1 00:00:08,789 --> 00:00:16,609 Netflixドラマの「ストレンジャー・シングス」は 過去の象徴的ポップカルチャーへのラブレターだ 2 00:00:17,099 --> 00:00:26,959 1970~80年代の映画やドラマから引用し ノスタルジアのある光景を作り出してる 3 00:00:36,970 --> 00:00:40,350 すべてがうまく混ざっている 4 00:00:40,505 --> 00:00:44,575 テーマからプロット 5 00:00:46,410 --> 00:00:50,079 脚本から会話 6 00:00:50,219 --> 00:00:51,689 "俺は撃てない" 7 00:00:51,819 --> 00:00:53,939 "なぜそう思う" 8 00:00:54,070 --> 00:00:57,800 "お前が警官だから 規則がある" 9 00:00:57,940 --> 00:01:00,040 "お前が警官だから" 10 00:01:01,030 --> 00:01:02,830 "規則がある" 11 00:01:02,959 --> 00:01:03,699 "そうだな" 12 00:01:03,829 --> 00:01:07,659 しかしノスタルジアに頼りすぎるのは危険だ 13 00:01:07,790 --> 00:01:14,052 過去の中にある有害な表現を 再現する可能性があるからだ 14 00:01:14,209 --> 00:01:20,619 特に男らしさと恋愛に関してそうだ 15 00:01:21,759 --> 00:01:30,619 それが表れたのがストレンジャー・シングス シーズン3のジム・ホッパーというキャラだ 16 00:01:30,749 --> 00:01:37,259 「私立探偵マグナム」にインスパイアされた アロハシャツを着たホッパーは 17 00:01:38,220 --> 00:01:42,379 突然劇的に性格を変える 18 00:01:42,930 --> 00:01:48,599 最初の2シーズンでは 内省的な性格だったのが 19 00:01:48,730 --> 00:01:54,540 シーズン3では攻撃的な性格になった 20 00:01:54,760 --> 00:01:55,750 "おい" 21 00:01:56,750 --> 00:01:57,750 "おい!" 22 00:01:58,420 --> 00:02:01,760 "開けとけって言っただろ!" 23 00:02:02,250 --> 00:02:03,908 "ノックしてよ" 24 00:02:07,220 --> 00:02:11,884 ジョイスとの好戦的な関係は特に問題がある 25 00:02:12,024 --> 00:02:15,410 "変人じゃない 病気なの" 26 00:02:17,310 --> 00:02:18,354 "ああだこうだ" 27 00:02:18,464 --> 00:02:18,994 "え?" 28 00:02:19,100 --> 00:02:20,720 "どっちでも同じだ" 29 00:02:21,070 --> 00:02:21,820 "やめてよ" 30 00:02:21,930 --> 00:02:23,030 "すまないが" 31 00:02:23,140 --> 00:02:23,810 "何だ" 32 00:02:23,920 --> 00:02:27,011 "痴話喧嘩はよそでしてくれ" 33 00:02:27,581 --> 00:02:29,460 "痴話喧嘩じゃない" 34 00:02:29,570 --> 00:02:30,730 "やめて" 35 00:02:31,140 --> 00:02:35,600 その関係性は1980年代の 有名なカップルに由来する 36 00:02:35,730 --> 00:02:40,410 「チアーズ」に出てくる サムとダイアンの愛憎関係だ 37 00:02:40,540 --> 00:02:43,363 "お前はとてつもないバカだ" 38 00:02:43,500 --> 00:02:46,870 "今まで見た中で一番のな" 39 00:02:47,010 --> 00:02:49,640 "あんたこそ一番傲慢な人よ" 40 00:02:49,760 --> 00:02:50,610 "黙れ!" 41 00:02:50,720 --> 00:02:52,000 "口を閉じろ" 42 00:02:52,110 --> 00:02:52,710 "やって" 43 00:02:52,810 --> 00:02:53,640 "やる?" 44 00:02:54,030 --> 00:02:57,700 "お前を壁に叩きつけてやる!" 