1 00:00:00,179 --> 00:00:06,830 やあ!マーク・ブラウンのGame Maker's Toolkitへ ようこそ ゲームデザインについてのシリーズだ 2 00:00:06,830 --> 00:00:13,920 2016年は素晴らしい一年だった ゲームに関しては、の話だが 3 00:00:13,920 --> 00:00:18,780 Doomの激しい戦闘からThe Witnessの謎めいたパズル 雰囲気たっぷりのInsideや 4 00:00:18,780 --> 00:00:23,180 Dishonored 2の緻密なステージデザインまで 密度の濃い一年だった 5 00:00:23,180 --> 00:00:27,690 しかしこの動画では、少し違うことに挑戦した ゲームを評価してみたい 6 00:00:27,690 --> 00:00:31,610 これまでに見たこともないコンセプトや 他の開発者たちが数年後に 7 00:00:31,610 --> 00:00:33,410 真似しそうなアイデアなど 8 00:00:33,410 --> 00:00:38,000 完璧ではなくても、ゲーム業界を前進させようとする 勇気と努力は評価されて然るべきだ 9 00:00:38,000 --> 00:00:44,720 だから、僕が今年発見した5つの革新的な アイデアをここに紹介しよう 10 00:00:44,720 --> 00:00:50,340 リプレイを導入したゲームは以前にもあったが Overwatchのプレイオブザゲームには遠く及ばない 11 00:00:52,850 --> 00:00:56,960 このゲームは1戦終えるたびに 決定的瞬間を選び出し、それを全プレイヤーに見せる 12 00:00:56,960 --> 00:01:01,860 プレイオブザゲームのスターになると 非常に爽快だ 13 00:01:01,860 --> 00:01:04,690 スコアで1位になるより嬉しいほどだ 14 00:01:04,690 --> 00:01:08,350 だがこのシステムの見事さは 機械がやるという点にある 15 00:01:08,350 --> 00:01:14,810 主観的な判断で面白いものを選ぶという コンピューターにはできないはずのことを 16 00:01:14,810 --> 00:01:16,380 やってのけているのだ 17 00:01:16,380 --> 00:01:21,180 Blizzardはコンピューターがハイライト対象を 判断するためのルールを設定している 18 00:01:21,180 --> 00:01:26,380 このシステムをOverwatchのような ゲームに導入したことは、なおさら見事だ 19 00:01:26,380 --> 00:01:31,000 このゲームには多くのキャラがいて その全員が戦闘で重要な役割を果たせるが 20 00:01:31,000 --> 00:01:34,070 その方法はキャラごとに異なるからだ 21 00:01:34,070 --> 00:01:39,880 ゲンジのキルストリークとメイの壁の どちらか重要かをどう判断すればいいのか 22 00:01:39,880 --> 00:01:44,570 あるいはマーシーのリザレクトと 敵を引きずり出すロードホッグとではどうか 23 00:01:44,570 --> 00:01:45,780 24 00:01:45,780 --> 00:01:51,760 舞台裏では、Overwatchは4つの基準に沿って ハイライトを探している 25 00:01:51,760 --> 00:01:57,340 「ハイスコア」はキルストリークやリザレクトを記録し 「ライフセーバー」は死にそうな味方を 26 00:01:57,340 --> 00:02:01,950 助けたプレイヤーを記録する 「シャープシューター」 は当てにくいショットの命中を拾う 27 00:02:01,950 --> 00:02:06,970 そして「シャットダウン」は大技を繰りだそうとした 敵を妨害したプレイヤーを評価する 28 00:02:06,970 --> 00:02:10,370 29 00:02:10,370 --> 00:02:15,400 撃った相手の移動速度や妨害した敵の危険性 30 00:02:15,409 --> 00:02:19,759 勝利条件までの近さなどの要素を手がかりとして 31 00:02:19,759 --> 00:02:26,319 Overwatchは4つのハイライトのうち1つを選び プレイオブザゲームとして見せている 32 00:02:26,319 --> 00:02:30,659 これでも完璧ではないし、Blizzardは パッチでこのシステムを改良していくだろう 33 00:02:30,659 --> 00:02:35,400 だがスコアだけでは全体を把握できないゲームで 別の仕方でプレイヤーを評価する方法としては 34 00:02:35,400 --> 00:02:39,680 プレイオブザゲームはこれ以降のマルチプレイ作品に 35 00:02:39,680 --> 00:02:42,950 影響を及ぼす要素になるだろう 36 00:02:42,950 --> 00:02:47,309 キャラクターを操作するゲームでは プレイヤーは主人公が入力に対して 37 00:02:47,309 --> 00:02:50,950 即座に反応することを求める