1 00:00:02,000 --> 00:00:04,000 マーティン ルーサー キングは 2 00:00:04,000 --> 00:00:06,000 公民権運動を鼓舞する際に 3 00:00:06,000 --> 00:00:08,000 「私には悪夢がある」とは 4 00:00:08,000 --> 00:00:11,000 言いませんでした 5 00:00:11,000 --> 00:00:14,000 「私には夢がある」と言ったのです 6 00:00:14,000 --> 00:00:16,000 そして私にも夢があります 7 00:00:16,000 --> 00:00:18,000 未来に悪夢が待ち受けているなんてことを 8 00:00:18,000 --> 00:00:21,000 考えなくてすむようになりたいという夢です 9 00:00:21,000 --> 00:00:23,000 これは大きな挑戦です 10 00:00:23,000 --> 00:00:25,000 近年の大作映画を見れば 11 00:00:25,000 --> 00:00:29,000 そのほとんど全てが 12 00:00:29,000 --> 00:00:32,000 終末論的な見方で 13 00:00:32,000 --> 00:00:34,000 人類を描いています 14 00:00:34,000 --> 00:00:36,000 「ザ ロード」は 最近の映画の中で 15 00:00:36,000 --> 00:00:39,000 観るのが最もつらい作品の一つです 16 00:00:39,000 --> 00:00:41,000 美しい映画ですが 17 00:00:41,000 --> 00:00:43,000 全てが荒廃して 18 00:00:43,000 --> 00:00:46,000 死に絶えています 19 00:00:46,000 --> 00:00:48,000 一組の父親と息子だけが 20 00:00:48,000 --> 00:00:51,000 生き延びようと道を歩いていきます 21 00:00:51,000 --> 00:00:53,000 私も関わっている 22 00:00:53,000 --> 00:00:55,000 環境運動は 23 00:00:55,000 --> 00:00:57,000 この終末論的な未来を描くことに 24 00:00:57,000 --> 00:00:59,000 加担してきました 25 00:00:59,000 --> 00:01:01,000 あまりに長い間 26 00:01:01,000 --> 00:01:03,000 何が起きるのか 悪夢のような見通しを 27 00:01:03,000 --> 00:01:05,000 広めてきたのです 28 00:01:05,000 --> 00:01:08,000 最悪のシナリオや問題に 29 00:01:08,000 --> 00:01:10,000 焦点を当て 30 00:01:10,000 --> 00:01:12,000 十分に解決策を 31 00:01:12,000 --> 00:01:14,000 考えてきませんでした 32 00:01:14,000 --> 00:01:16,000 言うなれば 恐れを使って 33 00:01:16,000 --> 00:01:19,000 人々の関心を引いてきたのです 34 00:01:19,000 --> 00:01:22,000 心理学者なら 35 00:01:22,000 --> 00:01:24,000 恐怖は逃走に結びついていると 36 00:01:24,000 --> 00:01:26,000 言うでしょう 37 00:01:26,000 --> 00:01:29,000 動物は怯えた時 38 00:01:29,000 --> 00:01:31,000 争ったり逃げたりします 39 00:01:31,000 --> 00:01:33,000 例えば鹿は 40 00:01:33,000 --> 00:01:36,000 いつでも逃げ出せる準備をして 41 00:01:36,000 --> 00:01:38,000 じっと動きを止めます 42 00:01:38,000 --> 00:01:40,000 私たちも同じことをしています 43 00:01:40,000 --> 00:01:43,000 人々に環境悪化や気候変動といった 44 00:01:43,000 --> 00:01:46,000 課題に関わるよう求めると 45 00:01:46,000 --> 00:01:49,000 固まって逃げ出してしまいます 46 00:01:49,000 --> 00:01:51,000 恐れに訴えかけているからです 47 00:01:51,000 --> 00:01:54,000 環境運動は自らを見直して 48 00:01:54,000 --> 00:01:56,000 前進とは何かを 49 00:01:56,000 --> 00:01:58,000 考えるべきです 50 00:01:58,000 --> 00:02:01,000 人々の運命を好転させるとはどういうことなのでしょう? 