1 00:00:01,160 --> 00:00:06,500 『ゼルダの伝説:Breath of the Wild』で 雨が降ると、全てが変容する 2 00:00:06,500 --> 00:00:09,580 岩肌はすべって 登るのが難しくなる 3 00:00:09,580 --> 00:00:13,300 だがリンクの足音は消えるので 潜伏行動は簡単になる 4 00:00:13,300 --> 00:00:16,660 雨は電気攻撃のダメージを 劇的に増加させるが 5 00:00:16,660 --> 00:00:20,760 炎や爆弾の矢を 普通の矢に変えてしまう 6 00:00:20,760 --> 00:00:25,580 ビリビリヤンマなどの特定の植物や生き物は 雨天時にのみ出現する 7 00:00:25,580 --> 00:00:29,760 人間は雨宿りするために走り キャンプの焚き火は燃え尽きる 8 00:00:29,760 --> 00:00:32,960 特定の場所で 巨大な水溜りを見つけたとしても 9 00:00:32,960 --> 00:00:35,640 太陽が昇ると蒸発してしまう 10 00:00:35,640 --> 00:00:40,520 BotW の起伏のある天候システムは 見た目がオシャレに変わるだけではなく 11 00:00:40,520 --> 00:00:44,640 世界のほぼ全ての要素に手を伸ばして 影響することができるのだ 12 00:00:44,640 --> 00:00:48,620 そしてこれが「系統網ゲーム」の定義だ 13 00:00:48,620 --> 00:00:52,700 Ubisoft の元リードプログラマである Aleissia Laidacker は次のように述べている 14 00:00:52,700 --> 00:00:56,500 「系統網とは、ゲーム内の全ての要素が 繋がっていることを意味します」 15 00:00:56,500 --> 00:01:00,940 「これは 1つの要素が他のものへ影響することを 目的として開発・設計されています」 16 00:01:00,940 --> 00:01:06,440 そしてここ数年で、この種の相互接続性を 持つゲームが爆発的に増えている 17 00:01:06,440 --> 00:01:10,420 『Metal Gear Solid V』や『ゼルダの伝説』といった 日本製ゲームから 18 00:01:10,420 --> 00:01:16,320 欧州の野心作『Kingdom Come: Deliverance』や 『Mark of the Ninja』のような小さな独立系ゲームや 19 00:01:16,320 --> 00:01:19,300 現在 Ubisoft が制作している ほぼ全ての作品まで 20 00:01:19,300 --> 00:01:22,980 例えば『Far Cry 4』では 大変喜ばしい事実があり 21 00:01:22,980 --> 00:01:29,880 プレイヤーが敵や野生動物と戦うだけではなく 敵が動物と戦うことも可能なのだ 22 00:01:29,880 --> 00:01:31,350 その逆もまたしかりだ 23 00:01:31,350 --> 00:01:34,600 これは開発者が手作業で用意した 台本上の交戦ではない 24 00:01:34,600 --> 00:01:38,880 敵の系統と、野生動物の系統が ただ相互作用して…… 25 00:01:38,880 --> 00:01:41,020 虎が見張りの顔を 引き裂くのだ 26 00:01:41,660 --> 00:01:45,300 これが機能するのは 「認識」と「法則」のおかげだ 27 00:01:45,300 --> 00:01:47,280 超単純化して言えば― 28 00:01:47,280 --> 00:01:52,140 ゲーム内の全ての実体は「入力」を持っている これで「聞く」ことができる 29 00:01:52,140 --> 00:01:58,040 Far Cry の虎の場合、それはプレイヤーや 餌、炎、敵のことかもしれない 30 00:01:58,700 --> 00:02:00,960 また実体には「出力」もある 31 00:02:00,960 --> 00:02:04,440 これは実体の存在を ゲーム世界へ発信するものだ 32 00:02:04,440 --> 00:02:09,820 入力と出力が一致し、実体が互いに 認識・接触できる場合に― 33 00:02:09,820 --> 