WEBVTT 00:00:00.743 --> 00:00:02.844 ここにいられることを 嬉しく思います 00:00:02.855 --> 00:00:04.657 皆さんが ここにいることも 00:00:04.657 --> 00:00:06.920 だってそれは 少し変なことですから 00:00:07.460 --> 00:00:09.895 みんなが ここにいることを 嬉しく思います 00:00:10.303 --> 00:00:13.406 「ここ」というのは この会場のことではなく 00:00:14.671 --> 00:00:16.551 この町のことでもなく 00:00:16.568 --> 00:00:17.854 ここのこと 00:00:17.854 --> 00:00:19.274 地球です 00:00:19.627 --> 00:00:23.534 「みんな」というのは この会場にいる人ということではなく 00:00:23.534 --> 00:00:25.018 地球上にいる 00:00:25.018 --> 00:00:26.717 すべての生命 NOTE Paragraph 00:00:26.717 --> 00:00:31.943 (笑) NOTE Paragraph 00:00:32.150 --> 00:00:34.271 複雑なものから 単細胞まで 00:00:34.295 --> 00:00:36.423 菌類や キノコから 00:00:36.423 --> 00:00:38.171 空飛ぶクマまで ということです NOTE Paragraph 00:00:38.171 --> 00:00:40.211 (笑) NOTE Paragraph 00:00:41.496 --> 00:00:43.189 興味深いのは 00:00:43.189 --> 00:00:46.370 地球は我々の知る 唯一生命のいる場所ということです 00:00:46.370 --> 00:00:48.590 870万種の生物がいます 00:00:48.590 --> 00:00:49.914 他の場所も見てきて 00:00:49.938 --> 00:00:52.035 探し足りないのかも しれませんが 00:00:52.059 --> 00:00:53.890 どこにも 見つかっていません 00:00:53.890 --> 00:00:56.746 地球は我々の知る 唯一生命のいる場所なんです 00:00:57.208 --> 00:00:59.002 地球は特別なのでしょうか? 00:00:59.261 --> 00:01:01.159 これは私が小さな頃から 00:01:01.159 --> 00:01:03.257 答えを知りたかった疑問で 00:01:03.257 --> 00:01:05.313 この会場にいる人の8割も 00:01:05.313 --> 00:01:08.881 きっと同じ思いを 抱いていたのではと思います 00:01:08.881 --> 00:01:11.046 太陽系内にせよ 太陽系外にせよ 00:01:11.070 --> 00:01:13.072 生命を宿しうる惑星が 00:01:13.072 --> 00:01:15.030 存在するか知るには 00:01:15.030 --> 00:01:18.571 まずここにいる生命が 何を必要とするのか知ることです NOTE Paragraph 00:01:18.575 --> 00:01:21.762 870万種の生物がいる中で 00:01:21.762 --> 00:01:24.802 生命が必要とするものは たった3つです 00:01:24.802 --> 00:01:27.984 左は 地球上の生命すべてが必要とする エネルギーです 00:01:27.984 --> 00:01:31.257 私たちのような複雑な生物は 太陽からエネルギーを得ていますが 00:01:31.257 --> 00:01:32.742 地中深くに住む生き物は 00:01:32.742 --> 00:01:35.314 化学反応などから エネルギーを得ているかもしれません 00:01:35.314 --> 00:01:37.343 惑星で利用できる エネルギー源には 00:01:37.343 --> 00:01:39.076 いろいろなものがあります 00:01:39.250 --> 00:01:41.426 右は すべての生命が必要とする 00:01:41.426 --> 00:01:43.605 食べ物ないしは栄養です 00:01:43.611 --> 00:01:48.215 これは難しい注文に見えます とくに瑞々しいトマトを食べたいという場合には NOTE Paragraph 00:01:48.239 --> 00:01:49.955 (笑) NOTE Paragraph 00:01:49.979 --> 00:01:52.659 しかしながら 地球の生命はすべて 00:01:52.659 --> 00:01:55.099 栄養をたった 6つの元素から得ていて 00:01:55.123 --> 00:01:56.751 この6つの元素は 00:01:56.751 --> 00:01:59.717 太陽系のどの惑星でも 見つかります 00:02:00.477 --> 00:02:02.308 そうすると 真ん中の 00:02:02.308 --> 00:02:05.636 最も実現の難しい 条件が残ります 00:02:05.636 --> 00:02:07.778 ヘラジカじゃなくて 水のことです NOTE