(空間音楽) (ボウルを叩く音) 全ての人間は太陽を知っています 従って、太陽が何か説明する必要はありません そして私は花粉とは何かを説明したくありません 私はそれを楽しみのためにふるいにかけ それを人々と共有しますが 説明するのは仕事ではありません 秘儀であり美であり 全ての可能性です (ふるい機を叩く音) 花粉は植物の命の始まりであり またそれ以上のものです 花粉は素晴らしい色を持ちながら 顔料ではありません 全てドイツ南部の私の住まい その近隣で集めたものです 最も美しいのはタンポポの花粉です タンポポ畑に何日も腰掛けるというのは 素晴らしい体験です 社会の中での一時間、一日、 数日、一週間、一ヶ月 そういったものとは全く異なっています (ふるい機を叩く音) MOMAの花粉はヘイゼルナッツのものです ヘイゼルナッツは初夏に盛りを迎えます 大体一月で容器一杯ぶんを集めることができます ここMOMAの花粉は90年代の初めから 去年までに集めたものです (ふるい機を叩く音) 大体15年から18年です 今のところ最も大きなプロジェクトです 他のプロジェクトは大体この4分の1ほどです 父はドイツ南部の小さな町で医者をしていました 父には友人がおり ヤコブ・ブレイクルという地元の芸術がでした 彼が私の両親の唯一の友人でした 彼は様々なものを見せてくれ それらはやがて私の家族、そして私自身にとって 大切な意味を持つようになりました 私たちが今も住む 両親の建てた草原の家も 彼なしではあり得なかったでしょう 私たちの関係は素晴らしいものでした 最も影響を受けたのは 彼が興味を持っていた中国哲学 老子、そしてブランクーシでしょう 15歳の頃には老子道徳経を 一言一句暗記していました 特に素晴らしいのは第1章 それから25章です