51 00:02:01,000 --> 00:02:03,000 我々が直面する問題の一つは 52 00:02:03,000 --> 00:02:06,000 前進という意味で 53 00:02:06,000 --> 00:02:08,000 市場を追い詰めたのが 54 00:02:08,000 --> 00:02:11,000 金融的、経済的な意味での 55 00:02:11,000 --> 00:02:14,000 前進だということです 56 00:02:14,000 --> 00:02:16,000 つまり 57 00:02:16,000 --> 00:02:18,000 株価でもGDPでも 58 00:02:18,000 --> 00:02:21,000 経済成長でも 59 00:02:21,000 --> 00:02:23,000 数値の上昇が 60 00:02:23,000 --> 00:02:25,000 豊かさとより良い暮らしに 61 00:02:25,000 --> 00:02:27,000 つながると 62 00:02:27,000 --> 00:02:29,000 考えられているのです 63 00:02:29,000 --> 00:02:32,000 多いことは良いことだというのは 64 00:02:32,000 --> 00:02:34,000 人間の恐れではなく 65 00:02:34,000 --> 00:02:36,000 欲望に訴えかけます 66 00:02:36,000 --> 00:02:39,000 でも待って下さい 西洋にいる我々はもう十分豊かです 67 00:02:39,000 --> 00:02:42,000 世界には豊かでない地域もありますが 我々は違います 68 00:02:42,000 --> 00:02:45,000 それにこうした数字で国の繁栄ぶりが 69 00:02:45,000 --> 00:02:47,000 測れるわけではないことも知っています 70 00:02:47,000 --> 00:02:50,000 実際 アメリカの会計システムを設計した 71 00:02:50,000 --> 00:02:53,000 サイモン クズネッツは1930年代に 72 00:02:53,000 --> 00:02:55,000 言いました 73 00:02:55,000 --> 00:02:58,000 「国の繁栄は国民所得ではほとんど測れない」と 74 00:02:58,000 --> 00:03:00,000 でも我々は生産と製造に基づく 75 00:03:00,000 --> 00:03:02,000 国の会計システムを 76 00:03:02,000 --> 00:03:04,000 作り上げました 77 00:03:04,000 --> 00:03:07,000 時流に合っていたのでしょう 78 00:03:07,000 --> 00:03:10,000 第二次大戦中 多くの物を生産しなければなりませんでした 79 00:03:10,000 --> 00:03:13,000 実際 ある種のものを作るのがあまりに上手かったため 80 00:03:13,000 --> 00:03:16,000 ヨーロッパを大きく破壊し 後に再建しなければなりませんでした 81 00:03:16,000 --> 00:03:18,000 それで国の会計システムは 82 00:03:18,000 --> 00:03:21,000 生産にこだわるようになったのです 83 00:03:21,000 --> 00:03:24,000 でも1968年には 84 00:03:24,000 --> 00:03:27,000 先見の明のあるロバート ケネディが 85 00:03:27,000 --> 00:03:30,000 不運にも暗殺で終わる 86 00:03:30,000 --> 00:03:33,000 大統領選キャンペーンの初期に 87 00:03:33,000 --> 00:03:35,000 国民総生産を 88 00:03:35,000 --> 00:03:37,000 かつてないほど雄弁に否定しています 89 00:03:37,000 --> 00:03:40,000 彼は演説の終わりにこう述べました 90 00:03:40,000 --> 00:03:42,000 「国民総生産は 91 00:03:42,000 --> 00:03:45,000 全てを測ることができる 92 00:03:45,000 --> 00:03:47,000 人生の価値を高めるもの以外は」 93 00:03:47,000 --> 00:03:50,000 何ということでしょう 94 00:03:50,000 --> 00:03:53,000 我々が社会の進歩を計測する指標は 95 00:03:53,000 --> 00:03:55,000 あらゆるものを測りますが 96 00:03:55,000 --> 00:03:58,000 人生を価値あるものとするものは測れないのです 97 00:03:58,000 --> 00:04:01,000 もしケネディが生きていたら 98 00:04:01,000 --> 00:04:04,000 私のような統計学者に 99 00:04:04,000 --> 00:04:06,000 何が人生を価値あるものとするのかを 100 00:04:06,000 --> 00:04:08,000 見つけ出し 101 00:04:08,000 --> 00:04:10,000 国の会計システムを 102 00:04:10,000 --> 00:04:12,000 社会正義や 103 00:04:12,000 --> 00:04:14,000 持続可能性 104 00:04:14,000 --> 00:04:17,000 人々の福利といった 105 00:04:17,000 --> 00:04:19,000 重要な指標に基づくものに 106 00:04:19,000 --> 00:04:21,000 作り直そうと言うでしょう 107 00:04:21,000 --> 00:04:23,000 実際 社会科学者たちは 108 00:04:23,000 --> 00:04:25,000 世界各地でこうした質問をしています 109 00:04:25,000 --> 00:04:27,000 これは ある世界調査の結果です 110 00:04:27,000 --> 00:04:30,000 人々の望むものを聞いています 111 00:04:30,000 --> 00:04:33,000 驚くことでもありませんが 112 00:04:33,000 --> 00:04:35,000 世界中で人々は 113 00:04:35,000 --> 00:04:37,000 自分自身や子ども 114 00:04:37,000 --> 00:04:39,000 家族やコミュニティの 115 00:04:39,000 --> 00:04:41,000 幸せを望んでいます 116 00:04:41,000 --> 00:04:43,000 お金はほとんど重要でないと考えています 117 00:04:43,000 --> 00:04:46,000 お金のことも考えていますが 118 00:04:46,000 --> 00:04:49,000 幸福や愛ほど重要ではありません 119 00:04:49,000 --> 00:04:52,000 我々は皆 愛し愛されることを望んでいるのです 120 00:04:52,000 --> 00:04:54,000 お金はまた健康ほど重要でもありません 121 00:04:54,000 --> 00:04:57,000 皆 健康で充実した暮らしを送りたいのです 122 00:04:57,000 --> 00:05:00,000 これらは人間が自然に持つ願望です 123 00:05:00,000 --> 00:05:03,000 ではなぜ統計学者はこれらを計測しないのでしょう? 124 00:05:03,000 --> 00:05:06,000 なぜ我々は 国の進歩を測るのに 125 00:05:06,000 --> 00:05:09,000 モノの豊かさではなくこれらの指標を使わないのでしょう? 126 00:05:09,000 --> 00:05:12,000 私は 大人になってから 127 00:05:12,000 --> 00:05:14,000 幸福の測り方を考えてきました 128 00:05:14,000 --> 00:05:16,000 環境的な制約を考慮に入れながら 129 00:05:16,000 --> 00:05:18,000 幸福を測る方法です 130 00:05:18,000 --> 00:05:20,000 そして今の職場である 131 00:05:20,000 --> 00:05:22,000 新経済財団で 地球幸福度指数という 132 00:05:22,000 --> 00:05:25,000 指標を作り上げました 133 00:05:25,000 --> 00:05:28,000 人間も地球も幸せであるべきだと私は思います 134 00:05:28,000 --> 00:05:31,000 だから 両者を組み合わせた指標がいるのです 135 00:05:31,000 --> 00:05:33,000 私たちは 136 00:05:33,000 --> 00:05:35,000 国が生み出す最終的な成果とは 137 00:05:35,000 --> 00:05:37,000 市民が幸せで健康な暮らしを送れるように 138 00:05:37,000 --> 00:05:40,000 することであると考えました 139 00:05:40,000 --> 00:05:42,000 地球上にある全ての国は 140 00:05:42,000 --> 00:05:44,000 それを目指すべきです 141 00:05:44,000 --> 00:05:46,000 でもその際に忘れてはならないのは 142 00:05:46,000 --> 00:05:49,000 我々は地球の資源を 143 00:05:49,000 --> 00:05:52,000 どれ程使っているのかということです 144 00:05:52,000 --> 00:05:55,000 地球は一つです 皆で共有しなければいけません 145 00:05:55,000 --> 00:05:58,000 皆で共有するたった一つの地球 - 146 00:05:58,000 --> 00:06:01,000 これは究極の希少資源です 147 00:06:01,000 --> 00:06:04,000 経済学では希少性に注目します 148 00:06:04,000 --> 00:06:06,000 希少な資源から 149 00:06:06,000 --> 00:06:08,000 望ましい結果を 150 00:06:08,000 --> 00:06:10,000 生み出したいのであれば 151 00:06:10,000 --> 00:06:13,000 効率を考えなければなりません 152 00:06:13,000 --> 00:06:16,000 投資に対する見返りを考えないといけないのです 153 00:06:16,000 --> 00:06:18,000 このようにして 地球資源の利用に対する 154 00:06:18,000 --> 00:06:21,000 幸福の産出量を測るのです 155 00:06:21,000 --> 00:06:23,000 