45 00:02:58,520 --> 00:03:04,090 愛情ある緊張として描かれる 非常に不健康な関係だ 46 00:03:04,220 --> 00:03:10,439 ここでは ハリウッドが描くその緊張関係に 愛情があるという表現はしないでおく 47 00:03:10,589 --> 00:03:15,479 現実には違法な虐待的行動だからだ 48 00:03:15,620 --> 00:03:17,970 "いつもそうしたかった" 49 00:03:18,100 --> 00:03:19,690 "チャンスが来たな" 50 00:03:20,200 --> 00:03:22,443 "あんたなんか嫌い" 51 00:03:22,540 --> 00:03:23,650 "俺と同じか" 52 00:03:23,754 --> 00:03:24,564 "もっとよ" 53 00:03:28,550 --> 00:03:36,110 恋愛の前兆としての敵対は チアーズだけのものではなかった 54 00:03:38,670 --> 00:03:45,639 この有害なパターンは 初期の映画からあり 長く続く伝統の一部ではあった 55 00:03:49,220 --> 00:03:55,610 しかし1980年代にはどこにでも見られた 56 00:03:56,780 --> 00:03:58,720 "私に怒らないでよ" 57 00:03:58,850 --> 00:04:01,130 "いや君に怒っていいはずだ" 58 00:04:01,250 --> 00:04:05,240 "特に先生様に人生を教わっている時はね" 59 00:04:05,370 --> 00:04:06,720 "どういう意味?" 60 00:04:06,850 --> 00:04:10,710 "俺を責めるな 君を助けにここまで来たんだぞ" 61 00:04:10,840 --> 00:04:13,660 "助け?私は一人で平気よ" 62 00:04:13,779 --> 00:04:16,480 "生き延びたら殺してやる" 63 00:04:17,670 --> 00:04:18,344 "何だよ" 64 00:04:18,450 --> 00:04:19,390 "考え過ぎ" 65 00:04:19,515 --> 00:04:23,325 "じゃあ何でついてくる さよならのキスがほしいのか?" 66 00:04:23,440 --> 00:04:24,710 "ウーキーのキスがね" 67 00:04:24,830 --> 00:04:26,160 "いいだろう" 68 00:04:26,465 --> 00:04:27,995 "すぐキスできる" 69 00:04:28,210 --> 00:04:33,370 ハリソン・フォードはそのキャリアを 好戦的な恋愛関係で築いてきた 70 00:04:33,500 --> 00:04:36,030 特にインディー・ジョーンズで 71 00:04:36,150 --> 00:04:38,900 "あんたライオンの調教師?" 72 00:04:39,030 --> 00:04:41,600 "連れてきてやったんだ" 73 00:04:41,740 --> 00:04:45,100 "少し口を閉じてろ" 74 00:04:45,530 --> 00:04:47,180 "わかったか 嬢ちゃん" 75 00:04:47,300 --> 00:04:49,360 "連れてきてやった?" 76 00:04:49,480 --> 00:04:53,179 "あんたが私に夢中になってたんでしょ" 77 00:04:53,319 --> 00:04:54,489 "そうか?" 78 00:04:56,180 --> 00:05:03,099 なぜドラマがそのような耳障りな表現を 取り入れてしまったのか理解するには 79 00:05:03,230 --> 00:05:08,279 最初の2シーズンでのホッパーの キャラ特性を見る必要がある 80 00:05:09,360 --> 00:05:18,260 ホッパーは最初 離婚とトラウマに苦しむ 行き場のないアル中として登場する 81 00:05:18,400 --> 00:05:25,160 何も起こらない町で 警察署長になることを辞退する 82 00:05:25,293 --> 00:05:29,439 "ジョイスの息子が見つかりません" 83 00:05:30,214 --> 00:05:32,674 "そうか 俺に任せろ" 84 00:05:32,820 --> 00:05:33,880 "慌ててます" 85 00:05:34,000 --> 00:05:38,340 "話は終わりだ コーヒー飲んで考えよう" 86 00:05:38,460 --> 00:05:39,000 "でも…" 87 00:05:39,110 --> 00:05:41,850 "コーヒー飲んで考える" 88 00:05:41,980 --> 00:05:48,580 また顔を殴って問題を解決しようとする ちょっとした問題人物でもある 89 00:05:51,790 --> 00:05:56,639 シーズン1での目標は 目的意識を取り戻すことだ 90 00:05:56,770 --> 00:05:57,950 "おい" 91 00:05:58,207 --> 00:05:59,710 "何かあった" 92 00:06:00,115 --> 00:06:08,569 失踪事件の謎を解き明かす過程で 周囲の人々とのつながりを取り戻していく 93 00:06:09,210 --> 00:06:10,800 "君は正しかった" 94 00:06:13,570 --> 00:06:16,040 "ずっと正しかった" 95 00:06:18,449 --> 00:06:22,251 シーズン2でもその方向性でいく 96 00:06:24,790 --> 00:06:31,230 自身の恐怖を乗り越えつつ 再び父親になろうとする 97 00:06:34,600 --> 00:06:36,800 "よし やろう" 98 00:06:38,010 --> 00:06:43,240 まだ気性は荒く 仕事と家庭の 両立はうまくいっていないが 99 00:06:43,359 --> 00:06:46,180 "おい まだ終わってない" 100 00:06:46,300 --> 00:06:53,990 進歩はあり アルコールに依存したり 人を殴ったりすることはない 101 00:06:54,900 --> 00:07:00,069 自分の感情を慎重に扱うことを学習した 102 00:07:01,220 --> 00:07:05,579 "元には戻らない 何事も" 103 00:07:06,199 --> 00:07:07,889 "でもよくはなる" 104 00:07:09,010 --> 00:07:10,390 "ゆっくり" 105 00:07:10,820 --> 00:07:19,294 シーズン2の最後には 心と心を通わせ 自分の気持ちをイレブンと共有した 106 00:07:19,420 --> 00:07:21,700 "怖かったんだ" 107 00:07:22,979 --> 00:07:24,599 "それで俺は" 108 00:07:25,569 --> 00:07:27,169 "怒ってた" 109 00:07:30,410 --> 00:07:32,090 "すまない" 110 00:07:32,615 --> 00:07:36,515 "俺は本当に…" 111 00:07:36,640 --> 00:07:37,620 "バカだった" 112 00:07:37,739 --> 00:07:39,169 "ああ" 113 00:07:39,884 --> 00:07:41,377 "バカだった" 114 00:07:44,750 --> 00:07:50,249 だがシーズン3になると キャラは窓の外に投げられた 115 00:07:50,380 --> 00:07:55,320 1980年代のカウボーイ警官になるために 116 00:07:55,440 --> 00:07:57,470 "やるかクソが" 117 00:07:57,600 --> 00:08:05,660 だがそのアクションヒーローブランドの復活は 不健康な行動を引き起こす地雷原となる 118 00:08:11,300 --> 00:08:18,494 新しいホッパーは横暴な火薬庫であり 関わる女性に対して容赦がない 119 00:08:18,620 --> 00:08:24,480 彼はイレブンと新しいボーイフレンドの マイクの関係を妨害する 120 00:08:25,780 --> 00:08:30,630 "あのいけすかないマイクが あの子をだめにしてる" 121 00:08:30,770 --> 00:08:33,477 "どうにかしないと" 122 00:08:33,607 --> 00:08:35,409 "落ち着いてホッパー" 123 00:08:35,539 --> 00:08:37,050 "別れさせないと" 124 00:08:37,180 --> 00:08:38,670 "あなたは関係ない" 125 00:08:38,790 --> 00:08:42,970 