想像の鍵でドアを開けると
その向こうには別の次元がある
音の次元...
視界の次元...
心の次元
みなさんは物事と考えの 影と
実体双方の地へ入ろうとしている
みなさんは今Tゾーンへ
踏み込んだのだ
ハンク 何か?
まだ何も 隊長
全く音無しです
じゃ 続けてくれ 402だ
多分その方向から来る
午前中そうしてたよ
そうか
またやってくれ
隊長...
何か?
いや まだ何も ジョアン
まだ何もない
彼等は迷ったと思うか?
迷ってないよ ジョージ
ただ時間がかかってるだけだ
時間がな
ジュリー 君の夫はどこだ?
うちの壕です 隊長
どうかしました?
連れてこい
どうかしたんですか?
- ああそうだ ジュリー
分かりました
水はどうだ ジョージ?
熱く 炭酸抜きで 忘れがたい
だが 湿ってる?
我慢しろ
みんな 我慢だ
6ヶ月もしたら
チョコパフェを飲めるぞ
ご用でした 隊長?
レーダー塔の男がお前に
会いたいとさ アル−
二時間前に会いたかった筈だ
彼と交代することになってた時だ
寝過ごしたんです 隊長
上のハンク・パーカーに
そう言ってくれるか?
彼に眠りこけたと言え
そして 明日一日中
彼の分の監視をするからと
言うんだな
それはひどい
何度もやってないのに
一回でたくさんだ
一回以上は耐えられない
一回以上何度もじゃ
アルバート・ベインズという
男の履歴になる
眠るのが好きだってな
熱い太陽にあたる馬鹿げたゲームより
そっちが好きなんだ
ゲームだと アル?
あの上で何を聴くんです?
30年 一日に二人の監視員で
何が聞こえてました?
風の音だ
レーダーで何を拾ったか?
塵だ
「これはピルグリム1号
「地球外の最初の植民地を作る
113人を乗せて
「外宇宙植民地へ打ち上げられた
1991年8月建立」
これはウィリアム・ベンティーンだ
彼は宇宙の崩壊開拓地で務めている
人々は千年王国を夢見て
地球を発った人の残存者たちだ
戦争も 危難も
恐怖のない地を夢見て
そうして見つけたのは
寂れた不毛の地だった
彼らの唯一の産業は
生存だった
それを30年間やってきたのだ
生き残る-
やがて 故郷の地球の記憶が
別の時間 別の地という
ぼんやりとした
影の記憶となっていた
一ヶ月前
地球からの信号が告げた−
宇宙船が彼等を迎えに来ると
もうすぐ 私達が耳にするのは
その船以上のこと
その故郷以上のこと
そこに着くためにー
心身に必要なことだ
ここはTゾーンだから
あるのはそれだけだ 隊長
何も残ってない?
そこにあるので全部です
メインスィッチは?
それもだめです
変換ポンプにそれを使った
電流は必要だ
冷房しないとあの部屋の気温は
50度上がるぞ
塩水変換機を一、二日
止めることができる
部品を交換しろ
そうするしかない
みんなにありったけの瓶に
水を入れろと言え
6時間で断水にする
分かりました
あ 隊長
宇宙船は?
向かってきてるよ ジョージ
向かってる筈だ
戻ったら
違ってくるぞ
古くて擦り切れたものは
ただ捨てることになる
ただ捨てるだけだ
ベンティーン隊長
綱を切って下ろせ
ああ なんてこと...
一時間後埋葬の用意を
さあお別れの言葉を言って
神に彼女がしたことの
赦しを願うんだ
主よ 彼女を赦してください
父よ 彼女を赦して...
彼女のしたことを
主よ 彼女は何をしてるか
分からなかったのです
彼女は自分のしてることが分かってたんだ
残った僕達の誰よりも
よくはっきりとね
これは葬式だ アル
この6ヶ月で9人目
9人目だ!
この女性と他の人達は自殺した
生きるのが耐えられないからだ
それに死ぬことは彼らの権利だ
それは冒涜だ!
