WEBVTT 00:00:01.000 --> 00:00:04.000 少し紛争に関係した話をします 00:00:04.000 --> 00:00:06.000 幻滅したことや 00:00:06.000 --> 00:00:08.000 死についての話 00:00:08.000 --> 00:00:10.000 そして 混沌とした世界で 00:00:10.000 --> 00:00:12.000 理想主義を 00:00:12.000 --> 00:00:14.000 再認識することについての話です 00:00:14.000 --> 00:00:16.000 教訓についても話すつもりです 00:00:16.000 --> 00:00:18.000 混乱と分裂の続く 00:00:18.000 --> 00:00:21.000 物騒な21世紀の世界と 00:00:21.000 --> 00:00:24.000 どのように向き合うかについての教訓です 00:00:25.000 --> 00:00:28.000 私は単純で明快な説明を信じません 00:00:28.000 --> 00:00:30.000 例えば 人生や歴史を記述する中に 00:00:30.000 --> 00:00:33.000 決定Aから結果Bが導かれ そこから結果Cが導かれた 00:00:33.000 --> 00:00:35.000 という説明があっても信じません 00:00:35.000 --> 00:00:37.000 我々が期待しているともいえる 00:00:37.000 --> 00:00:40.000 整理され単純化された説明は信じないのです 00:00:40.000 --> 00:00:42.000 信じるのは偶発的なことです 00:00:42.000 --> 00:00:44.000 その理由の一つは 00:00:44.000 --> 00:00:47.000 外交官になった経緯が偶然だったことです 00:00:47.000 --> 00:00:49.000 私は色覚障害で 生まれつき 00:00:49.000 --> 00:00:51.000 ほとんどの色を見分けられません 00:00:51.000 --> 00:00:54.000 いつも灰色や黒しか身に着けないのは そのせいです 00:00:54.000 --> 00:00:56.000 ですから 00:00:56.000 --> 00:00:59.000 洋服は 妻に選んでもらわなければなりません NOTE Paragraph 00:00:59.000 --> 00:01:02.000 幼い頃 ずっと戦闘機のパイロットになりたくて 00:01:02.000 --> 00:01:04.000 田舎の別荘で 00:01:04.000 --> 00:01:07.000 上空を飛ぶ飛行機を見て過ごすのが大好きでした 00:01:07.000 --> 00:01:10.000 戦闘機パイロットになることが少年時代の夢だったのです 00:01:10.000 --> 00:01:13.000 英国空軍パイロットの試験を受けましたが 00:01:13.000 --> 00:01:15.000 もちろん 落ちました 00:01:15.000 --> 00:01:17.000 ランプの点滅を見極められず 00:01:17.000 --> 00:01:19.000 色も識別できませんでしたから 00:01:19.000 --> 00:01:21.000 職業を考え直す必要に迫られました 00:01:21.000 --> 00:01:24.000 しかし それは案外簡単なことでした 00:01:24.000 --> 00:01:27.000 少年時代ずっと熱中していたことがあったからです 00:01:27.000 --> 00:01:29.000 それは国際関係です 00:01:29.000 --> 00:01:31.000 私は 00:01:31.000 --> 00:01:34.000 新聞を熟読する子供でした 00:01:34.000 --> 00:01:36.000 冷戦や 00:01:36.000 --> 00:01:38.000 中距離核戦力をめぐるINF交渉や 00:01:38.000 --> 00:01:41.000 アンゴラやアフガニスタンで起きた 00:01:41.000 --> 00:01:44.000 米ソ代理戦争などのニュースに 00:01:44.000 --> 00:01:47.000 夢中になりました 00:01:47.000 --> 00:01:50.000 こういったことに強い関心があったので 00:01:50.000 --> 00:01:52.000 幼い頃から 00:01:52.000 --> 00:01:54.000 外交官になりたいと思っていました 00:01:54.000 --> 00:01:57.000 ある日 それを両親に伝えようと -- 00:01:57.000 --> 00:01:59.000 父親はいまだにこの話を否定しますが 00:01:59.000 --> 00:02:01.000 "パパ ぼく外交官になりたい"と言うと 00:02:01.000 --> 00:02:03.000 父親はこう答えました 00:02:03.000 --> 00:02:05.000 "じゃあものすごく賢くならなくちゃね" 00:02:05.000 --> 00:02:07.000 (笑い) 00:02:07.000 --> 00:02:10.000 決意を固め NOTE Paragraph 00:02:10.000 --> 00:02:12.000 1989年 00:02:12.000 --> 00:02:15.000 イギリスの外交官になりました 00:02:15.000 --> 00:02:17.000 その年の志願者は5000人で 00:02:17.000 --> 00:02:20.000 合格者はわずか20人でした 00:02:20.000 --> 00:02:23.000 この数からも分かるように 00:02:23.000 --> 00:02:26.000 エリートの集まりです 00:02:26.000 --> 00:02:29.000 刺激的で魅惑的な集団に仲間入りしたのです 00:02:30.000 --> 00:02:32.000 当時も今も 外交官という職業は 00:02:32.000 --> 00:02:35.000 とても素晴らしく 私はその全てを堪能し 00:02:35.000 --> 00:02:37.000 その社会的地位を満喫しました 00:02:37.000 --> 00:02:40.000 見栄えの良いスーツと革底の靴を身にまとい 00:02:40.000 --> 00:02:42.000 国際情勢と深く関わる自分の地位に 00:02:42.000 --> 00:02:45.000 酔いしれました 00:02:45.000 --> 00:02:47.000 ガザ地区に赴いたり 00:02:47.000 --> 00:02:49.000 イギリス外務省で 00:02:49.000 --> 00:02:51.000 中東和平プロセスを指揮したり 00:02:51.000 --> 00:02:53.000 イギリスの外務大臣の 00:02:53.000 --> 00:02:55.000 スピーチライターも務めました 00:02:55.000 --> 00:02:57.000 アラファト議長にも会いました 00:02:57.000 --> 00:02:59.000 国連で 00:02:59.000 --> 00:03:02.000 フセイン政権下の外交団と交渉もしました 00:03:02.000 --> 00:03:04.000 タリバン崩壊後はカブールに赴き 00:03:04.000 --> 00:03:07.000 アフガニスタンでの任務に就きました 00:03:07.000 --> 00:03:09.000 そして 00:03:09.000 --> 00:03:12.000 C-130輸送機に乗りこんで 00:03:12.000 --> 00:03:14.000 山中に潜伏している 00:03:14.000 --> 00:03:16.000 リーダーたちに会いに行きました 00:03:16.000 --> 00:03:18.000 彼らとともに アフガニスタンから 00:03:18.000 --> 00:03:21.000 アルカイダを根絶する方法について話し合いました 00:03:21.000 --> 00:03:24.000 私たちを 特殊部隊が護衛し 00:03:24.000 --> 00:03:27.000 その特殊部隊を 英国海兵隊が護衛していました 00:03:27.000 --> 00:03:29.000 非常に危険な任務だったからです 00:03:29.000 --> 00:03:32.000 刺激的でやりがいがあり 00:03:32.000 --> 00:03:34.000 非常に興味深い任務でした 00:03:34.000 --> 00:03:36.000 優れた組織で 00:03:36.000 --> 00:03:39.000 極めて結束の強い集団でした NOTE Paragraph 00:03:39.000 --> 00:03:42.000 振り返ってみると 外交官としての私のピークは 00:03:42.000 --> 00:03:45.000 ニューヨークに配属された頃でした 00:03:45.000 --> 00:03:47.000 それまでにドイツやノルウェーのほか 00:03:47.000 --> 00:03:49.000 様々な地域で任務に就きましたが 00:03:49.000 --> 00:03:51.000 ニューヨークでは 00:03:51.000 --> 00:03:54.000 イギリス代表部に属し 国連安保理の仕事を任されました 00:03:54.000 --> 00:03:56.000 担当は中東でした 00:03:56.000 --> 00:03:58.000 中東は私の専門です 00:03:58.000 --> 00:04:00.000 そこでは 00:04:00.000 --> 00:04:02.000 中東和平プロセスや 00:04:02.000 --> 00:04:04.000 ロッカビー問題などに取り組みました 00:04:04.000 --> 00:04:07.000 それは別の機会にお話しすることにしましょう 00:04:07.000 --> 00:04:09.000 とりわけその中で 00:04:09.000 --> 00:04:11.000 イラクと大量破壊兵器 00:04:11.000 --> 00:04:13.000 そしてその武装解除を求める 00:04:13.000 --> 00:04:16.000 イギリスの対イラク制裁を担当しました 00:04:17.000 --> 00:04:19.000 イギリス側の交渉責任者として 00:04:19.000 --> 00:04:21.000 その任務に 00:04:21.000 --> 00:04:24.000 没頭しました 00:04:24.000 --> 00:04:27.000 とにかく 00:04:27.000 --> 00:04:30.000 大規模で劇的な外交だったという意味で 00:04:30.000 --> 00:04:33.000 非常に刺激的な任務でした 00:04:33.000 --> 00:04:35.000 ニューヨークに配属されていた間に 00:04:35.000 --> 00:04:38.000 何度か戦争がありました 00:04:38.000 --> 00:04:40.000 私はイギリスのために 00:04:40.000 --> 00:04:42.000 2001年9月12日の 00:04:42.000 --> 00:04:44.000 国連安保理決議案をまとめ 00:04:44.000 --> 00:04:47.000 前日のテロ攻撃を非難しました 00:04:47.000 --> 00:04:49.000 その当時ニューヨークにいた私たちに 00:04:49.000 --> 00:04:52.000 深い衝撃を与えた事件でした 00:04:52.000 --> 00:04:54.000 ですからニューヨークでの経験は 00:04:54.000 --> 00:04:56.000 最高とも最悪とも言えるものでした 00:04:56.000 --> 00:04:58.000 ニューヨークでは贅沢に暮らし 00:04:58.000 --> 00:05:00.000 長時間勤務とはいえ 家は 00:05:00.000 --> 00:05:02.000 ユニオン スクエアにあるマンションの最上階でした 00:05:02.000 --> 00:05:05.000 独身イギリス外交官がどんなニューヨーク生活を送るか 00:05:05.000 --> 00:05:07.000 皆さん大体想像ができますよね? 