WEBVTT 00:00:03.985 --> 00:00:08.829 多人数ゲームの待合室にいると こんな言葉を聞くだろう 00:00:08.869 --> 00:00:11.755 強すぎ、せこい、不公平だ 00:00:11.795 --> 00:00:16.109 プレイヤーが主張しているのは ゲームのバランスのことだ 00:00:16.149 --> 00:00:21.097 バランスは多人数ゲームのあらゆる選択肢を 公平にする技術で 00:00:21.137 --> 00:00:24.441 キャラが弱すぎて使う意味がなくなったり 00:00:24.481 --> 00:00:28.468 強すぎて他を圧倒したりすることを防ぐのだ 00:00:28.981 --> 00:00:32.945 とはいえ、ほとんどのゲームが目指すのは 単なるバランスではなく 00:00:32.985 --> 00:00:37.164 多種多様な異なる選択肢のバランスだ 00:00:37.204 --> 00:00:40.950 「対称ゲーム」のバランスは そこまで苦労しない 00:00:40.990 --> 00:00:44.724 どのプレイヤーも全く同じ条件で 始まるからだ 00:00:44.764 --> 00:00:50.950 だがほとんどのゲームは「非対称」であり プレイヤー同士は全く異なる条件で対戦する 00:00:50.990 --> 00:00:57.172 また 74 人のファイターや 140 人のチャンピオンから選べるゲームでは 00:00:57.212 --> 00:01:03.019 開発者は、ほぼ同じ腕前のプレイヤーの間で どれも同等に通用することを期待している 00:01:03.441 --> 00:01:04.942 ではどうしているのか? 00:01:04.982 --> 00:01:08.751 バランスの追求は 信じられないほど難しい 00:01:08.791 --> 00:01:12.386 企業によっては バランス専門の部署があるし 00:01:12.426 --> 00:01:18.094 Riot の『League of Legends』では過去 10 年間で 200 回以上もバランスが修正された 00:01:18.134 --> 00:01:21.390 さらに数値だけでなく プレイヤー心理も重要で 00:01:21.430 --> 00:01:27.363 『Overwatch』の Jeff Kaplan が言うには 「バランスの認識はバランス自体よりも強力です」 00:01:27.403 --> 00:01:31.693 だから今回は集中的な チュートリアルではなく 00:01:31.733 --> 00:01:36.524 Game Maker’s Toolkit が駆け足で バランスを取る方法を紹介しよう 00:01:36.564 --> 00:01:38.006 そして再調整して 00:01:38.046 --> 00:01:41.380 再調整して、再調整して、また再調整だ 00:01:41.986 --> 00:01:45.726 そもそも開発者は どうやってバランスを取るのか? 00:01:45.766 --> 00:01:48.811 まず考えるのはトレードオフだ 00:01:48.851 --> 00:01:54.329 これはキャラの競争優位性を 欠点で相殺することだ 00:01:54.369 --> 00:01:58.628 『マリオカート』のキャラを考えてくれ ドンキーのような重量級レーサーは 00:01:58.668 --> 00:02:04.794 最高速度は高いが、加速は低い キノピオのような軽量級レーサーはその逆だ 00:02:04.834 --> 00:02:08.399 適切なコース設計では ほぼ互角になる 00:02:08.439 --> 00:02:13.943 キャラには「能力予算」があると考えていい 少なくとも Riot はそう呼んでいる 00:02:13.983 --> 00:02:18.223 長所は費用だが、短所は割引だ 00:02:18.263 --> 00:02:24.468 全てのキャラが同じ能力予算の上限に達したら バランスがほぼ取れたことになる 00:02:24.508 --> 00:02:27.326 もちろんそこまで簡単じゃない 00:02:27.366 --> 00:02:31.015 全てのミニオンに ダメージ1を与えるカードと 00:02:31.055 --> 00:02:34.392 全てのミニオンに ダメージ4のカードがある 00:02:34.432 --> 00:02:38.718 これなら簡単だ 2枚目のカードコストを 少し高くするだけでいい 00:02:38.758 --> 00:02:44.579 だが全く比較できない能力予算はどう計算するのか? 