1 00:00:00,000 --> 00:00:03,000 私はテレビゲームが大好きです 2 00:00:03,000 --> 00:00:06,000 若干畏怖してさえいます 3 00:00:06,000 --> 00:00:08,000 その想像力 技術力 4 00:00:08,000 --> 00:00:10,000 そしてコンセプトといった点に 5 00:00:10,000 --> 00:00:12,000 畏怖しています 6 00:00:12,000 --> 00:00:14,000 しかしそれ以上に 7 00:00:14,000 --> 00:00:16,000 ゲームの持つ動機付けの力 8 00:00:16,000 --> 00:00:19,000 促す力 そして惹きつける力に 9 00:00:19,000 --> 00:00:21,000 畏怖しています 10 00:00:21,000 --> 00:00:24,000 人類が発明してきたどんな物も 11 00:00:24,000 --> 00:00:26,000 その点ではゲームに及びません 12 00:00:26,000 --> 00:00:29,000 また ゲームのそういった働きを知ることで 13 00:00:29,000 --> 00:00:31,000 とても素晴らしいことが学べると思います 14 00:00:31,000 --> 00:00:33,000 特に学習について学べると 15 00:00:33,000 --> 00:00:36,000 私は考えています 16 00:00:36,000 --> 00:00:38,000 さて テレビゲーム産業は 17 00:00:38,000 --> 00:00:40,000 現存するあらゆるメディアより 18 00:00:40,000 --> 00:00:42,000 急速な成長率を誇っています 19 00:00:42,000 --> 00:00:44,000 1990 年の時点で 100 億ドル 20 00:00:44,000 --> 00:00:47,000 今日では全世界で 500 億ドルに達し 21 00:00:47,000 --> 00:00:50,000 衰える兆しを見せません 22 00:00:50,000 --> 00:00:52,000 今後 4 年間で 23 00:00:52,000 --> 00:00:55,000 800 億ドルを超えると推定されています 24 00:00:55,000 --> 00:00:58,000 これはCD音楽産業の三倍です 25 00:00:58,000 --> 00:01:00,000 これは驚くべきことですが 26 00:01:00,000 --> 00:01:03,000 ゲームの凄さを語る統計はまだ別にあります 27 00:01:03,000 --> 00:01:05,000 私が本当に驚いたのは 28 00:01:05,000 --> 00:01:07,000 今日 29 00:01:07,000 --> 00:01:09,000 人々は 30 00:01:09,000 --> 00:01:12,000 年間 80 億ドルの実際の貨幣を 31 00:01:12,000 --> 00:01:14,000 ゲーム上にしか存在しない 32 00:01:14,000 --> 00:01:16,000 仮想上のアイテムの 33 00:01:16,000 --> 00:01:19,000 購入に費やしているということです 34 00:01:19,000 --> 00:01:22,000 こちらは Entropia Universe という仮想ゲーム世界のスクリーンショットです 35 00:01:22,000 --> 00:01:24,000 今年の初めに 36 00:01:24,000 --> 00:01:26,000 このゲームの仮想の小惑星が 37 00:01:26,000 --> 00:01:30,000 現実の貨幣 33 万ドルで売られました 38 00:01:30,000 --> 00:01:32,000 そしてこちらは 39 00:01:32,000 --> 00:01:35,000 EVE Online という宇宙が舞台の 40 00:01:35,000 --> 00:01:37,000 ゲームに登場するタイタン級戦艦です 41 00:01:37,000 --> 00:01:39,000 このヴァーチャルな物体は 42 00:01:39,000 --> 00:01:41,000 建造するのに現実の人間 200 名がかりで 43 00:01:41,000 --> 00:01:44,000 56 日かかります 44 00:01:44,000 --> 00:01:47,000 更に 建造に至るまでの段階でも 45 00:01:47,000 --> 00:01:49,000 数千時間を必要とします 46 00:01:49,000 --> 00:01:52,000 にもかかわらず これらはいくつも建造されています 47 00:01:52,000 --> 00:01:54,000 そして また別の種類の凄さを持つのが 48 00:01:54,000 --> 00:01:57,000 Farmville というゲームで 皆さんも聞いたことがあるかもしれません 49 00:01:57,000 --> 00:01:59,000 世界中で 50 00:01:59,000 --> 00:02:01,000 7 千万のプレイヤーを擁し 51 00:02:01,000 --> 00:02:03,000 そのほとんどは 52 00:02:03,000 --> 00:02:05,000 ほぼ毎日このゲームを遊んでいます 53 00:02:05,000 --> 00:02:07,000 以上のことは 54 00:02:07,000 --> 00:02:09,000 一部の人にとっては 