00:05:07.000 --> 00:05:10.000 (笑い) 00:05:10.000 --> 00:05:12.000 とても楽しい生活でした NOTE Paragraph 00:05:12.000 --> 00:05:14.000 しかし2002年 00:05:14.000 --> 00:05:17.000 任務が終了した後 00:05:17.000 --> 00:05:20.000 ロンドンには戻らないことに決めました 00:05:20.000 --> 00:05:22.000 ロンドンで任務が待っていましたが 00:05:22.000 --> 00:05:24.000 特別研究休暇をとって 00:05:24.000 --> 00:05:26.000 ニュー スクール大学で過ごすことにしました 00:05:27.000 --> 00:05:30.000 曖昧でぼんやりとした感覚でしたが 00:05:30.000 --> 00:05:32.000 仕事や自分の何かが 00:05:32.000 --> 00:05:34.000 間違っていると感じたのです 00:05:34.000 --> 00:05:36.000 疲れ果てていましたし 00:05:36.000 --> 00:05:38.000 理由ははっきりとしないのですが 00:05:38.000 --> 00:05:40.000 幻滅もしていたので 00:05:40.000 --> 00:05:43.000 少し仕事から離れてみることにしたのです 00:05:43.000 --> 00:05:45.000 外務省は非常に寛大でした 00:05:45.000 --> 00:05:47.000 外交官の地位を残したまま 00:05:47.000 --> 00:05:50.000 実際の任務に就かずに 特別な無給休暇をとれたのです 00:05:50.000 --> 00:05:52.000 良い待遇でした 00:05:52.000 --> 00:05:54.000 その後しばらくして 00:05:54.000 --> 00:05:57.000 国連コソボミッションへの配属を希望しました 00:05:59.000 --> 00:06:02.000 当時コソボは国連の管理下におかれていました NOTE Paragraph 00:06:02.000 --> 00:06:04.000 コソボでは二つのことが起きました 00:06:04.000 --> 00:06:06.000 これもまた 00:06:06.000 --> 00:06:08.000 人生の偶発性を示す出来事でした 00:06:08.000 --> 00:06:10.000 なぜならこの二つが 00:06:10.000 --> 00:06:12.000 私の人生の転換期となったからです 00:06:12.000 --> 00:06:15.000 私の背中を押してくれた出来事です 00:06:15.000 --> 00:06:17.000 しかしこの二つは別々の出来事です 00:06:17.000 --> 00:06:20.000 一つは2004年の夏 00:06:20.000 --> 00:06:22.000 公式調査委員会がやっと設立されて 00:06:22.000 --> 00:06:24.000 大量破壊兵器に関する機密情報を 00:06:24.000 --> 00:06:26.000 イラク戦争の開戦前に 00:06:26.000 --> 00:06:29.000 イギリス政府がどう使ったか調べると決めた時のことです 00:06:29.000 --> 00:06:31.000 非常に制限のかかっていた問題でした 00:06:31.000 --> 00:06:34.000 私は極秘に委員会で証言しました 00:06:34.000 --> 00:06:37.000 私はイラクとその大量破壊兵器の情報に 00:06:37.000 --> 00:06:39.000 精通していました 00:06:39.000 --> 00:06:42.000 証言では三つのことを述べました 00:06:42.000 --> 00:06:45.000 まず 政府によって情報が誇張されたこと 00:06:45.000 --> 00:06:48.000 どの資料をみてもこれは明らかでした 00:06:48.000 --> 00:06:51.000 実際 内部調査によってイラクの大量破壊兵器が 00:06:51.000 --> 00:06:53.000 イラク周辺国はもちろん 00:06:53.000 --> 00:06:56.000 ましてイギリスの脅威となり得ないことは明らかでした 00:06:56.000 --> 00:06:59.000 次に 戦争以外に取り得る選択肢を政府が全て無視したこと 00:06:59.000 --> 00:07:01.000 これは色々な意味で 00:07:01.000 --> 00:07:04.000 より恥ずべき行為だと言えるでしょう 00:07:04.000 --> 00:07:06.000 三つめはご紹介しませんが 00:07:06.000 --> 00:07:08.000 とにかく 証言しました 00:07:08.000 --> 00:07:10.000 そして窮地に陥りました 00:07:10.000 --> 00:07:12.000 証言することで 00:07:12.000 --> 00:07:15.000 "虚偽に基づく戦争"に賛成だったと思われる 00:07:15.000 --> 00:07:17.000 同僚や大臣などを 00:07:17.000 --> 00:07:20.000 酷評する結果となって NOTE Paragraph 00:07:20.000 --> 00:07:22.000 私は苦境に陥ったのです 00:07:22.000 --> 00:07:24.000 良い気分ではありませんでした 00:07:24.000 --> 00:07:26.000 不平や不満 戸惑いや躊躇を 00:07:26.000 --> 00:07:29.000 辛抱強い妻に何度も何度も聞かせたあと 00:07:30.000 --> 00:07:33.000 私はイギリス外務省を辞める決意をしました 00:07:33.000 --> 00:07:37.000 アル パチーノ主演の映画"インサイダー"の中に次のような場面があります 00:07:37.000 --> 00:07:39.000 タバコ会社を内部告発した男の件で 00:07:39.000 --> 00:07:42.000 CBS上層部の対応に失望したアル パチーノが最後に一言 00:07:42.000 --> 00:07:45.000 "もうここでは続けられないよ 何かが壊れちまった" 