WEBVTT

00:00:07.510 --> 00:00:11.910
ヨアンナ・ロンコ: 短い曲を弾きます
曲の半分は

00:00:11.910 --> 00:00:16.809
3Dプリンタのヴァイオリンで
それから普通のヴァイオリンに変えます

00:00:16.809 --> 00:00:20.799
音の違いを間近に
感じてもらえると思います

00:00:25.999 --> 00:00:28.968
(ヴァイオリン演奏)

00:02:46.826 --> 00:02:48.526
(拍手)

00:02:55.761 --> 00:02:57.671
ジム・ストルツ: ありがとう ヨアンナ

00:02:57.671 --> 00:03:02.034
私はかなりそばで聞いていたので

00:03:02.034 --> 00:03:05.344
音量の違いがわかりました
音の伸びと言っていましたね

00:03:05.344 --> 00:03:08.825
ヨアンナ: ええ 両方です
別々のものですので

00:03:08.825 --> 00:03:13.299
明らかなのは3Dプリンタで作られた
ヴァイオリンは

00:03:13.299 --> 00:03:16.513
音があまり大きくない―
より静かだということです

00:03:16.513 --> 00:03:17.418
ジム: なるほど

00:03:17.418 --> 00:03:22.757
ヨアンナ: 音もあまり伸びないですね

00:03:22.757 --> 00:03:26.895
今はマイクを使い雑音もありますが
クラシックコンサートで

00:03:26.895 --> 00:03:29.860
用いられるホールは普通

00:03:29.860 --> 00:03:31.220
音響が素晴らしいです

00:03:31.220 --> 00:03:34.380
ジム: ヴァイオリンを弾く時には
マイクを付けず

00:03:34.380 --> 00:03:37.540
スピーカーもなしで
ヴァイオリンだけなんですね

00:03:37.550 --> 00:03:40.032
それでは今はうまくできない
ことがあるわけですね

00:03:40.042 --> 00:03:42.450
最後列まで音を届かせられないでしょう？

00:03:42.450 --> 00:03:45.232
ヨアンナ: 実験してみてはいませんが

00:03:45.232 --> 00:03:46.615
届かないのでは...

00:03:46.615 --> 00:03:52.089
ジム: 実験に賛成です
マイクを切ってください

00:03:52.089 --> 00:03:53.973
良い響きの言い回しではありませんね

00:03:53.973 --> 00:03:56.827
ヨアンナのマイクの音量を
遮断してください

00:03:56.827 --> 00:03:59.817
ヴァイオリンの生の音だけを
聞いてみましょう

00:03:59.838 --> 00:04:00.622
ヨアンナ: わかりました

00:04:00.632 --> 00:04:02.012
ジム: 聞こえますか？

00:04:02.012 --> 00:04:02.622
ヨアンナ: いいえ

00:04:02.766 --> 00:04:03.636
ジム: いいですね

00:04:04.456 --> 00:04:06.256
(ヴァイオリン演奏)

00:04:13.048 --> 00:04:15.897
ジム: それでは普通のヴァイオリンで

00:04:16.207 --> 00:04:18.837
(ヴァイオリン演奏)

00:04:24.915 --> 00:04:27.670
ジム: 後部席の人たちが
「ああ よかった」と言っているようです

00:04:27.670 --> 00:04:30.235
(拍手)