00:02:11,560 接続が確立するのだ 34 00:02:11,560 --> 00:02:13,660 そして、法則に従うのは そのときだ 35 00:02:13,660 --> 00:02:17,900 虎と見張りの場合 法則上、顔が引き裂かれる 36 00:02:17,900 --> 00:02:23,020 だが他のゲームでは、木製の矢に着火して それで放火できるだろう 37 00:02:23,020 --> 00:02:27,180 あるいは橙色のアマガエルが 地面付近で爆発すると、地形が破壊される 38 00:02:27,180 --> 00:02:30,140 あるいはキャンプファイアに 雨が降れば、火が消える 39 00:02:31,380 --> 00:02:36,820 従って、系統的ゲームは あらゆる種類の物体、キャラ、一部の環境と― 40 00:02:36,820 --> 00:02:42,320 ゲームシステムがお互いを認識し、そして どう作用するのかという法則が備わることで機能する 41 00:02:42,320 --> 00:02:43,989 だが気にする必要などあるのか? 42 00:02:43,989 --> 00:02:49,879 系統がそれほど繋がっていないゲームよりも こっちの方が面白いのは何故だろうか? 43 00:02:49,880 --> 00:02:55,240 まぁ、1つの大きな利点は、プレイヤーが 面白い計画を立案できることだ 44 00:02:55,240 --> 00:03:01,420 多くの伝統的なゲームでは、実体が認識するのは プレイヤーだけで、他の要素はあまり認識しない 45 00:03:01,420 --> 00:03:06,079 つまり敵と作用する唯一の方法が 非常に直接的な手段を駆使することなのだ 46 00:03:06,080 --> 00:03:07,820 別名、敵を撃つことだ 47 00:03:07,820 --> 00:03:12,060 だが系統網ゲームの実体は はるかに多くの要素を認識しているので 48 00:03:12,060 --> 00:03:14,720 間接的な手段によって 敵に作用できる 49 00:03:14,720 --> 00:03:19,180 例えば、檻に入れられた動物を解放して 付近の見張りを攻撃させる 50 00:03:19,180 --> 00:03:25,370 つまり系統によるゲームの決定的な特徴は 異なる実体や系統との関係を 51 00:03:25,370 --> 00:03:27,740 計画の一部として利用できることにある 52 00:03:27,740 --> 00:03:30,440 敵が一緒に集まって来た時 かなり賢い気分になる 53 00:03:31,440 --> 00:03:33,580 『Watch Dogs 2』に良い事例がある 54 00:03:33,580 --> 00:03:37,980 僕は警察に追われていたので 警察をギャングの縄張りまで連れていって 55 00:03:37,980 --> 00:03:41,240 屋上に隠れて、対立する派閥同士が 戦う様子を眺めていた 56 00:03:41,240 --> 00:03:46,260 それから警察の注意が散漫になったのを利用して 急いで立ち去り、指名手配から逃げ切った 57 00:03:46,260 --> 00:03:50,560 これは最高の気分だったし 警官を何人も撃つことよりも断然面白かった 58 00:03:51,760 --> 00:03:54,920 系統網による もう 1つの大きな利点は― 59 00:03:54,920 --> 00:03:58,140 ドラマや驚きの瞬間を生み出せるという点だ 60 00:03:58,140 --> 00:04:03,860 王立軍と、反政府組織と、怒れる像との 三つ巴の戦いのような感じだ 61 00:04:03,860 --> 00:04:07,360 繰り返すが、これに台本はないが 有機的に発生したのだ 62 00:04:07,360 --> 00:04:12,080 たくさんの様々な実体が 互いに認識し、互いに対応し合う法則を持ち 63 00:04:12,080 --> 00:04:14,760 同じ場所にいることを察知したことで こうなったわけだ 64 00:04:14,760 --> 00:04:18,280 こうした出来事の体験談は 2つの理由でクールだと思う 65 00:04:18,280 --> 00:04:24,600 1つは、プレイヤーが計画を立てて実行しようとすると 興味のある物語構造に従うことが多いのだが 66 00:04:24,600 --> 00:04:27,760 予期しない連鎖的な出来事が 計画を台無しにするので 67 00:04:27,760 --> 00:04:30,020 プレイヤーは反応・適応する必要がある 68 00:04:30,020 --> 00:04:33,984 そしてこうした出来事は 完全に自分だけの体験なので 69 00:04:33,984 --> 00:04:40,540 全てのプレイヤーが目にする超壮大な瞬間よりも 特別で記憶に残る体験になると思う 70 00:04:41,060 --> 00:04:42,820 誰もこの場面をツイートしてないだろ? 