0:00:08.789,0:00:16.609 Netflixドラマの「ストレンジャー・シングス」は[br]過去の象徴的ポップカルチャーへのラブレターだ 0:00:17.099,0:00:26.959 1970~80年代の映画やドラマから引用し[br]ノスタルジアのある光景を作り出してる 0:00:36.970,0:00:40.350 すべてがうまく混ざっている 0:00:40.505,0:00:44.575 テーマからプロット 0:00:46.410,0:00:50.079 脚本から会話 0:00:50.219,0:00:51.689 "俺は撃てない" 0:00:51.819,0:00:53.939 "なぜそう思う" 0:00:54.070,0:00:57.800 "お前が警官だから[br]規則がある" 0:00:57.940,0:01:00.040 "お前が警官だから" 0:01:01.030,0:01:02.830 "規則がある" 0:01:02.959,0:01:03.699 "そうだな" 0:01:03.829,0:01:07.659 しかしノスタルジアに頼りすぎるのは危険だ 0:01:07.790,0:01:14.052 過去の中にある有害な表現を[br]再現する可能性があるからだ 0:01:14.209,0:01:20.619 特に男らしさと恋愛に関してそうだ 0:01:21.759,0:01:30.619 それが表れたのがストレンジャー・シングス[br]シーズン3のジム・ホッパーというキャラだ 0:01:30.749,0:01:37.259 「私立探偵マグナム」にインスパイアされた[br]アロハシャツを着たホッパーは 0:01:38.220,0:01:42.379 突然劇的に性格を変える 0:01:42.930,0:01:48.599 最初の2シーズンでは[br]内省的な性格だったのが 0:01:48.730,0:01:54.540 シーズン3では攻撃的な性格になった 0:01:54.760,0:01:55.750 "おい" 0:01:56.750,0:01:57.750 "おい!" 0:01:58.420,0:02:01.760 "開けとけって言っただろ!" 0:02:02.250,0:02:03.908 "ノックしてよ" 0:02:07.220,0:02:11.884 ジョイスとの好戦的な関係は特に問題がある 0:02:12.024,0:02:15.410 "変人じゃない 病気なの" 0:02:17.310,0:02:18.354 "ああだこうだ" 0:02:18.464,0:02:18.994 "え?" 0:02:19.100,0:02:20.720 "どっちでも同じだ" 0:02:21.070,0:02:21.820 "やめてよ" 0:02:21.930,0:02:23.030 "すまないが" 0:02:23.140,0:02:23.810 "何だ" 0:02:23.920,0:02:27.011 "痴話喧嘩はよそでしてくれ" 0:02:27.581,0:02:29.460 "痴話喧嘩じゃない" 0:02:29.570,0:02:30.730 "やめて" 0:02:31.140,0:02:35.600 その関係性は1980年代の[br]有名なカップルに由来する 0:02:35.730,0:02:40.410 「チアーズ」に出てくる[br]サムとダイアンの愛憎関係だ 0:02:40.540,0:02:43.363 "お前はとてつもないバカだ" 0:02:43.500,0:02:46.870 "今まで見た中で一番のな" 0:02:47.010,0:02:49.640 "あんたこそ一番傲慢な人よ" 0:02:49.760,0:02:50.610 "黙れ!" 0:02:50.720,0:02:52.000 "口を閉じろ" 0:02:52.110,0:02:52.710 "やって" 0:02:52.810,0:02:53.640 "やる?" 0:02:54.030,0:02:57.700 "お前を壁に叩きつけてやる!" 