WEBVTT 00:00:00.000 --> 00:00:02.000 今日はなぜこの忍者風パジャマを 00:00:02.000 --> 00:00:04.000 着ているのか説明に来ました 00:00:04.000 --> 00:00:06.000 でもそれにはまず 00:00:06.000 --> 00:00:09.000 私たちの体内の環境有害物質の話をしたいと思います 00:00:09.000 --> 00:00:11.000 化学物質ビスフェノールA(BPA)のことは 00:00:11.000 --> 00:00:13.000 知っている人もいるでしょう 00:00:13.000 --> 00:00:16.000 素材硬化剤であり合成エストロゲンです 00:00:16.000 --> 00:00:18.000 食料品の缶詰の内側の塗料や 00:00:18.000 --> 00:00:20.000 プラスチックなどに使われています 00:00:20.000 --> 00:00:23.000 BPAは体内のホルモンを模倣し 00:00:23.000 --> 00:00:26.000 神経学的および生殖的問題を引き起こします 00:00:26.000 --> 00:00:28.000 しかも至る所にあります 00:00:28.000 --> 00:00:30.000 最近の調査では 00:00:30.000 --> 00:00:33.000 6歳以上の人々の93%でBPAが検出されましたが 00:00:34.000 --> 00:00:36.000 これは1つの化学物質にすぎません 00:00:36.000 --> 00:00:39.000 米国疾病対策予防センターによると 00:00:39.000 --> 00:00:43.000 私たちの体には219の有毒汚染物質があるということです 00:00:43.000 --> 00:00:46.000 これには防腐剤や殺虫剤 00:00:46.000 --> 00:00:49.000 鉛や水銀のような重金属が含まれます NOTE Paragraph 00:00:49.000 --> 00:00:51.000 3つのことが言えると思います 00:00:51.000 --> 00:00:55.000 1つ目は人肉は食べないこと 00:00:55.000 --> 00:00:58.000 2つ目は私たちは自分の汚染の責任者であり 00:00:58.000 --> 00:01:00.000 犠牲者でもあること 00:01:00.000 --> 00:01:02.000 そして3つ目は 00:01:02.000 --> 00:01:04.000 私たちの体は環境有害物質の 00:01:04.000 --> 00:01:07.000 フィルタや貯蔵庫であることです 00:01:07.000 --> 00:01:10.000 では 人が死ぬとこれらの毒素はどうなるでしょう? 00:01:10.000 --> 00:01:12.000 簡単に答えると 00:01:12.000 --> 00:01:14.000 「なんらかの形で環境に戻り 00:01:14.000 --> 00:01:16.000 毒性のサイクルを継続する」です 00:01:16.000 --> 00:01:18.000 しかも現在の葬儀の慣習が 00:01:18.000 --> 00:01:20.000 状況をかなり悪化させています 00:01:20.000 --> 00:01:22.000 火葬される場合 00:01:22.000 --> 00:01:25.000 私が挙げた毒素は全て大気中に放出されます 00:01:25.000 --> 00:01:28.000 これには歯の詰め物に入っている水銀が含まれ 00:01:28.000 --> 00:01:31.000 それだけで年間2300キロ近くになります NOTE Paragraph 00:01:31.000 --> 00:01:34.000 また伝統的なアメリカの葬儀では 00:01:34.000 --> 00:01:37.000 生きているかのように見せるため 00:01:37.000 --> 00:01:39.000 死体は充填剤や化粧品で覆われます 00:01:39.000 --> 00:01:42.000 そして有毒なホルムアルデヒドが 00:01:42.000 --> 00:01:44.000 腐敗を遅らせるため注入されます 00:01:44.000 --> 00:01:47.000 この慣習は呼吸器官の問題や癌を 00:01:47.000 --> 00:01:50.000 葬儀職員の間で引き起こすものです 00:01:50.000 --> 00:01:53.000 死体を維持しようとして 00:01:53.000 --> 00:01:56.000 死を否定し 生きている者を汚染して 00:01:56.000 --> 00:01:58.000 さらに環境に害を与えるわけです 00:01:58.000 --> 00:02:01.000 防腐使用しないグリーン埋葬や自然埋葬は 00:02:01.000 --> 00:02:03.000 正しい方向への一歩ですが 00:02:03.000 --> 00:02:07.000 体内に既にある毒素に対応していません 00:02:07.000 --> 00:02:09.000 もっと良い解決策があると思います NOTE Paragraph 00:02:09.000 --> 00:02:11.000 私は芸術家なので 00:02:11.000 --> 00:02:13.000 芸術・科学・文化の接点での 00:02:13.000 --> 00:02:15.000 ささやかな提案を 00:02:15.000 --> 00:02:17.000 したいと思います 00:02:17.000 --> 00:02:19.000 インフィニティ埋葬プロジェクトという 00:02:19.000 --> 00:02:21.000 新たな埋葬システムで 00:02:21.000 --> 00:02:23.000 キノコを使って 00:02:23.000 --> 00:02:25.000 体の毒素を分解浄化するものです 