だが司令官の役を担うゲームでは 38 00:02:50,950 --> 00:02:54,370 味方兵士が指示通りに動くとは限らない 39 00:02:54,370 --> 00:02:59,939 XCOMでは味方がパニックになるし ポケモンでは強いモンスターは指示を聞かない 40 00:02:59,939 --> 00:03:03,489 全てが思い通りにはいかないことを プレイヤーに教えているのだ 41 00:03:03,489 --> 00:03:09,239 2016年、このアイデアを主軸にして 味方チームの心理的健康に焦点を当てたゲームがある 42 00:03:09,239 --> 00:03:13,379 それがDarkest Dungeonの狂気システムだ 43 00:03:15,120 --> 00:03:19,329 その仕組みを説明しよう 多くの行動はヒーローたちのストレスを増加させる 44 00:03:19,329 --> 00:03:24,700 ダメージを受ける、暗闇を移動する 味方が死ぬ、恐ろしいモンスターの姿を見る 45 00:03:24,700 --> 00:03:29,129 これにより味方の戦闘員は疲弊していく 46 00:03:29,129 --> 00:03:33,469 ストレスは数値で表示される 開発の Red Hook Studiosはこの点を明確にし 47 00:03:33,469 --> 00:03:37,499 プレイヤーが予測できるようにする 必要があると気づいたからだ 48 00:03:37,499 --> 00:03:41,811 ゲージが100になると 冒険者は狂気を発症する 49 00:03:41,811 --> 00:03:47,409 その結果は予測できない 利己的になって財宝を着服するかもしれないし 50 00:03:47,409 --> 00:03:49,829 絶望してターンをスキップするかもしれない 51 00:03:49,829 --> 00:03:54,680 運が良ければ、悲惨な状況から 強力なヒーローが生まれることもある 52 00:03:54,689 --> 00:04:00,169 だが狂気に陥るにせよ、勇気を振り絞るにせよ こうした瞬間によって 53 00:04:00,169 --> 00:04:02,699 印象的な物語が生まれる可能性がある 54 00:04:02,699 --> 00:04:07,010 味方チームをチェスの駒ではなく 人間らしく行動させることで 55 00:04:07,010 --> 00:04:10,109 Darkest Dungeonは優れた即興のストーリーを 作り出している 56 00:04:10,109 --> 00:04:14,620 プレイヤーは大部分のゲームでは 考えないことを考えさせられる 57 00:04:14,620 --> 00:04:19,389 味方は戦闘の合間に休息させる必要がある 気分を落ち着かせ、心理的特性が増えすぎるのを 58 00:04:19,389 --> 00:04:20,489 防ぐためだ 59 00:04:20,489 --> 00:04:26,160 これは本作の自然な道徳性のシステムにも 一役買っている 味方の心の健康を重視するか 60 00:04:26,160 --> 00:04:30,699 それとも不満は無視して限界まで酷使し 廃人同然になったところで 61 00:04:30,699 --> 00:04:33,259 捨ててしまうべきだろうか 62 00:04:34,980 --> 00:04:40,060 多くのゲームでは、会話は静的なシーンで行われる 63 00:04:40,069 --> 00:04:44,580 カメラは当事者たちの間を行ったり来たりして それからプレイヤーが話す 64 00:04:44,580 --> 00:04:48,419 時間制限付きのこともあるが、返事を選択して 次に話す順番が来るまで待つ 65 00:04:48,419 --> 00:04:53,579 こうした枠組みを取り払ったゲームがある インディー作品のOxenfreeだ 66 00:04:55,080 --> 00:04:59,539 まずプレイヤーはほぼ 会話に縛られることがない 67 00:04:59,539 --> 00:05:02,919 プレイヤーは他のことをしながら 質問に返事できる 68 00:05:02,919 --> 00:05:07,860 コントローラーの3ボタンが会話に対応しているので 他のボタンで歩行やアクションができる 69 00:05:07,860 --> 00:05:09,080 ラジオ操作もできる 70 00:05:09,080 --> 00:05:13,479 また、プレイヤーは他のキャラの話に いつでも割り込むことができる 71 00:05:13,479 --> 00:05:17,639 難しい質問で答えに窮している友達に 助けを差し伸べたり 72 00:05:17,639 --> 00:05:20,699 目に入った面白いものを 指摘するために割り込んだりできるのだ 73 00:05:20,699 --> 00:05:25,770 しかもこのゲームは割り込みをかなりうまく 処理してくれる ここでレンがブツブツ言う… 74 00:05:25,770 --> 00:05:29,990 「街は静まり返っているから、我々 カミーナ・ハイジュニア・クラスは…」 75 00:05:29,990 --> 00:05:32,190 ここで割り込んでこう言う 76 00:05:32,190 --> 00:05:36,740 「ねえ、誰も住んでなくて店も閉まってるなら この車は誰のなの?」 