55 00:02:09,000 --> 00:02:11,000 社会的な不備や不安の 56 00:02:11,000 --> 00:02:13,000 指標だと思えるかもしれませんが 57 00:02:13,000 --> 00:02:15,000 ここには良いニュースもあるのです 58 00:02:15,000 --> 00:02:17,000 それは 59 00:02:17,000 --> 00:02:19,000 何故このような現実の労力や 60 00:02:19,000 --> 00:02:22,000 価値の創造が起こっているのかを 61 00:02:22,000 --> 00:02:26,000 解明できるということです 62 00:02:26,000 --> 00:02:28,000 また解明することによって 63 00:02:28,000 --> 00:02:30,000 私たちにとって非常に有益なものが 64 00:02:30,000 --> 00:02:32,000 手に入ると考えています 65 00:02:32,000 --> 00:02:34,000 私はこのことを考える上で 66 00:02:34,000 --> 00:02:36,000 最も興味深い観点は 67 00:02:36,000 --> 00:02:38,000 報酬だと考えます 68 00:02:38,000 --> 00:02:41,000 特に 69 00:02:41,000 --> 00:02:43,000 ゲームを遊ぶことが 70 00:02:43,000 --> 00:02:45,000 個人または集団にとって 71 00:02:45,000 --> 00:02:47,000 感情面での非常に強い 72 00:02:47,000 --> 00:02:49,000 報酬となることに関してです 73 00:02:49,000 --> 00:02:51,000 ゲームをしている人の脳内で 74 00:02:51,000 --> 00:02:53,000 何が起こっているかを見てみると 75 00:02:53,000 --> 00:02:56,000 二つ 別々のプロセスが発生していることが分かります 76 00:02:56,000 --> 00:02:59,000 一つは欲求のプロセスです 77 00:02:59,000 --> 00:03:02,000 「あれをやるぞ がんばるぞ」といった 欲望ややる気です 78 00:03:02,000 --> 00:03:04,000 もう一つは嗜好のプロセスです 79 00:03:04,000 --> 00:03:06,000 楽しみや好意 80 00:03:06,000 --> 00:03:08,000 そして喜びです 81 00:03:08,000 --> 00:03:10,000 こちらはオークを背に乗せた巨大な鳥獣です 82 00:03:10,000 --> 00:03:12,000 素晴らしい画像です とても格好いいです 83 00:03:12,000 --> 00:03:15,000 この画像は世界中で千万人以上のプレイヤーを擁する World of Warcraft というゲームからで 84 00:03:15,000 --> 00:03:18,000 そのプレイヤーの一人は私 もう一人は妻です 85 00:03:18,000 --> 00:03:20,000 巨大な鳥獣で 86 00:03:20,000 --> 00:03:22,000 飛び回れるというような世界観は 87 00:03:22,000 --> 00:03:24,000 なぜゲームが 88 00:03:24,000 --> 00:03:27,000 欲求や嗜好の面で優れているかを示しています 89 00:03:27,000 --> 00:03:29,000 とても効果的だからです 素晴らしい 90 00:03:29,000 --> 00:03:31,000 皆さんに大きな力を与えます 91 00:03:31,000 --> 00:03:34,000 皆さんの欲望は満たされ それでいてとても美しいものです 92 00:03:34,000 --> 00:03:37,000 飛び回ることは非常に大きな快楽です 93 00:03:37,000 --> 00:03:39,000 こういったことが組み合わさって 94 00:03:39,000 --> 00:03:41,000 ゲームへの取り組みを気持ちの面から非常に強固なものにします 95 00:03:41,000 --> 00:03:44,000 本当に面白いことはもっと他にあります 96 00:03:44,000 --> 00:03:46,000 仮想現実の本当に面白いところは 97 00:03:46,000 --> 00:03:48,000 それでさまざまなことが計測できることです 98 00:03:48,000 --> 00:03:51,000 なぜなら仮想現実では全てが 99 00:03:51,000 --> 00:03:53,000 計測できるものだからです 100 00:03:53,000 --> 00:03:55,000 ゲームで遊んだ全てのプレイヤー 101 00:03:55,000 --> 00:03:58,000 その一人一人の行動全てが計測できます 102 00:03:58,000 --> 00:04:00,000 今日の世界最大のゲームでは 103 00:04:00,000 --> 00:04:04,000 そのプレイヤーの行動などについて 104 00:04:04,000 --> 00:04:06,000 10 億以上のデータを計測しています 105 00:04:06,000 --> 00:04:09,000 どんなウェブサイトよりも 遥かに詳細です 106 00:04:09,000 --> 00:04:12,000 この計測のおかげで 107 00:04:12,000 --> 00:04:14,000 ゲーム上に特別なことを起こせます 108 00:04:14,000 --> 00:04:17,000 それは報酬スケジュールと呼ばれるものです 109 00:04:17,000 --> 00:04:19,000 これはつまり 110 00:04:19,000 --> 00:04:21,000 何百万人の行動を観察し 111 00:04:21,000 --> 00:04:23,000 ゲーム内の報酬の頻度 112 00:04:23,000 --> 00:04:26,000 性質 種類 強度を慎重に調節し 113 00:04:26,000 --> 00:04:28,000 圧倒的な量の時間と労力の分 114 00:04:28,000 --> 00:04:31,000 プレイヤーをゲームにつなぎ止めることです 115 00:04:31,000 --> 00:04:33,000 ではこれを 116 00:04:33,000 --> 00:04:36,000 現実の話で説明するために 117 00:04:36,000 --> 00:04:38,000 多くのゲームで皆さんに馴染みがあるであろう 118 00:04:38,000 --> 00:04:40,000 作業の話をしたいと思います 119 00:04:40,000 --> 00:04:43,000 それは特定のゲームアイテムを一定量取ってくるというものです 120 00:04:43,000 --> 00:04:45,000 話を分かりやすくするため 121 00:04:45,000 --> 00:04:48,000 私のミッションはパイを 15 個取ってくることだとしましょう 122 00:04:48,000 --> 00:04:51,000 15 個のパイを得るには 123 00:04:51,000 --> 00:04:53,000 この小さくてかわいいモンスターを狩る必要があります 124 00:04:53,000 --> 00:04:55,000 単純なゲームクエストです 125 00:04:55,000 --> 00:04:57,000 これは箱に置き換えて 126 00:04:57,000 --> 00:04:59,000 考えてみても良いでしょう 127 00:04:59,000 --> 00:05:01,000 私は箱を開け続けなければなりません 128 00:05:01,000 --> 00:05:04,000 開けるまでその箱に何が入っているか分かりません 129 00:05:04,000 --> 00:05:07,000 そうしてパイを 15 個得るまで箱を開け続けます 130 00:05:07,000 --> 00:05:09,000 さて 例えば Warcraft の様なゲームは 131 00:05:09,000 --> 00:05:11,000 壮大な箱開けゲームと 132 00:05:11,000 --> 00:05:14,000 捉えることもできます 133 00:05:14,000 --> 00:05:17,000 このゲームはプレイヤーに百万の箱を開けさせ 134 00:05:17,000 --> 00:05:19,000 どんどん良いものを与えるものです 135 00:05:19,000 --> 00:05:22,000 これはひどく退屈に聞こえますが 136 00:05:22,000 --> 00:05:24,000 ゲームには 137 00:05:24,000 --> 00:05:26,000 その過程を信じられないくらい 138 00:05:26,000 --> 00:05:28,000 魅力的にする力があります 139 00:05:28,000 --> 00:05:30,000 それを為す方法は 140 00:05:30,000 --> 00:05:33,000 確率とデータを組み合わせて用いることです 141 00:05:33,000 --> 00:05:35,000 まず確率について考えてみましょう 142 00:05:35,000 --> 00:05:37,000 もし誰かに箱を開けて 143 00:05:37,000 --> 00:05:40,000 パイを得る作業をさせたいとしたら 144 00:05:40,000 --> 00:05:42,000 獲得の難易度は簡単すぎでも 145 00:05:42,000 --> 00:05:44,000 難しすぎでもないようにしなければいけません 146 00:05:44,000 --> 00:05:46,000 ではどうしましょう?百万人 いや 147 00:05:46,000 --> 00:05:49,000 一億人ですね 一億の箱開けプレイヤーを観察し 148 00:05:49,000 --> 00:05:52,000 分析し パイが出てくる確率を 149 00:05:52,000 --> 00:05:54,000 面倒すぎず 簡単すぎでもない 150 00:05:54,000 --> 00:05:57,000 約 25% にすると 151 00:05:57,000 --> 00:05:59,000 プレイヤーを惹きつけておけます 152 00:05:59,000 --> 00:06:02,000 もちろんこれだけではありません パイは 15 個なのです 153 00:06:02,000 --> 00:06:04,000 さて ゲーム内容が 154 00:06:04,000 --> 00:06:06,000 百万個あるいは千個のパイを得るだけの 155 00:06:06,000 --> 00:06:08,000 Piecraft というゲームを作ることもできますが 156 00:06:08,000 --> 00:06:10,000 これはひどくつまらないものになるでしょう 157 00:06:10,000 --> 00:06:12,000 15 