例えば『Overwatch』のヒーローや 00:02:44.619 --> 00:02:47.230 数値が数十もあるやつは? 00:02:47.270 --> 00:02:52.100 例えば Bungie の『Halo 3』には当初 強すぎるスナイパーライフルがあったが 00:02:52.140 --> 00:02:59.021 調整できる数値は大量にあった 弾倉サイズ、ズーム時間、リロード時間、最大弾薬数など 00:02:59.061 --> 00:03:06.516 最終的に射撃間隔の調整が最善だと判断し 0.5 秒から 0.7 秒に変更された 00:03:06.721 --> 00:03:10.948 だが重要なのは 武器の個性の違いを尊重することだ 00:03:10.988 --> 00:03:16.948 スナイパーライフルとショットガンは 2種類のアサルトライフルよりも刺激的なのだ 00:03:16.988 --> 00:03:20.011 とはいえ後者の方が バランスを取るのは簡単だ 00:03:20.051 --> 00:03:23.226 だから僕は元 Blizzard の Rob Pardo に同意する 00:03:23.266 --> 00:03:28.697 彼は計算でバランスを取ると ゲームが凡庸になると警告する 00:03:28.737 --> 00:03:32.958 「何もかも同じように感じるゲームに なってしまうでしょう」 00:03:32.998 --> 00:03:37.463 「ハイタッチしてバランスが取れてると言えても それ楽しいですか? 恐らく違うでしょう」 00:03:37.827 --> 00:03:40.440 もう1つ考えるのはカウンターだ 00:03:40.480 --> 00:03:45.388 これはキャラに互いの技や戦略を 無効にする能力を与えることだ 00:03:45.428 --> 00:03:49.642 例えば『Starcraft』のザーグラッシュは けっこう強いが 00:03:49.682 --> 00:03:54.207 相手が防御バンカーを 先に建てていた場合は別だ 00:03:54.247 --> 00:03:58.255 全ての選択肢にカウンターがあるのが理想だ 00:03:58.295 --> 00:04:04.269 『Starcraft』の防御的なプレイヤーに対しては 今度は経済的な戦略で反撃できる 00:04:04.309 --> 00:04:10.269 つまり資源を節約すれば最後には 防御バンカーを粉砕できるユニットを作れるのだ 00:04:10.309 --> 00:04:15.628 そしてカウンターのカウンターも作れるが そうすると永遠に終わらない 00:04:15.668 --> 00:04:21.595 だがもっと簡潔な解決策がある ダラダラと節約してる人への対抗策は? 00:04:21.635 --> 00:04:23.487 それがラッシュだ 00:04:23.527 --> 00:04:27.661 これはお馴染みのジャンケン(三すくみ)だ 00:04:28.170 --> 00:04:34.845 この皿洗い担当を決めるマヌケなゲームは 信じられないほど単純で戦略的な深みもないが 00:04:34.885 --> 00:04:40.945 完璧にバランスが取れている どの手にもカウンターがあり、どの手もカウンターだからだ 00:04:40.985 --> 00:04:43.770 「チョキの負けだぜ」 00:04:43.810 --> 00:04:48.010 だからこそたくさんの対戦ゲームで 屋台骨になっているのだ 00:04:48.050 --> 00:04:51.944 ほぼ全ての格闘ゲームにはこのシステムがあり 例えば『Dead or Alive』には 00:04:51.984 --> 00:04:58.952 ご自慢の三すくみシステムがある 打撃は投げに、投げはホールドに、ホールドは投げに勝つ 00:04:58.992 --> 00:05:04.211 戦略ゲームでは、戦略だけでなく 個々のユニットにも三すくみがある 00:05:04.251 --> 00:05:09.689 ポケモンのタイプ相性はカウンターが絡み合った 巨大な網だが、最初はもちろん—— 00:05:09.729 --> 00:05:12.309 火、水、草だ 00:05:12.349 --> 00:05:16.285 