効率を測るということです 156 00:06:23,000 --> 00:06:26,000 このグラフを見るのが 157 00:06:26,000 --> 00:06:28,000 一番わかりやすいでしょう 158 00:06:28,000 --> 00:06:31,000 グラフの横軸は 159 00:06:31,000 --> 00:06:33,000 「エコロジカル フットプリント」です 160 00:06:33,000 --> 00:06:36,000 資源の使用量と 161 00:06:36,000 --> 00:06:38,000 地球への負荷を示しています 162 00:06:38,000 --> 00:06:40,000 数値が大きいのは望ましくありません 163 00:06:40,000 --> 00:06:42,000 縦軸は 164 00:06:42,000 --> 00:06:44,000 「幸せに生きられる年数」を示しています 165 00:06:44,000 --> 00:06:46,000 国の福利に関することです 166 00:06:46,000 --> 00:06:49,000 「幸せ」をかけ合わせた平均余命のようなものです 167 00:06:49,000 --> 00:06:52,000 国における人生の量と質を示したものだとも言えます 168 00:06:52,000 --> 00:06:55,000 黄色い点が世界の平均値です 169 00:06:55,000 --> 00:06:57,000 平均値の周辺に 170 00:06:57,000 --> 00:06:59,000 多くの国があります 171 00:06:59,000 --> 00:07:02,000 グラフの右上にあるのは 172 00:07:02,000 --> 00:07:05,000 上手くやっていて幸福を生み出しているけれど 173 00:07:05,000 --> 00:07:07,000 そのために大量の資源を使っている国々です 174 00:07:07,000 --> 00:07:09,000 アメリカやヨーロッパ諸国 175 00:07:09,000 --> 00:07:12,000 一部の湾岸諸国などが 176 00:07:12,000 --> 00:07:14,000 ここにあります 177 00:07:14,000 --> 00:07:17,000 それとは反対に グラフの左下は 178 00:07:17,000 --> 00:07:20,000 幸福をあまり生み出していない国 - 179 00:07:20,000 --> 00:07:23,000 サハラ以南のアフリカ諸国などです 180 00:07:23,000 --> 00:07:25,000 ホッブズの言葉を借りれば 181 00:07:25,000 --> 00:07:27,000 人生が短く過酷な地域です 182 00:07:27,000 --> 00:07:30,000 これらの国々の多くでは 183 00:07:30,000 --> 00:07:33,000 平均寿命がたったの40歳です 184 00:07:33,000 --> 00:07:35,000 マラリアやエイズが 185 00:07:35,000 --> 00:07:37,000 大勢の人々の 186 00:07:37,000 --> 00:07:39,000 命を奪っています 187 00:07:39,000 --> 00:07:41,000 でも良い知らせもあります! 188 00:07:41,000 --> 00:07:43,000 黄色い三角形で示された国々は 189 00:07:43,000 --> 00:07:45,000 世界平均よりも上手くやっていて 190 00:07:45,000 --> 00:07:47,000 グラフの左上に来ています 191 00:07:47,000 --> 00:07:49,000 これは野心的なグラフです 192 00:07:49,000 --> 00:07:52,000 左上では地球を犠牲にせず良い暮しが行われています 193 00:07:52,000 --> 00:07:54,000 ラテンアメリカです 194 00:07:54,000 --> 00:07:56,000 一番上にある国には 195 00:07:56,000 --> 00:07:58,000 私は行ったことがありません 196 00:07:58,000 --> 00:08:00,000 皆さんの中には行かれた方もいるでしょう 197 00:08:00,000 --> 00:08:02,000 コスタリカです 198 00:08:04,000 --> 00:08:06,000 コスタリカでは 199 00:08:06,000 --> 00:08:09,000 平均寿命は78.5歳 - 200 00:08:09,000 --> 00:08:12,000 アメリカよりも長く 201 00:08:13,000 --> 00:08:16,000 最近のギャラップの世界調査によれば 202 00:08:16,000 --> 00:08:19,000 地球上で一番幸せな国です 203 00:08:19,000 --> 00:08:22,000 スイスよりもデンマークよりも幸せなのです 204 00:08:22,000 --> 00:08:24,000 しかもそれを 205 00:08:24,000 --> 00:08:26,000 ヨーロッパ諸国が使う資源の 206 00:08:26,000 --> 00:08:28,000 四分の一の量しか使わずに 207 00:08:28,000 --> 00:08:31,000 実現しています 208 00:08:31,000 --> 00:08:34,000 四分の一ですよ 209 00:08:34,000 --> 00:08:37,000 コスタリカでは 210 00:08:37,000 --> 00:08:39,000 何が起きているのでしょう? 