77 00:05:36,750 --> 00:05:40,850 ジョナスが返事をし、レンは話題を戻す… 78 00:05:40,850 --> 00:05:46,080 「とにかく、この街の若者たちの間では 『こっそりキャンプ』が人気ってわけさ」 79 00:05:46,080 --> 00:05:51,810 脚本を工夫し「とにかく」や「さっきも言ったけど」 「それでさ」などの表現を使うことで 80 00:05:51,810 --> 00:05:57,240 プレイヤーが話に割り込んでも、その時話していた 有用な情報やキャラクター描写に 81 00:05:57,240 --> 00:05:59,639 戻るようになっている 82 00:05:59,639 --> 00:06:06,050 その結果として、本当の会話みたいな 流れのある自然な会話が生まれている 83 00:06:06,050 --> 00:06:11,100 他のゲームのような、ターン制の議論とは違う 84 00:06:11,100 --> 00:06:16,560 このアイデアは活発な10代の若者の物語では 特に有効だが、会話中心のゲームなら何にでも合う 85 00:06:16,569 --> 00:06:21,810 ただしOxenfreeのアイデアは非常に新しいが 完璧に機能しているわけではない 86 00:06:21,810 --> 00:06:24,170 アレックスは言い返す場合もあれば… 87 00:06:24,170 --> 00:06:30,060 「そうか?でも…」「いい加減にしてよジョナス 信用してあげたのに、もう変なこと言ってさ」 88 00:06:30,060 --> 00:06:32,420 …自分の次のセリフを言うこともある 89 00:06:32,420 --> 00:06:36,860 「ないんだったら俺のをやるよ」 「いや、いらない 吸わないから」 90 00:06:36,860 --> 00:06:40,400 また、言いたいことはすでに決まっているのに 91 00:06:40,400 --> 00:06:43,950 話すチャンスを待っている時、吹き出しが消えていく のが気になって、他のキャラの話に 92 00:06:43,950 --> 00:06:44,950 集中できないこともある 93 00:06:44,950 --> 00:06:49,750 例えばボタンを押すと即座にセリフを言うのに対し 94 00:06:49,750 --> 00:06:53,610 押しっぱなしにするとセリフが保持され 会話に隙間ができたら自動的に 95 00:06:53,610 --> 00:06:55,580 発言するというのがよかったかもしれない 96 00:06:55,580 --> 00:06:59,499 重要なのは最近、会話に注力したゲームが 多く出てきているということだ 97 00:06:59,499 --> 00:07:03,990 そうしたゲームは自然に流れる会話を 実現するため、Oxenfreeのアイデアから 98 00:07:03,990 --> 00:07:06,280 学べるものがあるはずだ 99 00:07:07,320 --> 00:07:11,860 革新的なゲームのリストを作るなら Superhotの名は欠かせない 100 00:07:11,860 --> 00:07:16,120 プレイヤーが動く時にのみ時間が進む 新感覚のFPSだ 101 00:07:16,120 --> 00:07:21,409 立ち止まるとゲームは実質的に停止する だが一歩前進すれば時間は通常通り流れる 102 00:07:21,409 --> 00:07:26,099 この能力を利用して 弾丸をかわしたり、次の手を考えたりできる 103 00:07:26,099 --> 00:07:31,359 また映画のようなド派手な 連続アクションを行うことも可能だ 104 00:07:31,360 --> 00:07:36,440 このシステムで接近戦も可能になる 例えばエレベーターでの銃撃戦や 105 00:07:36,449 --> 00:07:41,570 古典的な酒場での乱闘などだ 撃つ以外のこともできる 敵を殴ったり 106 00:07:41,570 --> 00:07:45,270 敵の銃を空中で取り、部屋を横切りながら 投げつけたり 107 00:07:45,270 --> 00:07:48,500 また同士討ちを狙うとか、敵を一直線に並べて まとめて倒すこともできる 108 00:07:48,500 --> 00:07:52,210 これでは簡単になりすぎるのではと思うだろうが そうはならない 109 00:07:52,210 --> 00:07:56,940 時間は完全に停止するわけではないので 動き続けなければならないのだ 110 00:07:56,940 --> 00:08:01,810 銃を撃つと時間は進むため、それで死ぬこともある また銃撃の合間に止まって 111 00:08:01,810 --> 00:08:07,499 敵の位置を予測する必要がある ついでに言うと、敵は全方位から攻めてくる 112 00:08:07,499 --> 00:08:13,199 だから意外なほど忙しくなる 