三すくみの構造は バランス調整の出発点に最適だ 00:05:16.325 --> 00:05:20.955 何かがカウンターになっているため 強すぎる要素がないのだ 00:05:20.995 --> 00:05:26.029 どの選択肢も無関係ではない 少なくとも何かのカウンターとして機能する 00:05:26.069 --> 00:05:30.263 また少なくとも戦略ゲームでは 三すくみは混合戦略を促し 00:05:30.303 --> 00:05:32.837 プレイヤーを多角的に成長させ 00:05:32.877 --> 00:05:37.196 動的な方法で 臨機応変に戦術を切り替えることを強制する 00:05:37.236 --> 00:05:42.237 またクラス制のゲームでは 混成チームを自動的に作らせる 00:05:42.277 --> 00:05:46.054 『Team Fortress 2』では 9クラスのうち7つで 00:05:46.094 --> 00:05:51.882 相互に連結した入れ替えても機能する三すくみが 複雑に絡み合っている 00:05:51.922 --> 00:05:57.016 この場合、チームは互いの弱点を守るため 相補的なクラスを選ばないといけない 00:05:57.056 --> 00:06:00.668 君がエンジニアで スパイがセントリーガンを破壊してるなら 00:06:00.708 --> 00:06:04.628 チームメイトの1人に パイロに変更してもらう必要がある 00:06:04.668 --> 00:06:09.943 こうしたカウンターは何かを完全に打ち消す場合 「ハードカウンター」と呼ばれる 00:06:09.983 --> 00:06:16.690 例えば『ARMS』のパンチは投げの効果を 常に無効化するのでハードカウンターだ 00:06:16.730 --> 00:06:21.618 だが「ソフトカウンター」は一方の選択が もう一方よりも有利になるだけだ 00:06:21.658 --> 00:06:27.467 マクリーはトレーサーを上回るだろうが 100% 勝つとは到底言えない 00:06:27.751 --> 00:06:34.479 カウンターに関しては 「手」と「指し方」を区別することが重要だ 00:06:34.519 --> 00:06:38.466 手は対戦前に確定する要素だ 00:06:38.506 --> 00:06:41.670 キャラや種族などだ 00:06:41.710 --> 00:06:44.771 指し方は対戦中に選ぶ要素だ 00:06:44.811 --> 00:06:47.425 技、ユニット、戦略など 00:06:47.465 --> 00:06:52.023 『Overwatch』のようなチーム制ゲームでは チーム全体が手で 00:06:52.063 --> 00:06:55.014 個々のプレイヤーが指し方だ 00:06:55.054 --> 00:06:59.340 指し方は互いに不公平になるように 特別に設計されており 00:06:59.380 --> 00:07:02.840 これが反撃の応酬やチームワークを生み出す 00:07:02.880 --> 00:07:08.781 だが手は本来公平でないといけないので 全てのスロウが使えるべきだ 00:07:08.821 --> 00:07:13.517 例えばザンギエフがガードできなかったら 使い物にならないだろう 00:07:17.140 --> 00:07:23.175 それでたくさんのキャラにトレードオフや カウンターを用意してバランスが取れたと思う 00:07:23.215 --> 00:07:25.683 だがどうやって確かめる? 00:07:25.723 --> 00:07:32.836 社内のテスターか、オンライン上の数百万人もの プレイヤーからデータを収集するのだ 00:07:32.876 --> 00:07:39.762 調べるのは各キャラの成功頻度 つまり「勝率」だけでいいと思うかもしれない 00:07:39.802 --> 00:07:43.442 キャラの勝率が 50% なら バランスが取れている 00:07:43.482 --> 00:07:46.694 だが他の統計と同様 誤解を招く可能性がある 00:07:46.734 --> 00:07:53.948 キャラが3人の格闘ゲームを想像してくれ リュウが春麗に全勝し、キャミィに全敗した場合 00:07:53.988 --> 00:07:58.954 リュウの勝率は 50% になる バランスは完璧か? 