211 00:08:39,000 --> 00:08:41,000 いくらかデータがあります 212 00:08:41,000 --> 00:08:44,000 99%のエネルギーは再生可能な資源から生み出されています 213 00:08:44,000 --> 00:08:46,000 2021年までにカーボンニュートラルを実現すると 214 00:08:46,000 --> 00:08:49,000 約束した最初の国の一つでもあります 215 00:08:49,000 --> 00:08:52,000 1949年には 216 00:08:52,000 --> 00:08:54,000 軍隊を廃止しました 217 00:08:54,000 --> 00:08:56,000 1949年です 218 00:08:56,000 --> 00:08:58,000 そして健康や教育といった 219 00:08:58,000 --> 00:09:00,000 社会プログラムにお金を使っています 220 00:09:00,000 --> 00:09:03,000 コスタリカの識字率は 221 00:09:03,000 --> 00:09:05,000 世界最高の水準です 222 00:09:05,000 --> 00:09:07,000 しかもラテンの気質を持ち 223 00:09:07,000 --> 00:09:09,000 社会とつながっています 224 00:09:09,000 --> 00:09:11,000 (笑) 225 00:09:11,000 --> 00:09:14,000 我々はよく考えなければなりません 226 00:09:14,000 --> 00:09:16,000 未来に向けて目指すべきは 227 00:09:16,000 --> 00:09:18,000 北米や西欧型の社会ではなく 228 00:09:18,000 --> 00:09:20,000 ラテンアメリカのような 229 00:09:20,000 --> 00:09:23,000 社会かもしれないのです 230 00:09:23,000 --> 00:09:25,000 大変なのは 231 00:09:25,000 --> 00:09:28,000 世界の平均を 232 00:09:28,000 --> 00:09:30,000 ここに引き上げることです 233 00:09:30,000 --> 00:09:32,000 そのためには 234 00:09:32,000 --> 00:09:35,000 グラフの下方にある国々を引き上げ 235 00:09:35,000 --> 00:09:38,000 右側の国々を左に引き寄せなければなりません 236 00:09:38,000 --> 00:09:41,000 そうすれば幸せな地球作りを始められます 237 00:09:41,000 --> 00:09:43,000 それが一つの見方です 238 00:09:43,000 --> 00:09:45,000 もう一つの見方は 時間ごとの変化を追うことです 239 00:09:45,000 --> 00:09:48,000 全ての国の過去データがある訳ではありませんが 240 00:09:48,000 --> 00:09:51,000 OECD諸国の豊かな国についてはあります 241 00:09:51,000 --> 00:09:54,000 幸福度は 242 00:09:54,000 --> 00:09:56,000 少し上昇しましたが 243 00:09:56,000 --> 00:09:58,000 エコロジカル フットプリントはもっと増えています 244 00:09:58,000 --> 00:10:01,000 地球幸福度の手法からわかるのは 245 00:10:01,000 --> 00:10:03,000 我々は究極の希少資源を使って 246 00:10:03,000 --> 00:10:05,000 望ましい結果を引き出す活動を 247 00:10:05,000 --> 00:10:08,000 より非効率にしか行えないようになっているということです 248 00:10:08,000 --> 00:10:11,000 重要な点は 249 00:10:11,000 --> 00:10:13,000 恐らくここにいる誰もが 250 00:10:13,000 --> 00:10:15,000 終末論的な何かが起こることなく 251 00:10:15,000 --> 00:10:18,000 西暦2050年の社会を 252 00:10:18,000 --> 00:10:20,000 迎えたいだろうということです 253 00:10:20,000 --> 00:10:22,000 はるか遠くのことではありません 254 00:10:22,000 --> 00:10:24,000 人の半生分の長さです 255 00:10:24,000 --> 00:10:26,000 今年小学校に入る子どもが 256 00:10:26,000 --> 00:10:28,000 私の年齢になるのが2050年です 257 