私はよくポップカルチャーが 人々に与える悪影響について話している しかし悪い影響を与えられるなら 良い影響も与えられるはずだ そこで今回は共感と連帯を育む メディアを取り上げたい かなり広い分野なのでここでは 私の成長期だった1980年代の 映画から紹介していきたい 今のハリウッドには80年代が蘇っている 懐かしい作品がリメイクされ 続編を作るのが流行っている この流れの頂点にいるのは 小説原作の「レディ・プレイヤー1」だ "僕は2025年に生まれた" "でも1980年代に育った" この映画は当時のオタク文化の 長いリストを中心に構築されている 1980年代に育った私は その作品の多くをよく覚えている グーニーズ グレムリン ときめきサイエンス トロン バック・トゥ・ザ・フューチャー 全部観た でも振り返ると 私に最も影響を与えたのは 必ずしも有名な映画ではなかった 若い私に大きな印象を残したのは まごうことなく感傷的なシーンだった "さよならチャーリー" "大好き" 今でも心が動かされ 涙ぐんでしまう "大きくて 強そうな手に見えるだろう?" ある批評家は映画は共感を生む機械だと言った 視聴者は主人公と自分を同一視することで 彼らの経験や世界観を共有する 映画は共感と連帯について例を示すことで 人間の精神を励ますことができる 共感とは他人の気持ちを理解する能力だ 不幸な人を憐れむというのではなく 同じ感情を感じるというものだ 連帯とは背景の異なる多様な人々が 共通の目的を見つけ協力することだ 連帯は集団への共感とも言える この2つの概念を念頭に 私たちの社会を形作った 5つのあまり知られていない映画を紹介しよう 「ナティ物語」は少女とその相棒が 父を探すため列車で旅をする物語だ 大恐慌の時代 貧困にある主人公の目を通し 美しい世界を映し出す落ち着いた映画だ 映画は観衆を抑圧された側に置く 警察が家族を家から追い出し 会社でのひどい仕打ちを見せることで 大恐慌時代は厳しいが 冷笑的には描かない "うまいね" 経済的に困窮した人々の連帯が 映画全体を貫いている "食べ物と切符の金だ" "いいよ" "そう言うな ナティ" 少年と犬という古典的冒険物語だが ここでは少女と狼だ 若い女性が冒険者の主人公 という点が特に重要だ 特に若い男性にとって このような作品を見るのは重要だ "いい犬だね" "狼よ" 少年は少女と自分を同一視することで 女性も人として対等であることを学ぶ 「風の谷のナウシカ」は文明が 崩壊してから1000年後の世界の話だ 少数の生き残った人類の王女である ナウシカという少女が冒険に出かけ 毒に満ちた森と生き物たちから 世界を救おうと奮闘する "じっとして 驚かせないで" 人間と巨大昆虫との戦いを 終わらせようとする "私たちは敵じゃない 傷つけたりしない" 友人や家族間での共感表現はよくあるが グループの外の者への共感物語は珍しい 相手が敵であるならなおさらだ "やめて!もう殺さないで!" 敵への共感がこの映画の原理だ "ごめんなさい" "こんなひどいことをするなんて" ナウシカも虫の危険性には気づいているが それでもその獣への共感を広げていく そしてその共感が最後には人類を救う "射程7000マイル" "20メガトンの弾頭" 「Amazing Grace and Chuck」は 核兵器の存在を理由に野球をやめる少年の話だ "どういうことだ?" "核兵器があるから野球はできない" "何の関係がある" "何も でもそうするべきだと思う" "お前のせいだからな" "終わりだ 俺たちの負け" その抗議がプロのバスケ選手を動かし 共に核への抗議活動を展開する ハリウッドが政治活動を 正当化するのは珍しい 多くの映画で政治活動は 限定的に扱われるだけだ この映画は社会変化が どう起こるかを描いている 社会変化は社会的コストがどんどん高くなり 体制側が要求を飲んだ方が得になると起こる 映画ではスポーツ選手の多くが活動に参加し リーグを中止せざるを得なくなる状態に進む "今やプロスポーツ界だけでなく 学生スポーツ界まで中止になりました" "サッカーやテニス インドや中国にまで広がっています" 抗議活動が社会的コストを増大させ 権力者も注意を向けざるを得なくなる "やあチャック" そして重い腰を上げる そうして世界は大きく変わる 多くの映画とは異なり この社会変化は 悪を倒したり 指導者の行動で起こるのではない この社会変化は下から来る 団結し 共に立ち上がった人々から 「ハリーとヘンダスン一家」はある家族が 車でビッグフットをひくところから始まる "あいつかな?" "誰だ?" "ビッグフットだよ" 家族はその生き物をハリーと名付け そこから人生が大きく変わっていく これはいいビッグフット映画だ ハリーが他の生き物に見せる共感が 家族の世界観に影響を与えていく 特に狩りと銃について 父親は特に大きな変化を遂げる ハンターで武器商人だったが 非暴力的でクリエイティブになった "これ描いたの?" "ああ" "綺麗" 男らしさを示す銃や暴力を 男性が捨てるという描写は重要だ "キングコングじゃないのか 何だこのデカネズミは" "全然違う" "これが本物だ 別に悪くないだろ" "優しいし感情もある" "何だそれは" この映画が描いたように 男らしさとして 共感を描写できない理由はない 「ニューヨーク東8番街の奇跡」は アパートからの強制立ち退きに抵抗する話だ "やめろ!" かわいそうな住人たちだが 機械のエイリアンと出会う 住人は彼らを受け入れ 互いに協力し 燃料を提供する代わりに 一緒に戦うことになる "どうだ?" "やってる" "私はおばあちゃん" 機械の生命体は建物を修理する "直ってる 直せるんだ うまいもんだ" 映画は多様な連帯を描いている 人間とエイリアンは異なる背景と欲求を持つが それでもお互いを助けるように行動する 以上これらの映画を振り返ってみると 今のハリウッドに蔓延している 表面的な懐古趣味に対する解毒剤的なものを感じる "すごい" この映画のリストにも欠点がないわけではない 1980年代の映画には人種的偏見や 白人中心的な側面があった それでも共感と連帯というテーマは 私の成長に大きな影響を与えた リストは個人的なものだし 私に固有のものだ 年齢 性別 文化的背景によって 個人のリストは変わるだろう この10年間の映画でリストを作るなら 含めたい素晴らしい映画がいっぱいある 「ウォーリー」や「ファンタスティックビースト」は すでに動画も作った しかし共感や連帯を中心とした作品は 2018年の今もまだあまり見られない これは悲しい なぜなら私たちには 機械が共感を示すような映画がもっと必要だからだ