真実だよ
ここの暮らしは大変じゃないか
聖書を頼りに暮らせるか?
暑くひどすぎて
規則を守れるか?
型通りに苦しむしかないのか?
誰か簡単に言ってくれないか
あの墓には 悼むみんなを合わせたより
幸せがあると
心の平安があると?
ここにあるのは苦しみだけだ
ベンティーン隊長
好きに暮らさせてくれ
でなきゃ 死なせてくれ...
好きなように!
ベインズ君は...
太陽の下で我々を伏せさせる
ベインズ君は...
我々を死に負けさせる
まだ生があるのに
彼は規則を終わらせ
決まりを捨てる
もう水の為に並ぶこともない
強者を弱者から奪わせておき
食糧の配給ももうない
若者は老人から奪うがまま
そうしてあの船が到着したら...
社会は無くなってる
ただの烏合の衆だ
人間は一人も生き残ってない
動物だけだ
それに船は来るんだ
今飛んできてる
向かってきてる
船が来る
船が来る
君達がそう言うのを聞こう
大声で言ってくれ
船が来る
船が来る
船が来る
船が来る
船が来る
船が来る
船が来る
船が来る
船が来る
船が来る
船が来る
船が来る...
隕石の嵐だ!
隕石の嵐だ!
隕石の嵐だ!
屋敷へ行け
屋敷だ!
洞穴へ入れ
洞穴へ入れ!
洞穴へ入れ!
腕の具合はどうだ アル?
大丈夫だ
みんな いるか?
みんなここにいます 隊長
誰も欠けていません
ああ よかった
みんな できるだけ静かに
していろ
最悪は終わったようだ
最悪は終わったようだ
静かに
怖くないよね ジョジョ?
ちょっと 隊長
お前を怖がらせておけないな
ちょっと二人でお話しようか?
時間を過ごそう
隊長 地球の話をして
そうして 隊長 ね?
覚えてる地球のことを
話して
またか ジェリー?
いいだろ
話そう
フラン...君とハンクは
抜けがあったら穴埋めしてくれ
記憶に間違いがあったら
直してくれよ
ジョジョ ここに着いた時
私はまだ子供だった
15歳だったが地球を覚えてる
覚えてるのは そこは
色のある地で
秋にはね...
ジョジョ?
秋には...
葉っぱが変わり...
様々な色になった
赤 オレンジ 金に
水の流れを覚えてるよ
それは山を流れ下りた
その水はキラキラして澄んでいた
空の雲を覚えてる
白く...
なびいているもので...
船のように 帆のように浮かんでた
ほら 古代では
人はそうして船で水を渡らせたんだ
風に向けて大きな帆布を広げると
風が船を動かした
それから覚えてるのは...
夜の空
夜の空だ...
無限の黒いベルベットのようで
星があり...
月が出てる時もあった
ワイヤで吊るしてるみたいにぶら下がってた
内側から光を出してね
夜って何 隊長?
夜は...
夜は静かな時だった ジョジョ
地球が眠りについた時だ
自分でカバーをかぶったみたいに
ここにある二つの太陽が
いつも輝き
いつも燃えてるのとは
違ってね
暗闇だったんだ ジョジョ
暗闇の感じは...
...ひんやりした手が
疲れた目にそっとあたるみたいだった
冬の夜には雪もあった-
ふわっとしたものが-
舞い降り
地上を覆った
全部白く冷たくした
そうして朝になると
私達は外に出て
雪だるまを作れた
空中の息が見えた
あの頃はよかった
正しかった
隊長 なぜそこを出たの?
別の地を見つけられると
思ったんだ
地球と似てるが
別のいいところがある地をね
そうしてここを見つけた
戦争を逃れられると
思った
それから他には...
とにかく もっといい地を
作れると思ったんだ
そうして30年かかって
分かったのは
私達は10億マイル離れた
故郷を去り
ここにただ来ただけ
通りすがりの者だと...