Paragraph 00:02:07.778 --> 00:02:10.463 (笑) NOTE Paragraph 00:02:11.045 --> 00:02:13.079 ヘラジカは素敵だと 思いますけど NOTE Paragraph 00:02:13.103 --> 00:02:14.261 (笑) NOTE Paragraph 00:02:14.285 --> 00:02:20.200 凍った水でも 気体の水でもなく 液体の水です 00:02:20.568 --> 00:02:23.681 これこそ すべての生命が 生きるために必要とするものです 00:02:23.681 --> 00:02:27.016 そして太陽系の天体の多くは 液体としての水を持っていないので 00:02:27.040 --> 00:02:28.550 ここでは考えません 00:02:28.550 --> 00:02:31.327 中には 地球以上の 膨大な液体の水を 00:02:31.327 --> 00:02:33.112 持っている天体も あるかもしれませんが 00:02:33.112 --> 00:02:35.686 氷の殻の下に 閉じ込められていて 00:02:35.686 --> 00:02:37.315 到達するのが難しく 00:02:37.315 --> 00:02:40.554 生命がそこにいるのか 知るのは困難です NOTE Paragraph 00:02:41.475 --> 00:02:44.470 そうすると 残るのは ほんの一握りです 00:02:44.494 --> 00:02:46.547 問題を簡単にするため 00:02:46.547 --> 00:02:50.288 液体の水が地表にある惑星だけを 考えることにしましょう 00:02:50.312 --> 00:02:52.962 地表に液体の水というと 00:02:52.962 --> 00:02:55.838 考えられる惑星は 太陽系内に3つしかなく 00:02:55.838 --> 00:03:00.724 太陽から近い順に 金星 地球 火星です 00:03:01.125 --> 00:03:04.637 水が液体であるために 大気が必要です 00:03:04.661 --> 00:03:06.983 大気については 絶妙なバランスが必要です 00:03:06.983 --> 00:03:10.409 大気があまりに濃く 暖かすぎると 00:03:10.409 --> 00:03:12.488 金星のように 高温になって 00:03:12.488 --> 00:03:15.165 液体の水が 存在できません 00:03:15.189 --> 00:03:19.006 一方で大気があまりに薄く 冷たすぎると 00:03:19.006 --> 00:03:21.755 火星のように 寒すぎになってしまいます 00:03:21.755 --> 00:03:24.234 金星は暑すぎ 火星は寒すぎ 00:03:24.234 --> 00:03:25.618 地球はちょうどいい 00:03:25.618 --> 00:03:27.651 後ろの映像を見ると 00:03:27.651 --> 00:03:31.896 太陽系内で生命が生きられる場所は 自ずと明らかです 00:03:31.896 --> 00:03:34.636 これは おとぎ話の 『3びきのくま』のような問題で 00:03:34.636 --> 00:03:36.990 子供でも分かる 簡単な話です NOTE Paragraph 00:03:37.352 --> 00:03:38.822 しかしながら 00:03:38.822 --> 00:03:40.988 『3びきのくま』の話には 00:03:40.988 --> 00:03:43.820 みんなあまり 注意することのない 00:03:43.820 --> 00:03:47.546 重要な点が 2つあると思います 00:03:47.946 --> 00:03:49.536 第1に 00:03:50.311 --> 00:03:52.763 ゴルディロックスが来た時には 00:03:52.763 --> 00:03:56.611 母さんグマの器は 冷たすぎましたが 00:03:56.642 --> 00:03:59.725 それは ずっと冷たかった ということなのか 00:03:59.725 --> 00:04:03.613 それとも いつかの時点では ちょうどよい温度だったのか? 00:04:03.650 --> 00:04:06.295 ゴルディロックスが 部屋に入った時間によって 00:04:06.295 --> 00:04:08.687 答えは変わってくるのです 00:04:08.954 --> 00:04:10.844 同じことが 惑星についても言えます 00:04:10.868 --> 00:04:12.894 惑星は不変ではなく 変化します 00:04:12.918 --> 00:04:14.660 進化していきます 00:04:14.684 --> 00:04:16.726 大気だってそうです 00:04:16.750 --> 00:04:18.452 例を挙げましょう NOTE Paragraph 00:04:18.476 --> 00:04:20.383 これは私の好きな 火星の写真です 00:04:20.383 --> 00:04:23.308 最も高精細でも 最も美的でもなく 00:04:23.308 --> 00:04:25.221 最新の写真という わけでもありませんが 