1 00:00:08,940 --> 00:00:10,061 次の方も 2 00:00:10,131 --> 00:00:12,000 私の良い友人の一人 3 00:00:12,000 --> 00:00:15,517 アメリカ海兵隊の元兵士の彼は 4 00:00:15,517 --> 00:00:18,681 苦悩を持つ退役軍人に 手を差し伸べることに情熱を捧げてます 5 00:00:18,681 --> 00:00:21,575 皆さんにご紹介します 私の良い友人 ロン・セルフです 6 00:00:22,053 --> 00:00:25,102 (拍手) 7 00:00:26,662 --> 00:00:28,739 こんにちは ありがとうございます 8 00:00:30,709 --> 00:00:32,324 まずどうしても言いたいのが 9 00:00:32,324 --> 00:00:35,773 たった今 19年ぶりに 犬を撫でてみました 10 00:00:35,779 --> 00:00:38,542 そのことで 何か特別な思いに浸ってます 11 00:00:40,302 --> 00:00:41,784 それでは初めます 12 00:00:44,094 --> 00:00:46,862 それは2011年11月9日のことでした 13 00:00:47,542 --> 00:00:49,992 いつもと変わらぬ普通の日 14 00:00:50,332 --> 00:00:51,698 私は自分の独房に戻り 15 00:00:52,633 --> 00:00:54,088 トイレの便器に立ち上がって 16 00:00:54,655 --> 00:00:56,366 首に縄をくくりました 17 00:00:56,564 --> 00:00:59,143 縄のもう片方を ロッカーに結ぶと 足を外しました 18 00:01:02,345 --> 00:01:04,043 それから1時間半程たった頃 19 00:01:04,253 --> 00:01:06,460 床に倒れた状態で 意識を取りもどしました 20 00:01:06,650 --> 00:01:09,102 縄が切れたのです そのこと自体驚きました 21 00:01:10,747 --> 00:01:12,482 縄はシーツを結んで作りました 22 00:01:12,482 --> 00:01:14,434 軍隊で習うグレード4の縄です 23 00:01:14,434 --> 00:01:16,774 水に浸し 引張っても切れないはずです 24 00:01:16,774 --> 00:01:19,016 海兵隊では多分百回ほど作り 25 00:01:19,016 --> 00:01:21,034 この縄でハンヴィー(軍用車)も 引っ張りました 26 00:01:21,034 --> 00:01:23,121 ところが こいつが切れたのです 27 00:01:24,801 --> 00:01:27,055 目が覚めてまず2つのことを感じました 28 00:01:27,195 --> 00:01:29,822 自殺を図った自分への罪悪感と 29 00:01:30,612 --> 00:01:32,352 死ぬことができなかった羞恥心 30 00:01:32,872 --> 00:01:34,686 私は宗教心を持つ人間ではありませんが 31 00:01:34,866 --> 00:01:37,175 縄が切れたことに理由があると 何気なく悟りました 32 00:01:37,175 --> 00:01:39,309 いや 縄が自分から切れたと 信じたかったのかも 33 00:01:39,569 --> 00:01:41,985 そこで 時間をかけて この事実を受け入れようとしました 34 00:01:42,145 --> 00:01:43,570 それから約2週間後 35 00:01:43,880 --> 00:01:47,691 拘置所内の大学ので受講している 「English 204」課題研究のクラスで 36 00:01:47,901 --> 00:01:49,981 この科目の終了課題として 37 00:01:49,981 --> 00:01:53,611 15から25ページ程の自由課題の 作文を提出することになりました 38 00:01:53,611 --> 00:01:57,389 学期は始まったばかりで 誰かにある資料を手渡されました 39 00:01:57,389 --> 00:02:01,049 覚えておいて欲しいのは 私の自殺未遂は 誰にも打ち明けておらず 誰も知りません 40 00:02:01,795 --> 00:02:03,818 そこで誰かがこの資料を 私に手渡してくれました 41 00:02:03,818 --> 00:02:05,666 それはある法的意見で 42 00:02:05,666 --> 00:02:08,828 合衆国第9巡回区控訴裁判所の ラインハート判事による 43 00:02:08,828 --> 00:02:13,055 自殺で命を絶った退役軍人の 