違うと思う 00:07:58.994 --> 00:08:05.954 だからあるキャラが他の全キャラと戦ったときの 勝率を確認できる対戦表がとても重要だ 00:08:05.994 --> 00:08:08.661 だがこれだけで 全てが分かるわけではない 00:08:08.701 --> 00:08:12.063 『LoL』のキャラ アカリには問題があった 00:08:12.103 --> 00:08:17.933 数字上はバランスはかなり良かった 勝率 44% で恐らく少し力不足だった 00:08:17.973 --> 00:08:22.947 ではどうして 2018 年の世界選手権で 72% もの勝率を達成し 00:08:22.987 --> 00:08:25.942 最も禁止されたキャラになったのか? 00:08:25.982 --> 00:08:31.052 それはとても強いキャラなのに 効果的に使うのが難しかったからだ 00:08:31.092 --> 00:08:34.123 言い換えれば 「技量下限」が超高かったのだ 00:08:34.163 --> 00:08:38.013 つまり一流の選手が使えば 相手をボコボコにできるが 00:08:38.053 --> 00:08:42.418 下位の選手がアカリを使うと いつでもどこでも負けていた 00:08:42.458 --> 00:08:45.773 それが勝率を引き下げていたのだ 00:08:45.813 --> 00:08:51.219 だからこそ、全ての腕前で キャラの勝率と相性を確認することが重要だ 00:08:51.259 --> 00:08:56.115 あと結局、勝率はゲームで起きてることを 教えてくれない 00:08:56.155 --> 00:08:59.428 どのキャラが選ばれているか 知る必要があるのだ 00:08:59.468 --> 00:09:03.004 バランスの良いキャラが 避けられているのは 00:09:03.044 --> 00:09:08.472 プレイが楽しくないとか 特定の状況でしか役に立たないからかもしれない 00:09:08.512 --> 00:09:13.015 Blizzard によれば『OW』のシンメトラは 全体的にバランスが取れていたが 00:09:13.675 --> 00:09:17.722 使える状況はかなり限られていたため あまり選ばれていなかった 00:09:17.762 --> 00:09:21.681 そこで最初の再設計では 人気を高めるために 00:09:21.721 --> 00:09:26.338 テレポーターとシールド生成という 2つのアルティメット能力を追加した 00:09:26.378 --> 00:09:30.395 だからプレイヤーの意見だけでなく 「使用率」も重要だ 00:09:30.435 --> 00:09:34.233 これはキャラが実際に使われる頻度を示す 00:09:34.273 --> 00:09:40.018 『Rainbow Six Siege』で Ubisoft は 勝率と使用率を縦横に並べて相互参照している 00:09:40.058 --> 00:09:45.084 オペレーターは4つに分類され それぞれ検討すべきことが違う 00:09:45.124 --> 00:09:48.612 また使用率はメタの理解に役立つ 00:09:48.652 --> 00:09:52.813 これは基本的には キャラ、カード、戦略など—— 00:09:52.853 --> 00:09:57.027 コミュニティ全体で最も有効だとされ 現在使われているものだ 00:09:57.067 --> 00:10:01.452 これはよく掲示板の投稿や ファンお手製のランク表 00:10:01.492 --> 00:10:04.581 YouTube 動画、eSport 大会を通じて 共有される 00:10:04.621 --> 00:10:08.140 ヘルシンキの『Clash Royale』選手権で ジェイソンという子供が優勝すると 00:10:08.180 --> 00:10:11.787 彼が選んだカードが一躍大人気になった 00:10:11.827 --> 00:10:15.080 メタが自己均衡の働きをすることもある 00:10:15.120 --> 00:10:20.543 例えばあるキャラの圧倒的な性能に気付いて みんなが使い始めたとする 00:10:20.583 --> 00:10:26.698 今やみんなの一番の関心事は、優勝候補に対抗したり 上回ったりできる戦略を見つけることだ 00:10:26.738 --> 00:10:29.650 それが見つかると