00:04:25.221 --> 00:04:29.139 火星表面を刻む 河床の存在を示しています 00:04:29.170 --> 00:04:32.694 河床は流れる液体の水で 削られてできたものです 00:04:33.515 --> 00:04:38.275 河床は何百 何千 何万年もかけて 形成されます 00:04:38.275 --> 00:04:40.213 今の火星では 起きえないことです 00:04:40.213 --> 00:04:42.482 今の火星の大気は 薄すぎ 寒すぎて 00:04:42.482 --> 00:04:45.013 液体の水が安定して 存在できません 00:04:45.013 --> 00:04:48.619 この1枚の画像が 火星の大気は変化したこと 00:04:48.619 --> 00:04:51.544 それも大きく変わったことを 示しています 00:04:51.544 --> 00:04:56.523 そして その変化の前には 居住可能な状態があったのです 00:04:56.547 --> 00:05:00.669 その昔には 生命の3つの条件が 充たされていたからです 00:05:00.669 --> 00:05:04.017 地表に液体の水が存在できる ようにしていた大気は 00:05:04.017 --> 00:05:05.961 どこへ行って しまったのでしょう? NOTE Paragraph 00:05:05.985 --> 00:05:09.332 1つの考えは 宇宙に逃げて しまったというものです 00:05:09.356 --> 00:05:10.787 大気の粒子が 00:05:10.787 --> 00:05:13.700 火星の重力を振り切るのに 十分なエネルギーを得て 00:05:13.724 --> 00:05:16.307 宇宙に飛散し 再び戻ってくることがなかった 00:05:16.307 --> 00:05:19.125 これは大気のある どの天体にも起きることです 00:05:19.149 --> 00:05:20.321 彗星の尾は 00:05:20.345 --> 00:05:23.602 大気の散逸を 目に見える形で示すものです 00:05:23.626 --> 00:05:26.919 しかし金星や地球や 火星の大気もまた 00:05:26.919 --> 00:05:28.859 時と共に散逸していきます 00:05:28.859 --> 00:05:32.002 単に度合いやスケールが 違っているだけです 00:05:32.002 --> 00:05:34.252 この大気の変化を 説明するため 00:05:34.252 --> 00:05:37.138 大気がどの程度 散逸しているのかを知りたいのです NOTE Paragraph 00:05:37.138 --> 00:05:39.623 大気の粒子は 逃げ出すためのエネルギーを 00:05:39.623 --> 00:05:41.562 どこから得るのでしょう? 00:05:41.562 --> 00:05:44.501 話を少し簡単にすると 2つの方法があります 00:05:44.501 --> 00:05:46.082 1つは太陽光です 00:05:46.106 --> 00:05:47.932 太陽からの光が 00:05:47.932 --> 00:05:51.256 大気の粒子に吸収されて 粒子を温めます 00:05:51.280 --> 00:05:53.388 なんか踊っているみたいですが NOTE Paragraph 00:05:53.412 --> 00:05:54.883 (笑) NOTE Paragraph 00:05:55.413 --> 00:05:57.905 なんてことだ 結婚式でも踊らなかったというのに NOTE Paragraph 00:05:57.905 --> 00:05:59.121 (笑) NOTE Paragraph 00:05:59.145 --> 00:06:01.212 温められることによって 00:06:01.212 --> 00:06:04.672 重力から抜け出すのに 十分なエネルギーを得るわけです 00:06:04.696 --> 00:06:07.858 もう1つの方法は太陽風から エネルギーを得るというものです 00:06:07.882 --> 00:06:10.972 太陽の表面から 吐き出される粒子が 00:06:10.972 --> 00:06:13.840 400km/秒という猛スピードで 00:06:13.840 --> 00:06:17.145 太陽系を駆け抜けます 00:06:17.169 --> 00:06:19.763 太陽嵐の時には さらに速くなります 00:06:19.787 --> 00:06:22.229 そして惑星間空間を抜けて 00:06:22.243 --> 00:06:24.693 惑星とその大気に到達し 00:06:24.693 --> 00:06:26.628 大気の粒子が 逃げ出すための 00:06:26.652 --> 00:06:29.160 エネルギーを与えることも 考えられます NOTE Paragraph 00:06:29.182 --> 00:06:31.151 これが私の 興味を持っていることで 00:06:31.175 --> 00:06:33.298 居住可能性に かかわる話です 00:06:33.298 --> 00:06:35.664 『3びきのくま』の話には 00:06:35.664 --> 00:06:39.292 注意して欲しい点が 2つあると言いましたが 00:06:39.292 --> 00:06:41.781 2つ目はもう少し 微妙なことです 00:06:41.805 --> 00:06:45.113 父さんグマの器は 熱すぎ 00:06:46.180 --> 00:06:50.034 母さんグマの器は 冷たすぎたなら 00:06:51.057 --> 00:06:54.351 傾向から言って 赤ちゃんグマの器は 00:06:54.351 --> 00:06:57.807 さらに冷たいはずでは ないでしょうか? 