00:07:45.000 --> 00:07:47.000 まさに私の台詞でした 大好きな映画です 00:07:47.000 --> 00:07:49.000 私の中で何か壊れた気がしました 00:07:49.000 --> 00:07:51.000 外務大臣や首相と笑顔で同席し 00:07:51.000 --> 00:07:53.000 かつては喜んでしてきた任務を 00:07:53.000 --> 00:07:56.000 続けられなくなっていたのです 00:07:56.000 --> 00:07:59.000 思い切り助走をつけて 00:07:59.000 --> 00:08:02.000 断崖から飛び降りる思いでした NOTE Paragraph 00:08:02.000 --> 00:08:06.000 非常に居心地が悪く 気分の良いものではありませんでした 00:08:06.000 --> 00:08:08.000 落下を始めた私は 00:08:08.000 --> 00:08:11.000 今でも止まることなく 00:08:11.000 --> 00:08:13.000 落ち続けています 00:08:13.000 --> 00:08:16.000 しかしなんとなくこの感覚に慣れてきました 00:08:16.000 --> 00:08:18.000 崖の上に立って 00:08:18.000 --> 00:08:20.000 何をすべきか 00:08:20.000 --> 00:08:22.000 思い悩んでいることを考えれば 00:08:22.000 --> 00:08:24.000 ずっとましな感覚です 00:08:24.000 --> 00:08:26.000 二つめはコソボで起きました 00:08:26.000 --> 00:08:29.000 ちょっと水を飲ませて下さい 00:08:31.000 --> 00:08:33.000 二つめはコソボで起きました 00:08:33.000 --> 00:08:35.000 私に答えを教えてくれた出来事です 00:08:35.000 --> 00:08:38.000 ずっと答えを出せずにいた 00:08:38.000 --> 00:08:41.000 "この先何をして生きていくのか?"という問いの答えです 00:08:42.000 --> 00:08:44.000 私は外交が好きです 00:08:44.000 --> 00:08:46.000 他にキャリアはありませんし 00:08:46.000 --> 00:08:49.000 一生外交官としてイギリスのために働くと思っていました 00:08:49.000 --> 00:08:51.000 大使になることが私の目標でした 00:08:51.000 --> 00:08:53.000 大使は私の師でありヒーローであり 00:08:53.000 --> 00:08:55.000 外交官のトップです 00:08:55.000 --> 00:08:57.000 ここにきて 全て投げ出したのです 00:08:57.000 --> 00:08:59.000 外務省に残る多くの友人 00:08:59.000 --> 00:09:01.000 積み立てた年金 00:09:01.000 --> 00:09:03.000 それを全て手放したのです 00:09:03.000 --> 00:09:05.000 では そのあとの話をしましょう NOTE Paragraph 00:09:05.000 --> 00:09:07.000 その年コソボで 00:09:07.000 --> 00:09:10.000 悲惨な事件が起こり 私はその場に居合わせました 00:09:10.000 --> 00:09:12.000 2004年3月 00:09:12.000 --> 00:09:15.000 当時のコソボ自治州全域で暴動が起こりました 00:09:15.000 --> 00:09:17.000 暴動によって18人が殺され 00:09:17.000 --> 00:09:19.000 無政府状態でした 00:09:19.000 --> 00:09:21.000 酷い光景でした 00:09:21.000 --> 00:09:23.000 多くの軍隊が駐留していましたが 00:09:23.000 --> 00:09:25.000 警察や軍隊でさえ 00:09:25.000 --> 00:09:27.000 暴動を抑えることが出来ませんでした 00:09:27.000 --> 00:09:29.000 町中を暴れまわる 00:09:29.000 --> 00:09:32.000 暴徒を止めることができるものは 00:09:32.000 --> 00:09:34.000 暴徒の意思のみであり 00:09:34.000 --> 00:09:36.000 破壊や殺戮に満足するまで続きました 00:09:36.000 --> 00:09:39.000 極めて悲惨な状況を目の当たりにしました 00:09:39.000 --> 00:09:42.000 アルバニア人の友人らと共に説得を試みましたが 00:09:42.000 --> 00:09:45.000 暴徒を抑えることは出来ませんでした 00:09:45.000 --> 00:09:48.000 この暴動によって 00:09:48.000 --> 00:09:51.000 一見しても分からない ある複雑な事実を学びました NOTE Paragraph 00:09:51.000 --> 00:09:53.000 数日にわたって 00:09:53.000 --> 00:09:55.000 暴動が繰り返された理由の一つは 00:09:55.000 --> 00:09:57.000 コソボの人たちが 00:09:57.000 --> 00:10:00.000 コソボの将来を決める権利を奪われたことにありました 00:10:01.000 --> 00:10:04.000 当時 コソボの将来をめぐって 00:10:04.000 --> 00:10:06.000 外交交渉が行われていましたが 00:10:06.000 --> 00:10:08.000 コソボ政府 ましてやコソボの人たちは 00:10:08.000 --> 00:10:10.000 その交渉の場に 00:10:10.000 --> 00:10:12.000 招かれていませんでした 00:10:12.000 --> 00:10:15.000 おかしな外交体制で 00:10:15.000 --> 00:10:18.000 コソボの将来について話し合う交渉プロセスでありながら 