71 00:04:44,640 --> 00:04:48,520 だから系統網を持つゲームでは プレイヤーが面白い計画を考案できるのだ 72 00:04:48,530 --> 00:04:50,660 そしてそれが 意外性のある体験談になる 73 00:04:50,660 --> 00:04:53,820 これは「トンチ的プレイ」と呼ばれている 74 00:04:53,820 --> 00:04:58,700 開発者が意図的に設計したものではなく 解決策や状況は― 75 00:04:58,700 --> 00:05:02,320 複数の系統が集まることで 不意に出現するのだ 76 00:05:02,320 --> 00:05:04,640 とはいえ開発者の責務が 消えるわけではない 77 00:05:04,640 --> 00:05:09,080 開発者はこの全ての要素を設定して 「トンチ」の実現性を生み出す必要がある 78 00:05:09,080 --> 00:05:14,220 だから機能させるためには、多様な実体に 「認識」を実装する必要がある 79 00:05:14,220 --> 00:05:17,080 互いに認識される要素は 多ければ多いほど良い 80 00:05:17,080 --> 00:05:20,120 キャラ同士が戦うのも 1つの手だが 81 00:05:20,120 --> 00:05:23,340 敵が環境を破壊できるようにしても良いし 82 00:05:23,340 --> 00:05:29,720 実体に昼夜の周期を認識させたり ゼルダの場合では、化学エンジン全体を考案して 83 00:05:29,720 --> 00:05:32,340 風、炎、氷などの要素を 実装したりしている 84 00:05:32,760 --> 00:05:35,600 次に、一貫性のある法則が必要となる 85 00:05:36,080 --> 00:05:40,960 何故なら、AI の動画でも述べたように プレイヤーが優れた計画を立てられるのは 86 00:05:40,960 --> 00:05:45,620 自分の行動にシステムがどう反応するのか 明確に分かっている場合だけだからだ 87 00:05:45,620 --> 00:05:49,100 だがこれは普遍的な法則の必要性も 意味している 88 00:05:49,100 --> 00:05:54,020 例えば、もし木製の何かが燃えるなら 木の物体は全て燃えるべきだ 89 00:05:54,020 --> 00:05:58,600 こうした法則が破られるたび 世界の信憑性は低下し 90 00:05:58,600 --> 00:06:01,940 プレイヤーが今後 新しいことを試す可能性は低くなる 91 00:06:01,940 --> 00:06:05,620 そこでこの種の普遍的な接続性を 容易にするために 92 00:06:05,620 --> 00:06:10,300 『Dishonored』共同ディレクターである Harvey Smith と Raphael Colantonio の助言を聞く 93 00:06:10,300 --> 00:06:15,780 彼らによると、ゲーム内の特定の物体やキャラを 実体が聞けるようにするのではなく 94 00:06:15,780 --> 00:06:22,260 実体が一般的な「刺激」を出力できるようにする 例えば炎、貫通、爆発ダメージなどだ 95 00:06:22,260 --> 00:06:25,560 そしてこれらをゲーム内の他の要素に 認識させるらしい 96 00:06:25,560 --> 00:06:30,060 この抽象化した階層が 実体の追加や変更を容易にし 97 00:06:30,060 --> 00:06:34,220 開発者が考えもしなかった接続性を プレイヤーが発見することすら可能になる 98 00:06:34,220 --> 