家族が起こした訴訟に対する 44 00:02:13,495 --> 00:02:16,591 2009年9月付の意見書でした 45 00:02:16,941 --> 00:02:21,209 意見書の中で引用されていた「Katz suicide study (キャッツ自殺調査)」には 46 00:02:21,209 --> 00:02:26,316 当時の統計で 一日に18人の退役軍人が 自殺を図っていると書かれていました 47 00:02:27,168 --> 00:02:30,559 学期の期間中ずっと そして終わってから数ヶ月に渡り 48 00:02:30,636 --> 00:02:34,044 私は他にも理解しがたい事実を 発見しました 49 00:02:34,393 --> 00:02:36,548 イラク戦争の始まりから アフガニスタン戦争も含む 50 00:02:36,548 --> 00:02:40,972 14年間において 51 00:02:40,972 --> 00:02:45,900 6,855人のアメリカ人が戦死したのに対し 52 00:02:46,560 --> 00:02:52,126 その同時期に 73,000人の退役軍人が自殺したことです 53 00:02:53,066 --> 00:02:56,159 この統計を人に伝える度に 54 00:02:56,159 --> 00:02:57,963 私の調査は間違っていると思われます 55 00:02:57,963 --> 00:03:00,725 私は刑務所にいて 情報源も限られています 56 00:03:00,725 --> 00:03:02,892 ところが 実際は 拘置所内の大学プログラムでは 57 00:03:02,892 --> 00:03:06,293 調査をする上で沢山の文献に 十分アクセスすることができて 58 00:03:06,293 --> 00:03:08,766 この統計は正確な数字です 59 00:03:10,576 --> 00:03:13,457 それ以外にも解ったことが数点ありました 60 00:03:14,257 --> 00:03:16,911 一つは この数字が何故こんなに大きいのか 私には理解できません 61 00:03:16,911 --> 00:03:19,054 私がお話しできるのは そのごく一部に過ぎませんが 62 00:03:19,054 --> 00:03:21,418 そのことについてお話しします 63 00:03:21,418 --> 00:03:24,691 私がこのことを説明し 皆さんにご理解いただきたいのは 64 00:03:24,737 --> 00:03:28,679 戦闘中に育まれる仲間との絆は 65 00:03:28,679 --> 00:03:32,139 親子の関係と似ていることです 66 00:03:33,750 --> 00:03:37,833 退役軍人にとって戦友の戦死ほど 大きな損失はありません 67 00:03:38,383 --> 00:03:40,180 戦友の死を実際に見ることです 68 00:03:40,470 --> 00:03:44,143 人生の中で 自分に言い聞かせる最大の嘘 ― 一生言い続けるまやかしとは 69 00:03:44,143 --> 00:03:47,825 違う行動をとったら その結果を免れられたのに というもの 70 00:03:48,005 --> 00:03:49,889 それはできなかったことです 71 00:03:50,139 --> 00:03:53,051 そして彼らが死ぬのを目撃し もうこの世に居ないと分かっていても 72 00:03:55,074 --> 00:03:57,051 彼らは消えてはいません 73 00:03:57,051 --> 00:03:59,617 毎晩 目を閉じると 74 00:04:01,807 --> 00:04:04,284 夢の影に彼らの顔が浮かび上がり 75 00:04:04,284 --> 00:04:06,729 仲間として 同士として 家族として 常に思い出し 76 00:04:06,729 --> 00:04:10,545 一生探し求めますが 77 00:04:10,545 --> 00:04:13,555 直観的には 見つかることがないのを わかっているのです 78 00:04:14,625 --> 00:04:16,435 友人や家族らは 79 00:04:16,435 --> 00:04:19,420 その感情の隔たりに橋渡しして 80 00:04:19,420 --> 00:04:21,838 溝を埋めようとします 81 00:04:23,638 --> 00:04:24,928 でも無駄なことです 82 00:04:25,168 --> 00:04:28,434 星を見上げながら 遠くの世界にいる人々に 83 00:04:28,434 --> 00:04:30,413 話してみるほうが 意味あるかもわかりません 84 00:04:30,413 --> 00:04:33,789 何故ならば 一緒に従軍し 85 