WEBVTT

00:00:00.788 --> 00:00:02.969
私の夢は 世界で最初の地下公園を

00:00:02.969 --> 00:00:05.294
ニューヨーク市に造ることです

00:00:05.294 --> 00:00:07.841
なぜ地下に公園を

00:00:07.841 --> 00:00:11.038
しかもニューヨークに造るのでしょう？

00:00:11.038 --> 00:00:12.562
この小さな子どもたちは

00:00:12.562 --> 00:00:15.778
左から私の祖母 ５才

00:00:15.778 --> 00:00:17.128
そして祖母の妹 弟

00:00:17.128 --> 00:00:18.666
それぞれ11才と９才です

00:00:18.666 --> 00:00:20.863
この写真は祖母たちが
イタリアからアメリカへ

00:00:20.863 --> 00:00:23.471
移住するほんの少し前に撮られました

00:00:23.471 --> 00:00:25.982
ほぼ１世紀前の話です

00:00:25.982 --> 00:00:27.377
その時代の多くの移民と同じで

00:00:27.377 --> 00:00:29.090
祖母たちはニューヨーク市の

00:00:29.090 --> 00:00:30.291
ローワー・イースト・サイドに到着し

00:00:30.291 --> 00:00:33.160
そこで 人種のるつぼ に出会いました

00:00:33.160 --> 00:00:34.567
この世代が素晴らしい理由は

00:00:34.567 --> 00:00:37.627
新しく未知の土地で 
生活を立ち上げるだけでなく

00:00:37.627 --> 00:00:39.750
新しく未知の土地で 
生活を立ち上げるだけでなく

00:00:39.750 --> 00:00:42.346
彼らは文字通り街を
創りあげていたということにあります

00:00:42.346 --> 00:00:44.479
常にこの時代の歴史に

00:00:44.479 --> 00:00:45.799
魅了されてきた私は

00:00:45.799 --> 00:00:48.278
よく祖母に昔のニューヨークの話を

00:00:48.278 --> 00:00:49.947
よく祖母に昔のニューヨークの話を

00:00:49.947 --> 00:00:51.955
せがんだものでした

00:00:51.955 --> 00:00:54.133
祖母は肩をすくめて

00:00:54.133 --> 00:00:56.383
ミートボールやパスタを

00:00:56.383 --> 00:00:58.260
もっと食べなさいと言うだけで

00:00:58.260 --> 00:01:01.355
聞きたかった歴史の話は
ほとんど聞けませんでした

00:01:01.355 --> 00:01:02.616
私が知るニューヨーク市は

00:01:02.616 --> 00:01:04.513
もうすでに出来上がっていた気がします

00:01:04.513 --> 00:01:06.711
子供の頃 いつか世界に変化をもたらし

00:01:06.711 --> 00:01:08.229
子供の頃 いつか世界に変化をもたらし

00:01:08.229 --> 00:01:10.435
世界をより美しく 更に面白く
そして正しく

00:01:10.435 --> 00:01:11.462
したいと思っていました

00:01:11.462 --> 00:01:13.259
ただどうすればよいかが 
分かりませんでした

00:01:13.259 --> 00:01:14.947
最初 私は海外で働きたいと思い

00:01:14.947 --> 00:01:17.366
ケニヤでユニセフの仕事に就きましたが

00:01:17.366 --> 00:01:19.481
自分の街の政治よりも
ケニヤ現地の政治について

00:01:19.481 --> 00:01:23.115
よく知っているということに
違和感を覚えました

00:01:23.115 --> 00:01:25.121
ニューヨーク市の職に就いてからは

00:01:25.121 --> 00:01:27.270
直ぐに政府の官僚主義に

00:01:27.270 --> 00:01:30.308
不満を覚えるようになりました

00:01:30.308 --> 00:01:32.013
グーグルでも働き

00:01:32.013 --> 00:01:35.110
すぐに社の妄信的な信者になり

00:01:35.110 --> 00:01:36.856
心の底から テクノロジーが

00:01:36.856 --> 00:01:40.474
全ての社会問題を解決できるのだと
信じるようになりました

00:01:40.474 --> 00:01:43.960
しかしそれでも世界をより良くしている
という実感はありませんでした

00:01:43.960 --> 00:01:45.819
2009年 友人であり

00:01:45.819 --> 00:01:47.787
現ビジネスパートナーの
ジェームズ・ラムゼイが

00:01:47.787 --> 00:01:50.881
ある驚くべき場所について教えてくれました

00:01:50.881 --> 00:01:52.331
これです

00:01:52.331 --> 00:01:54.166
これは路面電車のターミナルでした

00:01:54.166 --> 00:01:56.744
ウィリアムズバーグ橋を