00:02:25.000 --> 00:02:27.000 「インフィニティ埋葬プロジェクト」は 00:02:27.000 --> 00:02:29.000 数年前にある発想から始まりました 00:02:29.000 --> 00:02:31.000 インフィニティ・キノコ 00:02:31.000 --> 00:02:33.000 新しい交配種キノコを作り 00:02:33.000 --> 00:02:36.000 肉体を分解して毒素を浄化し 00:02:36.000 --> 00:02:38.000 植物の根に栄養を提供して 00:02:38.000 --> 00:02:40.000 汚染物のない堆肥を残すことです 00:02:40.000 --> 00:02:42.000 でも新しい交配種キノコを作るのは 00:02:42.000 --> 00:02:44.000 ほぼ不可能だと学びました 00:02:44.000 --> 00:02:46.000 でも同時に 00:02:46.000 --> 00:02:48.000 土壌の環境有害物質を浄化できる 00:02:48.000 --> 00:02:50.000 食用キノコもあると知りました 00:02:50.000 --> 00:02:53.000 そこで私の体を食べて毒素浄化してくれる 00:02:53.000 --> 00:02:56.000 食用キノコの大群を養成すればいいかもと 00:02:56.000 --> 00:02:58.000 思いました NOTE Paragraph 00:02:58.000 --> 00:03:01.000 現在 私は自分の抜けた髪の毛や剥けた皮膚 00:03:01.000 --> 00:03:04.000 そして爪などを集めて 00:03:04.000 --> 00:03:07.000 食用キノコに食べさせています 00:03:07.000 --> 00:03:09.000 キノコが大きくなると 00:03:09.000 --> 00:03:11.000 一番良く育ったものを 00:03:11.000 --> 00:03:13.000 インフィニティ・キノコとして選抜します 00:03:13.000 --> 00:03:16.000 死後の為の刷り込みと 00:03:16.000 --> 00:03:18.000 選抜育種のようなものです 00:03:18.000 --> 00:03:20.000 そして私が死んだら 00:03:20.000 --> 00:03:22.000 インフィニティ・キノコは私の体を認識し 00:03:22.000 --> 00:03:24.000 食べることができるわけです 00:03:24.000 --> 00:03:26.000 まあ確かに皆さんの中には 00:03:26.000 --> 00:03:28.000 かなり行き過ぎだと思う人もいるでしょう 00:03:28.000 --> 00:03:30.000 (笑) 00:03:30.000 --> 00:03:32.000 ちょっとですが NOTE Paragraph 00:03:32.000 --> 00:03:35.000 一般的に考える食べ物との関係とは 00:03:35.000 --> 00:03:38.000 違うことは分かっています 00:03:38.000 --> 00:03:41.000 食べ物に食べられたくはないですよね 00:03:41.000 --> 00:03:43.000 でもキノコが私の体を消化し 00:03:43.000 --> 00:03:45.000 成長するのを見て 00:03:45.000 --> 00:03:47.000 インフィニティ・キノコは 00:03:47.000 --> 00:03:50.000 死や私の体と環境の関係の 00:03:50.000 --> 00:03:53.000 新しい考え方の象徴だと考えるのです 00:03:53.000 --> 00:03:55.000 私にとって 00:03:55.000 --> 00:03:57.000 インフィニティ・キノコを栽培するのは 00:03:57.000 --> 00:03:59.000 単なる科学的な実験や 00:03:59.000 --> 00:04:02.000 園芸やペットの飼育以上のことで 00:04:02.000 --> 00:04:04.000 いつか自分は死んで 00:04:04.000 --> 00:04:07.000 朽ちるという事実を受け入れる一歩です 00:04:07.000 --> 00:04:09.000 また 00:04:09.000 --> 00:04:11.000 自分の地球への負担に 00:04:11.000 --> 00:04:14.000 責任を持つ一歩でもあります NOTE Paragraph 00:04:14.000 --> 00:04:16.000 キノコを栽培するのは 00:04:16.000 --> 00:04:18.000 「腐敗微生物培養」と呼ばれる 00:04:18.000 --> 00:04:20.000 分解生物の培養の一種です 00:04:20.000 --> 00:04:23.000 昆虫学者ティモシー・マイルズが 00:04:23.000 --> 00:04:25.000 提唱した概念です 00:04:25.000 --> 00:04:28.000 インフィニティ・キノコは腐敗微生物培養の一部です 00:04:28.000 --> 00:04:32.000 私はこれを肉体分解生物培養および毒性浄化と呼んでいます 00:04:32.000 --> 00:04:34.000 肉体を分解し体内の毒素を 00:04:34.000 --> 00:04:37.000 浄化する生物の栽培ということです NOTE Paragraph 00:04:37.000 --> 00:04:39.000 では忍者のパジャマについてです 00:04:39.000 --> 00:04:41.000 最終的には 00:04:41.000 --> 00:04:44.000 インフィニティ・キノコをいろいろな物と合わせるつもりです 00:04:44.000 --> 