この土地に根を下ろせないからね
だが手遅れだった
それで30年
時計と暦をみて過ごした
待ちながら
だがもう待たないよ ジョジョ
もう待てない...
あと一日も...
あと一時間もね
私達は地球に戻るんだよ
今すぐに
アル・ベインズ?
アル・ベインズ!
アル!
あの音が聞こえるか?
みんな あれが聞こえるか?
あれは隕石じゃない
あれは思い過ごしじゃない
あれは...
空想とか幽霊じゃない
あれはロケットだ
あれは船だ
船がここに来る
バンティーンさん?
私だ
ギャラクシー6号の司令官
スローン大佐です
皆さんを地球に移送する
命令を受けています
ようこそ!
大佐...
大佐 大佐
どうしてこんなに時間が?
6ヶ月の旅でした...
100回以上
私達は30年待ったんだ
そちらのメッセージを受信したのは
二ヶ月前で
何度も聴きに聴いたが...
やったわ
...それからは何も聞こえなかった
そちらに送信しようとしたが
届けられなかった
だがあなたの確認が聞こえた時
あなたは最初のメッセージを
受信したと分かっていた
全部こんな風なのか?
ここの場所全体が?
ええ 全部こうだ
ごつごつした山々
塩分の湿地
常に輝いてる二つの太陽
そう 全部こんな風だ
30年
そう 30年だ
ここには地球を
見たことのないのもいる
年配者は地球がどんなか
覚えてないのもいる
これから見ますよ
できるだけ早く
皆さんを乗船させます
皆さんは木曜に発つ用意ができると
思っていた
それだとものをまとめるのに
三日ある
残念ながら自分で運べるものしか
持っていけない
150人以上いるね?
男女子供合わせて187人だ
だが逆立ちしても旅をするよ
そんな必要はない
ベンティーンさん
少し窮屈だろうが
全員乗せられる
皆さんは広い空間に
とても慣れてるようだね
空間...それに暑さだ!
ええ 分かります
隊長 ジョジョが大佐に
会いたいそうだ
スローン大佐
ジョジョだ
よろしくな ジョジョ
キスしていい?
いいとも
ジョジョは船の中を
見ていいですか 大佐?
勿論 上に連れて行って
地球!
大佐 地球は変わってるか?
いや あまり変わってない
まだ緑か?
まだ緑だ
都市は?
都市はまだある
戦争は?
あちこちで起こったり
消えたりしてる
だが奇跡と神の恩寵で
水爆戦争はしていない
ベンティーン隊長
ジョージ ジョージ
スローン大佐
これはジョージ・モリスだ
よろしく
嬉しいですよ 大佐
発ったらたくさん
分かると思いますよ
ベンティーンさん
ベンティーン隊長だ
-ベンティーン隊長
みんなは私をそう呼んでるんだ
私は30年ここの責任者だった
大変な仕事でしたね ベンティーン隊長
だが もう楽に休めますよ
私達が責任を負います
私はその務めに慣れたよ
皆さんの住居だが
地下だね
私が言ってたようにー
その方が涼しいのかな ベンティーンさん?
私は...どこ?
言ったことが聞こえなかった
地下の部屋だ
涼しいのか?
そうだ 冷房されてる
だがベンティーン隊長のおかげだ
隊長のお陰で私達はここで
生きてこられた
分かりますよ ベンティーン隊長
船を案内しましょうか?
ああ 是非
アル...
アル・ベインズ
腕吊りはどこだ?
マグネシウム包帯ですよ
大佐によると腕は週末には完治するそうだ
ジュリーの頬を見て
嘘みたいでしょ 隊長?
ね スローン大佐がくれたの
薬効のある救急絆なの
24時間つけてると...
