WEBVTT 00:00:03.760 --> 00:00:06.540 "プログラム完了 入場してください" 00:00:06.660 --> 00:00:10.650 私は今まで映画とテレビに 焦点を当ててきた 00:00:10.776 --> 00:00:15.352 しかし時々ビデオゲームの世界を 見るのも好きだ 00:00:15.747 --> 00:00:24.043 そして何が起こっているかを知るのに ゲームイベントほどいいものはない 00:00:24.178 --> 00:00:34.898 毎年夏にゲーム業界が集まり 大規模に新作ゲームを発表する 00:00:35.982 --> 00:00:45.722 ハイライトは主要企業の最新作発表だ 00:00:53.690 --> 00:00:59.341 素晴らしい世界が明かされる 00:01:00.955 --> 00:01:08.339 でもなぜか私はいつも 失望感と共に家に帰る 00:01:08.572 --> 00:01:17.756 才能ある開発者やハードの革新 あらゆる技術の進歩にも関わらず 00:01:17.884 --> 00:01:23.135 まだクリエイティブではないと感じるからだ 00:01:24.128 --> 00:01:30.617 毎年ゲーム業界は一つのテーマにはまり込む 00:01:31.405 --> 00:01:33.715 殺すか 殺されるか 00:01:42.191 --> 00:01:48.011 基本的に同じようなプレイ映像と 00:01:48.131 --> 00:01:55.723 弾丸と剣と爆発が繰り返される 00:01:56.076 --> 00:02:01.633 そうしてピカード艦長のように感じる 00:02:02.358 --> 00:02:04.826 "何しに来た?金か?" 00:02:04.941 --> 00:02:07.071 "いや お前を殺しに来た" 00:02:07.176 --> 00:02:08.991 "プログラムを止めろ!" 00:02:11.622 --> 00:02:14.152 "これは求めてるものじゃない" 00:02:14.885 --> 00:02:20.231 "もっと落ち着けるものだ 弾丸はいらない やり直せ" 00:02:21.407 --> 00:02:27.974 ゲームは今や年間1000億規模の産業だ 00:02:28.290 --> 00:02:33.968 E3のようなイベントに出るのは 代表的なゲームだろう 00:02:34.097 --> 00:02:41.445 だからゲームの世界を分析するのに 理想的な環境と言える 00:02:42.442 --> 00:02:49.084 そこで私は今年のゲームを統計分析した 00:02:49.299 --> 00:02:51.759 "何が出るか" 00:02:52.219 --> 00:02:56.249 全部で133のゲームが紹介され 00:02:56.368 --> 00:03:00.607 戦闘がなかったのは20だけだった 00:03:00.721 --> 00:03:04.259 そのうちの10個は スポーツやレーシングゲームだ 00:03:04.379 --> 00:03:07.193 詳細はこうだ 00:03:07.298 --> 00:03:09.088 82%が戦闘 00:03:09.190 --> 00:03:11.973 3%がわずかな戦闘 00:03:12.073 --> 00:03:13.644 5%がスポーツ 00:03:13.743 --> 00:03:15.113 3%がレーシング 00:03:15.218 --> 00:03:16.915 1%がダンス 00:03:17.019 --> 00:03:22.919 その他7%が非戦闘系だ 00:03:24.403 --> 00:03:33.636 82%のゲームが戦闘ものという事実は 想像力の欠如を示していないだろうか 00:03:34.080 --> 00:03:41.273 この結果は長期的のものなのか 過去のイベントも調べてみた 00:03:41.393 --> 00:03:44.375 そして似たような結果を見つけた 00:03:47.151 --> 00:03:50.733 もっと多様性があると思っていた 00:03:50.883 --> 00:03:53.468 物語のあるゲーム アドベンチャーゲーム 00:03:53.590 --> 00:03:58.470 パズル 街づくり 探検など 00:03:59.083 --> 00:04:04.903 しかしどのジャンルも数が少なかった 00:04:05.340 --> 00:04:07.584 数字を説明しよう 00:04:07.704 --> 00:04:12.765 このデータは暴力というより 戦闘に焦点を当てたものだ 00:04:12.895 --> 