00:10:28,000 --> 00:10:31,000 遠い未来の話ではありません 258 00:10:31,000 --> 00:10:34,000 イギリス政府の温室効果ガス削減策は 259 00:10:34,000 --> 00:10:37,000 これぐらいの期間で考えられています 260 00:10:38,000 --> 00:10:41,000 つまり通常のビジネスとは違います 261 00:10:41,000 --> 00:10:43,000 2050年を視野に入れると 262 00:10:43,000 --> 00:10:46,000 ビジネスや組織作り 政策や 263 00:10:46,000 --> 00:10:49,000 自分たちの生活のあり方が変わるのです 264 00:10:49,000 --> 00:10:51,000 大切なのは 265 00:10:51,000 --> 00:10:53,000 幸福を増やしていかなければならないことです 266 00:10:53,000 --> 00:10:55,000 選挙で 暮らしの質が下がってもよい 267 00:10:55,000 --> 00:10:58,000 なんて言える人はいません 268 00:10:58,000 --> 00:11:00,000 人類の進歩が止まってもよいと 269 00:11:00,000 --> 00:11:02,000 考えている人もいないでしょう 270 00:11:02,000 --> 00:11:04,000 先に進みたい 271 00:11:04,000 --> 00:11:06,000 もっと豊かになりたいと思っているはずです 272 00:11:06,000 --> 00:11:09,000 ここに気候変動の懐疑論者が入り込んできます 273 00:11:09,000 --> 00:11:12,000 暮らしをさらに高めて行きたいと考え 274 00:11:12,000 --> 00:11:15,000 得たものは失うまいとしているのです 275 00:11:15,000 --> 00:11:17,000 我々はそうした人々とも 276 00:11:17,000 --> 00:11:19,000 上手くやっていかねばなりません 277 00:11:19,000 --> 00:11:22,000 そのためにはさらに効率を高める必要があります 278 00:11:22,000 --> 00:11:25,000 グラフを描いたりするのは簡単ですが 279 00:11:25,000 --> 00:11:28,000 大切なのは曲線の向きを変えねばならないということです 280 00:11:28,000 --> 00:11:30,000 そこで参考にできるのが 281 00:11:30,000 --> 00:11:33,000 システム理論やシステム技術者が考え出した 282 00:11:33,000 --> 00:11:35,000 正しい情報を正しい時に使う 283 00:11:35,000 --> 00:11:38,000 フィードバック ループです 284 00:11:38,000 --> 00:11:41,000 人間は「今」に動機づけられるものです 285 00:11:41,000 --> 00:11:43,000 家に小さなメーターを取り付けて 286 00:11:43,000 --> 00:11:45,000 今どれほどの電気を使っているのか 287 00:11:45,000 --> 00:11:47,000 電気代がいくらなのかが見えたなら 288 00:11:47,000 --> 00:11:50,000 子どもたちはすぐに電気を消しに行くでしょう 289 00:11:50,000 --> 00:11:53,000 それを社会全体で考えたらどうなるでしょう? 290 00:11:53,000 --> 00:11:55,000 ラジオのニュースでは毎晩 291 00:11:55,000 --> 00:11:58,000 株価や為替の情報が流れていますが 292 00:11:58,000 --> 00:12:01,000 私にはポンド高とポンド安どちらが良いのかさえわかりません 293 00:12:01,000 --> 00:12:03,000 私にはそんなニュースは要りません 294 00:12:03,000 --> 00:12:06,000 イギリスやアメリカでの昨日のエネルギー使用量についての 295 00:12:06,000 --> 00:12:08,000 ニュースを聞きたいものです 296 00:12:08,000 --> 00:12:10,000 炭酸ガスの排出を毎年3%削減するという 297 00:12:10,000 --> 00:12:12,000 目標は達成されたのか といったニュースです 298 00:12:12,000 --> 00:12:14,000 そうすれば集合的な目標を作ることができます 299 00:12:14,000 --> 00:12:17,000 それをメディアに載せて考えるのです 300 00:12:17,000 --> 00:12:20,000 一方で 幸福度を向上させるには 301 00:12:20,000 --> 00:12:22,000 プラスに働くフィードバック ループが必要です 302 00:12:22,000 --> 00:12:25,000 政府レベルでは福利の国家会計システムの構築などです 303 00:12:25,000 --> 00:12:28,000 ビジネスでは従業員の福利を考えるのです 