WEBVTT

00:00:00.663 --> 00:00:03.663
（機械の音）

00:00:06.712 --> 00:00:10.020
（ビーズのサラサラとした音）

00:00:10.020 --> 00:00:13.260
ー私にとって写真はとても親密な存在であり

00:00:13.260 --> 00:00:15.423
個人的なものです

00:00:16.523 --> 00:00:20.190
（穏やかな音楽）

00:00:21.510 --> 00:00:23.790
ある物質はカメラを通して

00:00:23.790 --> 00:00:26.340
とても異なった捉われ方をします

00:00:26.340 --> 00:00:29.190
何かがレンズを通して見られると

00:00:29.190 --> 00:00:31.893
大きく変形するということは驚くべきことだと思います

00:00:37.080 --> 00:00:40.980
私は写真と動画

00:00:40.980 --> 00:00:43.350
それから建築介入と呼んでいる

00:00:43.350 --> 00:00:46.263
インスタレーションアートを作っています

00:00:47.198 --> 00:00:51.115
（音楽）

00:00:56.520 --> 00:00:59.220
写真とは強烈な圧縮です

00:00:59.220 --> 00:01:01.077
ほとんど”夢の作業”のようなものです

00:01:11.673 --> 00:01:13.680
（応援している人々）

00:01:13.680 --> 00:01:17.370
Youtubeのようなネット空間はわたしにアイデアをくれ

00:01:17.370 --> 00:01:19.260
私と同じように何かを作り出そうとしている人たちと

00:01:19.260 --> 00:01:21.063
繋がっているような気にさせてくれます

00:01:25.770 --> 00:01:29.270
（穏やかな電子音楽）

00:01:33.900 --> 00:01:37.980
工芸、フルーツカービング

00:01:37.980 --> 00:01:42.980
料理教室、化粧教室や髪の編み込みのビデオが好きです

00:01:43.020 --> 00:01:44.580
作品と作品を作るという行為は

00:01:44.580 --> 00:01:47.340
どちらも本当に一時的なものです

00:01:47.340 --> 00:01:48.993
まるで賞味期限のように

00:01:52.260 --> 00:01:54.570
写真は無常を扱うのにむいています

00:01:54.570 --> 00:01:56.070
なぜなら人が思い描くことができるのは

00:01:56.070 --> 00:01:57.933
無常だけだからです

00:01:59.359 --> 00:02:02.130
（壮大な音楽）

00:02:02.130 --> 00:02:04.800
写真家として世界の全ての無駄を取り入れるのが義務だと感じるし、

00:02:04.800 --> 00:02:08.790
このような心の中の屑が

00:02:08.790 --> 00:02:13.420
わたしの原動力だと思っています

00:02:15.030 --> 00:02:18.510
多くのゴミや

00:02:18.510 --> 00:02:22.380
社会的価値が無いとみなされているものをよく撮ります

00:02:22.380 --> 00:02:24.870
部屋を掃除して埃を山にして

00:02:24.870 --> 00:02:26.670
その埃を拾って

00:02:26.670 --> 00:02:28.233
バッグに入れてスタジオに持ってきたりするかもしれません

00:02:31.410 --> 00:02:34.680
もしくは何か社会的価値のあるものを

00:02:34.680 --> 00:02:37.683
ただの物質に戻すようなことをするかもしれません

00:02:46.410 --> 00:02:47.970
良い写真が撮れるのは

00:02:47.970 --> 00:02:50.760
全てがバラバラに分かれる寸前です

00:02:50.760 --> 00:02:52.470
これは思うに私が何かを火にくべていて

00:02:52.470 --> 00:02:54.603
ほんの一瞬しか猶予がないからかもしれません

00:02:59.086 --> 00:03:02.264
（奇妙な音楽）

00:03:02.264 --> 00:03:03.660
私は物に触れ配置しますが

00:03:03.660 --> 00:03:07.473
それは瞬間的でなければいけません

00:03:10.155 --> 00:03:13.488
（奇妙な音楽が続く）

00:03:20.600 --> 00:03:24.017
（音楽が盛り上がる）

00:03:32.640 --> 00:03:36.180
聞こえるはずのない音、感じることのない空気

00:03:36.180 --> 00:03:38.850
そして未知なるものの全てが

00:03:38.850 --> 00:03:41.463
最終的に写真を形作るのです

00:03:42.879 --> 00:03:44.070
（ビーズのサラサラした音）

00:03:44.070 --> 00:03:45.600
写真が出来上がる頃には

00:03:45.600 --> 00:03:47.500
どこから始めたのかも覚えていません

00:03:48.624 --> 00:03:51.030
（ビーズの落ちるカチカチという音）

00:03:51.030 --> 00:03:52.740
スタジオでの実際の作業は

00:03:52.740 --> 00:03:55.593
失敗の積み重ねです

00:03:57.780 --> 00:04:00.030
とても即興的で

00:04:00.030 --> 00:04:03.503
まるで一人芝居をしているような感覚になります

00:04:03.503 --> 00:04:07.086
（オーケストラが盛り上がる）

00:04:12.138 --> 00:04:14.888
（水音）

00:04:21.810 --> 00:04:26.160
感情の源泉を突き止めそこへ向かおうと

00:04:26.160 --> 00:04:29.790
衝動に逆らって作業をしようと努めています

00:04:29.790 --> 00:04:31.983
知るということは距離を生み出すと考えています

00:04:35.940 --> 00:04:38.310
母がアメリカの現実社会でどのように生きるのかを

00:04:38.310 --> 00:04:41.520
見ながら育ちました

00:04:41.520 --> 00:04:44.730
多くのことが誤っていました