00:04:18.033 よって非戦闘ものでも 暴力がないというわけではない 00:04:18.484 --> 00:04:24.894 実際10のうち3つは サバイバルホラーゲームだ 00:04:27.731 --> 00:04:30.611 戦闘と暴力は別だ 00:04:30.741 --> 00:04:35.732 戦闘ではプレイヤーが暴力を振るう 00:04:37.594 --> 00:04:41.783 残念ながら暴力は人類史の一部であり 00:04:41.903 --> 00:04:44.943 ゲームに存在するのも納得できる 00:04:45.073 --> 00:04:49.086 しかし戦闘がゲームの中心であるとき 00:04:49.866 --> 00:04:55.915 暴力を悲劇というより 称賛として描く傾向がある 00:04:56.318 --> 00:05:02.668 "25連キルで核が手に入る" 00:05:05.448 --> 00:05:08.148 "熱い試合となるでしょう" 00:05:08.596 --> 00:05:09.626 "開始!" 00:05:10.255 --> 00:05:12.970 もちろんすべてではない 00:05:13.097 --> 00:05:17.427 試しにタイプを分けてみた 00:05:17.571 --> 00:05:22.080 2017年の戦闘的ゲーム108のうち 00:05:22.190 --> 00:05:26.770 20が漫画的な暴力だった 00:05:27.250 --> 00:05:33.665 これらは殺す殺されるというより 潰す潰されるというものだ 00:05:33.801 --> 00:05:37.542 暴力としてはかわいい 00:05:37.662 --> 00:05:42.460 それでも敵対的な環境が用意され 00:05:42.590 --> 00:05:47.351 プレイヤーは戦うよう強いられる 00:05:47.494 --> 00:05:50.506 血は流れないかもしれない 00:05:50.626 --> 00:05:57.062 でもゲームの形式は決められている "やられる前にやれ"と 00:05:58.052 --> 00:06:01.601 ゲームはこの形式が好きだ 00:06:01.724 --> 00:06:08.575 何十年に渡り ゲームの開発者も 会社もプレイヤーも 00:06:08.715 --> 00:06:13.519 戦闘とゲームを同一視してきた 00:06:13.629 --> 00:06:18.679 アメリカの任天堂の社長はこう言った 00:06:19.313 --> 00:06:21.870 "ゲームは楽しい" 00:06:22.410 --> 00:06:25.060 "ゲームは戦いだ" 00:06:25.171 --> 00:06:27.951 "楽しくないなら やらない" 00:06:28.071 --> 00:06:31.089 "戦いがなければ 楽しくない" 00:06:31.201 --> 00:06:34.863 これはゲームについての 究極に狭い定義であり 00:06:34.973 --> 00:06:39.363 楽しみについての より狭い定義だろう 00:06:39.607 --> 00:06:45.638 私はこの戦闘へのこだわりが ゲームをつまらなくしていると思う 00:06:45.764 --> 00:06:48.700 なぜなのか説明させてほしい 00:06:48.962 --> 00:06:55.378 ゲームをプレイする方法は ゲームの世界に関わるためのルールだ 00:06:55.518 --> 00:07:04.192 それはプレイヤー同士が相互作用する 道具だと考えてみてほしい 00:07:06.150 --> 00:07:15.067 多くのゲームでは暴力が 問題解決の唯一の方法だ 00:07:15.558 --> 00:07:21.955 「ハンマーを持つとすべてが釘に見える」 ということわざは正しい 00:07:22.693 --> 00:07:30.754 ゲームで出てくるものはすべて 実際釘となるように設計されている 00:07:31.374 --> 00:07:40.315 道具としてマシンガンが与えられると その世界でどう動くかが決定される 00:07:41.974 --> 00:07:44.829 "男がアーッ!と来たから バン!" 00:07:44.959 --> 00:07:46.479 "もう一人もバン!" 00:07:46.599 --> 00:07:48.578 "さらに二人来て" 00:07:48.688 --> 00:07:49.988 "バン!