0:02:58.520,0:03:04.090 愛情ある緊張として描かれる[br]非常に不健康な関係だ 0:03:04.220,0:03:10.439 ここでは ハリウッドが描くその緊張関係に[br]愛情があるという表現はしないでおく 0:03:10.589,0:03:15.479 現実には違法な虐待的行動だからだ 0:03:15.620,0:03:17.970 "いつもそうしたかった" 0:03:18.100,0:03:19.690 "チャンスが来たな" 0:03:20.200,0:03:22.443 "あんたなんか嫌い" 0:03:22.540,0:03:23.650 "俺と同じか" 0:03:23.754,0:03:24.564 "もっとよ" 0:03:28.550,0:03:36.110 恋愛の前兆としての敵対は[br]チアーズだけのものではなかった 0:03:38.670,0:03:45.639 この有害なパターンは 初期の映画からあり[br]長く続く伝統の一部ではあった 0:03:49.220,0:03:55.610 しかし1980年代にはどこにでも見られた 0:03:56.780,0:03:58.720 "私に怒らないでよ" 0:03:58.850,0:04:01.130 "いや君に怒っていいはずだ" 0:04:01.250,0:04:05.240 "特に先生様に人生を教わっている時はね" 0:04:05.370,0:04:06.720 "どういう意味?" 0:04:06.850,0:04:10.710 "俺を責めるな[br]君を助けにここまで来たんだぞ" 0:04:10.840,0:04:13.660 "助け?私は一人で平気よ" 0:04:13.779,0:04:16.480 "生き延びたら殺してやる" 0:04:17.670,0:04:18.344 "何だよ" 0:04:18.450,0:04:19.390 "考え過ぎ" 0:04:19.515,0:04:23.325 "じゃあ何でついてくる[br]さよならのキスがほしいのか?" 0:04:23.440,0:04:24.710 "ウーキーのキスがね" 0:04:24.830,0:04:26.160 "いいだろう" 0:04:26.465,0:04:27.995 "すぐキスできる" 0:04:28.210,0:04:33.370 ハリソン・フォードはそのキャリアを[br]好戦的な恋愛関係で築いてきた 0:04:33.500,0:04:36.030 特にインディー・ジョーンズで 0:04:36.150,0:04:38.900 "あんたライオンの調教師?" 0:04:39.030,0:04:41.600 "連れてきてやったんだ" 0:04:41.740,0:04:45.100 "少し口を閉じてろ" 0:04:45.530,0:04:47.180 "わかったか 嬢ちゃん" 0:04:47.300,0:04:49.360 "連れてきてやった?" 0:04:49.480,0:04:53.179 "あんたが私に夢中になってたんでしょ" 0:04:53.319,0:04:54.489 "そうか?" 0:04:56.180,0:05:03.099 なぜドラマがそのような耳障りな表現を[br]取り入れてしまったのか理解するには 0:05:03.230,0:05:08.279 最初の2シーズンでのホッパーの[br]キャラ特性を見る必要がある 0:05:09.360,0:05:18.260 ホッパーは最初 離婚とトラウマに苦しむ[br]行き場のないアル中として登場する 0:05:18.400,0:05:25.160 何も起こらない町で[br]警察署長になることを辞退する 0:05:25.293,0:05:29.439 "ジョイスの息子が見つかりません" 0:05:30.214,0:05:32.674 "そうか 俺に任せろ" 0:05:32.820,0:05:33.880 "慌ててます" 0:05:34.000,0:05:38.340 "話は終わりだ[br]コーヒー飲んで考えよう" 0:05:38.460,0:05:39.000 "でも…" 0:05:39.110,0:05:41.850 "コーヒー飲んで考える" 0:05:41.980,0:05:48.580 また顔を殴って問題を解決しようとする[br]ちょっとした問題人物でもある 0:05:51.790,0:05:56.639 シーズン1での目標は[br]目的意識を取り戻すことだ 0:05:56.770,0:05:57.950 "おい" 0:05:58.207,0:05:59.710 "何かあった" 0:06:00.115,0:06:08.569 失踪事件の謎を解き明かす過程で[br]周囲の人々とのつながりを取り戻していく 0:06:09.210,0:06:10.800 "君は正しかった" 0:06:13.570,0:06:16.040 "ずっと正しかった" 0:06:18.449,0:06:22.251 シーズン2でもその方向性でいく 0:06:24.790,0:06:31.230 