WEBVTT 00:00:06.500 --> 00:00:10.500 TEDx の苦しみを 皆さん味わっていますよね? 00:00:10.525 --> 00:00:11.999 (笑) 00:00:12.000 --> 00:00:15.000 多くの人から 時々聞かれることで 00:00:15.025 --> 00:00:18.573 最もばかげている質問の1つは 00:00:18.573 --> 00:00:21.650 「男性と女性の どちらが優れているか?」というものです 00:00:22.000 --> 00:00:26.400 ジェンダーによる差別という考え これにはすごくイライラします 00:00:26.425 --> 00:00:28.125 面喰ってしまいます 00:00:28.150 --> 00:00:30.650 これに出くわすと 非常に悲しくなります 00:00:30.675 --> 00:00:33.675 こう考えると 私がインド北西の町 00:00:33.700 --> 00:00:37.700 ラージャスターンに生まれたということは 神の皮肉に近いと思います 00:00:37.725 --> 00:00:41.225 ラージャスターンは美しいところで 00:00:41.250 --> 00:00:44.750 豊かな文化や個性や歴史が ある場所ですが 00:00:44.775 --> 00:00:48.775 悲しいのは 多くの人たちが 00:00:48.800 --> 00:00:52.800 いろいろな誇れない伝統に しがみついてしまうことです 00:00:52.825 --> 00:00:56.325 この誇れない伝統の中でも 最も悪いものの1つは 00:00:56.350 --> 00:01:00.250 女性は 社会で 非常に軽視すべき存在という考えです 00:01:00.444 --> 00:01:03.875 近くの村々に行くと 様々な事柄が目に入る中で 00:01:03.900 --> 00:01:07.900 10才や12才の少女が 家の外で遊んでいるのに気が付きます 00:01:07.925 --> 00:01:11.825 ただ 数か月後に立ち寄ると その子たちはいません 00:01:11.850 --> 00:01:15.350 そして 周囲の人に 「彼女たちはどうなりましたか?」と尋ねました 00:01:15.375 --> 00:01:18.475 尋ねた人に 「彼女たちは年頃になったから 00:01:18.500 --> 00:01:21.907 家の外に出るのは 許されなくなったのです」と言われました 00:01:21.907 --> 00:01:25.400 8才の少女たちが 結婚していくのも見ました 00:01:25.425 --> 00:01:28.425 結婚がいつも解決策 というわけでもありません 00:01:28.450 --> 00:01:33.050 結婚したからといって 人生 大丈夫なんて保証はないのです 00:01:33.075 --> 00:01:36.075 これはインド特有のものではなく 00:01:36.100 --> 00:01:39.100 インド以外でも見かけます 00:01:39.125 --> 00:01:43.625 その考えは家族や社会の尊厳が 00:01:43.650 --> 00:01:46.150 女性の肩にかかっていて 00:01:46.175 --> 00:01:50.175 男性は全く何をしてもかまわない という考えです 00:01:50.200 --> 00:01:54.200 これはすごく屈辱的なことだと 考えることがしばしばあります 00:01:54.225 --> 00:01:57.225 私が育つなかで 00:01:57.850 --> 00:02:01.750 こういった考え方がまとまり いわば 私の中で固まったのです 00:02:01.775 --> 00:02:05.800 私はドバイで育って 今はロンドンに住んでいます 00:02:05.800 --> 00:02:09.324 私が育つときに 大切なものを学びました 00:02:09.324 --> 00:02:13.750 2つの現実 2つの異なる現実が ありうると学びました 00:02:13.750 --> 00:02:16.250 そして そのどちらもが 両立しうると学びました 00:02:16.500 --> 00:02:19.525 3つ以上の現実と 共に育った人もいます 00:02:19.525 --> 00:02:22.550 その人にとって これが成り立つなら問題ありません 00:02:22.550 --> 00:02:25.200 でも2つの現実が 00:02:25.200 --> 00:02:28.525 かけ離れているという状況に 私は納得できません 00:02:28.525 --> 00:02:31.150 この両者を橋渡しする方法を 見つけたいと思いました 00:02:31.150 --> 00:02:34.650 1つの現実からもう1つの現実に 移って欲しいと思いました 00:02:35.500 --> 00:02:38.900 3年前の26才の時 00:02:38.900 --> 00:02:42.450 私はインドに戻りました 00:02:42.450 --> 00:02:47.500 若く見せるように 年齢の言い方を 工夫していたことに気づきました? 00:02:47.500 --> 00:02:49.825 3年前に インドに戻りまして 00:02:49.825 --> 00:02:52.250 この疑問に答えようとしました 00:02:52.250 --> 00:02:54.775 「私の人生には どんな意味があるのか?」 00:02:54.775 --> 00:02:58.800 私には教育のために 旅に出る贅沢が許されています 00:02:58.800 --> 00:03:01.725 「これはいったい どういうことなのか?」 