00:04:33,789 --> 00:04:35,498 自分の真横で 86 00:04:35,498 --> 00:04:37,523 あるいは腕の中で死んだ仲間は 87 00:04:38,503 --> 00:04:40,963 あなたにとっての真価を証明しているので 88 00:04:41,103 --> 00:04:43,593 従軍前の家族や友人が 89 00:04:44,013 --> 00:04:46,571 信用するに足りない 頼みにならない存在に 見えてしまいます 90 00:04:47,571 --> 00:04:52,396 つまり―私たちの中に見知らぬ人がいて ― それは退役軍人の私です 91 00:04:52,715 --> 00:04:54,675 私の意見では 自殺の動機となる種は 92 00:04:54,675 --> 00:04:57,222 すでに戦場で蒔かれています 93 00:04:57,501 --> 00:05:01,228 戦場にいる間は ほぼ休止状態でいます 94 00:05:02,135 --> 00:05:05,311 ところが任務が終わり 帰還することが決まったり 95 00:05:05,311 --> 00:05:06,220 又は負傷するとします 96 00:05:06,220 --> 00:05:09,616 いずれにしても 家に帰る頃になって 芽生えてきます 97 00:05:09,996 --> 00:05:12,077 飛行機に足を踏み入れ 98 00:05:12,077 --> 00:05:14,584 我々の兄弟がベトナムから帰還して 99 00:05:14,584 --> 00:05:17,350 到着したのと同じ飛行場に降り立ちます 100 00:05:17,350 --> 00:05:20,068 ベトナム帰還兵たちには 「赤ん坊殺し」「殺人魔」「戦争犯罪者」 101 00:05:20,068 --> 00:05:22,327 「行ってしまえ」「この国には不要だ」と 叫ぶような人々が待ち受けていました 102 00:05:22,327 --> 00:05:25,012 「行ってしまえ」「この国には不要だ」と 叫ぶような人々が待ち受けていました 103 00:05:26,582 --> 00:05:29,202 アメリカはベトナム退役軍人に対しても 104 00:05:29,221 --> 00:05:31,519 酷い扱いをしたと言わざるを得ません 105 00:05:31,759 --> 00:05:35,434 それから45年も経った今 新しい世代の帰還兵 106 00:05:35,774 --> 00:05:37,956 湾岸戦争、イラク、アフガニスタンや 107 00:05:37,956 --> 00:05:40,118 数十にも及ぶ 聞いたことも ないような場所での戦争の 108 00:05:40,118 --> 00:05:43,333 退役軍人が帰還し始め 先輩らと同じ飛行場に到着します 109 00:05:43,333 --> 00:05:45,025 これは ベトナム帰還兵を 110 00:05:45,025 --> 00:05:47,238 ひどい仕打ちで迎えた人々にとって 111 00:05:47,238 --> 00:05:49,673 自分達の行為の償いをする機会なのです 112 00:05:49,673 --> 00:05:52,402 アメリカ国家としての 退役軍人の扱いに対しての 113 00:05:52,402 --> 00:05:55,056 過ちの償いをする機会でもあります 114 00:05:55,566 --> 00:05:57,746 飛行機から降りると 115 00:05:57,746 --> 00:05:59,341 迎えにきた人々が旗を振ってます 116 00:05:59,341 --> 00:06:02,540 「お帰りなさい あなたは英雄よ 大切な存在よ 皆の誇りよ」 117 00:06:02,950 --> 00:06:04,948 ベトナム戦争の帰還兵の多くは 118 00:06:04,948 --> 00:06:07,327 このような出迎えを 歓迎したかもわかりませんが 119 00:06:07,327 --> 00:06:09,706 ―ここが難しいのですが― 120 00:06:10,336 --> 00:06:14,763 今の時代の退役軍人は解っています ベトナム時代の侮辱には真実があることを 121 00:06:15,013 --> 00:06:17,696 戦闘中に起きる出来事のうち多くは 122 00:06:17,696 --> 00:06:20,347 英雄と呼ばれる人がとる行動に値しません 123 00:06:20,463 --> 00:06:24,328 それにも拘らず 帰還兵は 「英雄だ 皆の誇りだ」と称えられます 124 00:06:24,328 --> 00:06:27,941 家に帰ること 生きて帰ることだけが望みでした 125 00:06:28,960 --> 00:06:31,981 