自身の恐怖を乗り越えつつ[br]再び父親になろうとする 0:06:34.600,0:06:36.800 "よし やろう" 0:06:38.010,0:06:43.240 まだ気性は荒く 仕事と家庭の[br]両立はうまくいっていないが 0:06:43.359,0:06:46.180 "おい まだ終わってない" 0:06:46.300,0:06:53.990 進歩はあり アルコールに依存したり[br]人を殴ったりすることはない 0:06:54.900,0:07:00.069 自分の感情を慎重に扱うことを学習した 0:07:01.220,0:07:05.579 "元には戻らない 何事も" 0:07:06.199,0:07:07.889 "でもよくはなる" 0:07:09.010,0:07:10.390 "ゆっくり" 0:07:10.820,0:07:19.294 シーズン2の最後には 心と心を通わせ[br]自分の気持ちをイレブンと共有した 0:07:19.420,0:07:21.700 "怖かったんだ" 0:07:22.979,0:07:24.599 "それで俺は" 0:07:25.569,0:07:27.169 "怒ってた" 0:07:30.410,0:07:32.090 "すまない" 0:07:32.615,0:07:36.515 "俺は本当に…" 0:07:36.640,0:07:37.620 "バカだった" 0:07:37.739,0:07:39.169 "ああ" 0:07:39.884,0:07:41.377 "バカだった" 0:07:44.750,0:07:50.249 だがシーズン3になると[br]キャラは窓の外に投げられた 0:07:50.380,0:07:55.320 1980年代のカウボーイ警官になるために 0:07:55.440,0:07:57.470 "やるかクソが" 0:07:57.600,0:08:05.660 だがそのアクションヒーローブランドの復活は[br]不健康な行動を引き起こす地雷原となる 0:08:11.300,0:08:18.494 新しいホッパーは横暴な火薬庫であり[br]関わる女性に対して容赦がない 0:08:18.620,0:08:24.480 彼はイレブンと新しいボーイフレンドの[br]マイクの関係を妨害する 0:08:25.780,0:08:30.630 "あのいけすかないマイクが[br]あの子をだめにしてる" 0:08:30.770,0:08:33.477 "どうにかしないと" 0:08:33.607,0:08:35.409 "落ち着いてホッパー" 0:08:35.539,0:08:37.050 "別れさせないと" 0:08:37.180,0:08:38.670 "あなたは関係ない" 0:08:38.790,0:08:42.970 ジョイスはホッパーに[br]落ち着くように言う 0:08:43.100,0:08:44.960 "よく話せば" 0:08:45.080,0:08:47.310 "いや話しても無駄だ" 0:08:47.430,0:08:50.230 "怒ったり 指図せずに" 0:08:50.360,0:08:51.800 "話すの" 0:08:52.680,0:08:54.390 "心と心で" 0:08:55.920,0:08:57.660 "心と心?" 0:08:58.060,0:08:58.860 "何だそれ" 0:08:58.990,0:09:06.270 女性が男性の人間関係を助けるために[br]感情的な労働者となっている 0:09:06.385,0:09:09.015 "ほら 言ってみて" 0:09:09.540,0:09:14.279 "俺たちが心地いいような[br]環境を作っていこう" 0:09:14.410,0:09:20.510 だがこのバージョンのホッパーは[br]感情の表現方法を忘れているため 無駄だ 0:09:20.630,0:09:22.370 "気持ちを共有する" 0:09:22.490,0:09:23.770 "気持ちを共有…" 0:09:23.885,0:09:26.665 "いや無駄だ こんなの" 0:09:26.800,0:09:27.650 "いけるって" 0:09:27.770,0:09:33.279 彼は突然 少女との関わり方が[br]わからなくなった 0:09:33.420,0:09:39.029 前のシーズンではできていたのに 0:09:39.160,0:09:41.250 "マイクを殺す" 0:09:41.550,0:09:43.760 "俺は警察署長だ" 