00:10:18.000 --> 00:10:20.000 コソボの人たちは蚊帳の外でした 00:10:20.000 --> 00:10:23.000 当然コソボの人たちはそんな現状に不満を抱いていました 00:10:23.000 --> 00:10:26.000 暴動はその不満の表れでもありました 00:10:26.000 --> 00:10:28.000 理由はこれだけではありません 00:10:28.000 --> 00:10:30.000 そんなに単純ではなく 00:10:30.000 --> 00:10:32.000 理由はもっと複雑です 00:10:32.000 --> 00:10:34.000 事実を単純化するつもりはないのですが 00:10:34.000 --> 00:10:36.000 理由の一つではあります NOTE Paragraph 00:10:36.000 --> 00:10:38.000 このとき ふと思いつきました 00:10:38.000 --> 00:10:40.000 正確には 00:10:40.000 --> 00:10:42.000 妻に言われたのです 00:10:42.000 --> 00:10:45.000 "どうしてコソボの人たちにアドバイスしないの?" 00:10:45.000 --> 00:10:48.000 "雇われ外交官としてコソボ政府に外交アドバイスをしたら?" 00:10:48.000 --> 00:10:50.000 コソボには外務省がありませんでした 00:10:50.000 --> 00:10:52.000 外交団の存在が認められず 00:10:52.000 --> 00:10:54.000 外交機関も認められていませんでした 00:10:54.000 --> 00:10:57.000 "コソボの最終地位決定プロセス"として知られる 00:10:57.000 --> 00:11:00.000 非常に複雑な外交プロセスを担う組織が存在しませんでした 00:11:00.000 --> 00:11:02.000 そこで思いついた 00:11:02.000 --> 00:11:04.000 雇われ外交官のアイデアが 00:11:04.000 --> 00:11:07.000 世界で初めて外交アドバイスを行う非営利組織 00:11:07.000 --> 00:11:09.000 "独立外交官"の原点となりました 00:11:09.000 --> 00:11:12.000 最初の契約はロンドンから戻った時のことでした 00:11:12.000 --> 00:11:15.000 国連コソボミッションを終えた後のことです 00:11:15.000 --> 00:11:18.000 夕食に同席したコソボの首相に こう言いました 00:11:18.000 --> 00:11:21.000 "外交アドバイスをしますよ 知識も経験もあります" 00:11:21.000 --> 00:11:24.000 "あなたの国の外交を手伝わせてください" 00:11:24.000 --> 00:11:26.000 グラスを合わせて首相は答えました 00:11:26.000 --> 00:11:28.000 "ぜひ君にお願いしよう" NOTE Paragraph 00:11:28.000 --> 00:11:30.000 こうして コソボ政府の 00:11:30.000 --> 00:11:32.000 外交アドバイザーに就任しました 00:11:32.000 --> 00:11:35.000 3代続けてコソボ首相の外交アドバイザーを務め 00:11:35.000 --> 00:11:38.000 多国間交渉に参加する交渉団にもアドバイスしました 00:11:38.000 --> 00:11:41.000 やがてコソボは独立しました 00:11:41.000 --> 00:11:44.000 "独立外交官"は現在 00:11:44.000 --> 00:11:46.000 世界5ヶ所にオフィスを構えて 00:11:46.000 --> 00:11:48.000 7か8の国 00:11:48.000 --> 00:11:51.000 あるいは政治組織とも呼ばれる人たち 00:11:51.000 --> 00:11:53.000 そういった相手に 00:11:53.000 --> 00:11:55.000 外交アドバイスを行っています 00:11:55.000 --> 00:11:58.000 顧客はキプロス島の再統合を目指す北キプロスや 00:11:58.000 --> 00:12:00.000 ビルマの反対派勢力です 00:12:00.000 --> 00:12:02.000 初耳かもしれませんが 00:12:02.000 --> 00:12:04.000 南部スーダン自治政府は 00:12:04.000 --> 00:12:06.000 数年のうちに独立国となるでしょう 00:12:08.000 --> 00:12:11.000 西サハラのポリサリオ戦線も私たちの顧客です 00:12:11.000 --> 00:12:13.000 彼らは34年間にわたり 00:12:13.000 --> 00:12:15.000 モロッコを相手に 00:12:15.000 --> 00:12:18.000 民族自決の戦いを続けています 00:12:18.000 --> 00:12:21.000 コペンハーゲンで開催が予定される 00:12:21.000 --> 00:12:23.000 国連気候変動会議に関して 00:12:23.000 --> 00:12:25.000 小島嶼諸国にもアドバイスしています NOTE Paragraph 00:12:26.000 --> 00:12:28.000 また偶然という話になりますが 00:12:28.000 --> 00:12:30.000 "独立外交官"として駆け出しの頃 00:12:30.000 --> 00:12:32.000 上院議員のパーティに 00:12:32.000 --> 00:12:34.000 顔を出した時のことでした 00:12:34.000 --> 00:12:36.000 こんなふうにグラスを持ったまま 00:12:36.000 --> 00:12:38.000 後ろにいた男性にぶつかってしまって 00:12:38.000 --> 00:12:40.000 その男性と会話が始まり 00:12:40.000 --> 00:12:42.000 私が何をしているか話しました 00:12:42.000 --> 00:12:44.000 いささか重々しい口調で 00:12:44.000 --> 00:12:46.000 ニューヨークで"独立外交官"を始めること 00:12:46.000 --> 00:12:48.000 スタッフは私だけで 00:12:48.000 --> 00:12:50.000 妻とニューヨークへ戻ることを話すと 00:12:50.000 --> 00:12:53.000 ニューヨークにいる同僚に会うよう勧められました 00:12:53.000 --> 00:12:55.000 実は 革新を提供する会社 00:12:55.000 --> 00:12:57.000 "?What If!"