ジョイスはホッパーに 落ち着くように言う 126 00:08:43,100 --> 00:08:44,960 "よく話せば" 127 00:08:45,080 --> 00:08:47,310 "いや話しても無駄だ" 128 00:08:47,430 --> 00:08:50,230 "怒ったり 指図せずに" 129 00:08:50,360 --> 00:08:51,800 "話すの" 130 00:08:52,680 --> 00:08:54,390 "心と心で" 131 00:08:55,920 --> 00:08:57,660 "心と心?" 132 00:08:58,060 --> 00:08:58,860 "何だそれ" 133 00:08:58,990 --> 00:09:06,270 女性が男性の人間関係を助けるために 感情的な労働者となっている 134 00:09:06,385 --> 00:09:09,015 "ほら 言ってみて" 135 00:09:09,540 --> 00:09:14,279 "俺たちが心地いいような 環境を作っていこう" 136 00:09:14,410 --> 00:09:20,510 だがこのバージョンのホッパーは 感情の表現方法を忘れているため 無駄だ 137 00:09:20,630 --> 00:09:22,370 "気持ちを共有する" 138 00:09:22,490 --> 00:09:23,770 "気持ちを共有…" 139 00:09:23,885 --> 00:09:26,665 "いや無駄だ こんなの" 140 00:09:26,800 --> 00:09:27,650 "いけるって" 141 00:09:27,770 --> 00:09:33,279 彼は突然 少女との関わり方が わからなくなった 142 00:09:33,420 --> 00:09:39,029 前のシーズンではできていたのに 143 00:09:39,160 --> 00:09:41,250 "マイクを殺す" 144 00:09:41,550 --> 00:09:43,760 "俺は警察署長だ" 145 00:09:44,690 --> 00:09:52,450 過保護な父親がおかしく演じられるが それは古い家父長制を思い起こさせる 146 00:09:56,790 --> 00:09:57,980 "開けとけ" 147 00:09:58,100 --> 00:10:03,160 若い女性は自分で 正しい判断ができないため 148 00:10:03,290 --> 00:10:09,241 年上の男性が介入して 保護してやるという考え方だ 149 00:10:15,010 --> 00:10:21,660 何かに操られたのか 彼は怒り以外で自分を表現できず 150 00:10:22,480 --> 00:10:27,050 マイクを遠ざけようとして脅迫する 151 00:10:27,170 --> 00:10:28,210 "狂ってる!" 152 00:10:28,330 --> 00:10:30,040 "狂ってる…" 153 00:10:31,190 --> 00:10:33,450 "真の狂気が見たいか?" 154 00:10:34,560 --> 00:10:41,849 これは彼が暴力や脅迫に頼った 多くある例の一つに過ぎない 155 00:10:41,979 --> 00:10:43,139 "正気か?" 156 00:10:43,269 --> 00:10:46,200 "さあな 確かめてみよう" 157 00:10:51,650 --> 00:11:00,809 1980年代のタフガイ表現のように その暴力はカジュアルに描かれる 158 00:11:00,940 --> 00:11:04,480 大量殺人や拷問をしている時でさえも 159 00:11:04,600 --> 00:11:05,984 "制圧した" 160 00:11:06,104 --> 00:11:07,510 "ああ やった" 161 00:11:08,960 --> 00:11:15,460 先程のジョイスとの機能不全な関係は 彼の劇的な退行のもう一つの例だ 162 00:11:15,590 --> 00:11:17,090 "食事行かない?" 163 00:11:17,220 --> 00:11:18,840 "今日はだめ" 164 00:11:19,280 --> 00:11:21,290 "そうか だな" 165 00:11:21,620 --> 00:11:28,900 ジョイスに断られたにもかかわらず 騙してデートしようとする 166 00:11:29,580 --> 00:11:34,380 "食事をしながら話そう 今夜7時はどう?" 167 00:11:34,509 --> 00:11:38,660 "ノーと言う前に 一つはっきりさせたい" 168 00:11:38,800 --> 00:11:40,890 "これはデートじゃない" 169 00:11:41,020 --> 00:11:42,435 "デート?" 170 00:11:42,910 --> 00:11:44,270 "これデートなの?" 