00:04:44.730 --> 00:04:46.500
母はお弁当のソースもチップスも

00:04:46.500 --> 00:04:50.400
サランラップに包んで詰めました

00:04:50.400 --> 00:04:53.280
実家に母を訪ねると母は庭にいました

00:04:53.280 --> 00:04:57.540
そして本物の花々と一緒に

00:04:57.540 --> 00:04:59.760
造花を地面に刺していました

00:04:59.760 --> 00:05:01.200
なぜそんなことをするんだろうと思いました

00:05:01.200 --> 00:05:02.820
なぜ偽物の花が必要なの？と

00:05:02.820 --> 00:05:05.130
彼女にとっては何も違わないのです

00:05:05.130 --> 00:05:07.080
本物の花と偽物の花が

00:05:07.080 --> 00:05:09.573
庭を埋め生命力があるように見せるのです

00:05:10.890 --> 00:05:14.640
母が自然物と人工物を組み合わせて

00:05:14.640 --> 00:05:17.250
一つの景色を作り出すのを見て

00:05:17.250 --> 00:05:20.013
私の撮る写真と大きく関係していると感じました

00:05:21.390 --> 00:05:23.130
対象に霊力を吹き込むための

00:05:23.130 --> 00:05:27.243
隠された仕事があるのです

00:05:29.730 --> 00:05:32.490
文化の違いに興味があります

00:05:32.490 --> 00:05:37.143
何が無価値と見られ何がそうでないと見なされるのでしょうか？

00:05:40.380 --> 00:05:43.560
模倣は私にとって重要なことです

00:05:43.560 --> 00:05:47.043
他の何かになりたいと思いその役に踏み込むのです

00:05:48.720 --> 00:05:50.190
カラオケも大好きです

00:05:50.190 --> 00:05:52.290
友達とカラオケで歌を歌っていると

00:05:52.290 --> 00:05:53.850
突然に歌詞が

00:05:53.850 --> 00:05:55.400
全く違う意味を帯びます

00:05:56.850 --> 00:06:00.423
本来の歌詞が引き出されてくるのです

00:06:01.702 --> 00:06:06.702
♪そして私の頭に植え付けられたビジョンは♪

00:06:07.961 --> 00:06:10.870
♪未だなお♪

00:06:10.870 --> 00:06:12.060
♪静寂の音の中♪

00:06:12.060 --> 00:06:16.383
サウンドオブサイレンスはアメリカ人の同情を誘発するよう書かれました

00:06:17.250 --> 00:06:18.510
ベトナム問題はいつも、その同情の

00:06:18.510 --> 00:06:21.000
末端にありました

00:06:21.000 --> 00:06:23.400
”Tyrant Star"の作成中いつも

00:06:23.400 --> 00:06:25.800
完璧な反戦歌を探していました

00:06:25.800 --> 00:06:28.680
そして最終的にこの歌を選んだのです

00:06:28.680 --> 00:06:31.770
Youtubeで見つけたこの少女と一緒に作業をしました

00:06:31.770 --> 00:06:35.850
彼女は”Tyrant Star"でのスターの卵のようなものです

00:06:35.850 --> 00:06:39.360
彼女は英語を話せないので”サウンドオブサイレンス”の全ての音節を

00:06:39.360 --> 00:06:40.767
私が教えました

00:06:42.240 --> 00:06:44.400
この歌の中で

00:06:44.400 --> 00:06:46.923
ベトナム戦争時のヘリコプターの音を多く使用しています

00:06:48.390 --> 00:06:49.710
私の選んだ音は

00:06:49.710 --> 00:06:52.050
とても暴力的な場所の音で

00:06:52.050 --> 00:06:54.003
そしてそれらをポップソングに作り替えたのです

00:06:58.140 --> 00:07:00.900
曲をカバーするのが大好きです
なぜなら、私たちが理解している現実を

00:07:00.900 --> 00:07:02.670
破壊してくれるからです

00:07:02.670 --> 00:07:05.520
そして誰がどのように歌うかによって

00:07:05.520 --> 00:07:09.363
その現実を歪めることができるのです

00:07:10.710 --> 00:07:13.710
ベトナム人がこの歌を歌うという行為自体が

00:07:13.710 --> 00:07:16.844
強烈な意味を持つのです

00:07:16.844 --> 00:07:19.427
（陰鬱な音楽）

00:07:27.300 --> 00:07:29.520
アーティストでいるということと

00:07:29.520 --> 00:07:32.973
アーティストであるということは違います

00:07:35.280 --> 00:07:37.080
誰かと話したりコミュニケーションをとる時

00:07:37.080 --> 00:07:38.553
もうすでに繋がっています

00:07:41.010 --> 00:07:44.160
親密さとはなんなのでしょう

00:07:44.160 --> 00:07:47.190
知ることよりも重要なはずです

00:07:47.190 --> 00:07:49.500
私はいつも

00:07:49.500 --> 00:07:52.000
どうしたら何かとより近づけるか探しています

00:07:58.880 --> 00:08:02.007
（”サウンドオブサイレンス”を歌っている）
♪やあ　暗闇　古い友よ♪

00:08:03.550 --> 00:08:06.052
♪君と話すため　またやってきた♪

00:08:06.094 --> 00:08:08.847
♪一万人の群衆　もっとかもしれない♪

00:08:09.472 --> 00:08:13.100
♪ビジョンがゆっくりと顕れているから♪
♪話さずに喋る人々♪

00:08:15.932 --> 00:08:17.932
♪聞かずに耳を向けている人々♪

00:08:20.761 --> 00:08:23.443
♪曲を書く人々♪

00:08:24.201 --> 00:08:25.535
♪誰も静寂の音を♪

00:08:27.361 --> 00:08:32.284
♪打ち破ろうとしない♪