00:06:37,960 例えば Harvey Smith 氏の代表作 『Deus Ex』では 99 00:06:37,960 --> 00:06:43,100 MIB は死に際に爆発するという事実を活用して ドアを爆破して開けることができる 100 00:06:43,100 --> 00:06:48,020 ゼルダでも、金属の物体を 床に置くと電気が流れて 101 00:06:48,020 --> 00:06:50,540 自己流の方法で祠を解けるのは これが理由だ 102 00:06:50,540 --> 00:06:54,830 ちょっとズルイ感じかもしれないが これこそが系統網ゲームを楽しくしているのだ 103 00:06:54,830 --> 00:07:00,280 1つしかないパズルの解法を見つける代わりに ゲームシステムに内在する作用を活用して 104 00:07:00,280 --> 00:07:03,740 目の前の問題を解決するために 自己流の解法を発見する 105 00:07:03,740 --> 00:07:07,440 それから、意外性のある出来事を 定期的に発生させたいのであれば 106 00:07:07,440 --> 00:07:10,380 システムが多少 不安定であることが重要だ 107 00:07:10,380 --> 00:07:14,680 プレイヤーが関与するまで 完全な平衡状態にはならないが 108 00:07:14,680 --> 00:07:17,980 それ自体で移動したり 変化したりできるようにする 109 00:07:17,980 --> 00:07:22,700 これで自動化したシステムを実現できる 例えば BotW の起伏のある天候は 110 00:07:22,700 --> 00:07:24,880 予測不可能な雷雨を発生させる 111 00:07:24,880 --> 00:07:29,320 あるいは AI に特有の目標と必要性を与えることで 動き回るようにさせて 112 00:07:29,320 --> 00:07:32,300 可能であれば他の実体と 衝突させることも可能だ 113 00:07:33,340 --> 00:07:35,860 Okay それで君は 系統網ゲームを制作した 114 00:07:35,860 --> 00:07:39,280 ゲーム内の全ての実体同士に 接続性を作って 115 00:07:39,280 --> 00:07:42,880 一貫性があり普遍的な 作用法則に従わせている 116 00:07:42,880 --> 00:07:47,320 だがこの種のゲームは簡単に台無しになるので やるべき作業はまだ残っている 117 00:07:47,320 --> 00:07:52,080 多くの開発者は、トンチ的な解法の発見を 真に促すことに失敗している 118 00:07:52,080 --> 00:07:57,160 『MGS V』のような作品には 刺激的な機会がたくさんあるにも係わらず 119 00:07:57,160 --> 00:08:01,370 僕は静音麻酔銃を使って 多くのミッションを終えてしまったからだ 120 00:08:01,370 --> 00:08:06,740 より信頼性の高い攻略法があるなら なんで馬鹿げた計画を立てる必要があるんだ? 121 00:08:06,740 --> 00:08:11,840 『Hitman』では Agent 47(主人公)の銃撃戦での弱さが プレイヤーの独創性を促している 122 00:08:11,840 --> 00:08:15,360 ゼルダでは議論の的になったが 武器が粉微塵になることで 123 00:08:15,360 --> 00:08:18,240 創造的な攻略法を試すように 後押ししている 124 00:08:18,240 --> 00:08:22,920 また世界と関与できるあらゆる種類の方法を プレイヤーに与えることも重要だ 125 00:08:22,920 --> 00:08:25,340 これは敵の殲滅より ずっと面白いことだ 126 00:08:25,340 --> 00:08:29,280 敵を殺すことは、本質的には 空間から実体を除去することであって 127 00:08:29,280 --> 00:08:32,560 ほとんどの場合、システム的な楽しみの 可能性を減らすことになる 128 00:08:32,560 --> 00:08:37,540 単に除去するだけでなく、変更や追加を可能にする ツールをプレイヤーに提供したい 129 00:08:37,540 --> 00:08:41,120 