00:04:32.695 --> 00:04:34.805
ジム: もう１点気づいたのは

00:04:34.824 --> 00:04:37.348
昔ながらのヴァイオリンを
演奏されているときは

00:04:37.418 --> 00:04:41.088
身体がヴァイオリンと
一体化していたということです

00:04:41.088 --> 00:04:42.988
それはあなたの楽器ですか？

00:04:43.004 --> 00:04:46.524
ヨアンナ: 私のものではありませんが
８年間演奏しているものです

00:04:46.524 --> 00:04:47.754
ジム: あなたのなんですね
なるほど

00:04:47.764 --> 00:04:49.106
ヨアンナ: ええ 我が子のようなものです

00:04:49.878 --> 00:04:52.192
ジム: でも3Dプリンタのヴァイオリンを
弾いているときには違いました

00:04:52.192 --> 00:04:55.622
こちらの楽器とも
一体化できると思いますか？

00:04:55.652 --> 00:04:57.322
ヨアンナ: それは疑問ですね

00:04:57.621 --> 00:05:00.261
実用的な側面からいえば

00:05:00.261 --> 00:05:02.591
普通のヴァイオリンより
ずっと重いので

00:05:02.591 --> 00:05:05.543
コンサートの長丁場を
普通のヴァイオリンと同じように

00:05:05.617 --> 00:05:08.147
乗り切れるとは思いません

00:05:09.105 --> 00:05:14.985
でも 素晴らしいのは
実際に演奏できるということです

00:05:15.028 --> 00:05:16.918
信じられない思いです

00:05:16.956 --> 00:05:23.046
ヴァイオリンのような音が出ますが
特定の響きが欠けています

00:05:23.524 --> 00:05:28.964
木製のヴァイオリンの特別な点は
それぞれ個性があるということです

00:05:28.964 --> 00:05:32.586
手作業で作られているので
どの楽器にも

00:05:32.769 --> 00:05:36.179
少し弱い音と

00:05:36.179 --> 00:05:39.195
少し強い音があって
演奏家としては

00:05:39.245 --> 00:05:42.685
楽器をよりよく知って
その個性を探すんです

00:05:42.685 --> 00:05:45.337
ジム: どの楽器にも個性があるのに

00:05:45.337 --> 00:05:48.859
3Dプリンタのヴァイオリンは
どれも同じだということですね

00:05:48.859 --> 00:05:50.653
普通のヴァイオリンではできず

00:05:50.653 --> 00:05:54.397
3Dプリンタのヴァイオリンだからこそ
できることはあるでしょうか？

00:05:54.397 --> 00:05:57.101
あぁ 答えは明らかですね

00:05:58.642 --> 00:06:00.162
ヨアンナ: どうでしょう

00:06:00.225 --> 00:06:04.185
今日ちょうど友人に
同じようなことを聞かれたんです

00:06:04.185 --> 00:06:06.153
何の役に立つのって

00:06:06.153 --> 00:06:09.003
私が考えてみなかったことを
指摘されました

00:06:09.003 --> 00:06:12.527
クラシック以外の音楽で
使えるのかもしれないと

00:06:12.527 --> 00:06:14.201
スタジオで録音するものなどです

00:06:14.201 --> 00:06:17.635
音は増幅されるし
音色がとても均一なので

00:06:17.655 --> 00:06:20.818
普通のヴァイオリンよりも
音を編集するのが

00:06:20.818 --> 00:06:22.603
もっと容易かもしれません

00:06:22.603 --> 00:06:24.923
でもクラシックの世界では
ないと思います

00:06:24.926 --> 00:06:25.816
ジム: なるほど

00:06:25.828 --> 00:06:29.747
10ユーロで安く手に入る
ヴァイオリンという感じでしょうか

00:06:29.771 --> 00:06:30.561
ヨアンナ: ええ

00:06:30.871 --> 00:06:37.434
ジム: そろそろお時間です

00:06:37.434 --> 00:06:39.674
3Dプリンタのヴァイオリンでもう１曲
そのあとで木製のもので小品をお願いします

00:06:39.674 --> 00:06:44.817
ヨアンナ: ええ 短い曲を弾きます
ポーランドのカプリチオです

00:06:44.817 --> 00:06:48.363
ゆっくりとした冒頭から始まるので

00:06:48.363 --> 00:06:52.731
ヴァイオリンの性質を
よく感じていただけると思います

00:06:52.766 --> 00:06:56.876
ヴァイオリンに欠点を
プリントすることはできませんが

00:06:56.879 --> 00:07:00.959
私は欠点こそが音楽に美しさを
与えてくれるのだと思います

00:07:00.968 --> 00:07:03.548
とはいえ それでもすごいことです

00:07:08.176 --> 00:07:11.082
(ヴァイオリン演奏)

00:09:35.655 --> 00:09:39.855
(拍手)