新しい皮膚の成長を
早めるんですよ
打撲が殆どみえないでしょ
ほんとに嘘みたいだな
私は廃業になったようだ
アル 頼むから
腕吊りをしろ
腕の骨折を100回
治療してきたが
唯一の治療法は動かさないことだ
皆も知ってるように36時間内に
私達は出発する
重量制限は一人当たり6.5キロに
定められてる
ここを出る時
皆の私物がどうか決めるー
表記の作業を始める
そうして何に-
スローン大佐
邪魔をしてないといいが 隊長
勿論そうじゃない
重量要件を話していたところだ
それは明日やろう
皆さんが集まってるのが聞こえたとき
効率がいいと思ってね
皆さんが地球のことを
いろいろ訊くので
もう少し答えようと思ったんだ
この会合の目的は
出発のことだ
大佐 うちはサンディエゴ出身でした
カルフォルニアはどんな風です?
日が照り暖かい
大部分は
今ロサンゼルスは世界最大の都市だ
こういう質問はのちほど
答えて貰うのが
いいと思う
まだ公立学校はあるの?
勿論
それに昔とかなり同じだ
ただもっと大きく
設備も整ってるし
職員ももっと適切だ
今は全く新しい視覚補助システムがある
多くのクラスではテレビ画面が
映しだされる
もし学生が学んでるのが...
グランドキャニオンと言うんだが
そこの現場で実際の番組を映し
新しいテープの装置で
教室に出すんだ
スローン大佐
まだメジャーリーグはあるの?
父はよく野球やワールドシリーズの
話をしてくれた
二リーグだ 前と同じに
アメリカンとナショナル
ドジャースは今どこの都市に?
まだロサンゼルスだ
昨シーズンは10位だった
ここが終わったら
即席のボールとバットを作って
野球の試合をやろう
そういう活動には暑すぎるぞ
ここの洞穴で歌っていい
暫くやってないだろ
大佐に音楽をみせたらどうだ?
彼にほんとのハーモニーを
聞かそう
あと二つ
がんばって しっかり
あれは普遍的言語だね 隊長
野球が?
うん
あなたは語彙がとても少ないね
今外のここが
何度か分かるか?
何度かは分からないが
不快さでは分かる
今の時間では 大体43度だ
あなたの乗員はこの暑さを
耐えられるか知らないが
私の人々のことは知ってるよ
彼等はこの小さな運動で
苦しむことになる
年配者では
重症になる人も出るだろう
ただのゲームだよ ベンティーン
苦しむことになっても
その価値はあるだろう
大佐 乗船したときは
あなたが指揮官だ
私達にどうするか どこへいくか
あなたが命令し
私達はそれに従う
だが ここ この場所では
私が指揮官だ
ちょっと ベンティーンさん...
隊長のベン...
あなたの権威を侵す
気はない 隊長
ただ少し野球して
どこが悪いか分からない
それはあなたの知ったことじゃない?
この人達の厚生 健康...
それが私の配慮することだ
ギャラクシー乗員
船の中へ
ポートを下げろ
さあ みんな
休息時間だ
家に行け
いつ新たな一日が始まるか
連絡する
家に帰れ
これで満足か 隊長?
不満になってなかった
私は正しいことと間違いなことを
知ってるだけだ
なるほど
あなたの乗員に 休息時間中は
船にいるように
頼むしかない
うちの人々の気を散らしたくない
実に厳格ですな 隊長
少しでも緩かったら
今頃あなたと戻るー
誰もここにいない筈だ
私はこの人々をまとめてきた
ー意志で
ただ意志でだ
しがみつく誰かがいなかったら
彼等は死んでいた筈だ
衰弱していた筈なんだ
フム
もう彼等は衰弱していかない
ちょっと力を抜いたらどうだ?
それはずっとできなかった贅沢だ
私は妻をめとってない
自分のことだけ考えられなかった
私は...
私は聴罪司祭で 統治者で
いわば 父親代わりだ
私がいなかったら
今日ここに一人も生きていない
あれらは私の人民だ
それがわかるか?
私の人民だ
彼はどうしたんです 大佐?
何が問題なんです?