00:06:58.195 --> 00:07:01.167 ずっとそう思い込んでいたことでも よくよく考えてみると 00:07:01.167 --> 00:07:04.131 話はそう単純では ないかもしれません 00:07:04.513 --> 00:07:08.541 もちろん惑星の太陽からの距離が 温度を決め 00:07:08.565 --> 00:07:10.831 これは居住可能性に かかわることです 00:07:10.855 --> 00:07:13.539 しかし他にも考えるべきことが あるかもしれません 00:07:13.539 --> 00:07:15.425 もしかすると 器そのものが 00:07:15.449 --> 00:07:18.389 何がちょうどいいのか という物語の結末に 00:07:18.389 --> 00:07:20.579 影響を及ぼしている かもしれません NOTE Paragraph 00:07:20.765 --> 00:07:22.404 この3つの惑星には 00:07:22.404 --> 00:07:24.219 居住可能性に影響しうる 00:07:24.219 --> 00:07:26.322 様々な違いがありますが 00:07:26.322 --> 00:07:29.086 私自身の研究に関係するという 利己的な理由と 00:07:29.086 --> 00:07:32.628 ここでリモコンを握っているのは私であって 皆さんじゃないという事実により — NOTE Paragraph 00:07:32.652 --> 00:07:33.658 (笑) NOTE Paragraph 00:07:33.682 --> 00:07:35.155 磁場について 00:07:35.155 --> 00:07:37.612 少しお話ししたいと思います 00:07:37.612 --> 00:07:40.777 地球には磁場があり 金星や火星にはありません 00:07:40.825 --> 00:07:43.562 地球の奥深くにある 00:07:43.562 --> 00:07:47.543 流動する液状の 導電性物質が 00:07:47.543 --> 00:07:50.618 地球を覆う大きな磁場を 作り出していて 00:07:50.642 --> 00:07:52.992 コンパスを持っていれば どちらが北かわかります 00:07:52.992 --> 00:07:54.710 金星や火星には 磁場はなく 00:07:54.710 --> 00:07:56.170 コンパスを持っていたって 00:07:56.170 --> 00:07:58.208 迷子になるのは必至です NOTE Paragraph 00:07:58.208 --> 00:07:59.775 (笑) NOTE Paragraph 00:07:59.775 --> 00:08:02.335 これは居住可能性に 影響するのでしょうか? 00:08:02.995 --> 00:08:04.707 どう影響しうるのか? 00:08:05.024 --> 00:08:06.432 多くの科学者は 00:08:06.432 --> 00:08:10.047 磁場は 大気を守る盾のように 機能すると考えています 00:08:10.071 --> 00:08:13.426 太陽風の粒子を 惑星からそらすのです 00:08:13.450 --> 00:08:15.265 荷電粒子に対する 00:08:15.289 --> 00:08:18.032 フォースフィールド みたいなものとして 00:08:18.032 --> 00:08:22.389 私はむしろサラダバーの くしゃみカバーみたいに思っていますが NOTE Paragraph 00:08:22.389 --> 00:08:24.292 (笑) NOTE Paragraph 00:08:24.962 --> 00:08:27.877 後でこれを見た 同僚たちは 00:08:27.877 --> 00:08:29.895 この分野の歴史上初めて 00:08:29.895 --> 00:08:33.404 太陽風が鼻水と同一視されているのに 気付くことでしょう NOTE Paragraph 00:08:33.404 --> 00:08:34.888 (笑) NOTE Paragraph 00:08:36.977 --> 00:08:38.477 だから地球は 00:08:38.477 --> 00:08:40.629 何十億年もの間 00:08:40.629 --> 00:08:43.134 磁場に守られていて 00:08:43.134 --> 00:08:45.677 大気が逃げなかったの かもしれません 00:08:45.677 --> 00:08:47.158 火星の方は 00:08:47.158 --> 00:08:48.674 磁場がなく 00:08:48.674 --> 00:08:51.660 その間守られずにいたので 