 00:19:10.000 --> 00:19:14.000 注意して耳を傾けるなら 00:19:14.000 --> 00:19:16.000 気づくはずです 00:19:16.000 --> 00:19:18.000 その情報があなたに何か 00:19:18.000 --> 00:19:20.000 語りかけているということに 00:19:20.000 --> 00:19:22.000 それが語っているのは 昨日我々が聞いたこと 00:19:22.000 --> 00:19:25.000 デモステネスが私たちに語っているのです 00:19:25.000 --> 00:19:29.000 「さあ行進しよう」と言おうではありませんか 00:19:29.000 --> 00:19:31.000 どうもありがとう (拍手)