304 00:12:28,000 --> 00:12:30,000 それは創造性とイノベーションに 305 00:12:30,000 --> 00:12:32,000 深く結びついています 306 00:12:32,000 --> 00:12:35,000 そして環境問題に取り組むためにはさまざまなイノベーションが必要です 307 00:12:35,000 --> 00:12:38,000 それらは個人レベルでも必要とされています 308 00:12:39,000 --> 00:12:42,000 データというよりもリマインダーが大事です 309 00:12:42,000 --> 00:12:45,000 イギリスでは公衆衛生に関する強力なキャンペーンがあります 310 00:12:45,000 --> 00:12:47,000 1日に野菜と果物5種類を というものです 311 00:12:47,000 --> 00:12:50,000 必要な運動量も示されていますが - 私はあまり出来ていません 312 00:12:50,000 --> 00:12:53,000 これらは幸せとどう関係しているのでしょう 313 00:12:53,000 --> 00:12:55,000 より幸せになるために毎日すべき 314 00:12:55,000 --> 00:12:57,000 5つのこととは何でしょう? 315 00:12:57,000 --> 00:13:00,000 数年前 政府の科学庁とともに 316 00:13:00,000 --> 00:13:03,000 展望プログラムという大規模な調査をしました 317 00:13:03,000 --> 00:13:05,000 多数の専門家を含む大量の人々が参加し 318 00:13:05,000 --> 00:13:08,000 証拠に基づいた巨大な報告書ができました 319 00:13:08,000 --> 00:13:11,000 「幸福度の向上につながる5つの行動とは何か?」 320 00:13:11,000 --> 00:13:13,000 というのが我々のテーマでした 321 00:13:13,000 --> 00:13:15,000 重要なのは 322 00:13:15,000 --> 00:13:17,000 5つの行動は幸せの秘密という訳ではなく 323 00:13:17,000 --> 00:13:20,000 それらを通じて幸せが生み出されてくるのだということです 324 00:13:20,000 --> 00:13:23,000 まず最初はつながること 325 00:13:23,000 --> 00:13:25,000 つまり社会での関係が 326 00:13:25,000 --> 00:13:28,000 暮らしの中で最も重要な基礎になるということです 327 00:13:28,000 --> 00:13:30,000 時間やエネルギーを 328 00:13:30,000 --> 00:13:32,000 愛する人とともに使っていますか? 329 00:13:32,000 --> 00:13:34,000 これからもそうして下さい 330 00:13:34,000 --> 00:13:36,000 2番目は活動的であること 331 00:13:36,000 --> 00:13:39,000 悪い雰囲気から抜け出す最速の方法です 332 00:13:39,000 --> 00:13:42,000 外に出て 散歩をし ラジオをつけて 踊るのです 333 00:13:42,000 --> 00:13:45,000 活動的であるとポジティブな気分につながります 334 00:13:45,000 --> 00:13:48,000 3番目は注意を払うことです 335 00:13:48,000 --> 00:13:51,000 世界で起きていることや季節の移り変わり 336 00:13:51,000 --> 00:13:54,000 周りの人々などをどれほど気にかけていますか? 337 00:13:54,000 --> 00:13:57,000 自らの中で泡立ち現れようとしているものに気づいていますか? 338 00:13:57,000 --> 00:13:59,000 いくつもの証拠から考えて 339 00:13:59,000 --> 00:14:01,000 注意深さや認知行動療法は 340 00:14:01,000 --> 00:14:04,000 幸福と強く結びついています 341 00:14:04,000 --> 00:14:06,000 4番目は学び続けることです 342 00:14:06,000 --> 00:14:08,000 続けるというのが重要です 343 00:14:08,000 --> 00:14:10,000 一生を通して学び続けるのです 344 00:14:10,000 --> 00:14:13,000 好奇心を持ち学び続ける高齢者は 345 00:14:13,000 --> 00:14:16,000 人生の幕引きをはじめた人よりもずっと健康です 346 00:14:16,000 --> 00:14:18,000 正規の学習である必要はありません 347 00:14:18,000 --> 00:14:20,000 知識ベースではなく好奇心によるものです 348 00:14:20,000 --> 00:14:23,000 新しい料理を覚えるということでもいいし 349 00:14:23,000 --> 00:14:25,000 子どもの頃できなかった楽器に取り組んでもいいのです 