0:09:44.690,0:09:52.450 過保護な父親がおかしく演じられるが[br]それは古い家父長制を思い起こさせる 0:09:56.790,0:09:57.980 "開けとけ" 0:09:58.100,0:10:03.160 若い女性は自分で[br]正しい判断ができないため 0:10:03.290,0:10:09.241 年上の男性が介入して[br]保護してやるという考え方だ 0:10:15.010,0:10:21.660 何かに操られたのか[br]彼は怒り以外で自分を表現できず 0:10:22.480,0:10:27.050 マイクを遠ざけようとして脅迫する 0:10:27.170,0:10:28.210 "狂ってる!" 0:10:28.330,0:10:30.040 "狂ってる…" 0:10:31.190,0:10:33.450 "真の狂気が見たいか?" 0:10:34.560,0:10:41.849 これは彼が暴力や脅迫に頼った[br]多くある例の一つに過ぎない 0:10:41.979,0:10:43.139 "正気か?" 0:10:43.269,0:10:46.200 "さあな 確かめてみよう" 0:10:51.650,0:11:00.809 1980年代のタフガイ表現のように[br]その暴力はカジュアルに描かれる 0:11:00.940,0:11:04.480 大量殺人や拷問をしている時でさえも 0:11:04.600,0:11:05.984 "制圧した" 0:11:06.104,0:11:07.510 "ああ やった" 0:11:08.960,0:11:15.460 先程のジョイスとの機能不全な関係は[br]彼の劇的な退行のもう一つの例だ 0:11:15.590,0:11:17.090 "食事行かない?" 0:11:17.220,0:11:18.840 "今日はだめ" 0:11:19.280,0:11:21.290 "そうか だな" 0:11:21.620,0:11:28.900 ジョイスに断られたにもかかわらず[br]騙してデートしようとする 0:11:29.580,0:11:34.380 "食事をしながら話そう[br]今夜7時はどう?" 0:11:34.509,0:11:38.660 "ノーと言う前に[br]一つはっきりさせたい" 0:11:38.800,0:11:40.890 "これはデートじゃない" 0:11:41.020,0:11:42.435 "デート?" 0:11:42.910,0:11:44.270 "これデートなの?" 0:11:44.405,0:11:46.380 "デートじゃないよ" 0:11:46.510,0:11:48.970 "誤解しないようにしようと" 0:11:49.097,0:11:49.910 "しないわ" 0:11:50.035,0:11:52.695 "よかった ただの食事だな" 0:11:54.390,0:12:00.478 そして彼女がデートではないものに[br]来なかったため 彼は怒り出す 0:12:01.550,0:12:02.880 "誰かな?" 0:12:03.510,0:12:04.380 "話がある" 0:12:04.490,0:12:05.770 "そうだね" 0:12:06.240,0:12:09.610 "あんな待ちぼうけはなかったな" 0:12:10.570,0:12:12.200 "何してる" 0:12:12.890,0:12:14.840 前の2シーズンで 0:12:14.955,0:12:15.845 "見て" 0:12:15.960,0:12:23.178 ジョイスの直感を尊重すべきであることは[br]過去に学んでいたはずだった 0:12:23.930,0:12:29.350 しかし新しいホッパーは 彼女の超常現象に[br]関する調査をあざ笑っただけだった 0:12:29.470,0:12:33.620 "俺に誘われて怖くなったんだろ" 0:12:33.750,0:12:39.879 "今も怖くなって発明をし始めた" 0:12:40.010,0:12:42.900 "俺を突き放すために" 0:12:43.030,0:12:48.450 "なぜなら神が 俺たちが[br]離れることを禁止したから" 0:12:48.590,0:12:51.380 "そういうことかな?