というのは結構適切な数なのです 158 00:06:12,000 --> 00:06:14,000 人に持続的に何かをやらせるには 159 00:06:14,000 --> 00:06:16,000 5 から 20 が適当な数です 160 00:06:16,000 --> 00:06:18,000 また 箱に入っているのはパイだけではありません 161 00:06:18,000 --> 00:06:20,000 100% までまだ余地があるのです 162 00:06:20,000 --> 00:06:23,000 私たちはプレイヤーが箱を開けたとき 163 00:06:23,000 --> 00:06:25,000 彼らを惹きつけ かつ進展のあるように 164 00:06:25,000 --> 00:06:27,000 必ず毎回何かしら 小さな報酬を設定します 165 00:06:27,000 --> 00:06:29,000 大抵のアドベンチャーゲームにおいて 166 00:06:29,000 --> 00:06:32,000 それは少しのゲーム内通貨や経験値ですが 167 00:06:32,000 --> 00:06:34,000 それだけではありません 168 00:06:34,000 --> 00:06:36,000 他にもさまざまな質 そして興奮を伴った 169 00:06:36,000 --> 00:06:38,000 アイテムがあります 170 00:06:38,000 --> 00:06:41,000 10% の確率でかなり良いアイテムが手に入れられ 171 00:06:41,000 --> 00:06:43,000 0.1% の確率で 172 00:06:43,000 --> 00:06:46,000 もの凄いアイテムが手に入ります 173 00:06:46,000 --> 00:06:49,000 このような報酬はアイテム毎に慎重に調整されています 174 00:06:49,000 --> 00:06:51,000 またこのような問題もあります 175 00:06:51,000 --> 00:06:54,000 「モンスターの数は?世界中を十億ものモンスターで埋め尽くすべきか?」 176 00:06:54,000 --> 00:06:57,000 いいえ 画面には一度に一匹か二匹のモンスターが望ましいです 177 00:06:57,000 --> 00:07:00,000 そうして私は適切な難易度にのめり込みます 178 00:07:00,000 --> 00:07:02,000 以上のことはどれもとても強力です 179 00:07:02,000 --> 00:07:05,000 更に これは仮想世界のことであり箱は現実の箱ではありません 180 00:07:05,000 --> 00:07:07,000 よって私たちは 181 00:07:07,000 --> 00:07:09,000 もっと驚くべきことができます 182 00:07:09,000 --> 00:07:13,000 プレイヤーが箱を開けているのを観察すると 183 00:07:13,000 --> 00:07:16,000 15 個中 13 個程度までいくと 184 00:07:16,000 --> 00:07:19,000 興味が散り 退屈で不機嫌になり始めることが分かります 185 00:07:19,000 --> 00:07:21,000 プレイヤーは確率について合理的ではないのです 186 00:07:21,000 --> 00:07:23,000 プレイヤーはこのゲームは不公平だと考えます 187 00:07:23,000 --> 00:07:25,000 残り二つのパイが出ない 諦めようとなります 188 00:07:25,000 --> 00:07:27,000 現実ではなにも出来ませんが 189 00:07:27,000 --> 00:07:29,000 ゲーム内のことならばこうすることができます 190 00:07:29,000 --> 00:07:33,000 「よし じゃあ 13 個までいったら出てくる確率を 75% に引き上げよう」 191 00:07:33,000 --> 00:07:35,000 プレイヤーを引き留めます プレイヤーが何をするか観察し 192 00:07:35,000 --> 00:07:37,000 彼らの期待に添うように世界を調節するのです 193 00:07:37,000 --> 00:07:39,000 常にこのようにするわけではありません 194 00:07:39,000 --> 00:07:41,000 確実に実施することは 195 00:07:41,000 --> 00:07:44,000 もし皆さんが 0.1% で出る凄いアイテムを取得したら 196 00:07:44,000 --> 00:07:47,000 ゲームの管理者はそれが一定時間出現しないようにし 197 00:07:47,000 --> 00:07:49,000 その価値 特別さを保ちます 198 00:07:49,000 --> 00:07:51,000 ここでのポイントは 私たちは 199 00:07:51,000 --> 00:07:53,000 進化と通じて 限られた方法でしか 200 00:07:53,000 --> 00:07:55,000 充足感を感じないようになりました 201 00:07:55,000 --> 00:07:58,000 幾千年を経て 202 00:07:58,000 --> 00:08:00,000 私たちは特定の物を刺激的 知的― 203 00:08:00,000 --> 00:08:02,000 文明的と感じるよう進化しているため 204 00:08:02,000 --> 00:08:05,000 問題解決や学習をするよう大きく刺激されるのです 205 00:08:05,000 --> 00:08:07,000 そして現在 このことを解析し 206 00:08:07,000 --> 00:08:09,000 私たちの進化の箱を特に刺激する 207 00:08:09,000 --> 00:08:12,000 世界を構築することができます 208 00:08:12,000 --> 00:08:14,000 つまりどういう事でしょうか? 