息継ぎする時間があるにもかかわらずだ 113 00:08:13,199 --> 00:08:17,739 Superhotの魅力的な戦闘は、リアルタイムで プレイするFPS以上に激しい 114 00:08:17,740 --> 00:08:22,560 デザイナーたちによると、核となるアイデアに 貢献しないものは全て取り除いたそうだ 115 00:08:22,569 --> 00:08:27,289 探索やリアルなテクスチャーもだ 今年の大作2本がそれぞれ 116 00:08:27,289 --> 00:08:33,229 1ステージだけで時間操作を扱ったのに対し Superhotはそこに全てを注ぎ込んだ 117 00:08:33,229 --> 00:08:36,199 僕がここ数年でプレイした中で 最も革新的なFPSだ 118 00:08:36,199 --> 00:08:41,490 Hitmanは繰り返しによって成長する 僕が今年作った動画を見た人は知っているだろう 119 00:08:41,490 --> 00:08:45,970 このゲームはミッションを繰り返しプレイし 完璧にこなせるようになるまで 120 00:08:45,970 --> 00:08:48,370 経験を蓄積するよう促す 121 00:08:48,370 --> 00:08:51,180 だが繰り返しが度を超すと、弊害もある 122 00:08:51,180 --> 00:08:56,250 第一に、即興性がなくなる 各面のイベントを予測できれば 123 00:08:56,250 --> 00:09:00,960 その場で状況に対応する必要はなくなってしまう 124 00:09:00,960 --> 00:09:04,840 緊張感もなくなるだろう ミスしたらリスタートするか 125 00:09:04,860 --> 00:09:06,560 ロードすればいい 126 00:09:06,560 --> 00:09:09,660 時限ターゲットが必要なのはそのためだ 127 00:09:10,820 --> 00:09:14,860 io Interactiveは隔週で新たな暗殺ターゲットを 用意している 128 00:09:14,860 --> 00:09:16,990 この標的は数日間しか出現しない 129 00:09:16,990 --> 00:09:20,459 標的たちはすでにプレイ済みのステージに出現する 130 00:09:20,459 --> 00:09:26,029 プレイヤーはそのため、有利な立場にある だが標的自身は予測できない 護衛を連れているし 131 00:09:26,029 --> 00:09:27,639 スケジュールも不明だからだ 132 00:09:27,639 --> 00:09:33,940 そして当然、チャンスは一度しかない 133 00:09:33,940 --> 00:09:37,630 標的を襲う前ならリスタートできるのは少々残念だが 134 00:09:37,630 --> 00:09:41,380 暗殺を開始するともう成功か失敗しかない 135 00:09:41,380 --> 00:09:42,820 二度目のチャンスはない 136 00:09:42,820 --> 00:09:46,940 Hitmanの通常ミッションをプレイするのは 計画と訓練のように感じる 137 00:09:46,940 --> 00:09:51,570 時限ターゲットが本番だと感じるわけだ 工夫をこらし、対応力を持たなくてはならない 138 00:09:51,570 --> 00:09:54,649 チャンスは一度きりなので、準備は周到に 139 00:09:54,649 --> 00:09:59,180 オンラインデザイナーのトーベン・エラートは 時限ターゲットが「暗殺者になることの」 140 00:09:59,180 --> 00:10:00,769 「純粋な経験をもたらしてくれる」と言う 141 00:10:00,769 --> 00:10:05,149 他の開発者たちの時限式イベントは プレイヤーを戻って来させるためだけのものだ 142 00:10:05,149 --> 00:10:10,600 週末は経験値2倍とか、ハロウィーンの衣装とか だがHitmanは時限性を利用して 143 00:10:10,600 --> 00:10:16,110 通常のゲームでは不可能なスタイルの ゲームプレイを提供しているのだ 144 00:10:16,110 --> 00:10:19,990 以上が、5つの革新的アイデアだ 145 00:10:19,990 --> 00:10:23,791 だが、実はもう一つある 昨年のHer Storyの動画と同様 146 00:10:23,791 --> 00:10:28,111 Game Maker's Toolkitの次のエピソードは 僕が2016年にプレイした 147 00:10:28,111 --> 00:10:31,990 最も革新的なゲームを分析する コメント欄で予想してみてくれ 148 00:10:31,990 --> 00:10:36,500 チャンネル登録をよろしく 数週間に一度、新しい動画が出るぞ 149 00:10:36,500 --> 00:10:41,930 今回のエピソードのためのアイデアをくれた GMTKの支援者たちに感謝したい 150 00:10:41,930 --> 00:10:44,730 そしていつも通り、これが上位の支援者たちだ