まあ もう少し彼を苦しませておけ
実に大した人だな
大した人だ
ただ彼には一つ倒錯がある:
自分を神だと思ってるんだ
そうして我々は彼を天から
追い出すところだ
スローン大佐?
はい
ベンティーン隊長が来ています
ああ そうか
入って 隊長
どうぞ
大佐
今日の気分はどう?
元気だ 有難う
乗船者のリストと彼等の大体の
体重を持ってきた
それから彼等の私物の重量も
各名前のあとにメモしてある
こちらの秤で計ったから
古くて
2、3キロ軽く出てる
大体でよかったんだ
ああ これで十分だ
とにかく発つ前に
こちらの器具で計る
じゃ 隊長
今日は水曜日だ
明日は出発だ
明日 あなたは母なる地球に戻る
現代に戻るんだ
正直に言って
それがお気に召すかどうか
地球に戻った時...
もてはやされるだろうからね
ほら みなさんは報道機関で
「失われた開拓民」と言われるね
着いたら彼等はあなた達のニュースを
沢山書くだろう
それは避けられないだろうね
それが皆さんの運命のようだ
人々がどこに落ち着こうと
迎えられるのは ブラスバンドや
歓迎委員会や その市の鍵の授与...
市の鍵
そう 政府は文字通り何千という
親戚から問い合わせを受けてる
彼等はテレビカメラを覗く
時間があるだけで
その後散らばっていく
50州中にね
彼等は散らばされない
私達は一緒だ
地球に戻った時の
話をしていたんだ 隊長
私もそうだよ 大佐
私達は分かれない
あの人々は違う
私の人々は分かれない
一緒にいるんだ
それはみんなで決めたことか?
決めることは必要なかった
彼等に訊いたんだね?
大佐 彼等に訊くのは
もっとアイスクリームが欲しいかと
子供に訊くのと同じだ
彼等は子供と全く同じだ
子供と同じなんだ
彼等の多数は大人だ
年数では その通りだ
年齢では6ヶ月から60歳の範囲だ
だが精神的 社会的には
彼等は子供だ
私はこの人々をここ何年も
生かし まとめてきた
地球に戻った時
私はただその過程を続けるしかない
それを彼等に話してあるのか?
話す必要はない
彼等はもう知ってる
彼等は知ってると言うのか
30年待った後に
30年集合住宅に住んだ後に
ただ別の一列縦隊で歩く為に
10億マイル旅をするんだと
彼等は他の道を選ばないよ
大佐 無理もないが
この人達は子供だと
あなたには分からない
彼等を10億マイル移動させ
見知らぬ地へ下ろし 見捨てるのは
残虐行為だろう
それは犯罪であろう
ちょっと頼みがある
いいですよ
彼等に訊いてくれ
地球の都市の外に
郊外地域がある
これは1950年代に起きた
大きな生活の変化だった
人口地域の分散化
私達が触れるべき
地球生活の-
ある側面がある
当然 私達は寒冷地域
北東部に関心をもたない
それから大草原地帯の北にもだ
隊長 私はウィスコンスンに住みたいの
だから霜焼けのことを話して
オレゴン州のことは 隊長?
ベティと私はそこに落ち着きたいんだ
そこの森を覚えてる
西の沿岸地域は 隊長?
ニューヨーク州北部の
フィンガーレイク地方は?
まだニューヨークシティはある?
待った 君達は分かってない
いいか 一つはっきりさせておく
みんな 親戚に会えるし
多分一週間かもっと
訪ねることもできる
当然 私達は 共同体として
一緒に暮らすのだ
どこの土地を得ても
どこの規定地域を手配されてもだ
また それを皆に請合いたいし
そう願ってるが
いろいろな恐れを無くしてくれ
私は皆の導き手かつ
相談役を続ける
誰も私の助けや助言に
不自由しないと保証する
隊長?
ジュリーと私は...