00:04:46.000 まずはキノコの胞子が 00:04:46.000 --> 00:04:48.000 沢山ついた死装束 00:04:48.000 --> 00:04:50.000 その名も「死のキノコスーツ」 00:04:50.000 --> 00:04:52.000 (笑) 00:04:52.000 --> 00:04:54.000 私が着ているのはこの死装束の 00:04:54.000 --> 00:04:56.000 試作品の2つ目です 00:04:56.000 --> 00:04:59.000 キノコの胞子が入ったかぎ針編みの網で 00:04:59.000 --> 00:05:01.000 覆われています 00:05:01.000 --> 00:05:03.000 この樹枝状の模様は 00:05:03.000 --> 00:05:06.000 植物で言うと根に相当するキノコの菌糸の 00:05:06.000 --> 00:05:08.000 成長を模しています NOTE Paragraph 00:05:08.000 --> 00:05:10.000 腐敗微生物培養キットも作っています 00:05:10.000 --> 00:05:12.000 インフィニティ・キノコの胞子が 00:05:12.000 --> 00:05:14.000 入っているカプセルと 00:05:14.000 --> 00:05:16.000 分解や毒素の浄化を速める 00:05:16.000 --> 00:05:19.000 その他の物の詰め合わせです 00:05:19.000 --> 00:05:22.000 カプセルは栄養豊富なゼリーに埋め込まれています 00:05:22.000 --> 00:05:24.000 第二の皮膚のような感じで 00:05:24.000 --> 00:05:26.000 さっと溶け 00:05:26.000 --> 00:05:29.000 成長するキノコのベビーフードになります 00:05:29.000 --> 00:05:32.000 キノコと腐敗微生物培養キットは今後1~2年で 00:05:32.000 --> 00:05:34.000 完成させるつもりです 00:05:34.000 --> 00:05:37.000 そして試験を始めたいと思っています 00:05:37.000 --> 00:05:39.000 まずは期限切れした市販の肉で 00:05:39.000 --> 00:05:41.000 そのあとは人を対象にしてです 00:05:41.000 --> 00:05:43.000 信じられないかもしれませんが 00:05:43.000 --> 00:05:46.000 数人の人がプロジェクトに自分の体を寄付して 00:05:46.000 --> 00:05:49.000 キノコに食べられてもいいと言っています NOTE Paragraph 00:05:49.000 --> 00:05:52.000 (笑) NOTE Paragraph 00:05:52.000 --> 00:05:54.000 これらの人たちと話して分かったのは 00:05:54.000 --> 00:05:56.000 共通の願いを持っていることです 00:05:56.000 --> 00:05:59.000 それは死を理解して受け入れ 自分の死が 00:05:59.000 --> 00:06:02.000 環境に与える影響を最小限に抑えることです 00:06:02.000 --> 00:06:05.000 キノコを育てるように この考え方を 00:06:05.000 --> 00:06:07.000 発展させたいと思いました 00:06:07.000 --> 00:06:09.000 そこで「腐敗微生物培養会」という 00:06:09.000 --> 00:06:12.000 腐敗微生物培養家のグループを結成しました 00:06:12.000 --> 00:06:15.000 積極的に自らの死後の選択を探り 00:06:15.000 --> 00:06:17.000 死を受け止めて 00:06:17.000 --> 00:06:19.000 インフィニティ・キノコのような 00:06:19.000 --> 00:06:22.000 分解生物を培養する目的を持ちます 00:06:22.000 --> 00:06:24.000 腐敗微生物培養会が共有する構想は 00:06:24.000 --> 00:06:26.000 文化の変化です 00:06:26.000 --> 00:06:29.000 現在の死を拒否し肉体を保存する文化から 00:06:29.000 --> 00:06:31.000 腐敗微生物培養の1つである 00:06:31.000 --> 00:06:35.000 死と腐敗の抜本的な受け入れをする文化へです NOTE Paragraph 00:06:35.000 --> 00:06:37.000 死を受け入れることは 00:06:37.000 --> 00:06:39.000 自分が環境に密接に繋がる 00:06:39.000 --> 00:06:41.000 物質的な存在だと認めることです 00:06:41.000 --> 00:06:44.000 環境有毒物質の研究でも証明されていることです 00:06:44.000 --> 00:06:46.000 昔から言われるように 00:06:46.000 --> 00:06:49.000 人は土から生まれ土に還ります 00:06:49.000 --> 00:06:52.000 また自分が環境の一部だと理解したら 00:06:52.000 --> 00:06:54.000 人類の生存が地球の存続に 00:06:54.000 --> 00:06:56.000 依存していると分かるでしょう 00:06:56.000 --> 00:06:59.000 私はこれが真の環境責任の始まりだと 00:06:59.000 --> 00:07:01.000 考えます NOTE Paragraph 00:07:01.000 --> 00:07:03.000 ありがとう NOTE Paragraph 00:07:03.000 --> 00:07:09.000 (拍手)