これはセキュリティ系統をハッキングして 忠誠心を変えたり 130 00:08:41,120 --> 00:08:44,560 デコイ人形を膨らませて 敵を動揺させたりすることかもしれない 131 00:08:44,560 --> 00:08:49,360 他のゲームは、一本道のミッションが プレイヤーの選択肢を制限しているので台無しだ 132 00:08:49,360 --> 00:08:51,660 『Grand Theft Auto』は この点では苦痛だ 133 00:08:51,660 --> 00:08:57,245 都市を活発的・現実的に感じさせるために 優れた系統がいっぱいあるし 134 00:08:57,245 --> 00:09:00,580 警察の指名手配は、天才的な出来事だ 135 00:09:00,580 --> 00:09:05,880 これが無かったら『GTA』で一般市民を殺しても ゲーム内で面白い影響はなかっただろう 136 00:09:05,880 --> 00:09:10,840 だが殺人が指名手配系統に絡んで パトカーが追走してくるので 137 00:09:10,840 --> 00:09:15,820 プレイヤーの行動は、実際にゲーム内の 多様な系統に波及する結果をもたらす 138 00:09:15,829 --> 00:09:16,829 最高だ 139 00:09:16,829 --> 00:09:21,920 だがメインミッションは大抵の場合 台本のせいで信じられないほど直線的で 140 00:09:21,920 --> 00:09:26,260 画面上の指示に完全に従わないと あらゆる種類の失敗として判定される 141 00:09:26,260 --> 00:09:31,560 Far Cry にもこの問題がある 野営地と同じ面白さは メインミッションのどこにも存在しない 142 00:09:31,560 --> 00:09:35,200 キャンプは様々な系統による 開放的な実験台だ 143 00:09:35,200 --> 00:09:39,500 系統網ゲームのステージ制作は プレイヤーに目標を与えることであって 144 00:09:39,500 --> 00:09:41,900 どう達成するかは 気にするべきではない 145 00:09:41,900 --> 00:09:45,780 これは開放的な空間と、互いを認識し合う 大量の実体を必要とする 146 00:09:45,780 --> 00:09:49,519 優れた計画や、印象的な出来事の機会を 生み出すためだ 147 00:09:49,519 --> 00:09:53,889 また、系統網があっても 固有の体験を生み出せないゲームもある 148 00:09:53,889 --> 00:09:59,840 Ubisoft は突発的なスリルという素材で 自社の全作品を心から満たそうとしているが 149 00:09:59,840 --> 00:10:05,780 『Assassin’s Creed Origins』の野営地は 『Far Cry 4』と驚くほど酷似している 150 00:10:06,280 --> 00:10:10,559 だから作品固有の体験を提供できるように 系統網を設定することが重要だ 151 00:10:10,559 --> 00:10:13,311 『Far Cry 2』の違いを見てくれ 152 00:10:13,311 --> 00:10:17,502 火災の伝播や、徘徊する悪者といった 系統があるが 153 00:10:17,502 --> 00:10:22,020 これはプレイヤーの危機を煽ることを 主な目的としているように感じる 154 00:10:22,020 --> 00:10:26,041 一方で暗殺シムの『Hitman』は 完全に逆の方向へ進んでいて 155 00:10:26,041 --> 00:10:30,341 完璧に統制された通りに動く系統を 実装することに集中している 156 00:10:30,341 --> 00:10:32,959 その中でプレイヤーは 歯車を狂わせる役になるのだ 157 00:10:32,960 --> 00:10:36,740 『Mafia 3』のように、系統に 真意を埋め込むことさえできる 158 00:10:36,740 --> 00:10:40,920 黒人地区では、警察が駆けつけるのは 白人地区より遅いのだ 159 00:10:40,920 --> 00:10:43,700 これはシステムを通じて 物語るゲームだ 160 00:10:45,240 --> 00:10:49,520 