メタは変わるかもしれない 00:10:29.690 --> 00:10:36.604 この移りゆくメタはゲームを新鮮に保ち カウンターを見つけたプレイヤーに満足感をもたらす 00:10:36.644 --> 00:10:42.367 『OW』の Jeff Kaplan は述べる 「プレイヤーが新戦略を考案してメタが変わることは」 00:10:42.407 --> 00:10:47.945 「まぁ、それが最良のシナリオです 私たちは何度も それが起きるのを見てきました」 00:10:47.985 --> 00:10:54.107 もちろん常に上手くいくとは限らない 開発者が介入して変えないといけない場合もある 00:10:54.147 --> 00:10:58.143 ある戦略が強すぎたり あるキャラが全然使われなかったり 00:10:58.183 --> 00:11:02.408 あるプレイスタイルが鬱陶しいと判明した場合は ハンマーで直すべきだ 00:11:02.448 --> 00:11:08.859 まず開発者は、そのキャラや戦略などのバランスが 崩れてる理由を正確に把握する必要がある 00:11:08.899 --> 00:11:14.619 あるキャラが対戦表を席巻してるのは簡単に分かっても その理由を特定するのは難しい 00:11:14.659 --> 00:11:21.081 『スマブラX』のメタナイトの場合 その主な理由は極めて速い攻撃速度と 00:11:21.121 --> 00:11:25.291 空中での勢いをキャンセルして KO を防げる能力だった 00:11:25.331 --> 00:11:31.161 優位性はたくさんあるのにトレードオフは不十分だった 他のキャラにカウンターの手段はなかった 00:11:31.201 --> 00:11:35.815 原因が見つかったら 何をナーフし、何をバフするか考える 00:11:35.855 --> 00:11:42.541 「ナーフ」は何かを弱めることだ 速度を落としたり、射程を短くしたり、筋力を下げたりする 00:11:42.581 --> 00:11:45.936 「バフ」はその逆で、より強くする 00:11:45.976 --> 00:11:50.265 だが必ずしも弱者をバフして 強者をナーフするわけではない 00:11:50.305 --> 00:11:56.556 強すぎるキャラを放置して対抗キャラを強化しても 同じ問題を解決できる 00:11:56.596 --> 00:12:02.155 Core-A Gaming の動画で、バフが一般的に ナーフより優れてる理由を確認してくれ 00:12:02.195 --> 00:12:08.930 バランスの変更には、移動速度の微調整から キャラの全面的な見直しまで色々なものがある 00:12:08.970 --> 00:12:11.854 ルールを根本的に変える場合もある 00:12:11.894 --> 00:12:17.368 『Rainbow Six Siege』は攻守のバランスを取るために 試合時間を3分に変更した 00:12:17.408 --> 00:12:20.423 ゲームから完全に削除する場合もある 00:12:20.463 --> 00:12:25.116 例えば Epic は『Fortnite』の 強すぎたインフィニティブレードを削除した 00:12:25.156 --> 00:12:27.816 だがどんな変更も プレイヤーに影響する 00:12:27.856 --> 00:12:33.023 特に特定のキャラやそのカウンターに 慣れているプレイヤーは尚更だ 00:12:33.063 --> 00:12:38.686 そのためゲームを修正した時は、パッチノートや 動画などで変更点を伝えることが重要だ 00:12:38.726 --> 00:12:44.537 実際、パッチノートはとても重要で Riot はあるチャンピオンを弱体化したと発表したのに 00:12:44.577 --> 00:12:47.294 コードに実装するのを 忘れたことがあった 00:12:47.334 --> 00:12:52.943 それにも関わらず、そのキャラの使用率は急落し 勝率すら少し下がった 00:12:52.983 --> 00:12:56.530 プレイヤー心理は重要だって言っただろ? 00:12:57.437 --> 00:13:02.943 動画の冒頭で、バランスとは ほぼ同じ腕前のプレイヤーの間で 00:13:02.983 --> 00:13:09.140 キャラが同等に通用することだと説明した だが腕前に差がある場合はどうなるのか? 