209 00:08:14,000 --> 00:08:16,000 私は 210 00:08:16,000 --> 00:08:18,000 ゲームから学んだ 211 00:08:18,000 --> 00:08:20,000 教訓を現実世界で 212 00:08:20,000 --> 00:08:22,000 利用する方法を 213 00:08:22,000 --> 00:08:25,000 七つ思いつきました 214 00:08:25,000 --> 00:08:27,000 一つ目はとてもシンプルです 215 00:08:27,000 --> 00:08:29,000 進捗を示す経験値バーです 216 00:08:29,000 --> 00:08:31,000 これは今年の初めにジェシー・シェルら 217 00:08:31,000 --> 00:08:34,000 聡明な方達によって議論されていました 218 00:08:34,000 --> 00:08:37,000 既にインディアナ大学や他の場所で実施されており 219 00:08:37,000 --> 00:08:40,000 単位を細切れに与えて評価するのでなく 220 00:08:40,000 --> 00:08:42,000 生徒に自分自身だと 221 00:08:42,000 --> 00:08:44,000 感じられるようなアバターを与え 222 00:08:44,000 --> 00:08:46,000 常に少しずつ進展し続ける 223 00:08:46,000 --> 00:08:49,000 評価方法を採ります 224 00:08:49,000 --> 00:08:51,000 全ての評価はアバターに反映され 225 00:08:51,000 --> 00:08:54,000 生徒はそれがじわじわと上がるのを見て 次第に受け入れていきます 226 00:08:54,000 --> 00:08:56,000 二つ目は複数の長期的および短期的目標です 227 00:08:56,000 --> 00:08:58,000 五千個のパイだと退屈ですが 228 00:08:58,000 --> 00:09:00,000 15 個のパイなら楽しめます 229 00:09:00,000 --> 00:09:02,000 ですので人々に 230 00:09:02,000 --> 00:09:04,000 たくさんの異なる作業を与えましょう 231 00:09:04,000 --> 00:09:06,000 例えば 232 00:09:06,000 --> 00:09:08,000 問題を 10 個解くことと 233 00:09:08,000 --> 00:09:10,000 また別の作業として 234 00:09:10,000 --> 00:09:12,000 20 回 授業に時間通り出席すること 235 00:09:12,000 --> 00:09:15,000 他の人と共同作業をすること 236 00:09:15,000 --> 00:09:18,000 5 回作業しているところを見せること 237 00:09:18,000 --> 00:09:20,000 特定のターゲットを叩くことなどがあるとします 238 00:09:20,000 --> 00:09:23,000 作業を調整して細切れにし 239 00:09:23,000 --> 00:09:25,000 人々が取り組み続けられるよう 240 00:09:25,000 --> 00:09:27,000 作業を選んだりいくつか並行できるようにし 241 00:09:27,000 --> 00:09:29,000 各個人にとって為になるやり方へと 242 00:09:29,000 --> 00:09:32,000 導くことができます 243 00:09:33,000 --> 00:09:35,000 三つ目は頑張りに対する報酬です 244 00:09:35,000 --> 00:09:38,000 これは必要不可欠な要素です ゲームはこの点に秀でています 245 00:09:38,000 --> 00:09:41,000 皆さんが何かをする度に あるいは試みに対しても賞賛を得ます 246 00:09:41,000 --> 00:09:44,000 失敗は罰しません ちょっとした努力でも称えます 247 00:09:44,000 --> 00:09:47,000 20 問解いたら さあ報酬です 248 00:09:47,000 --> 00:09:50,000 あらゆる頑張りに対して直ちに報酬が与えられます 249 00:09:50,000 --> 00:09:52,000 四つ目はフィードバックです 250 00:09:52,000 --> 00:09:54,000 これは何よりも重要です 251 00:09:54,000 --> 00:09:56,000 仮想世界はフィードバックに長けています 252 00:09:56,000 --> 00:09:59,000 これまで私たちに驚愕の事実を知らせてきた 253 00:09:59,000 --> 00:10:01,000 現在世界にある解決困難な問題を見てみると 254 00:10:01,000 --> 00:10:04,000 行動と因果関係を関連付けられないと 255 00:10:04,000 --> 00:10:07,000 学習することは非常に難しいことが分かります 256 00:10:07,000 --> 00:10:09,000 