耕作をする計画でした
それは素晴らしい
いい考えだ
勿論 私達は耕作をする
ここでしたように
但しもっと良く もっと雨が降ってな
覚えてるだろ 太陽は一つだ
二つでなくてな
作物を太陽から覆わなくていいのだ
太陽は作物を助ける
君は耕作をする アル
そう私達は耕作するんだ
ジュリーはワシントン州に
親戚がいる
私達はそこに落ち着く
そこは寒すぎるだろな アル
みんなにとって寒過ぎる
いいか 私達がどこに定住しようと
良い農業になると私は保証する
私がそうさせる
君達 どうした?
みんな どうしたんだ?
あなたは分かってないんだ 隊長
私達は あの...
一緒にいるつもりじゃない
君が分かってないんだ アル
君は大半分かってなかった
いいか アル 分かれたら
もし別々の道を行ったら
私達が生存できるかは
ひどく疑わしい
彼に説明して
アル さあ
そうよ さあ 言って アル
私達は生き残るよ 隊長
誰か一緒にいたければ
それはその人達の権利だ
誰か勝手に去りたければ
それもその人達の権利だ
私は間違ってるか 大佐?
いや 間違ってない
私達の命令は君達を集団として
地球に連れ戻すことだ
一旦地球に着いたら
好きなようにするのは自由だ
スローン大佐 言っておくが
私達の違いは私達に
決めさせてくれ
違いなんてない 隊長
あるんだ!
地球で起こった変化がある
それに私達の誰も準備ができていない
いいか この...この人達は
大きな休日のように見せてる
万事が簡単で
良い暮らしのように...
君達はそれを木から
むしろとれると!
私の人民よ
君達の誰一人幻滅して欲しくない
言っておくが
人間はどこに住もうと
あくせく働き 苦労するんだ
生きるために突き進む
これを私は知ってる
これが本当で事実だ
だが一緒に
そういうことだ 一緒だ
私達は一緒にいなければならない
今それを考えて欲しい
私と一緒に大声で
それを言って欲しい
さあ皆で:
「一緒」
一緒
一緒
一緒
一緒...一緒
一緒
一緒
一緒
小部屋の割り振りを
思い出した 隊長
一緒に目を通して貰いたい
小部屋の割り振り
もうあまり時間がない
まだ確認することがある
減圧の問題もあるし
大気を出た後の
重量減の瞬間のことも-
私達があなたを
何と呼んだか知ってるか?
救世主だ
救世主と呼んだんだ
そう?
あなたが自由をもたらすと
私達は言ってた
全然そうじゃない
私達は何を持ってきた?
身勝手さ
不満 不和
ここではあらゆる惨めさが
あったが
それらは私達になかった
病原菌だ
ベンティーン隊長...
私は船と乗員しか
連れてこなかった
脱出の手段だ
病気や細菌はないと言うが
なぜか思ったことはあるか?
試験管の中で生きてるからだ
殺菌して
細菌がなく
また不毛だ
ああ 確かに 君達は一つの集団だ
そう 君達は一つのセルだ
だがもうそれは終わりだ
今は神の思し召し通りになる時だー
個人にね
男 女 子供 一つの存在に
その試験管を壊す時
人間の仲間になる時だ
人間を覚えてるよ
地球を覚えてる
信じられない
全く信じられない
30年間 私は間違っていた
30年間 私の人々に嘘をついてきた
ありもしない地球の話をしてきたのだ
空想の楽園のことを話してきたのだ
願望と同じく実質のないー
10億マイル離れた星のことを
私達は地球に戻れない 大佐
もう私達には手遅れだ
私達はそこに戻れない
みんな?
みんな!
集まってくれ
さあ
集まれ みんな
言わねばならないことがある
さあ 聴くんだ
君達が前に聞いたことのない-
地球のことを話したい
汚いこと
よくないこと
受け入れられないことを
地球には暴力がある
憎悪があり
嫉妬がある
さあ よく聴いてくれ 話を聴け
よく聴くんだ
地球は我々の知らない場所だ
地球は我々が住んでなかった
所だ
我々が属さない社会だ
ここを出れば...