の社員だったのです 00:12:57.000 --> 00:12:59.000 社名はご存知かもしれませんね 00:12:59.000 --> 00:13:01.000 その後いろんな事が重なり 00:13:01.000 --> 00:13:03.000 "独立外交官"を始動させた頃 00:13:03.000 --> 00:13:05.000 ニューヨークで"?What If!"に 00:13:05.000 --> 00:13:07.000 籍を置くことになりました 00:13:07.000 --> 00:13:09.000 "?What If!"で 00:13:09.000 --> 00:13:11.000 チューイングガムやコーラの 00:13:11.000 --> 00:13:13.000 新しい風味を開発するのを見ることが 00:13:13.000 --> 00:13:15.000 コソボの人たちや 00:13:15.000 --> 00:13:17.000 西サハラのサハラウィのために 00:13:17.000 --> 00:13:20.000 新しい戦略を編み出すのにとても役に立ちました 00:13:20.000 --> 00:13:23.000 外交の方法は一つではないことに気づき始めました 00:13:23.000 --> 00:13:25.000 外交とはつまりビジネスのように 00:13:25.000 --> 00:13:27.000 問題を解決するという事業なのです 00:13:27.000 --> 00:13:30.000 しかし従来の外交には"革新"という言葉が存在しません 00:13:30.000 --> 00:13:33.000 ゼロ サムゲームやリアルポリティック(現実的政治)であり 00:13:33.000 --> 00:13:36.000 脈々と受け継がれた古臭い慣例に他なりません 00:13:36.000 --> 00:13:39.000 そんな伝統を守っているのが今の外交の姿なのです NOTE Paragraph 00:13:39.000 --> 00:13:41.000 "独立外交官"は現在 00:13:41.000 --> 00:13:44.000 "?What If!"から学んだことを取り入れようとしています 00:13:44.000 --> 00:13:47.000 全員が一室に集まることで あちこちで議論が起こり 00:13:47.000 --> 00:13:50.000 発想の転換を図るためノートパソコンを手に席を移動します 00:13:50.000 --> 00:13:52.000 また顧客に関する知識を持たない 00:13:52.000 --> 00:13:55.000 別分野の専門家を起用して 00:13:55.000 --> 00:13:57.000 私たちが取り組む問題に 00:13:57.000 --> 00:13:59.000 斬新な考えを 00:13:59.000 --> 00:14:01.000 取り入れるようにしています 00:14:01.000 --> 00:14:03.000 当然ながら私たちの顧客は 00:14:03.000 --> 00:14:05.000 国際社会で困難な立場にあるため 00:14:05.000 --> 00:14:08.000 仕事は簡単ではありません NOTE Paragraph 00:14:10.000 --> 00:14:12.000 そうしたなかで 00:14:12.000 --> 00:14:15.000 いくつか教訓を得ました 00:14:15.000 --> 00:14:17.000 個人的なものと政治的なものですが 00:14:17.000 --> 00:14:20.000 ある意味でこの二つは同じものです 00:14:20.000 --> 00:14:22.000 個人的な教訓は 00:14:22.000 --> 00:14:24.000 崖から飛び降りるような経験が 00:14:24.000 --> 00:14:27.000 実は良いことだということです ぜひお勧めします 00:14:28.000 --> 00:14:30.000 少なくとも人生の中で一度くらい 00:14:30.000 --> 00:14:33.000 全てをめちゃくちゃにして飛び降りるのも良いものです 00:14:34.000 --> 00:14:37.000 もう一つは今日の世界に関するもっと大きな教訓です 00:14:37.000 --> 00:14:40.000 "独立外交官"は世界に広がる 00:14:40.000 --> 00:14:43.000 新たな動向の一部だといえます 00:14:43.000 --> 00:14:46.000 世界はますます分裂が進み 00:14:46.000 --> 00:14:49.000 国家はかつてほど重要性を持たなくなりました 00:14:49.000 --> 00:14:51.000 国家権力は減退しつつあります 00:14:51.000 --> 00:14:53.000 国家以外の勢力が増大しているのです 00:14:53.000 --> 00:14:55.000 非国家主体と呼ばれ 00:14:55.000 --> 00:14:57.000 企業や 00:14:57.000 --> 00:15:00.000 マフィア集団 善良なNGOなど 00:15:00.000 --> 00:15:02.000 その形態は 00:15:02.000 --> 00:15:04.000 いくらでもあります 00:15:04.000 --> 00:15:07.000 以前よりも複雑で分化した世界に私たちは生きています 00:15:07.000 --> 00:15:09.000 私たちに影響が及ぶ問題に対し 00:15:09.000 --> 00:15:11.000 政府の介入能力が 00:15:11.000 --> 00:15:14.000 減退しているのであれば 00:15:14.000 --> 00:15:17.000 代わりにその問題に対応してくれる人 00:15:17.000 --> 00:15:19.000 責任を負うべき人は誰か? 