00:01:56.744 --> 00:01:58.648
ブルックリンからマンハッタンへと

00:01:58.648 --> 00:02:00.932
移動する乗客の為の駅で

00:02:00.932 --> 00:02:03.701
1908年から1948年の間
使われていました

00:02:03.701 --> 00:02:06.143
それはちょうど私の祖父母たちが

00:02:06.143 --> 00:02:07.992
その辺りに住んでいた時代です

00:02:07.992 --> 00:02:09.639
この場所は1948年に

00:02:09.639 --> 00:02:12.882
完全に放棄されたと知りました

00:02:12.882 --> 00:02:14.805
この発見に心を奪われ

00:02:14.805 --> 00:02:17.933
私達は当局にこの場所へ
立ち入る許可を取り

00:02:17.933 --> 00:02:19.440
見て周ることが出来た時

00:02:19.440 --> 00:02:21.590
この光景を見たのです

00:02:21.590 --> 00:02:23.300
この写真は魅力を十分に表していません

00:02:23.300 --> 00:02:25.960
この場所に行った時に感じる
えも言われぬ

00:02:25.960 --> 00:02:28.119
魔法のような感覚を
伝えきれていません

00:02:28.119 --> 00:02:31.807
ここはフットボール競技場ほどの
大きさの空き地で

00:02:31.807 --> 00:02:35.210
人が集中する中枢部の
真下にあります

00:02:35.210 --> 00:02:37.345
この場所では
まるで自分が発掘調査に来た

00:02:37.345 --> 00:02:39.060
インディー・ジョーンズで

00:02:39.060 --> 00:02:40.833
遺跡の細部が
まだ残っているかのようです

00:02:40.833 --> 00:02:42.801
本当に特別な風景です

00:02:42.801 --> 00:02:45.401
ここはローワー・イースト・サイドの

00:02:45.401 --> 00:02:47.270
中心地点にあり

00:02:47.270 --> 00:02:48.766
この地区は今日も未だ

00:02:48.766 --> 00:02:50.757
市の最も混雑した地域の一つです

00:02:50.757 --> 00:02:52.557
ニューヨーク市は一市民辺り

00:02:52.557 --> 00:02:54.605
他の大都市の2/3の緑地しかありません

00:02:54.605 --> 00:02:57.778
この地区になるともはや1/10ほどのみです

00:02:57.778 --> 00:02:59.601
私達は直ぐに この土地をどうしたら

00:02:59.601 --> 00:03:01.671
何か公共利用出来て

00:03:01.671 --> 00:03:03.058
しかも緑溢れる土地に出来るか

00:03:03.058 --> 00:03:05.810
ということを考え始めました

00:03:05.810 --> 00:03:07.140
私達の計画は 簡単に言うと

00:03:07.140 --> 00:03:09.841
地上から街の側道の真下へ

00:03:09.841 --> 00:03:12.944
自然光を取り込む簡単な仕組みで

00:03:12.944 --> 00:03:15.380
地下へ日光を導き入れ その光で

00:03:15.380 --> 00:03:17.310
地下へ日光を導き入れ その光で

00:03:17.310 --> 00:03:19.999
植物を育てるというものです

00:03:19.999 --> 00:03:21.730
この方法で 今日このような場所を

00:03:21.730 --> 00:03:23.941
この方法で 今日このような場所を

00:03:23.941 --> 00:03:25.707
すっかり変身させ

00:03:25.707 --> 00:03:27.673
このように出来るのです

00:03:27.673 --> 00:03:31.704
2011年こうしたいくつかの画像を
公表しました

00:03:31.704 --> 00:03:33.093
すると面白いことに

00:03:33.093 --> 00:03:35.417
多くの人々が「ハイライン・アンダーグラウンドに

00:03:35.417 --> 00:03:37.353
似ていますね」と感想を述べたのです

00:03:37.353 --> 00:03:41.673
それでこの場所のニックネームは

00:03:41.673 --> 00:03:43.473
このように決まりました

00:03:43.473 --> 00:03:46.319
「ローライン」の誕生です

00:03:46.319 --> 00:03:47.996
そしてひとつ確実だったことは

00:03:47.996 --> 00:03:49.694
人々はこの日光を取り入れる技術が

00:03:49.694 --> 00:03:51.260
どのようなものか知り
体感したいという

00:03:51.260 --> 00:03:53.393
強い興味を抱いていたということでした

00:03:53.393 --> 00:03:55.488
想像以上の関心が寄せられました

00:03:55.488 --> 00:03:57.727
信じがたい決断ですが 私は仕事を辞め