ところがその望みがかなったにも拘らず 深い孤独感に襲われます 126 00:06:32,376 --> 00:06:35,056 今まで感じたこのないような 罪悪感と羞恥心にも 127 00:06:35,066 --> 00:06:36,826 戦地に戻りたい そう思うようになります 128 00:06:36,826 --> 00:06:39,135 任務に感謝を示す人々に 自分が感謝する 129 00:06:39,135 --> 00:06:40,900 そんなことをしなくて済むからです 130 00:06:40,900 --> 00:06:44,534 周りの気遣いを遠ざけていることに ひけめを感じたりせずに済むから 131 00:06:44,763 --> 00:06:47,992 実際そうして 周りの人を遠ざけているのには 132 00:06:48,535 --> 00:06:49,952 理由があります 133 00:06:49,952 --> 00:06:53,459 相手を受け入れ 近寄ることを許すと 134 00:06:53,898 --> 00:06:55,241 失った時の不安を感じてしまいます 135 00:06:55,241 --> 00:06:57,841 また 誰かを失くす可能性を考えることで 136 00:06:57,841 --> 00:07:01,011 同志を戦闘で失くした 喪失感に戻ってしまうのです 137 00:07:01,501 --> 00:07:03,918 退役軍人の多くの人は 138 00:07:03,918 --> 00:07:06,799 もう戦争に戻ることはできません 139 00:07:06,799 --> 00:07:10,082 未来に歩むこともできません できないと思い込んでしまいます 140 00:07:10,278 --> 00:07:13,462 そこで多くの者が 一番簡単な解決策として 銃に装弾し 141 00:07:13,462 --> 00:07:14,945 発砲します 142 00:07:14,945 --> 00:07:17,038 その選択を取る人が多いのです 143 00:07:17,038 --> 00:07:20,815 もう一つの選択は―私がとった選択で 刑務所に入ること 144 00:07:20,815 --> 00:07:25,253 入所するのは 違う道を通り 同じ行き先に向かうこと―死に向かうこと 145 00:07:25,663 --> 00:07:28,614 ただもっとゆっくりと向かう道です 146 00:07:29,054 --> 00:07:31,310 ところが私の場合 ご存知の通り縄が切れてしまいました 147 00:07:31,310 --> 00:07:34,503 縄が切れたことにより ある解決策が浮かびました 148 00:07:34,727 --> 00:07:38,710 それが2012年に発足させた"Veterans Healing Veterans From the Inside Out" 149 00:07:38,959 --> 00:07:41,439 私は この活動の中に 退役軍人の高い自殺率の問題の 150 00:07:41,439 --> 00:07:43,902 解決法があると思っています 151 00:07:43,902 --> 00:07:46,227 人生のいくつかの場合そうであるように 152 00:07:46,227 --> 00:07:48,551 実は簡単なことです 153 00:07:48,551 --> 00:07:49,990 軍隊に入隊すると 154 00:07:49,990 --> 00:07:52,894 新兵として入隊訓練を終了することは 155 00:07:52,894 --> 00:07:55,515 軍組織の一員として 承認してもらう条件です 156 00:07:55,515 --> 00:08:00,573 そこで社会が軍組織の一つだとすると ―実際そうなのですが 157 00:08:00,573 --> 00:08:03,379 軍隊から戻る前に 158 00:08:03,379 --> 00:08:06,088 脱退訓練"Boot Camp Out"を 終了することを条件にするのです 159 00:08:06,268 --> 00:08:08,316 この脱退訓練を実践せずに 退役させることは 160 00:08:08,316 --> 00:08:11,106 この脱退訓練を実践せずに 退役させることは 161 00:08:11,256 --> 00:08:14,681 60トンのエイブラムス戦車を 戦場から引き上げ 162 00:08:14,681 --> 00:08:16,561 黄色いペンキで塗り替え 163 00:08:16,561 --> 00:08:19,614 シールを貼るだけで スクールバスと呼ぶのと同じようなことです 164 00:08:19,884 --> 00:08:21,724 それではまったく通用しません 165 00:08:21,724 --> 00:08:25,234 黄色いエイブラムス戦車が アスファルトを穴ぼこだらけにし 166 00:08:25,270 --> 00:08:29,047 ペチャンコにつぶした車を後に残して 街を走る姿は想像できます? 