00:13:09.180 --> 00:13:14.939 競争の激しいゲームではマッチメイキングシステムで 同じ腕前のプレイヤーを対戦させる 00:13:14.979 --> 00:13:20.373 だが遊びやすいパーティ系ゲームでは 負のフィードバックループ… 00:13:20.413 --> 00:13:24.946 つまり追い上げシステムを作って 成績が悪いプレイヤーを助けたいだろう 00:13:24.986 --> 00:13:30.772 例えば『Modern Warfare 2』のデスストリークは 連続で死ぬと特別ボーナスが貰える 00:13:30.812 --> 00:13:36.029 『マリオカート』のアイテムシステムでは 厄介な青コウラを含む強いアイテムは 00:13:36.069 --> 00:13:38.731 順位の低いプレイヤーしか貰えない 00:13:38.771 --> 00:13:42.776 これらは物議を醸すので 控えめに使わないといけない 00:13:42.816 --> 00:13:46.534 ランダム性で腕前の価値を下げてもいい 00:13:46.574 --> 00:13:53.738 これは『蛇と梯子』や『モノポリー』などの サイコロ運に基づいた家庭用ボードゲームでよくある 00:13:53.778 --> 00:13:57.354 だが『Apex Legends』などの ビデオゲームでは 00:13:57.394 --> 00:14:03.273 マップに降りた時の見つけたアイテムに基づいて 勝つ確率が変わる 00:14:03.313 --> 00:14:05.948 ハンディキャップモードを 用意してもいい 00:14:05.988 --> 00:14:11.725 チーム制ゲームでは、チームに貢献できるような 別のプレイスタイルを用意すれば 00:14:11.765 --> 00:14:17.698 最前線で上手に戦う必要もなくなる 例えばメディックやエンジニアなどのサポート役だ 00:14:18.672 --> 00:14:21.948 ゲームのバランス調整は とてもやりがいのある仕事だ 00:14:21.988 --> 00:14:26.848 キャラの差異をハッキリさせるほど 同じ土俵に乗せるのが難しくなる 00:14:26.888 --> 00:14:30.414 プレイヤーの腕前の差は 考慮されていない 00:14:30.454 --> 00:14:34.933 キャラの優位性が多くなりすぎないように トレードオフを設計したり 00:14:34.973 --> 00:14:38.250 カウンターを用意して 互いに牽制させたりできる 00:14:38.290 --> 00:14:42.953 だがどんなに優れた設計であっても 数百万人の調査には耐えられない 00:14:42.993 --> 00:14:49.270 だから勝率、対戦、使用率、プレイヤーの意見を見て 常にバランスを見極める必要がある 00:14:49.310 --> 00:14:53.122 上手くいけば不均衡に対応して メタが自然に変わるだろうが 00:14:53.162 --> 00:14:56.716 開発者が介入して 難しい修正を加えるしかない時もある 00:14:56.756 --> 00:15:00.528 そして新キャラを導入すると 全てが再び壊れるのだ 00:15:00.568 --> 00:15:03.283 はぁ… 簡単な仕事じゃないって言っただろ 00:15:03.323 --> 00:15:06.948 そこで質問だ 君が考える一番バランスが良いゲームは? 00:15:06.988 --> 00:15:10.536 バランスを間違えたゲームを プレイした経験はあるか? 00:15:10.576 --> 00:15:14.189 バランスに関する経験を コメント欄で教えてくれ 00:15:15.463 --> 00:15:16.595 ご視聴ありがとう! 00:15:16.635 --> 00:15:20.672 僕は多くの助けを借りた 多人数ゲームに詳しい人たちから 00:15:20.712 --> 00:15:25.949 『League of Legends』『Dirty Bomb』 『Rainbow Six Siege』などに関わった開発者まで 00:15:25.989 --> 00:15:29.755 シューターのマップのバランスとか 話題は他にもあるが 00:15:29.795 --> 00:15:31.757 それはまたいつかやろう 00:15:31.797 --> 00:15:33.882 それじゃ、ありがとう ではまた