我々は死ぬ 死ぬんだ!
地球に戻れば
自殺をすることになる
経験したことのない
惨めさで死ぬ
孤独だ
動物園の動物のように
孤独だ
我々はそこに属さない
我々は彼の種類に
属さない
そこに属さないんだ
我々はそこに属さない
ベンティーン隊長?
自分の子供達に投票させたらどうだ?
待ち受けているものが
何か彼等が知ってさえいれば
地球が楽園じゃないと
彼等が知ってさえいれば
楽園だったことは一度もないんだ
未来にも楽園にならないんだ
結構
オーケーだ
では地球が何か
私から言おう
そこは人類が生存の為に
戦ってる場所だ
君達が生存してきたように
ベンティーン隊長が
そこは素晴らしさだけじゃないと
言うのは全く正しい
まだ戦争があるし
やはり偏見も残ってる
人間が存在する限り
怒った人 嫉妬深い人
容赦のない人がいるだろう
だが皆さんにないものが一つある
一つ
そこでは誰でもが
自分の主人だ
ベンティーン隊長のような人は
そこにいない
皆さんに いつ食べ
いつ眠り いつ会うか 言う人は
誰もいない
いつ踊り いつ歌い
どう遊ぶか
言う人は誰もいない
皆さんは渇きの代わりに
空腹を感じるかもしれない
暑さの代わりに 寒さを感じるかもしれない
だが 皆さんは人間の男女になる
羊にはならない
皆さんは幼稚園にならない
皆さんが神に祈る時
その名はベンティーンじゃない
じゃ投票を 隊長
多数決だ
今から10時間後
乗船し地球に
戻りたい人は
手を挙げてくれ
落ち着いて 隊長
皆の為に 落ち着いてくれ!
みんなに神のご加護を
君達みんなに神のご加護を
明日 君達は船に乗り
向かう気だ...楽園に
君達は地獄に向かうんだ!
あなたは 隊長?
ここに残る
私はここに残る ここが私の家だ
ここが私の属する所だ
ここが君達皆の属する所だ
隊長 私達は
明朝8時に発つ
人目をひく委員会を待つな
8時だーそれに乗船しなければ
永久に乗船しないことになる
8時に離陸するなら
8時にすればいい
だが 残りの皆については
この船に乗ってもいいし
私と一緒にここに残ってもいい
隊長?
ベンティーン?
私達の声が聞こえる筈だ
あなたはここのどこかにいる
出て来てくれ
頼む
話をさせてくれ
もう出発する ベンティーン
あと5分で出発するしかない
さもないと軌道にのれないんだ
手遅れになってしまう
ベンティーン 今しかない
隊長 どうか
出てきてくれ
あなたを乗せないで
出発すれば
もうここに戻る船はないんだ
今からはここがあなたの
住む所になって
ここが死ぬ場所だ
分かったよ ベンティーン
好きなように
さあ 行こう ベインズ
さようなら...
ベンティーン隊長
友人達...
今日 行う業務は?
何もない?
ジョジョ
ジョジョ...
今日 お前は何もない?
地球の話を聞きたくないか ジョジョ?
聞きたくないか
川や海
青い空や夜
星や月のことを?
今日はそういう話を聞きたくない?
地球には色があるんだ
季節の変化 風
風が土の匂いを運ぶ-
植物 種 根 花びら
木々の樹液
風は天候の匂いを運んでくる
雨 霧 濃霧を...
そして地球は緑だ ジョジョ
緑
緑の色
緑の感じ
それにはとても新鮮なものがある
とてもはつらつとして
とても生き生きしてる
それが地球だ
地球
私をここに置いてくな!
私を置いていくな
ここに置いていくな!
どうか...
頼む 私は...
帰りたい
ウィリアム・ベンティーンには
特権があった
導き 命令し 指図し
判断し 規則を作れた
それは習慣になり やがて型になり
とうとう必要性になった
ウィリアム・ベンティーン
かつての神 今は一人の住人