171 00:11:44,405 --> 00:11:46,380 "デートじゃないよ" 172 00:11:46,510 --> 00:11:48,970 "誤解しないようにしようと" 173 00:11:49,097 --> 00:11:49,910 "しないわ" 174 00:11:50,035 --> 00:11:52,695 "よかった ただの食事だな" 175 00:11:54,390 --> 00:12:00,478 そして彼女がデートではないものに 来なかったため 彼は怒り出す 176 00:12:01,550 --> 00:12:02,880 "誰かな?" 177 00:12:03,510 --> 00:12:04,380 "話がある" 178 00:12:04,490 --> 00:12:05,770 "そうだね" 179 00:12:06,240 --> 00:12:09,610 "あんな待ちぼうけはなかったな" 180 00:12:10,570 --> 00:12:12,200 "何してる" 181 00:12:12,890 --> 00:12:14,840 前の2シーズンで 182 00:12:14,955 --> 00:12:15,845 "見て" 183 00:12:15,960 --> 00:12:23,178 ジョイスの直感を尊重すべきであることは 過去に学んでいたはずだった 184 00:12:23,930 --> 00:12:29,350 しかし新しいホッパーは 彼女の超常現象に 関する調査をあざ笑っただけだった 185 00:12:29,470 --> 00:12:33,620 "俺に誘われて怖くなったんだろ" 186 00:12:33,750 --> 00:12:39,879 "今も怖くなって発明をし始めた" 187 00:12:40,010 --> 00:12:42,900 "俺を突き放すために" 188 00:12:43,030 --> 00:12:48,450 "なぜなら神が 俺たちが 離れることを禁止したから" 189 00:12:48,590 --> 00:12:51,380 "そういうことかな?ジョイス" 190 00:12:51,510 --> 00:12:53,620 彼の恋愛感情は 191 00:12:53,750 --> 00:12:54,740 "どうだ?" 192 00:12:54,875 --> 00:12:59,065 エスカレートして彼女を 尊重しないというだけでなく 193 00:12:59,450 --> 00:13:04,200 嫉妬も絡み 彼女の他の男性との 関係を監視するようにもなる 194 00:13:04,330 --> 00:13:05,710 "彼の話を聞いて" 195 00:13:05,830 --> 00:13:08,240 "新しい彼氏か?" 196 00:13:08,370 --> 00:13:11,650 "そう 私が話した相手は みんな私の彼氏になるの" 197 00:13:11,780 --> 00:13:13,960 "あいつロシアの人形に似てる" 198 00:13:14,090 --> 00:13:15,060 "あっそう" 199 00:13:15,180 --> 00:13:18,530 "デートしよう また同じ店でか" 200 00:13:18,650 --> 00:13:22,050 その行動は危険なものとしては描かれず 201 00:13:22,170 --> 00:13:26,120 むしろ誘惑的なものとして描かれる 202 00:13:26,240 --> 00:13:29,740 "どうする?歩いて帰るか?" 203 00:13:29,870 --> 00:13:32,560 "あなたから離れるなら何でもいい" 204 00:13:32,680 --> 00:13:34,180 "君たち" 205 00:13:34,310 --> 00:13:39,770 "ふざけた演技はやめて 二人の愛を認め合ったらどうだ?" 