WEBVTT 00:00:04.001 --> 00:00:07.147 もし多人数戦の待合室に 長時間いたことがあるなら 00:00:07.192 --> 00:00:08.914 こんな言葉を耳にしたことが あるだろう 00:00:08.974 --> 00:00:09.893 「強すぎる」 00:00:09.953 --> 00:00:10.688 「ずるい」 00:00:10.734 --> 00:00:11.851 「不公平」 00:00:11.904 --> 00:00:16.163 プレイヤーたちが主張しているのは ゲームの「バランス」のことだ 00:00:16.215 --> 00:00:21.659 バランスとは、多人数ゲームの全ての選択肢が 確実に公平になるようにする技術だ 00:00:21.711 --> 00:00:24.822 つまり弱すぎて使う価値のない キャラはいなくなるし 00:00:24.871 --> 00:00:28.660 強すぎて他を圧倒する ぶっ壊れキャラもいなくなる 00:00:28.713 --> 00:00:30.174 しかしここで問題なのは― 00:00:30.220 --> 00:00:33.277 ほとんどのゲームは、単にバランスを取ることを 追求しているのではなく 00:00:33.320 --> 00:00:37.503 明確な差異がある選択肢の バランス調整を目指している点だ 00:00:37.568 --> 00:00:41.187 「左右対称ゲーム」のバランス調整に 苦労する必要はない 00:00:41.237 --> 00:00:44.923 これは全プレイヤーの開始条件が まったく同じだからだ 00:00:44.973 --> 00:00:47.063 だが大半のゲームは 「非対称」だ 00:00:47.110 --> 00:00:51.556 つまりプレイヤーは互いに まったく異なる条件で対戦することになる 00:00:51.608 --> 00:00:57.211 そして 74 名のファイターや 140 人のチャンピオンから選べるゲームでは 00:00:57.277 --> 00:01:03.442 開発者は、ほぼ同じ腕前のプレイヤーたちの間で 全キャラが平等に扱われることを期待している 00:01:03.506 --> 00:01:05.015 では開発者は どうやってるのだろうか? 00:01:05.069 --> 00:01:08.952 実際、バランス調整の追求は 信じられないほど難しい 00:01:09.013 --> 00:01:12.350 特定の企業では、部署全体で 担当することもあるし 00:01:12.394 --> 00:01:18.067 Riot の『League of Legends』では、過去 10 年間で 200 回以上のバランス修正が行われた 00:01:18.111 --> 00:01:21.581 加えて、数字だけでなく プレイヤーの心理面も重要で 00:01:21.635 --> 00:01:23.803 『Overwatch』の Jeff Kaplan が 言うには― 00:01:23.852 --> 00:01:27.579 「バランスそのものよりも バランスに対する認識の方が重要です」 00:01:27.625 --> 00:01:31.109 だから今回は集中的な チュートリアルではない 00:01:31.156 --> 00:01:36.549 その代わりに、Game Maker’s Toolkit では バランス調整の方法を駆け足で紹介していく 00:01:36.605 --> 00:01:38.099 そして再調整して― 00:01:38.155 --> 00:01:41.514 また再調整して、再調整して また再調整だ 00:01:42.125 --> 00:01:45.812 では、そもそも開発者はどうやって バランスを調整するのだろうか? 00:01:45.875 --> 00:01:48.929 まぁ、まず考慮すべきは 「トレードオフ(二律背反)」だ 00:01:48.977 --> 00:01:54.399 これはキャラの持つ競争的な優位性を 欠点によって本質的に相殺することだ 00:01:54.457 --> 00:01:56.887 『マリオカート』のキャラを 思い浮かべてくれ 00:01:56.935 --> 00:02:01.990 ドンキーのような重量級レーサーは 最高速度は速いが、加速は弱い 00:02:02.054 --> 00:02:04.905 一方、キノピオのような 軽量級レーサーはその逆だ 00:02:04.966 --> 00:02:08.534 適切なサーキット設計によって ほぼ均等にバランスが取れている 00:02:08.592 --> 00:02:11.738 キャラには「能力予算」があると 考えることができる 00:02:11.796 --> 00:02:14.043 少なくとも、Riot がそう呼んでいる 理由がこれだ 00:02:14.094 --> 00:02:18.359 長所は費用だが、短所は割引だ 00:02:18.417 --> 00:02:22.373 全キャラが同じ能力予算の 上限まで達していれば 00:02:22.420 --> 00:02:24.539 ほぼバランスが取れている ということになる 00:02:24.589 --> 00:02:26.439 もちろん、実際は こんなに簡単じゃない 00:02:26.489 --> 00:02:27.549 つまり… Okay 00:02:27.602 --> 00:02:31.063 全ミニオンに 1ダメージを 与えるカードと 00:02:31.113 --> 00:02:34.441 全ミニオンに 4ダメージを 与えるカードがあるとする 00:02:34.489 --> 00:02:38.829 これは簡単なことで、2番目の カードのコストを少し増やせばいい