デュシデュシ" 00:07:50.108 --> 00:07:54.350 "めちゃくちゃ撃ちまくった" 00:07:54.988 --> 00:08:04.954 ゲームが戦闘に重点を置いてしまうと 創造的な対立解消の選択肢が制限される 00:08:06.699 --> 00:08:11.642 もちろん 対立は物語の重要な部分だ 00:08:12.002 --> 00:08:17.282 対立の形は様々だ 個人的なものから銀河系のものまで 00:08:17.407 --> 00:08:24.847 対立解消にも様々な形があり 多くは死体の山など残らない 00:08:27.018 --> 00:08:33.067 少数だが外交を行うゲームもある 00:08:33.209 --> 00:08:37.919 「Undertale」でプレイヤーは 話し合いによる解決を目指せる 00:08:38.027 --> 00:08:40.687 しかしあくまで例外だ 00:08:43.227 --> 00:08:48.301 RPGのようなジャンルでは 戦い以外の場面も多い 00:08:48.435 --> 00:08:54.101 しかしそれらはたいがい 戦闘を支えるために存在する 00:08:54.726 --> 00:09:01.606 クエストを依頼されるが それは何かを殺すものだったり 00:09:02.204 --> 00:09:08.779 アイテムを買ったり強化したりするが それは殺しのためのものだったり 00:09:09.046 --> 00:09:13.776 "荒れ地での生活が終わり家に帰る時が来た 自分の家に" 00:09:13.884 --> 00:09:20.999 家を建てるが そこを守るために 何かを殺すことになったり 00:09:21.476 --> 00:09:27.986 "守りを固める必要がある 襲撃者が攻撃してくるから" 00:09:28.104 --> 00:09:35.684 プレイヤーにできることは結局は 核となる戦闘と関わっている 00:09:36.444 --> 00:09:44.480 私は男らしさに関心があるので このテーマは特に興味深い 00:09:44.599 --> 00:09:52.458 あらゆるポップカルチャーの中に 暴力や攻撃性と関連した男らしさがある 00:09:52.577 --> 00:10:02.323 特にゲームでは男性キャラが 思いやりによって問題解決するのは稀だ 00:10:03.690 --> 00:10:07.970 "戦うため 戦士は敵に感情を持たない" 00:10:08.102 --> 00:10:16.383 外交や交渉は暴力の強調のため 脇に追いやられている 00:10:17.583 --> 00:10:23.710 そうして物語は限られた範囲に入る 00:10:24.113 --> 00:10:29.728 私がこのようにSNSで言うと いつも誰かの皮肉が返ってくる 00:10:29.866 --> 00:10:35.231 モンスターをハグで倒すのか? 紅茶とケーキを出すのか?と 00:10:35.359 --> 00:10:42.949 いい反論をしたつもりだろうが 実際ゲームのいいアイデアだと思う 00:10:43.075 --> 00:10:48.930 私はそういうゲームがプレイしたいし 他の人もそうだと思う 00:10:49.613 --> 00:10:56.364 ゲームには驚くべき 無限の可能性があると思う 00:10:56.494 --> 00:11:03.214 感情的で愛や共感のある 深い人間性を経験するような 00:11:03.749 --> 00:11:08.189 オープンワールドゲームを 想像してほしい 00:11:08.309 --> 00:11:14.771 そこで消防士や活動家や 銀河系医師団になる 00:11:14.893 --> 00:11:19.236 宇宙船で食料を作る農家になる 00:11:19.369 --> 00:11:27.374 文明が崩壊した世界 実際E3ではそういうゲームがあったが 00:11:27.505 --> 00:11:34.352 そこで奪い合うのではなく 協力して社会を構築する 00:11:37.082 --> 00:11:48.687 開発者が銃や剣の世界にこだわるせいで 私たちが逃している体験を想像してほしい 00:11:49.595 --> 00:11:53.186 ゲームの7%が非戦闘系だった 00:11:53.315 --> 00:12:01.747 イベントではゲームの可能性を開く ちょっとしたゲームを紹介していた 00:12:02.437 --> 00:12:04.986 タコマはその例の一つだ 00:12:05.106 --> 00:12:12.824 捜査官となり宇宙ステーションで 消えた乗組員の謎を解いていく 00:12:13.343 --> 00:12:20.036 こういう革新的ゲームが 新しい道を切り開くのかもしれない 00:12:20.147 --> 00:12:23.607 これがもっと必要だ