206 00:13:39,900 --> 00:13:40,760 "ありえん!" 207 00:13:40,880 --> 00:13:43,160 "ちょっと下がってて" 208 00:13:43,300 --> 00:13:46,400 "やめて やめて" 209 00:13:48,000 --> 00:13:53,570 女優のエヴァン・レイチェル・ウッドが ツイッターでホッパーの有害性を指摘すると 210 00:13:53,690 --> 00:13:59,930 何が問題かわからなかった人たちから 大量の擁護コメントが送られた 211 00:14:00,070 --> 00:14:02,680 "教えてやろう" 212 00:14:03,600 --> 00:14:08,380 架空の人物の口喧嘩を見るのは楽しいが 213 00:14:08,520 --> 00:14:13,050 メディアがそれを恋愛として描くことは 214 00:14:13,170 --> 00:14:17,729 攻撃も恋愛の一部だという考えを強化しかねない 215 00:14:19,750 --> 00:14:27,239 精神的虐待の深刻さが 軽視される可能性もある 216 00:14:28,200 --> 00:14:37,009 実際には 精神的虐待は 身体的暴力と同じくらい有害なものだ 217 00:14:38,990 --> 00:14:42,189 メディアは危険な神話を広めている 218 00:14:42,310 --> 00:14:51,052 横暴な男性はその攻撃性を下げるためにも 特別な女性が必要なのだと 219 00:14:51,200 --> 00:14:56,259 しかし親密な相手こそ 怒りの矛先になる場合が多い 220 00:14:56,990 --> 00:15:00,639 ホッパーのような男性に女性は必要ない 221 00:15:00,764 --> 00:15:04,004 必要なのはセラピーだ 222 00:15:06,500 --> 00:15:14,660 ドラマの脚本家は不健康な関係を 批判のためあえて描いたのかと期待しても 223 00:15:14,800 --> 00:15:19,374 シーズン最後のエピソードで そうではないことが明らかになる 224 00:15:21,729 --> 00:15:24,708 "俺たちいろいろあったけど" 225 00:15:26,530 --> 00:15:28,500 "いいチームだと思う" 226 00:15:28,619 --> 00:15:38,899 1980年代の恋愛ドラマから来たシーンで ジョイスはホッパーの態度に好意的に応える 227 00:15:39,040 --> 00:15:41,192 "金曜8時?" 228 00:15:41,322 --> 00:15:49,579 このような筋書きは 攻撃的な行動も 愛情のサインなのだという観念を強化する 229 00:15:49,710 --> 00:15:52,380 "確認するけど…" 230 00:15:53,304 --> 00:15:56,404 "それはデート? 一応そこははっきり…" 231 00:15:56,538 --> 00:15:57,389 "ホップ" 232 00:15:57,916 --> 00:15:59,766 "私の気が変わらないうちに黙って" 233 00:15:59,895 --> 00:16:00,895 "わかった" 234 00:16:01,030 --> 00:16:07,725 人々を不健康な関係に留まらせる ねじれた論理である 235 00:16:09,200 --> 00:16:12,150 "頑張ってサム 頑張って" 236 00:16:13,540 --> 00:16:21,080 ドラマチックな緊張関係を簡単に描けるため 作家は戦闘的な相互作用を取り入れるのを好む 237 00:16:21,200 --> 00:16:24,579 だが衝突を書く方法は他にもある 238 00:16:24,709 --> 00:16:29,739 例えば 外圧がかかっている場合とか 239 00:16:30,949 --> 00:16:37,359 トラウマ体験の共有もそうだし それはストレンジャー・シングスにもあった 240 00:16:37,490 --> 00:16:43,780 恋愛関係を敵対関係ばかりから 書き続ける正当な理由はない 241 00:16:45,070 --> 00:16:51,559 考えてみると 健康的な人間関係が スクリーンで描かれることはめったにない 242 00:16:51,700 --> 00:16:57,739 しかしながらストレンジャー・シングスにも 前向きな恋愛関係の例はあった 243 00:16:57,849 --> 00:16:58,470 "どうも" 244 00:16:58,570 --> 00:16:59,150 "どうも" 245 00:16:59,250 --> 00:17:02,890 "これの他の色のはある?" 