ジョイス" 0:12:51.510,0:12:53.620 彼の恋愛感情は 0:12:53.750,0:12:54.740 "どうだ?" 0:12:54.875,0:12:59.065 エスカレートして彼女を[br]尊重しないというだけでなく 0:12:59.450,0:13:04.200 嫉妬も絡み 彼女の他の男性との[br]関係を監視するようにもなる 0:13:04.330,0:13:05.710 "彼の話を聞いて" 0:13:05.830,0:13:08.240 "新しい彼氏か?" 0:13:08.370,0:13:11.650 "そう 私が話した相手は[br]みんな私の彼氏になるの" 0:13:11.780,0:13:13.960 "あいつロシアの人形に似てる" 0:13:14.090,0:13:15.060 "あっそう" 0:13:15.180,0:13:18.530 "デートしよう また同じ店でか" 0:13:18.650,0:13:22.050 その行動は危険なものとしては描かれず 0:13:22.170,0:13:26.120 むしろ誘惑的なものとして描かれる 0:13:26.240,0:13:29.740 "どうする?歩いて帰るか?" 0:13:29.870,0:13:32.560 "あなたから離れるなら何でもいい" 0:13:32.680,0:13:34.180 "君たち" 0:13:34.310,0:13:39.770 "ふざけた演技はやめて[br]二人の愛を認め合ったらどうだ?" 0:13:39.900,0:13:40.760 "ありえん!" 0:13:40.880,0:13:43.160 "ちょっと下がってて" 0:13:43.300,0:13:46.400 "やめて やめて" 0:13:48.000,0:13:53.570 女優のエヴァン・レイチェル・ウッドが[br]ツイッターでホッパーの有害性を指摘すると 0:13:53.690,0:13:59.930 何が問題かわからなかった人たちから[br]大量の擁護コメントが送られた 0:14:00.070,0:14:02.680 "教えてやろう" 0:14:03.600,0:14:08.380 架空の人物の口喧嘩を見るのは楽しいが 0:14:08.520,0:14:13.050 メディアがそれを恋愛として描くことは 0:14:13.170,0:14:17.729 攻撃も恋愛の一部だという考えを強化しかねない 0:14:19.750,0:14:27.239 精神的虐待の深刻さが[br]軽視される可能性もある 0:14:28.200,0:14:37.009 実際には 精神的虐待は[br]身体的暴力と同じくらい有害なものだ 0:14:38.990,0:14:42.189 メディアは危険な神話を広めている 0:14:42.310,0:14:51.052 横暴な男性はその攻撃性を下げるためにも[br]特別な女性が必要なのだと 0:14:51.200,0:14:56.259 しかし親密な相手こそ[br]怒りの矛先になる場合が多い 0:14:56.990,0:15:00.639 ホッパーのような男性に女性は必要ない 0:15:00.764,0:15:04.004 必要なのはセラピーだ 0:15:06.500,0:15:14.660 ドラマの脚本家は不健康な関係を[br]批判のためあえて描いたのかと期待しても 0:15:14.800,0:15:19.374 シーズン最後のエピソードで[br]そうではないことが明らかになる 0:15:21.729,0:15:24.708 "俺たちいろいろあったけど" 0:15:26.530,0:15:28.500 "いいチームだと思う" 0:15:28.619,0:15:38.899 1980年代の恋愛ドラマから来たシーンで[br]ジョイスはホッパーの態度に好意的に応える 0:15:39.040,0:15:41.192 "金曜8時?" 0:15:41.322,0:15:49.579 このような筋書きは 攻撃的な行動も[br]愛情のサインなのだという観念を強化する 0:15:49.710,0:15:52.380 "確認するけど…" 0:15:53.304,0:15:56.404 "それはデート?