350 00:14:25,000 --> 00:14:27,000 学び続けてください 351 00:14:27,000 --> 00:14:29,000 そして最後の一つは 352 00:14:29,000 --> 00:14:31,000 最も非経済的な行動ですが 353 00:14:31,000 --> 00:14:33,000 与えることです 354 00:14:33,000 --> 00:14:35,000 寛大さや利他主義 355 00:14:35,000 --> 00:14:37,000 そして同情など これらは全て 356 00:14:37,000 --> 00:14:39,000 脳内の報償のメカニズムと 357 00:14:39,000 --> 00:14:41,000 深く結びついています 358 00:14:41,000 --> 00:14:43,000 与えると良い気分になります 359 00:14:43,000 --> 00:14:45,000 2つのグループに100ドルずつあげるという 360 00:14:45,000 --> 00:14:48,000 実験があります 361 00:14:48,000 --> 00:14:51,000 片方には自分たちのために 362 00:14:51,000 --> 00:14:53,000 もう一方には他人のために使うよう言うのです 363 00:14:53,000 --> 00:14:55,000 その日の終わりに彼らの幸福度を測ると 364 00:14:55,000 --> 00:14:57,000 他人のために使った方が自らのために使ったよりも 365 00:14:57,000 --> 00:15:00,000 ずっと幸せを感じています 366 00:15:00,000 --> 00:15:02,000 この便利なカードに記した 367 00:15:02,000 --> 00:15:05,000 5つの方法は 368 00:15:05,000 --> 00:15:08,000 地球を犠牲にすることはありません 369 00:15:08,000 --> 00:15:10,000 炭素も含んでいないし 370 00:15:10,000 --> 00:15:13,000 満足を得るために大量の物質を必要をすることもありません 371 00:15:14,000 --> 00:15:16,000 地球を犠牲にすることなく 372 00:15:16,000 --> 00:15:18,000 幸せになることは可能なのです 373 00:15:18,000 --> 00:15:20,000 マーティン ルーサー キングは 374 00:15:20,000 --> 00:15:22,000 死の間際に 375 00:15:22,000 --> 00:15:24,000 素晴らしい演説をしました 376 00:15:24,000 --> 00:15:27,000 「目の前には困難や 377 00:15:27,000 --> 00:15:29,000 問題が待ち受けているが 378 00:15:29,000 --> 00:15:31,000 私は何も恐れないし気にもしない 379 00:15:31,000 --> 00:15:34,000 私は山の頂上に立ち 380 00:15:34,000 --> 00:15:36,000 約束の地を見たのだから」 381 00:15:36,000 --> 00:15:38,000 彼は牧師でしたが 382 00:15:38,000 --> 00:15:40,000 環境運動や 383 00:15:40,000 --> 00:15:43,000 ビジネス社会 そして政府も 384 00:15:43,000 --> 00:15:46,000 山の頂上に行き 385 00:15:46,000 --> 00:15:48,000 遠くを眺め 386 00:15:48,000 --> 00:15:50,000 約束の地を 387 00:15:50,000 --> 00:15:52,000 見る必要があります 388 00:15:52,000 --> 00:15:54,000 そして皆が望む世界についての 389 00:15:54,000 --> 00:15:57,000 構想を抱かねばなりません 390 00:15:57,000 --> 00:15:59,000 そしてそのために 391 00:15:59,000 --> 00:16:01,000 大いなる変革を生み出し 392 00:16:01,000 --> 00:16:04,000 良い方向に切り開くのです 393 00:16:04,000 --> 00:16:07,000 人間は幸せを求める生き物です 394 00:16:07,000 --> 00:16:09,000 5つの方法で幸せを切り開いて下さい 395 00:16:09,000 --> 00:16:11,000 そのためには 396 00:16:11,000 --> 00:16:13,000 人々を結びつけ方向を指し示す 397 00:16:13,000 --> 00:16:15,000 地球幸福度指数のような道標が必要です 398 00:16:15,000 --> 00:16:17,000 そうすれば 399 00:16:17,000 --> 00:16:19,000 皆が望む 400 00:16:19,000 --> 00:16:22,000 幸せが地球を破壊しない世界を作れるはずです 401 00:16:22,000 --> 00:16:28,000 (拍手)