246 00:17:04,269 --> 00:17:05,899 "確認します" 247 00:17:06,890 --> 00:17:13,808 ボブはジョイスの陽気な恋人で シーズン2から登場した 248 00:17:15,790 --> 00:17:20,880 ボブはジョイスの話を聞き 気持ちを尊重する 249 00:17:21,010 --> 00:17:22,560 "バカみたいでしょ" 250 00:17:22,680 --> 00:17:25,470 "いや そんなことないよ" 251 00:17:25,600 --> 00:17:30,269 自分が望んでいる関係も正直に話す 252 00:17:30,399 --> 00:17:32,680 "ホーキングに引っ越すのは?" 253 00:17:33,230 --> 00:17:33,950 "一緒に" 254 00:17:34,060 --> 00:17:34,680 "え?" 255 00:17:34,785 --> 00:17:36,715 "いや おかしいよね" 256 00:17:37,180 --> 00:17:42,584 ホッパーがシーズン3で ジョイスを扱う方法とは正反対だ 257 00:17:42,724 --> 00:17:45,235 "君が好きだ" 258 00:17:45,770 --> 00:17:49,020 "君に関わっているものも" 259 00:17:49,150 --> 00:17:50,530 "家族も息子も" 260 00:17:50,660 --> 00:17:55,389 ボブの愛情深い性格は 恋愛ドラマでは珍しい 261 00:17:55,520 --> 00:18:00,760 珍しすぎて 私たち視聴者は 262 00:18:00,890 --> 00:18:08,160 彼には何か裏があるのではないかと 自動的に想定する 263 00:18:08,300 --> 00:18:09,399 "誰か来た" 264 00:18:10,084 --> 00:18:11,344 "僕を見て" 265 00:18:11,607 --> 00:18:14,167 "ジョイス・バイヤーズとデートしてる" 266 00:18:14,350 --> 00:18:16,670 "嘘だろ?ありえない" 267 00:18:17,610 --> 00:18:19,510 "全部うまくいく" 268 00:18:19,630 --> 00:18:20,630 "そうね" 269 00:18:20,760 --> 00:18:31,769 視聴者は愛情深い男性キャラが 実際には悪人であることを期待する 270 00:18:31,909 --> 00:18:34,559 "期待していいんだな?" 271 00:18:35,000 --> 00:18:39,560 もしその男性キャラが 最初の印象通りの人物なら 272 00:18:39,690 --> 00:18:41,820 "ボブ・ニュービー スーパーヒーローさ" 273 00:18:41,940 --> 00:18:47,080 大抵は他の男性キャラを 引き立たせるために殺される 274 00:18:47,220 --> 00:18:51,469 "僕らみたいな大人しい人が利用される" 275 00:18:51,600 --> 00:18:54,590 "もっとやれよって" 276 00:18:56,490 --> 00:18:58,470 "なぜそうするのか" 277 00:18:59,910 --> 00:19:02,975 "自分が強いと感じたいんだ" 278 00:19:04,890 --> 00:19:11,000 未知の世界で生き残るための 「能力を持っている」とされるのは 279 00:19:11,150 --> 00:19:15,159 ホッパーのような 暴力的なタフガイだと描く 280 00:19:15,280 --> 00:19:21,242 攻撃的な男性性という理想を 正当化するのに役立つ手法だ 281 00:19:22,900 --> 00:19:32,059 多くの人が虐待と認識できない理由は それを善良な男性がするところにある 282 00:19:32,980 --> 00:19:39,070 その男性は魅力的で勇敢に描かれている 283 00:19:39,930 --> 00:19:47,360 現実世界で虐待する男性のように 彼らは常に暴力的であるわけではない 284 00:19:47,510 --> 00:19:56,256 暴力は波のように現れ 優しい時もあれば反省する時もある 285 