汚染や温暖化といった問題において 257 00:10:09,000 --> 00:10:11,000 その因果関係は時間 空間共にスケールが違います 258 00:10:11,000 --> 00:10:13,000 教訓を肌で感じ 学ぶことは非常に難しいですが 259 00:10:13,000 --> 00:10:15,000 そのモデルを作ることができれば 260 00:10:15,000 --> 00:10:17,000 また 人々に操作したりいじくったりして 261 00:10:17,000 --> 00:10:19,000 フィードバックが発生するものを与えることができれば 262 00:10:19,000 --> 00:10:21,000 彼らは教訓を学び 把握し 263 00:10:21,000 --> 00:10:24,000 前進することも理解することもできるでしょう 264 00:10:24,000 --> 00:10:26,000 五つ目は 265 00:10:26,000 --> 00:10:28,000 不確実性を持つ要素です 266 00:10:28,000 --> 00:10:31,000 これはいわば 267 00:10:31,000 --> 00:10:33,000 神経学的金鉱です 268 00:10:33,000 --> 00:10:35,000 既知の報酬は 269 00:10:35,000 --> 00:10:37,000 人々を興奮させますが 270 00:10:37,000 --> 00:10:39,000 人々を本当に駆り立てるのは 271 00:10:39,000 --> 00:10:41,000 不確実な報酬です 272 00:10:41,000 --> 00:10:43,000 当たるかどうか分からない 273 00:10:43,000 --> 00:10:46,000 適度な不確実性を持つ報酬です 274 00:10:46,000 --> 00:10:49,000 25% です これが脳に火を付けます 275 00:10:49,000 --> 00:10:51,000 これを実際に導入することを 276 00:10:51,000 --> 00:10:53,000 考えてみると 277 00:10:53,000 --> 00:10:55,000 あらゆるテストやトレーニングは 278 00:10:55,000 --> 00:10:57,000 ランダムさを組み込み 279 00:10:57,000 --> 00:10:59,000 人類の持つ強力な進化の仕組みを刺激することで 280 00:10:59,000 --> 00:11:01,000 人々の取り組み具合を 281 00:11:01,000 --> 00:11:03,000 変えることができます 282 00:11:03,000 --> 00:11:05,000 私たちは完璧な予想を立てられないとき 283 00:11:05,000 --> 00:11:07,000 そのことに対してとても興奮するのです 284 00:11:07,000 --> 00:11:09,000 繰り返し確かめて解明したくなります 285 00:11:09,000 --> 00:11:11,000 ご存じかもしれませんが 学習に関連している 286 00:11:11,000 --> 00:11:13,000 神経伝達物質はドーパミンといいます 287 00:11:13,000 --> 00:11:16,000 これは報酬探索行動と関連しています 288 00:11:16,000 --> 00:11:19,000 イギリスのブリストル大学といった場所では 289 00:11:19,000 --> 00:11:22,000 凄く面白いことが始まろうとしています 290 00:11:22,000 --> 00:11:25,000 そこでは脳内のドーパミンレベルの数学的な 291 00:11:25,000 --> 00:11:27,000 モデリングが始められています 292 00:11:27,000 --> 00:11:29,000 つまり私たちは学習を 293 00:11:29,000 --> 00:11:32,000 向上した取り組み具合を 294 00:11:32,000 --> 00:11:34,000 学習に占められる時間幅を 295 00:11:34,000 --> 00:11:37,000 より上手く予測できるのです 296 00:11:37,000 --> 00:11:39,000 ここから二つのことが発展します 297 00:11:39,000 --> 00:11:41,000 一つは記憶に関連することです 298 00:11:41,000 --> 00:11:43,000 人が思い出そうとしている瞬間を 299 00:11:43,000 --> 00:11:45,000 同定することができ 300 00:11:45,000 --> 00:11:47,000 そのときに助けとなる情報を投じることができます 301 00:11:47,000 --> 00:11:49,000 もう一つは自信に関することです 302 00:11:49,000 --> 00:11:51,000 ゲームをしたり 報酬の仕組みがあると 303 00:11:51,000 --> 00:11:54,000 人はより勇敢にリスクや 304 00:11:54,000 --> 00:11:56,000 困難に対して好戦的になり 305 00:11:56,000 --> 00:11:58,000 へこたれにくくなります 306 00:11:58,000 --> 00:12:00,000 これは悪い事と見ることもできます 307 00:12:00,000 --> 00:12:02,000 「私たちの脳は操作されている 中毒だ」といったような具合です 308 00:12:02,000 --> 00:12:04,000 中毒という言葉は蔓延しています 309 00:12:04,000 --> 00:12:06,000 これは本当に問題です 310 00:12:06,000 --> 00:12:08,000 神経学的に最も火を付ける要因は 311 00:12:08,000 --> 00:12:10,000 他者です 312 00:12:10,000 --> 00:12:13,000 他者が私たちをとても興奮させます 313 00:12:13,000 --> 00:12:15,000 金銭ではありません それも良いですが 314 00:12:15,000 --> 00:12:18,000 報酬の観点から言うと 315 00:12:18,000 --> 00:12:20,000 これは周りの人と一緒に何かをすること 316 00:12:20,000 --> 00:12:22,000 見られること そして共同することです 317 00:12:22,000 --> 00:12:24,000 1999 年のちょっとした事例をお話ししたいと思います 318 00:12:24,000 --> 00:12:26,000 Everquest というゲームでの話です 319 00:12:26,000 --> 00:12:28,000 このゲームでは 320 00:12:28,000 --> 00:12:31,000 大勢で掛からないと討伐できない大きなドラゴンが二匹いて 321 00:12:31,000 --> 00:12:34,000 最大 42 名の参加が必要です 322 00:12:34,000 --> 00:12:36,000 問題なのは 323 00:12:36,000 --> 00:12:39,000 ドラゴンのまともなドロップが二、三個のみだということです 324 00:12:39,000 --> 00:12:42,000 プレイヤーはこの問題を提起すると同時に 325 00:12:42,000 --> 00:12:44,000 お互いに動機付け 326 00:12:44,000 --> 00:12:46,000 公明正大に評価できるような 327 00:12:46,000 --> 00:12:48,000 システムを考案しました 328 00:12:48,000 --> 00:12:51,000 それは プレイヤーが互いにドラゴンキルポイントという 329 00:12:51,000 --> 00:12:54,000 仮想貨幣を支払うシステムでした 330 00:12:54,000 --> 00:12:56,000 その任務に出向く度に 331 00:12:56,000 --> 00:12:58,000 皆さんにドラゴンキルポイントが支払われ 332 00:12:58,000 --> 00:13:00,000 それを別のウェブサイトで記録しました 333 00:13:00,000 --> 00:13:02,000 つまりプレイヤーたちは自ら貨幣を管理し 334 00:13:02,000 --> 00:13:04,000 欲しいアイテムが出たら 335 00:13:04,000 --> 00:13:06,000 ポイントで入札するようにしました 336 00:13:06,000 --> 00:13:08,000 全てをプレイヤーが自身で管理します 337 00:13:08,000 --> 00:13:11,000 この驚くべきシステムは Everquest だけでなく 338 00:13:11,000 --> 00:13:13,000 十年を経た今日 339 00:13:13,000 --> 00:13:16,000 同様の作業を必要とする世界中のゲームで 340 00:13:16,000 --> 00:13:18,000 似たものが利用されています 341 00:13:18,000 --> 00:13:20,000 何千万人もの人が利用しています 342 00:13:20,000 --> 00:13:22,000 成功率は 343 00:13:22,000 --> 00:13:24,000 ほぼ 100% です 344 00:13:24,000 --> 00:13:26,000 これはプレイヤーによる 345 00:13:26,000 --> 00:13:29,000 自立した貨幣システムです 346 00:13:29,000 --> 00:13:31,000 これはものすごく洗練された 347 00:13:31,000 --> 00:13:33,000 プレイヤー行動です 348 00:13:35,000 --> 00:13:37,000 では 以上の原理を実世界で運用するための 349 00:13:37,000 --> 00:13:39,000 方法をいくつか提示して 350 00:13:39,000 --> 00:13:41,000 終わりたいと思います 351 00:13:41,000 --> 00:13:43,000 まずはビジネスから 352 00:13:43,000 --> 00:13:45,000 私たちはビジネスで 353 00:13:45,000 --> 00:13:47,000 例えばリサイクルや省エネといった 354 00:13:47,000 --> 00:13:49,000 大きな問題に直面し始めています 355 00:13:49,000 --> 00:13:51,000 リアルタイムエネルギーメーターなど 356 00:13:51,000 --> 00:13:53,000 素晴らしい技術が台頭してきています 357 00:13:53,000 --> 00:13:55,000 私はそれを見て思いました 358 00:13:55,000 --> 00:13:58,000 これはもっと応用させられると 359 00:13:58,000 --> 00:14:00,000 目標設定をさせる 360 