ところで、このような系統網のある設計は 今に始まったことではない 161 00:10:49,520 --> 00:10:53,680 何十年も、シミュレーションゲームは この種の相互接続性を用いて 162 00:10:53,680 --> 00:10:56,079 現実世界の秩序を 模倣してきた 163 00:10:56,080 --> 00:11:01,640 それはたまたま、全能の存在として 上から見下ろしながら遊ぶゲームだった 164 00:11:01,640 --> 00:11:05,160 現在でもこの種の内容が見られる 例えば『Rimworld』や 165 00:11:05,160 --> 00:11:08,200 馬鹿げたほど相互接続性のある 『Dwarf Fortress』とかだ 166 00:11:08,200 --> 00:11:12,560 この作品では緊急事態が起こり得る 例えば猫が死んでしまうのだが 167 00:11:12,560 --> 00:11:18,860 それはドワーフが飲酒中にワインをぶち撒けて 掃除中に猫がワインを飲んでしまい 168 00:11:18,860 --> 00:11:21,760 それからアルコール中毒で 死んでしまうからだ 169 00:11:21,760 --> 00:11:23,040 理不尽だ 170 00:11:23,040 --> 00:11:26,640 詳細は Eurogamer の「Here’s A Thing」の この動画をご覧頂きたい 171 00:11:26,640 --> 00:11:31,920 それから没入型シムがある 『Thief』や『Deus Ex』のような様式では 172 00:11:31,920 --> 00:11:35,237 その核心はシミュレーション設計を 採用して 173 00:11:35,237 --> 00:11:39,900 それを一人称視点で 1人のキャラを操作する 没入感のあるゲームに組み込むことだった 174 00:11:39,910 --> 00:11:41,480 そんなわけで、この名前になった 175 00:11:41,880 --> 00:11:46,300 これが没入型シムの復活に 僕が大喜びした理由だ 176 00:11:46,300 --> 00:11:49,260 『Prey』や『Dishonored 2』が 再興したのだった 177 00:11:49,260 --> 00:11:53,840 だがこうしたゲームが大勢の人々と 繋がりがないように見えてかなり落胆した 178 00:11:53,840 --> 00:11:55,080 …商業的に 179 00:11:55,080 --> 00:11:58,840 だがこの種の設計に人気があることが 明らかになってきた現在では 180 00:11:58,840 --> 00:12:01,780 『Ultima Underworld』や 『System Shock』にまで遡るような作品の 181 00:12:01,780 --> 00:12:05,300 非常に特殊な遺産に 限定される必要など無いのだ 182 00:12:05,300 --> 00:12:07,720 それは大規模予算の体験であろうが― 183 00:12:07,720 --> 00:12:09,440 粗悪なヨーロッパ作品だろうが― 184 00:12:09,440 --> 00:12:12,640 あるいは没入型シムのファンによる 独立系作品であろうが関係ないのだ 185 00:12:12,640 --> 00:12:15,780 または全く奇妙なことに ゼルダの最新作では― 186 00:12:15,780 --> 00:12:21,740 系統的設計と、トンチ的な遊びが 作品のあらゆる場面に登場している 187 00:12:21,740 --> 00:12:27,120 そしてこの種の要素が大好きな僕としては 計画を立てて、そのヤバイ結果を見る機会のために 188 00:12:27,120 --> 00:12:30,400 この流行が次にどこへ行くのか 非常に楽しみだ 189 00:12:31,100 --> 00:12:32,100 (字幕翻訳:Nekofloor) 190 00:12:32,800 --> 00:12:33,940 ご視聴ありがとう! 191 00:12:33,940 --> 00:12:39,500 系統網は超複雑な内容なので、この動画では 表面的な部分しか触れていない 192 00:12:39,500 --> 00:12:44,920 だがこの分野の専門家からの大量の情報は 下の説明欄のリンクを参照して頂きたい