00:19:57,630 --> 00:20:03,539 ホッパーは「善人」なので 視聴者は 彼がジョイスと一緒になることを望む 286 00:20:03,680 --> 00:20:14,224 怒り 嫉妬 数々の問題行動にもかかわらず 視聴者は彼の側につくよう仕向けられる 287 00:20:14,640 --> 00:20:19,130 ホッパーは単純な間抜けではないからだ 288 00:20:19,280 --> 00:20:28,470 私たちは彼の内省的で優しい一面を 前の2つのシーズンで見てきている 289 00:20:29,130 --> 00:20:39,213 シーズン3の終わりには 彼が深い部分では 善人であると描かれるシーンもある 290 00:20:39,530 --> 00:20:46,709 彼は世界と愛する人々を救うために 命を賭けているように見える 291 00:20:46,850 --> 00:20:56,730 この自己犠牲表現は将来動画にする予定だが 今はそれ自体は悪くはないと言っておく 292 00:20:56,880 --> 00:21:04,413 だがホッパーのような問題を抱えた男性キャラは 英雄的な死が償いとして描かれることがよくある 293 00:21:06,940 --> 00:21:14,904 その手軽さをもって男性は ゆっくりとした 痛みを伴う変化をする必要から逃れている 294 00:21:17,819 --> 00:21:23,129 最後のフラッシュバックも 同様の目的を果たしている 295 00:21:24,229 --> 00:21:30,439 自身の感情をイレブンとどう共有するか 考えているシーンで彼の心の声が聞こえる 296 00:21:30,579 --> 00:21:33,869 "でも最近は感じている" 297 00:21:35,389 --> 00:21:37,389 "君との距離を" 298 00:21:38,049 --> 00:21:42,289 "君が遠くに行ったみたいに" 299 00:21:42,419 --> 00:21:50,269 ナレーションが 誠実で思いやりがあり 傷つきやすい男性であることを思い出させる 300 00:21:50,409 --> 00:21:55,819 問題は気持ちがあっても 行動が伴わなければ意味がないことだ 301 00:21:55,959 --> 00:22:02,122 そしてホッパーは結局 少女と心を通わせることをしなかった 302 00:22:03,650 --> 00:22:13,030 ホッパーの死は 彼が振りまき続けた害悪を 免罪するために配置されている 303 00:22:13,180 --> 00:22:19,140 実際に謝罪したり 行動を修正したりすることなく 304 00:22:21,380 --> 00:22:31,059 問題は 男性が怒りの問題を抱え 不適切な行動をする描写ではない 305 00:22:31,199 --> 00:22:37,579 キャラが欠点を持つことは 親しみを持たせるための重要な要素だ 306 00:22:37,720 --> 00:22:41,400 問題は その欠点の描き方だ 307 00:22:43,680 --> 00:22:48,470 不健康な行動の言い訳にしていないか? 308 00:22:48,620 --> 00:22:53,179 重大な懸念として描いているか? 309 00:22:53,949 --> 00:22:59,669 そして 男性は変化することを学んでいるか? 310 00:22:59,970 --> 00:23:07,049 アドベンチャーもので男性ヒーローが 行動を変える方法を学ぶことはめったにない 311 00:23:07,200 --> 00:23:12,319 うまくコミュニケーションを取る方法 健康な関係を構築する方法を 312 00:23:12,460 --> 00:23:14,940 "何て言った?" 313 00:23:19,630 --> 00:23:27,864 シーズン2の最後では ホッパーは 古い男らしさの制約から解放されたように見えた 314 00:23:27,990 --> 00:23:33,110 残念なことに 製作者がインスピレーションを 懐かしいものの中に無批判に頼ると 315 00:23:33,240 --> 00:23:37,740 男性キャラの新しい可能性が想像できなくなる 316 00:23:41,190 --> 00:23:45,703 その結果 男性が過去に囚われたまま 317 00:23:45,840 --> 00:23:51,810 退廃的な男らしさの理想を 抱き続ける危険性があるのだ