00:08:51.660 --> 00:08:54.040 大気の多くが はぎ取られてしまい 00:08:54.040 --> 00:08:56.071 居住可能な惑星から 00:08:56.071 --> 00:08:58.847 今日の姿に 変わったのかもしれません NOTE Paragraph 00:08:58.879 --> 00:09:02.958 一方で 磁場は帆船の帆のように 働くかもしれないと 00:09:02.958 --> 00:09:04.925 考える科学者もいます 00:09:04.958 --> 00:09:08.799 惑星本体だけの場合よりも 多くのエネルギーが 00:09:08.799 --> 00:09:13.291 太陽風から取り込まれる ようにしていると 00:09:13.315 --> 00:09:15.346 この磁場の帆は 00:09:15.346 --> 00:09:18.326 太陽風からの エネルギーを集め 00:09:18.326 --> 00:09:21.764 より多くの大気が逃げ出す結果に なっているのかも 00:09:21.788 --> 00:09:24.042 検証を必要とする 考えですが 00:09:24.066 --> 00:09:25.685 その効果や働きは 00:09:25.685 --> 00:09:27.216 確かめるまでもありません 00:09:27.216 --> 00:09:28.175 というのも 00:09:28.175 --> 00:09:30.974 太陽風のエネルギーが 地球大気に取り込まれていることは 00:09:30.974 --> 00:09:32.309 よく知られているからです 00:09:32.309 --> 00:09:33.628 エネルギーは 00:09:33.628 --> 00:09:36.160 磁場にそって極地へと流れ 00:09:36.160 --> 00:09:38.536 実に美しいオーロラを 作り出します 00:09:38.560 --> 00:09:41.070 体験すると 実に壮観なものです 00:09:41.070 --> 00:09:43.566 エネルギーが流れ込んでいるのは 分かっています 00:09:43.566 --> 00:09:46.147 どれほどの粒子が 飛び出していて 00:09:46.147 --> 00:09:50.482 それに磁場が影響しているのかどうか 測定を試みています NOTE Paragraph 00:09:50.482 --> 00:09:52.956 問題を提示しましたが 00:09:52.956 --> 00:09:54.666 答えはまだ分かっていません 00:09:54.666 --> 00:09:56.572 まだ答えは 持ち合わせていませんが 00:09:56.572 --> 00:09:59.139 取り組んでいます どう取り組んでいるのかというと — 00:09:59.139 --> 00:10:01.355 3つの惑星すべてに 探査機を送っています 00:10:01.355 --> 00:10:03.111 今も軌道を 回っているものもあり 00:10:03.111 --> 00:10:05.977 MAVEN は火星軌道を回っています 00:10:06.001 --> 00:10:08.397 これには私自身 かかわっていて 00:10:08.397 --> 00:10:11.340 ここコロラド大学から 指揮されています 00:10:11.340 --> 00:10:14.092 大気流出を測定できるよう 設計されています 00:10:14.092 --> 00:10:16.936 地球と金星についても 同様のデータを取っています 00:10:16.953 --> 00:10:18.618 すべてのデータが揃ったら 00:10:18.642 --> 00:10:20.261 それを突き合わせて 00:10:20.261 --> 00:10:22.738 3つの惑星が 周囲の宇宙環境と 00:10:22.738 --> 00:10:26.168 どのように相互作用して いるのかが分かり 00:10:26.168 --> 00:10:28.434 磁場が居住可能性に対し 00:10:28.434 --> 00:10:30.872 重要な意味を持つかどうかも 分かるでしょう NOTE Paragraph 00:10:30.896 --> 00:10:33.361 なぜこんなことに 関心を持つべきなのか? 00:10:33.361 --> 00:10:35.355 私はとても 関心を持っています 00:10:36.128 --> 00:10:38.284 経済的にもですが — NOTE Paragraph 00:10:38.284 --> 00:10:40.000 (笑) NOTE Paragraph 00:10:40.763 --> 00:10:42.681 第1に この疑問への答えは 00:10:42.705 --> 00:10:44.462 この3つの惑星について 00:10:44.462 --> 00:10:45.992 多くのことを 教えてくれるでしょう 00:10:46.016 --> 00:10:48.927 今日周囲の環境と どう相互作用しているのかだけでなく 00:10:48.951 --> 00:10:50.642 数十億年前にはどうで 00:10:50.642 --> 00:10:52.868 昔は居住可能だったのかどうかも 00:10:52.868 --> 00:10:55.352 それで私たちの 