00:14:00,000 --> 00:14:02,000 その目標を調整する 361 00:14:02,000 --> 00:14:05,000 不確実性の要素を利用する 362 00:14:05,000 --> 00:14:07,000 複数個ターゲットを設定する 363 00:14:07,000 --> 00:14:10,000 報酬や内在するインセンティブシステムを使う 364 00:14:10,000 --> 00:14:12,000 人材をグループ単位 365 00:14:12,000 --> 00:14:14,000 区単位で協力 競争させ 366 00:14:14,000 --> 00:14:16,000 先ほどお見せした 367 00:14:16,000 --> 00:14:18,000 非常に洗練された集団や 368 00:14:18,000 --> 00:14:20,000 動機付けの仕組みを活用するのです 369 00:14:20,000 --> 00:14:22,000 教育に関しては 370 00:14:22,000 --> 00:14:24,000 何よりも明らかだと思いますが 371 00:14:24,000 --> 00:14:27,000 人々の取り組み方を変えることができます 372 00:14:27,000 --> 00:14:29,000 人々に壮大なる 373 00:14:29,000 --> 00:14:32,000 経験の連続や個人的投資を提供できます 374 00:14:32,000 --> 00:14:34,000 物事を綿密に計算された 375 00:14:34,000 --> 00:14:36,000 小さな作業へと分割できます 376 00:14:36,000 --> 00:14:38,000 計算された無作為性を利用することが出来ます 377 00:14:38,000 --> 00:14:40,000 全て処理される毎に 報酬を 378 00:14:40,000 --> 00:14:43,000 頑張りに対して立て続けに与えることが出来ます 379 00:14:43,000 --> 00:14:45,000 グループ行動では 380 00:14:45,000 --> 00:14:48,000 人々が一緒に遊ぶときに見られる進歩を利用できます 381 00:14:48,000 --> 00:14:51,000 これは類を見ないほど複雑な 382 00:14:51,000 --> 00:14:53,000 集団行動の仕組みです 383 00:14:53,000 --> 00:14:55,000 政治について一つ頭を過ぎるのは 384 00:14:55,000 --> 00:14:58,000 とりわけアメリカ政府が 385 00:14:58,000 --> 00:15:00,000 人々の減量に対して 386 00:15:00,000 --> 00:15:02,000 実際に資金を出していることです 387 00:15:02,000 --> 00:15:04,000 現金という形の報酬が肥満という 388 00:15:04,000 --> 00:15:06,000 大問題克服に向けて利用されています 389 00:15:06,000 --> 00:15:08,000 ただここでも 390 00:15:08,000 --> 00:15:11,000 ゲーム産業の膨大な見識を利用し 391 00:15:11,000 --> 00:15:14,000 報酬をもっと魅力的なものにし 392 00:15:14,000 --> 00:15:17,000 何百万の人々のデータや行動記録を取り 393 00:15:17,000 --> 00:15:19,000 各自の取り組み強化への 394 00:15:19,000 --> 00:15:21,000 フィードバックが出来れば 395 00:15:21,000 --> 00:15:23,000 この報酬を更に正確に 396 00:15:23,000 --> 00:15:25,000 調整することが可能になります 397 00:15:25,000 --> 00:15:28,000 そして最後に 取り組み という言葉に触れて 398 00:15:28,000 --> 00:15:30,000 終わりにしたいと思います 399 00:15:30,000 --> 00:15:32,000 ゲームプレイヤーを観察することで 400 00:15:32,000 --> 00:15:34,000 得られる心理学的及び神経学的― 401 00:15:34,000 --> 00:15:37,000 知識を活用して個人の 402 00:15:37,000 --> 00:15:40,000 取り組み方を変えることが出来ます 403 00:15:40,000 --> 00:15:43,000 しかしこれは集団的関与の話でもあり 404 00:15:43,000 --> 00:15:46,000 人々を後押しし 働かせ 遊ばせ 405 00:15:46,000 --> 00:15:48,000 取り組ませるものは何かを 406 00:15:48,000 --> 00:15:50,000 壮大なスケールから観察する 407 00:15:50,000 --> 00:15:53,000 かつて無い実験場でもあるのです 408 00:15:53,000 --> 00:15:56,000 こういったことを観察し そこから学び 409 00:15:56,000 --> 00:15:58,000 その活用法を見出せば 410 00:15:58,000 --> 00:16:01,000 革命的な力を持つ何かが得られるだろうと思います 411 00:16:01,000 --> 00:16:03,000 どうもありがとうございました 412 00:16:03,000 --> 00:16:07,000 (拍手)