00:03:57.727 --> 00:03:59.921
このプロジェクトに
全力を傾けることにしました

00:03:59.921 --> 00:04:01.743
これは私達とチームの皆で

00:04:01.743 --> 00:04:04.151
倉庫でテクノロジーのデモンストレーションを

00:04:04.151 --> 00:04:06.170
準備しているところです

00:04:06.170 --> 00:04:09.270
これはソーラーキャノピーの内側で

00:04:09.270 --> 00:04:11.599
技術を紹介する為に私達が制作したものです

00:04:11.599 --> 00:04:14.479
中央に６つのソーラーコレクターが見えます

00:04:14.479 --> 00:04:17.089
これは展示が完成した時の

00:04:17.089 --> 00:04:18.541
倉庫の様子です

00:04:18.541 --> 00:04:20.317
ソーラーキャノピーが上部にあり

00:04:20.317 --> 00:04:21.733
日光が差していて

00:04:21.733 --> 00:04:24.358
地面には緑の草木のスペースが広がります

00:04:24.358 --> 00:04:25.784
たった数週間の間に

00:04:25.784 --> 00:04:29.353
何万人もの人々がこの展示を観に来場し

00:04:29.353 --> 00:04:30.810
それから私達を支持してくれる

00:04:30.810 --> 00:04:33.111
地元 そして世界中のデザインを愛する人々の

00:04:33.111 --> 00:04:35.823
サポーターの数が増えました

00:04:35.823 --> 00:04:37.884
これはローラインの真上の

00:04:37.884 --> 00:04:40.250
エリアの図で

00:04:40.250 --> 00:04:42.384
この先10年に渡り 主な再開発が

00:04:42.384 --> 00:04:44.668
この先10年に渡り 主な再開発が

00:04:44.668 --> 00:04:46.671
終わった後の姿を描いています

00:04:46.671 --> 00:04:48.786
このエリアが相変わらず狭苦しく

00:04:48.786 --> 00:04:50.710
緑が少ない様子がお分かりでしょう

00:04:50.710 --> 00:04:53.430
私達が提案したいのは

00:04:53.430 --> 00:04:57.180
フットボール競技場の面積の
緑の空間を

00:04:57.180 --> 00:05:00.046
このエリアの直下に創り出し

00:05:00.046 --> 00:05:02.760
それだけでなく 
急速に高級化する地域に

00:05:02.760 --> 00:05:04.943
コミュニティ主導という
あり方を導入することです

00:05:04.943 --> 00:05:06.687
今私達は どのように

00:05:06.687 --> 00:05:09.106
ニューヨーク市と共に

00:05:09.106 --> 00:05:12.549
ここの全体のエコシステムを統合し

00:05:12.549 --> 00:05:14.630
変革していけるかを考えています

00:05:14.630 --> 00:05:16.239
この地下公園の入口は

00:05:16.239 --> 00:05:18.377
図のように考えています

00:05:18.377 --> 00:05:20.683
ここに象徴となるエントランスがあり

00:05:20.683 --> 00:05:22.855
文字通り道路をめくって

00:05:22.855 --> 00:05:25.870
市の歴史とも言える地下層を現し

00:05:25.870 --> 00:05:28.775
この暖かな地下空間へ
人々を招き入れます

00:05:28.775 --> 00:05:31.034
真冬の凍える寒さの中

00:05:31.034 --> 00:05:32.124
屋外ましてや公園へ

00:05:32.124 --> 00:05:34.634
行きたいとはまず考えませんね

00:05:34.634 --> 00:05:36.559
ローラインには四季があり

00:05:36.559 --> 00:05:39.045
市の憩いの場となるでしょう

00:05:39.045 --> 00:05:41.363
このローラインは私の家族の物語を

00:05:41.363 --> 00:05:43.984
完結させるものだと考えたいのです

00:05:43.984 --> 00:05:45.918
祖父母や両親が

00:05:45.918 --> 00:05:49.205
街を建て拡大して行った世代なら

00:05:49.205 --> 00:05:51.281
私たちの世代は

00:05:51.281 --> 00:05:53.189
既に存在している空間を改めて手にし

00:05:53.189 --> 00:05:55.146
共有された歴史を再発見し

00:05:55.146 --> 00:05:57.724
コミュニティを 
より面白く 美しく 正しい姿へと

00:05:57.724 --> 00:06:00.737
新たな姿へと 昇華させていく
世代なのでしょう

00:06:00.737 --> 00:06:02.706
ありがとうございました

00:06:02.706 --> 00:06:04.437
（拍手）