身近な大気について 00:10:55.352 --> 00:10:57.081 分かるようになるでしょう 00:10:57.127 --> 00:10:59.451 それだけでなく 3つの惑星から学んだ知識は 00:10:59.451 --> 00:11:02.236 よその惑星の大気にも 適用できます 00:11:02.236 --> 00:11:05.398 今や観測できるようになった 他の恒星系の惑星も含めて 00:11:05.422 --> 00:11:07.407 たとえばケプラー探査機は 00:11:07.407 --> 00:11:10.859 ここボルダーで製造と制御が 行われていますが 00:11:10.859 --> 00:11:13.622 空にある切手ほどの 大きさの領域を 00:11:13.622 --> 00:11:14.989 この2年ほど観測していて 00:11:15.013 --> 00:11:17.241 何千という惑星を 発見しています 00:11:17.265 --> 00:11:20.178 空の他の部分と 何も違わない 00:11:20.202 --> 00:11:24.561 切手ほどの大きさの 領域の中でです NOTE Paragraph 00:11:24.815 --> 00:11:26.625 この20年の間に 00:11:26.649 --> 00:11:30.686 太陽系外の惑星を 1つも知らないところから 00:11:30.710 --> 00:11:32.463 あまりにたくさんあって 00:11:32.487 --> 00:11:36.666 どれから調べ始めたらいいか 分からないというところまで来ました 00:11:37.059 --> 00:11:39.359 どんなことでも助けになります 00:11:40.539 --> 00:11:44.123 事実 ケプラーの観測結果や 00:11:44.147 --> 00:11:46.220 その他のデータから 00:11:46.220 --> 00:11:49.499 この銀河系だけで 二千億の恒星があり 00:11:49.499 --> 00:11:52.782 平均すると恒星1つにつき 00:11:52.786 --> 00:11:58.200 少なくとも1つ惑星があると 考えられています 00:11:58.669 --> 00:12:00.322 それだけでなく 00:12:00.346 --> 00:12:06.141 その惑星のうちの 400億から1000億個は 00:12:06.141 --> 00:12:10.323 居住可能だろうと 見積もられています 00:12:10.949 --> 00:12:13.591 我々の銀河だけでです NOTE Paragraph 00:12:14.320 --> 00:12:16.787 我々はそれらの惑星を 観測していますが 00:12:16.787 --> 00:12:19.135 どれが実際居住可能かは まだ分かっていません 00:12:19.159 --> 00:12:22.765 それはまるでステージ上に 囚われているようで NOTE Paragraph 00:12:22.789 --> 00:12:23.960 (笑) NOTE Paragraph 00:12:23.984 --> 00:12:25.216 外には 00:12:26.178 --> 00:12:30.330 他の世界があることが 分かっていて 00:12:30.872 --> 00:12:34.178 是非知りたいと 思っています 00:12:35.174 --> 00:12:38.972 問いただしてみたら 1つか2つ 00:12:38.972 --> 00:12:41.632 自分のようなものが あるのではないかと 00:12:42.244 --> 00:12:44.803 しかし行くことは まだできません 00:12:44.827 --> 00:12:48.424 だから身近な 金星 地球 火星に対して 00:12:48.424 --> 00:12:50.139 開発した道具を使って 00:12:50.163 --> 00:12:52.976 他の状況に適用してみて 00:12:53.000 --> 00:12:57.600 データから 合理的な推論をすれば 00:12:57.600 --> 00:13:00.838 居住可能な惑星の 最有力候補がどれか 00:13:00.862 --> 00:13:03.701 分かるようになるでしょう NOTE Paragraph 00:13:04.139 --> 00:13:06.854 少なくとも 今のところは 00:13:06.878 --> 00:13:09.665 これが私たちのステージです 00:13:10.376 --> 00:13:13.712 居住可能だと確かに分かっている 唯一の惑星です 00:13:13.736 --> 00:13:16.927 じきにもっと 見つかるかもしれませんが 00:13:16.951 --> 00:13:19.687 しかし今のところは これが唯一の居住可能な惑星であり 00:13:19.711 --> 00:13:21.553 私たちのステージです 00:13:21.626 --> 00:13:24.486 私たちがここにいることを 本当に嬉しく思います NOTE Paragraph 00:13:24.507 --> 00:13:25.682 どうもありがとう NOTE Paragraph 00:13:25.706 --> 00:13:28.937 (拍手)