00:03:01.725 --> 00:03:04.850 教育の分野で 仕事を始めました 00:03:04.850 --> 00:03:06.375 仕事をしながら 00:03:06.375 --> 00:03:09.000 村でTEDx を実施したら どうなるだろうかと考えました 00:03:09.000 --> 00:03:12.325 本当に素晴らしいものになると思いました TED に行ったことがあり 00:03:12.325 --> 00:03:15.150 雰囲気全てが大好きで とても素敵なものでした 00:03:15.150 --> 00:03:17.975 こう考えました 「村でもできるだろうか? 00:03:17.975 --> 00:03:22.600 この会場で今日皆さんが感じているのと 同じように感じてもらえるだろうか? 00:03:22.600 --> 00:03:25.725 地方でも同じようにできるだろうか?」 00:03:25.725 --> 00:03:27.850 この理想的な考えで頭がいっぱいになり 00:03:27.850 --> 00:03:31.275 皆が人のためになることをしたくて 歓迎してくれるだろう 00:03:31.275 --> 00:03:32.938 そう考えていました 00:03:32.938 --> 00:03:37.825 そして 2010年にTEDx イベントを 開催しようと決心しました 00:03:37.825 --> 00:03:41.850 私のTEDx イベントは TEDxShekhavati と呼ばれるものです 00:03:41.850 --> 00:03:44.175 私は問題に出くわすようになりました 00:03:44.175 --> 00:03:47.600 耳にするようになったのは こんな言葉でした 00:03:47.600 --> 00:03:51.625 「イベントを運営するのが女性だから これは悪いことで 00:03:51.625 --> 00:03:54.650 宗教に反することだ 00:03:54.650 --> 00:03:59.950 私たちの社会の仕組みを 堕落させようとしている」 00:04:00.700 --> 00:04:04.725 こんなことがあって これに1年ほども取り組んだのちに 00:04:04.725 --> 00:04:09.350 イベントの7日前 ついに彼らは言いました 「さて どうやって止めさせようか」 00:04:09.350 --> 00:04:11.675 そして私に言いました 「ステージに立ちたいなら 00:04:11.675 --> 00:04:14.500 ニカブを被り 顔を隠しなさい」 00:04:14.500 --> 00:04:18.024 私は「被りませんよ 自分で決めたらブルカだって着けますけど 00:04:18.024 --> 00:04:20.925 他人のためには着けません」 00:04:21.250 --> 00:04:25.175 私はニカブを着けてステージに立ち ニカブを着けていない観客に 00:04:25.175 --> 00:04:28.200 語りかけるという考えが 気に入りませんでした 00:04:28.200 --> 00:04:30.125 それを断ると こう言いました 00:04:30.125 --> 00:04:31.850 「では 会場は使わせませんよ 00:04:31.850 --> 00:04:35.075 この会場では イベントはさせませんよ」 00:04:35.075 --> 00:04:37.500 300人とスピーカーが 参加予定なのに 00:04:37.500 --> 00:04:39.725 そのための場所が ありませんでした 00:04:39.725 --> 00:04:44.150 数日間のうちに なんとか 別の場所を確保することができました 00:04:44.150 --> 00:04:46.675 ただこの時までに かなり意欲がそがれていて 00:04:46.675 --> 00:04:50.700 「来るのは20人くらいでもいい 楽しめれば良い」と考えていました 00:04:50.700 --> 00:04:52.725 そして イベントの日には 00:04:52.725 --> 00:04:57.650 1,200人が このカンファレンスに来たのです 00:04:57.650 --> 00:05:00.650 (拍手) 00:05:04.500 --> 00:05:09.025 そして翌年2011年には 今度は学校を会場にしようと思いました 00:05:09.025 --> 00:05:12.150 「ハリジャン」の学校を 選びました 00:05:12.150 --> 00:05:15.275 ハリジャンは インドでは 触れてはいけない人たちでした 00:05:15.275 --> 00:05:19.400 病気だからとかの理由で 触れてはいけない人なのではなく 00:05:19.400 --> 00:05:22.425 低いカーストの身分だからです 00:05:22.425 --> 00:05:26.050 彼らは貧困の輪に囚われ 絶対抜け出せません 00:05:26.050 --> 00:05:28.375 教育を受けることも 拒まれています 00:05:28.375 --> 00:05:30.900 だから その学校も 100年前のものでした 00:05:30.900 --> 00:05:35.525 その学校は次第に 貧しい子供が通う学校になりました 00:05:35.525 --> 00:05:39.750 学校に行きました これが学校の教室の1つです 00:05:39.750 --> 00:05:41.775 この学校でおこなったのは 00:05:41.775 --> 00:05:46.300 そして最近この学校に行くと 同じ学校だとは見分けがつかないくらいでした 00:05:46.300 --> 00:05:51.325 トイレを作りました 100年経って