0:00:00.000,0:00:03.000 もし私が、オバマ大統領に 0:00:03.000,0:00:07.000 次期の数学科責任者として招かれたら 0:00:07.000,0:00:10.000 私からの提案として 0:00:10.000,0:00:12.000 この国の数学教育を大幅に 0:00:12.000,0:00:15.000 改善するものを用意しています。 0:00:15.000,0:00:17.000 その方法は、簡単に実施できて、 0:00:17.000,0:00:19.000 お金もかかりません。 0:00:19.000,0:00:21.000 現在の数学のカリキュラムは、 0:00:21.000,0:00:25.000 算数と代数を基礎とします。 0:00:25.000,0:00:27.000 その後で学習するすべてのことは、 0:00:27.000,0:00:30.000 一つの科目に向かって積み上げられていきます。 0:00:30.000,0:00:34.000 そのピラミッドの頂きにくるものが、微積分学です。 0:00:34.000,0:00:36.000 みなさんに申し上げたいのですが、 0:00:36.000,0:00:40.000 そのピラミッドの頂きは、ふさわしくありません。 0:00:40.000,0:00:42.000 正しい頂点は - すべての生徒や 0:00:42.000,0:00:44.000 高校を修了した人全てが知っているべきことはー 0:00:44.000,0:00:47.000 統計学です。 0:00:47.000,0:00:49.000 確率と統計学。 0:00:49.000,0:00:51.000 (喝采) 0:00:51.000,0:00:55.000 別に微積分が重要でないとは言いません。 0:00:55.000,0:00:57.000 それは、人類の英知の偉大な成果の一つです。 0:00:57.000,0:01:01.000 自然法則は、微積分の言葉で記述されます。 0:01:01.000,0:01:05.000 ですから、数学、理学、工学、経済学を学ぶ学生が、 0:01:05.000,0:01:07.000 微積分を学ぶべきであることは間違いありません。 0:01:07.000,0:01:09.000 それも、大学の1年生を終えるまでには。 0:01:09.000,0:01:12.000 しかし、数学の教授としてあえて言うならば、 0:01:12.000,0:01:16.000 微積分を日常生活で使っている人はまれで、 0:01:16.000,0:01:19.000 実用的な応用がされることは滅多にないのです。 0:01:19.000,0:01:21.000 一方、 0:01:21.000,0:01:24.000 統計は、日々使うことができ、 0:01:24.000,0:01:27.000 また使うべき科目です。いいですか。 0:01:27.000,0:01:30.000 リスクのこと、リターンのこと、不確実性です。 0:01:30.000,0:01:32.000 データを理解するということです。 0:01:32.000,0:01:34.000 生徒達が、高校生たちが、 0:01:34.000,0:01:36.000 そして、すべてのアメリカ国民がもし、 0:01:36.000,0:01:39.000 確率と統計を知っていれば、 0:01:39.000,0:01:42.000 今日の経済混乱はなかったかもしれません。 0:01:42.000,0:01:45.000 そして、ありがとう、それだけではなく、 0:01:45.000,0:01:48.000 きちんと教えれば、大変おもしろい科目です。 0:01:48.000,0:01:50.000 確率と統計というのは、 0:01:50.000,0:01:54.000 ゲームとギャンブルの数学なのです。 0:01:54.000,0:01:58.000 トレンドを分析し、未来を予測することなのです。 0:01:58.000,0:02:00.000 みなさん、世界は既に 0:02:00.000,0:02:03.000 アナログからデジタルに変わっています。 0:02:03.000,0:02:06.000 数学のカリキュラムも 0:02:06.000,0:02:08.000 アナログからデジタルに変わるべき時期です。 0:02:08.000,0:02:12.000 古典的な連続体の数学から、 0:02:12.000,0:02:15.000 より最新の離散数学へと。 0:02:15.000,0:02:17.000 数学の中でも不確実性と 0:02:17.000,0:02:19.000 ランダム性と情報を扱うもの、 0:02:19.000,0:02:22.000 それが確率と統計です。 0:02:22.000,0:02:24.000 最後になりますが、 0:02:24.000,0:02:27.000 生徒たちが微積分の解法を習うよりも 0:02:27.000,0:02:30.000 もっと重要なことがあります。 0:02:30.000,0:02:33.000 「平均から標準偏差の2倍離れている」ことの 0:02:33.000,0:02:36.000 意味を生徒みんながわかること。これが大事です。 0:02:36.000,0:02:38.000 ありがとうございました。 0:02:38.000,0:02:41.000 (喝采)