167 00:08:29,047 --> 00:08:32,091 そんなことをしようとする訳ではありせん わざと破壊的な訳ではなく 168 00:08:32,472 --> 00:08:36,015 戦車は 戦争の武器だから 必然的にそうなるのです 169 00:08:36,185 --> 00:08:39,807 帰還兵も同じことです 170 00:08:40,129 --> 00:08:43,750 戦車をスクールバスにするのには 明らかに変更を加えなければなりません 171 00:08:43,750 --> 00:08:47,416 退役訓練"Boot Camp Out"は 正にその変化をさせる手段です 172 00:08:47,743 --> 00:08:49,193 入隊訓練"Boot Camp In"では 173 00:08:49,193 --> 00:08:52,207 起床してまず最初に 戦闘用のブーツを履き 174 00:08:52,207 --> 00:08:55,982 リュックを背負い 武器を点検し 照準装置を付け 発砲できるよう整えます 175 00:08:56,341 --> 00:08:58,898 "Boot Camp Out"ではその反対です 176 00:08:58,898 --> 00:09:02,376 起床して サンダルを履き 177 00:09:02,376 --> 00:09:04,504 サーファーショーツを履き 野球帽をかぶる 178 00:09:04,814 --> 00:09:08,756 毎日の訓練はヨガと瞑想で始まり 場合によってはプールで何往復か泳ぐ 179 00:09:08,989 --> 00:09:10,787 マウンテン・バイクで走る 180 00:09:10,827 --> 00:09:13,826 もちろんM16ライフルをつけた リュックは持ちません 181 00:09:14,986 --> 00:09:18,557 プログラムの中心になるのが ナレーション・セラピーです 182 00:09:18,917 --> 00:09:21,482 私も含む多くの退役軍人は こう言うでしょう 183 00:09:21,482 --> 00:09:24,878 「自分の戦闘経験を書き残す 必要なんてない 184 00:09:24,878 --> 00:09:25,605 まさに戦闘を生きてきたから 185 00:09:25,605 --> 00:09:29,154 一生自分の魂に刻まれ 記憶に焼きつけられているから」と 186 00:09:29,862 --> 00:09:32,746 ところが書き残すことには意味があります 187 00:09:32,746 --> 00:09:33,933 そうすることで具体化するから 188 00:09:33,933 --> 00:09:35,463 手に持ち 掲げて見る ― 189 00:09:35,463 --> 00:09:38,477 想い出を ただ頭の中で考えるだけではなく 具体的に関連づけできるから 190 00:09:38,517 --> 00:09:41,107 そしてその体験を 191 00:09:41,107 --> 00:09:43,628 同じような経験をした退役軍人と 共有することで 192 00:09:44,258 --> 00:09:45,858 あることが始まります 193 00:09:45,858 --> 00:09:49,404 予期せぬこと 絶対に起きることがないと思っていたこと 194 00:09:49,404 --> 00:09:53,218 連帯感を感じ 生きていると感じる 195 00:09:53,218 --> 00:09:54,771 拒絶と憂うつ感の陰から 196 00:09:54,771 --> 00:09:58,361 一歩外に出ても良いと知る 197 00:09:58,361 --> 00:10:02,367 そして今までこらえていた 抑圧した記憶を話合っても良いと知る 198 00:10:03,045 --> 00:10:05,237 それを行う度に 199 00:10:05,237 --> 00:10:08,391 新たな退役軍人のグループと 繰り返して話し合う度に 200 00:10:08,391 --> 00:10:10,072 少しづつ楽になる 201 00:10:10,232 --> 00:10:12,163 私にとってはそうでした 202 00:10:12,163 --> 00:10:16,174 このプログラムは 軍においてはこれまでなかった試みです 203 00:10:16,174 --> 00:10:17,683 今まだ存在しません 204 00:10:17,683 --> 00:10:20,083 "Boot Camp Out"はありません 今まで実施されていません 205 00:10:20,229 --> 00:10:23,449 軍幹部たちは言うでしょう 「もう十分に対応してる 206 00:10:23,491 --> 00:10:26,163 問題にはあたってる いくつものプログラムをすでに実施してる」 207 00:10:26,240 --> 00:10:29,995 それに対して私が言いたいのが 73,000人の数字が表す高い自殺率は 208 00:10:29,995 --> 00:10:32,299 現状のプログラムが無効であることを 裏付けていること 209 00:10:32,299 --> 00:10:35,160 軍隊では指揮系統がすべてです 210 00:10:35,160 --> 00:10:37,491 上意下達です 211 00:10:37,491 --> 00:10:39,942 サン・クエンティン刑務所で服役中の私は 212 00:10:39,942 --> 00:10:43,101 指揮系統からは遠い存在です 213 00:10:43,311 --> 00:10:45,812 だからこそみなさんの協力を お願いしたいのです 214 00:10:45,972 --> 00:10:51,349 力があり 影響力のある人々が このプログラムを具体化するのに必要です 215 00:10:51,561 --> 00:10:55,528 それらの人々の力なしでは 存在できません 216 00:10:56,020 --> 00:10:59,761 アメリカは退役軍人を大切にし サポートする国だと主張します 217 00:10:59,771 --> 00:11:01,556 それが事実であれば 立証してみてください 218 00:11:01,996 --> 00:11:04,668 みなさんの力と影響力を使い 219 00:11:04,668 --> 00:11:08,442 退役軍人が社会に復帰する手段を 変えることを訴えてください 220 00:11:08,442 --> 00:11:10,699 変革を訴えてください 221 00:11:11,589 --> 00:11:15,377 "Veterans Healing Veterans From the Inside Out"に連絡してみてください 222 00:11:15,389 --> 00:11:18,148 あなたに何ができるか もっとできないかと聞いてみてください 223 00:11:18,390 --> 00:11:20,964 私達の兄弟や姉妹を守るために 手を貸してください 224 00:11:20,964 --> 00:11:23,389 あなた達の兄弟や姉妹 あなた達の息子や娘 225 00:11:23,389 --> 00:11:28,600 国を守るために犠牲を払った彼らを 不当な運命から救うために 226 00:11:29,150 --> 00:11:31,377 最後に一つ 227 00:11:31,877 --> 00:11:37,398 様々な境遇の人達が一つとなり 228 00:11:37,398 --> 00:11:39,298 歴史を変えることはまれなことです 229 00:11:39,738 --> 00:11:43,664 これはそんな機会です―ここにいる全ての方 ブルーの着衣の方 230 00:11:43,664 --> 00:11:47,262 刑務所外から来られたすべての方 このメッセージを聞いたすべての方が 231 00:11:47,444 --> 00:11:51,444 "Boot Camp Out"の実現に参加できる 機会です 232 00:11:51,864 --> 00:11:54,941 ここサン・クエンティン刑務所では この試みがすでに実践されています 233 00:11:55,471 --> 00:11:58,414 もちろんまだ小さな 限られた試みです 234 00:11:59,184 --> 00:12:02,304 刑務所長にプールを作ることは 納得してもらってません 235 00:12:02,304 --> 00:12:03,451 (笑) 236 00:12:03,481 --> 00:12:06,843 それでも有効なプログラムです 237 00:12:07,683 --> 00:12:09,622 すでに数人の退役軍人が 238 00:12:09,622 --> 00:12:12,623 サン・クエンティンから出所して 社会復帰を果たしてます 239 00:12:12,623 --> 00:12:16,207 何を どのように実践するか 解るようになってきました 240 00:12:16,207 --> 00:12:18,391 残されているのは 皆さんからの協力だけです 241 00:12:18,961 --> 00:12:21,372 最後に一言 242 00:12:23,722 --> 00:12:25,992 皆さん 手を差し伸べて下さい 243 00:12:25,992 --> 00:12:27,546 ありがとうございました 244 00:12:27,546 --> 00:12:30,456 (拍手)