やっと学校にトイレができました 00:05:51.325 --> 00:05:53.050 さらにペンキを塗りました 00:05:53.050 --> 00:05:55.375 イベントの日には 00:05:55.375 --> 00:06:00.400 TEDxShekhavati に 5,000人が来たのを覚えています 00:06:00.400 --> 00:06:03.400 (拍手) 00:06:07.300 --> 00:06:10.325 このイベントから すごく良いことが生まれました 00:06:10.325 --> 00:06:15.350 1つ目は 村々で 若者のリーダーを 育てることができたことです 00:06:15.350 --> 00:06:18.375 つまりこうしました 私はどんなイベントにしたいか 00:06:18.375 --> 00:06:20.400 考えがありましたので 00:06:20.400 --> 00:06:25.425 私が別途行っている教育の活動で教えている 男女をつかまえてこう伝えました 00:06:25.425 --> 00:06:29.887 「やるべきことは これです さあ 自分なりにやってみて」 00:06:29.887 --> 00:06:33.375 彼らは実施し始めて チームやサブ・チームを作りました 00:06:33.375 --> 00:06:37.400 言うなれば このイベントの 方向を決めたのは彼らです 00:06:37.400 --> 00:06:41.625 女性は家から家を回り イベントを人々に伝えました 00:06:41.625 --> 00:06:44.050 ソーシャルメディアがないからです 00:06:44.050 --> 00:06:47.375 ここの人たちは 新聞さえ情報源にしていませんでした 00:06:47.375 --> 00:06:50.100 女性は美容院に行って 00:06:50.100 --> 00:06:52.725 そこの中心的な女性に話しました 00:06:52.725 --> 00:06:55.650 眉毛の形を整えながら こう話しかけます 00:06:55.650 --> 00:06:57.875 「TEDxShekhavati のこと聞いた?」 00:06:57.875 --> 00:07:00.700 こうして皆が イベントのことを知るようになりました 00:07:00.700 --> 00:07:04.425 イベントの後で こう言ってくる女性がいました 00:07:04.425 --> 00:07:07.450 「とても感動したから 00:07:07.450 --> 00:07:11.450 娘の5人を学校に入学させました」 00:07:11.750 --> 00:07:14.275 私が気に入ったのは 00:07:14.275 --> 00:07:18.300 女性スピーカーの1人が 女性の権利について話した時でした 00:07:18.300 --> 00:07:20.025 ところでこれが学校で 00:07:20.025 --> 00:07:22.850 外観はこんな風でした 00:07:22.850 --> 00:07:24.575 スピーカーの1人が 00:07:24.575 --> 00:07:28.800 女性の権利と 社会での女性の役割について話しました 00:07:28.800 --> 00:07:33.825 「とてもよかったですよ」 と私に言いにくる女性はいませんでした 00:07:33.825 --> 00:07:38.350 でも多くの男たちが やって来て こう言ったのです 00:07:38.350 --> 00:07:41.575 「とてもうれしいです 語られる必要があることでした」 00:07:41.575 --> 00:07:43.800 これを全て見てみると 00:07:43.800 --> 00:07:47.725 TEDxShekhavati は 始まりに過ぎないと感じました 00:07:47.725 --> 00:07:51.750 何百年も続いている考え方が 変わる始まりです 00:07:51.750 --> 00:07:54.175 これは非常に困難で 簡単ではないでしょう 00:07:54.175 --> 00:07:56.900 2年で変わるような ものではありません 00:07:56.900 --> 00:08:02.525 しかし TEDxShekhavati が行ったのは インドで信じられない変化を 00:08:02.525 --> 00:08:08.550 起こしただけでなく 世界で起こる変化の兆しだということです 00:08:08.550 --> 00:08:13.375 これを私の地域や人たちに 届けることを堅く誓っています 00:08:13.375 --> 00:08:17.743 多くの人が 「どう実現したのですか? 00:08:17.743 --> 00:08:19.725 どう数々の問題に立ち向かったのですか?」 と尋ねました 00:08:19.725 --> 00:08:24.750 振り返ってみると 答えは1つで 私の心の底からの答えです 00:08:24.750 --> 00:08:30.175 「今 皆さんが目にしているのは 反対意見や問題点かもしれません 00:08:30.175 --> 00:08:34.200 でも私にはそうは見えませんでした 00:08:34.200 --> 00:08:40.225 唯一私に見えたのは 人々が喜び 00:08:40.225 --> 00:08:43.750 積極性を感じ 心を開いていたということだけでした」 00:08:43.750 --> 00:08:46.275 私が感じるのは 結局はこれが 00:08:46.275 --> 00:08:49.300 すべての違いをもたらすものだ ということです 00:08:49.300 --> 00:08:51.325 ありがとうございます 00:08:51.325 --> 00:08:53.325 (拍手)