[br]一応そこははっきり…" 0:15:56.538,0:15:57.389 "ホップ" 0:15:57.916,0:15:59.766 "私の気が変わらないうちに黙って" 0:15:59.895,0:16:00.895 "わかった" 0:16:01.030,0:16:07.725 人々を不健康な関係に留まらせる[br]ねじれた論理である 0:16:09.200,0:16:12.150 "頑張ってサム 頑張って" 0:16:13.540,0:16:21.080 ドラマチックな緊張関係を簡単に描けるため[br]作家は戦闘的な相互作用を取り入れるのを好む 0:16:21.200,0:16:24.579 だが衝突を書く方法は他にもある 0:16:24.709,0:16:29.739 例えば 外圧がかかっている場合とか 0:16:30.949,0:16:37.359 トラウマ体験の共有もそうだし[br]それはストレンジャー・シングスにもあった 0:16:37.490,0:16:43.780 恋愛関係を敵対関係ばかりから[br]書き続ける正当な理由はない 0:16:45.070,0:16:51.559 考えてみると 健康的な人間関係が[br]スクリーンで描かれることはめったにない 0:16:51.700,0:16:57.739 しかしながらストレンジャー・シングスにも[br]前向きな恋愛関係の例はあった 0:16:57.849,0:16:58.470 "どうも" 0:16:58.570,0:16:59.150 "どうも" 0:16:59.250,0:17:02.890 "これの他の色のはある?" 0:17:04.269,0:17:05.899 "確認します" 0:17:06.890,0:17:13.808 ボブはジョイスの陽気な恋人で[br]シーズン2から登場した 0:17:15.790,0:17:20.880 ボブはジョイスの話を聞き[br]気持ちを尊重する 0:17:21.010,0:17:22.560 "バカみたいでしょ" 0:17:22.680,0:17:25.470 "いや そんなことないよ" 0:17:25.600,0:17:30.269 自分が望んでいる関係も正直に話す 0:17:30.399,0:17:32.680 "ホーキングに引っ越すのは?" 0:17:33.230,0:17:33.950 "一緒に" 0:17:34.060,0:17:34.680 "え?" 0:17:34.785,0:17:36.715 "いや おかしいよね" 0:17:37.180,0:17:42.584 ホッパーがシーズン3で[br]ジョイスを扱う方法とは正反対だ 0:17:42.724,0:17:45.235 "君が好きだ" 0:17:45.770,0:17:49.020 "君に関わっているものも" 0:17:49.150,0:17:50.530 "家族も息子も" 0:17:50.660,0:17:55.389 ボブの愛情深い性格は[br]恋愛ドラマでは珍しい 0:17:55.520,0:18:00.760 珍しすぎて 私たち視聴者は 0:18:00.890,0:18:08.160 彼には何か裏があるのではないかと[br]自動的に想定する 0:18:08.300,0:18:09.399 "誰か来た" 0:18:10.084,0:18:11.344 "僕を見て" 0:18:11.607,0:18:14.167 "ジョイス・バイヤーズとデートしてる" 0:18:14.350,0:18:16.670 "嘘だろ?ありえない" 0:18:17.610,0:18:19.510 "全部うまくいく" 0:18:19.630,0:18:20.630 "そうね" 0:18:20.760,0:18:31.769 視聴者は愛情深い男性キャラが[br]実際には悪人であることを期待する 0:18:31.909,0:18:34.559 "期待していいんだな?" 0:18:35.000,0:18:39.560 もしその男性キャラが[br]最初の印象通りの人物なら 0:18:39.690,0:18:41.820 "ボブ・ニュービー[br]スーパーヒーローさ" 0:18:41.940,0:18:47.080 大抵は他の男性キャラを[br]引き立たせるために殺される 0:18:47.220,0:18:51.469 "僕らみたいな大人しい人が利用される" 0:18:51.600,0:18:54.590 "もっとやれよって" 0:18:56.490,0:18:58.470 "なぜそうするのか" 0:18:59.910,0:19:02.975 "自分が強いと感じたいんだ" 0:19:04.890,0:19:11.000 未知の世界で生き残るための[br]「能力を持っている」とされるのは 0:19:11.150,0:19:15.159 ホッパーのような[br]暴力的なタフガイだと描く 0:19:15.280,0:19:21.242 攻撃的な男性性という理想を[br]正当化するのに役立つ手法だ 0:19:22.900,0:19:32.059 多くの人が虐待と認識できない理由は[br]それを善良な男性がするところにある 