00:15:19.000 --> 00:15:21.000 それは私たちです 00:15:21.000 --> 00:15:24.000 政府の代わりに行動を起こすのは私たちなのです 00:15:24.000 --> 00:15:27.000 私たちはこの現実を受け入れなければなりません NOTE Paragraph 00:15:27.000 --> 00:15:29.000 それは 00:15:29.000 --> 00:15:32.000 国際関係や国際問題 00:15:32.000 --> 00:15:35.000 あるいはソマリアの混乱 00:15:35.000 --> 00:15:37.000 ビルマで起きていることなどを 00:15:37.000 --> 00:15:40.000 自分と無関係だから政府にまかせておけば良い 00:15:40.000 --> 00:15:43.000 とは言えなくなったことを意味します 00:15:43.000 --> 00:15:45.000 ここにいる皆さん一人一人を 00:15:45.000 --> 00:15:47.000 いわゆる"六次の隔たり"で 00:15:47.000 --> 00:15:50.000 ソマリアのアルシャバブ市民軍に結びつけられます 00:15:50.000 --> 00:15:54.000 詳細は省きますが 興味深いことに 口にしている魚が 皆さんを 00:15:54.000 --> 00:15:56.000 ソマリアの市民軍に結びつけるのです 00:15:56.000 --> 00:15:58.000 私たちは密接に結びついています 00:15:58.000 --> 00:16:00.000 トム フリードマンの論にとどまらず 00:16:00.000 --> 00:16:03.000 実際にどんなケースにもあてはまります 00:16:03.000 --> 00:16:06.000 政治家に頼らず 00:16:06.000 --> 00:16:09.000 自分で行動を起こす必要があるということなのです 00:16:09.000 --> 00:16:11.000 このような例を具体化したものが 00:16:11.000 --> 00:16:13.000 "独立外交官"だと言えるでしょう NOTE Paragraph 00:16:13.000 --> 00:16:16.000 一つ例をあげてみましょう 00:16:16.000 --> 00:16:18.000 世界が移り変わる様相は 00:16:18.000 --> 00:16:20.000 国連安保理の活動からも 00:16:20.000 --> 00:16:22.000 見て取れます 00:16:22.000 --> 00:16:25.000 国際連合は1945年に発足しました 00:16:25.000 --> 00:16:27.000 国連憲章は加盟国間 つまり -- 00:16:27.000 --> 00:16:29.000 国と国との紛争を解決するために 00:16:29.000 --> 00:16:31.000 定められたものです 00:16:31.000 --> 00:16:33.000 今日の国連安保理では 00:16:33.000 --> 00:16:35.000 議題の8割が 00:16:35.000 --> 00:16:37.000 内紛に関するものです 00:16:37.000 --> 00:16:39.000 非国家集団 00:16:39.000 --> 00:16:41.000 ゲリラや分離主義者 00:16:41.000 --> 00:16:43.000 テロリストが関与しています 00:16:43.000 --> 00:16:46.000 彼らは従来の政府や国家主体の集団ではありません 00:16:46.000 --> 00:16:49.000 これが今日の世界情勢なのです 00:16:49.000 --> 00:16:51.000 この事実を理解し 00:16:51.000 --> 00:16:54.000 国連安保理で行われていたことや 00:16:54.000 --> 00:16:56.000 コソボの状況を思い返して 00:16:56.000 --> 00:16:58.000 私は気が付きました 00:16:58.000 --> 00:17:00.000 国連安保理の活動から 00:17:00.000 --> 00:17:02.000 最も大きな影響を受ける人たちが 00:17:02.000 --> 00:17:04.000 話し合いに招かれず 00:17:04.000 --> 00:17:06.000 発言権を与えられていないのです 00:17:06.000 --> 00:17:08.000 これは間違っていると思いました 00:17:08.000 --> 00:17:10.000 どうにかしなければと思いました NOTE Paragraph 00:17:10.000 --> 00:17:13.000 まずは一般的なやり方から始めようと 00:17:13.000 --> 00:17:15.000 "独立外交官"のスタッフらと共に 00:17:15.000 --> 00:17:17.000 国連安保理や 00:17:17.000 --> 00:17:19.000 カザフスタン エチオピア イスラエルなど 00:17:19.000 --> 00:17:21.000 70近い国連加盟国を訪問して 00:17:21.000 --> 00:17:23.000 国連事務総長や多くの関係者に 00:17:23.000 --> 00:17:25.000 こう言いました 00:17:25.000 --> 00:17:27.000 "実際に影響を受ける人から" 00:17:27.000 --> 00:17:29.000 "意見を聞かないのは間違いです" 00:17:29.000 --> 00:17:31.000 "コソボの人たちの参加できる体制が" 00:17:31.000 --> 00:17:33.000 "必要なのです そうすれば" 00:17:33.000 --> 00:17:35.000 "相手の考えを聞くだけでなく" 00:17:35.000 --> 00:17:37.000 "あなた方の考えも伝えられます" 00:17:37.000 --> 00:17:39.000 "つまり意見の交換です" 00:17:39.000 --> 00:17:42.000 "相手の考えを取り入れれば あなた方の決定が もっと" 00:17:42.000 --> 00:17:44.000 "効果的で永続的なものになるのです" 00:17:47.000 --> 00:17:49.000 正論です 00:17:49.000 --> 00:17:51.000 非常に道理にかなっています 00:17:51.000 --> 00:17:54.000 もちろん全員が納得して こう言いました 00:17:54.000 --> 00:17:56.000 "おっしゃるとおりです" 00:17:56.000 --> 00:17:58.000 "6ヶ月後に また連絡ください" 00:17:58.000 --> 00:18:01.000 もちろん何も起きませんでした 誰も何もしなかったのです 00:18:01.000 --> 00:18:03.000 国連安保理は 今でも 00:18:03.000 --> 00:18:05.000 ずっと昔と同じやり方で 00:18:05.000 --> 00:18:08.000 任務を遂行しています 00:18:08.000 --> 00:18:11.000 私が10年前に働いていた頃と何も変わっていません NOTE Paragraph 00:18:11.000 --> 00:18:13.000 この働きかけは 00:18:13.000 --> 00:18:15.000 失敗に終わったので 00:18:15.000 --> 00:18:17.000 他の方法を考えることにしました 00:18:17.000 --> 00:18:19.000 こんなことを思っていました 00:18:19.000 --> 00:18:21.000 "希望どおり動いてもらうために" 00:18:21.000 --> 00:18:23.000 "あんな政府を相手にしていたら" 00:18:23.000 --> 00:18:25.000 "残りの人生が台無しだ" 00:18:25.000 --> 00:18:27.000 そこで私たちは 00:18:27.000 --> 00:18:29.000 会議を設定することを思いつきました 00:18:29.000 --> 00:18:31.000 "独立外交官"は現在 00:18:31.000 --> 00:18:33.000 国連安保理の議題にのった紛争の 00:18:33.000 --> 00:18:35.000 当事者と 00:18:35.000 --> 00:18:37.000 国連安保理との会議を 00:18:37.000 --> 00:18:40.000 準備しています 00:18:40.000 --> 00:18:42.000 今後 00:18:42.000 --> 00:18:45.000 ダルフールの反乱グループや 00:18:45.000 --> 00:18:48.000 南北キプロス 00:18:49.000 --> 00:18:52.000 アチェの反体制派など 00:18:52.000 --> 00:18:54.000 混乱状態にある 00:18:54.000 --> 00:18:57.000 山ほどある紛争の当事者に参加してもらいます 00:18:57.000 --> 00:19:00.000 また彼らをニューヨークに招き 00:19:00.000 --> 00:19:02.000 静かな一室に座り 00:19:02.000 --> 00:19:04.000 報道陣のいない非公式の設定で 00:19:04.000 --> 00:19:06.000 当事者と安全保障理事国が 00:19:06.000 --> 00:19:08.000 双方の利害に関して 00:19:08.000 --> 00:19:10.000 お互いの意見を交換する場を 00:19:10.000 --> 00:19:12.000 設けます 00:19:12.000 --> 00:19:14.000 これは対話の場です 00:19:14.000 --> 00:19:16.000 初めて実現したのです 00:19:16.000 --> 00:19:19.000 政治についてよく知っている人たちは 00:19:19.000 --> 00:19:22.000 それは途方もなく困難だと思うでしょう 00:19:22.000 --> 00:19:24.000 私もその考えに同感です 00:19:24.000 --> 00:19:27.000 失敗する可能性はかなり高いでしょうが 00:19:27.000 --> 00:19:29.000 失敗を恐れて何もしなければ 00:19:29.000 --> 00:19:32.000 成功の可能性など無いのです NOTE Paragraph 00:19:32.000 --> 00:19:35.000 外交官だった時と比べて 00:19:35.000 --> 00:19:37.000 私の戦略は根本から変わりました 00:19:37.000 --> 00:19:40.000 肝心なのは結果だと思っています 率直に言って 00:19:40.000 --> 00:19:43.000 プロセスもテクノロジーもさほど重要ではありません 00:19:43.000 --> 00:19:45.000 デモのツールとして 00:19:45.000 --> 00:19:48.000 ツイッターを駆使するイランの示威運動者にテクノロジーを説いても 00:19:48.000 --> 00:19:51.000 彼らを政治犯として拘束するイラン政府は 00:19:51.000 --> 00:19:53.000 アハマディネジャドが握ったままです 00:19:53.000 --> 00:19:56.000 テクノロジーはイランに政治改革をもたらしてはいません 00:19:57.000 --> 00:20:00.000 結果を見定めて自分に問いかけなければなりません 00:20:00.000 --> 00:20:02.000 "結果に向け 自分にできることは?" 00:20:02.000 --> 00:20:05.000 これが21世紀の政治です 00:20:05.000 --> 00:20:07.000 ある意味 "独立外交官"は 00:20:07.000 --> 00:20:10.000 誰にでも関係のある 分裂や変化というものを 00:20:10.000 --> 00:20:13.000 包括的に扱っていく手段なのです NOTE Paragraph 00:20:14.000 --> 00:20:16.000 ご清聴ありがとうございました