0:19:32.980,0:19:39.070 その男性は魅力的で勇敢に描かれている 0:19:39.930,0:19:47.360 現実世界で虐待する男性のように[br]彼らは常に暴力的であるわけではない 0:19:47.510,0:19:56.256 暴力は波のように現れ[br]優しい時もあれば反省する時もある 0:19:57.630,0:20:03.539 ホッパーは「善人」なので 視聴者は[br]彼がジョイスと一緒になることを望む 0:20:03.680,0:20:14.224 怒り 嫉妬 数々の問題行動にもかかわらず[br]視聴者は彼の側につくよう仕向けられる 0:20:14.640,0:20:19.130 ホッパーは単純な間抜けではないからだ 0:20:19.280,0:20:28.470 私たちは彼の内省的で優しい一面を[br]前の2つのシーズンで見てきている 0:20:29.130,0:20:39.213 シーズン3の終わりには 彼が深い部分では[br]善人であると描かれるシーンもある 0:20:39.530,0:20:46.709 彼は世界と愛する人々を救うために[br]命を賭けているように見える 0:20:46.850,0:20:56.730 この自己犠牲表現は将来動画にする予定だが[br]今はそれ自体は悪くはないと言っておく 0:20:56.880,0:21:04.413 だがホッパーのような問題を抱えた男性キャラは[br]英雄的な死が償いとして描かれることがよくある 0:21:06.940,0:21:14.904 その手軽さをもって男性は ゆっくりとした[br]痛みを伴う変化をする必要から逃れている 0:21:17.819,0:21:23.129 最後のフラッシュバックも[br]同様の目的を果たしている 0:21:24.229,0:21:30.439 自身の感情をイレブンとどう共有するか[br]考えているシーンで彼の心の声が聞こえる 0:21:30.579,0:21:33.869 "でも最近は感じている" 0:21:35.389,0:21:37.389 "君との距離を" 0:21:38.049,0:21:42.289 "君が遠くに行ったみたいに" 0:21:42.419,0:21:50.269 ナレーションが 誠実で思いやりがあり[br]傷つきやすい男性であることを思い出させる 0:21:50.409,0:21:55.819 問題は気持ちがあっても[br]行動が伴わなければ意味がないことだ 0:21:55.959,0:22:02.122 そしてホッパーは結局[br]少女と心を通わせることをしなかった 0:22:03.650,0:22:13.030 ホッパーの死は 彼が振りまき続けた害悪を[br]免罪するために配置されている 0:22:13.180,0:22:19.140 実際に謝罪したり[br]行動を修正したりすることなく 0:22:21.380,0:22:31.059 問題は 男性が怒りの問題を抱え[br]不適切な行動をする描写ではない 0:22:31.199,0:22:37.579 キャラが欠点を持つことは[br]親しみを持たせるための重要な要素だ 0:22:37.720,0:22:41.400 問題は その欠点の描き方だ 0:22:43.680,0:22:48.470 不健康な行動の言い訳にしていないか? 0:22:48.620,0:22:53.179 重大な懸念として描いているか? 0:22:53.949,0:22:59.669 そして 男性は変化することを学んでいるか? 0:22:59.970,0:23:07.049 アドベンチャーもので男性ヒーローが[br]行動を変える方法を学ぶことはめったにない 0:23:07.200,0:23:12.319 うまくコミュニケーションを取る方法[br]健康な関係を構築する方法を 0:23:12.460,0:23:14.940 "何て言った?" 0:23:19.630,0:23:27.864 シーズン2の最後では ホッパーは[br]古い男らしさの制約から解放されたように見えた 0:23:27.990,0:23:33.110 残念なことに 製作者がインスピレーションを[br]懐かしいものの中に無批判に頼ると 0:23:33.240,0:23:37.740 男性キャラの新しい可能性が想像できなくなる 0:23:41.190,0:23:45.703 その結果 男性が過去に囚われたまま 0:23:45.840,0:23:51.810 退廃的な男らしさの理想を[br]抱き続ける危険性があるのだ