1 00:00:06,000 --> 00:00:10,000 奇跡はどこにでもある。暗闇にも、静寂にも.. 2 00:00:10,000 --> 00:00:14,000 奇跡はどこにでもある。暗闇にも、静寂にも.. Helen Keller 3 00:00:15,020 --> 00:00:18,020 未来はどうなるのだろうか? 4 00:00:19,000 --> 00:00:22,000 宇宙はどのように終わるのだろうか? 5 00:00:23,000 --> 00:00:25,340 真実を知ることは無いかもしれない 6 00:00:26,000 --> 00:00:30,640 しかし科学は未来の驚くべき行く末を描き始めた 7 00:00:31,000 --> 00:00:34,400 時間の終わりまでの旅にでてみよう 8 00:00:35,000 --> 00:00:38,840 この旅の速度は5秒毎に指数関数的に増加する 9 00:00:38,940 --> 00:00:44,480 新たな証拠が得られるごとに 未来像は間違いなく進化する、しかし一つ確かなのは 10 00:00:44,760 --> 00:00:47,820 私たちの宇宙は始まったばかりだという事 11 00:00:49,180 --> 00:01:01,720 完新世は終わり、現在、そして今後数年間の私たちの行動は次の数千年に大きく影響するだろう 12 00:01:03,920 --> 00:01:11,480 近代の人類が知りえた唯一の環境は変化しつつある、それも急速に 13 00:01:13,205 --> 00:01:17,205 この惑星に変わらぬものはない すべては変わる 14 00:01:18,222 --> 00:01:23,382 地球は先の見えない崖を再び跳ぼうとしている。結果はだれにもわからない 15 00:01:23,382 --> 00:01:25,400 2877年 地磁気反転 16 00:01:25,420 --> 00:01:26,980 この地球は常に跳躍している。 17 00:01:27,000 --> 00:01:30,880 3,500年 ヘール・ボップ彗星戻る 18 00:01:31,300 --> 00:01:32,700 5,000年 劇的海面上昇 19 00:01:32,700 --> 00:01:38,680 5,000年 劇的海面上昇 万物は流転し、とどまるものは無い! 20 00:01:38,900 --> 00:01:40,900 6,900年 直径30mの小惑星衝突 21 00:01:40,900 --> 00:01:44,000 10,000年 アンタレス 超新星爆発 22 00:01:44,620 --> 00:01:47,140 14,300年 サハラ砂漠、熱帯となる 23 00:01:47,520 --> 00:01:50,000 22,490年 星座がさまよいはじめる 24 00:01:50,180 --> 00:01:53,900 39,000年 ボイジャー1号近隣恒星を通過 25 00:01:54,100 --> 00:01:55,900 63,000年 間氷期終結 26 00:01:56,900 --> 00:02:03,600 9万年 スーパー火山噴火 27 00:02:05,500 --> 00:02:08,200 30万年 ハワイに新たな島誕生 28 00:02:08,200 --> 00:02:11,900 45万年 新たな島々の連鎖 29 00:02:14,020 --> 00:02:16,920 90万年 アポロ計画の足跡が消える。 30 00:02:17,180 --> 00:02:19,300 150万年 ベテルギウス 超新星となる。 31 00:02:19,440 --> 00:02:21,800 260万年 石碑浸食 32 00:02:29,400 --> 00:02:31,900 830万年 致命的ガンマ線バースト 33 00:02:32,900 --> 00:02:36,440 1200万年 火星の月が砕け環になる 34 00:02:37,900 --> 00:02:41,340 2500万年 土星の環消失 35 00:02:41,660 --> 00:02:43,740 4000万年 南極融解 36 00:02:44,940 --> 00:02:47,880 6800万年 大規模な小惑星地球衝突 37 00:02:50,980 --> 00:02:54,260 1億5000年 新たな超大陸誕生 38 00:02:55,000 --> 00:02:58,620 4億年  太陽光度増加 5.5億年 光合成が出来なくなる 39 00:02:58,620 --> 00:02:59,400 4億年  太陽光度増加 5.5億年 光合成が出来なくなる 40 00:02:59,400 --> 00:03:04,500 太陽を輝かす燃料が底をつき始めるが、太陽はそのまま静かに消滅することはない 41 00:03:04,500 --> 00:03:06,045 8億年 すべての惑星の寿命が尽きる 11億年 大洋蒸発 42 00:03:06,045 --> 00:03:10,100 コア崩壊で生じる膨大な熱で太陽外周は膨張 43 00:03:10,100 --> 00:03:12,960 コア崩壊が発する膨大な熱で太陽外周膨張 28億年 すべての生命死滅 44 00:03:13,340 --> 00:03:15,360 34億年 太陽膨張 45 00:03:15,360 --> 00:03:18,460 34億年 太陽膨張 50億年 太陽 赤色巨星となる 46 00:03:18,720 --> 00:03:20,820 70億年 死にゆく太陽が地球を破壊 47 00:03:20,900 --> 00:03:22,260 100億年 太陽は白色矮星となる 48 00:03:22,260 --> 00:03:24,300 太陽の死滅 49 00:03:24,740 --> 00:03:30,120 深宇宙の極低温のなか徐々に冷えてゆく 50 00:03:40,021 --> 00:03:44,541 すべての星は太陽と同じ運命をたどる 51 00:03:44,541 --> 00:03:51,091 いずれある日、死ぬことになる そして宇宙は永遠の夜に没する 52 00:03:51,091 --> 00:03:53,091 一兆年 星の死が始まる 53 00:03:54,277 --> 00:03:58,347 すべての星の燃料は最後には尽きる 54 00:03:58,347 --> 00:04:06,077 宇宙の温度は下がり, 夜空の星は1つずつ姿を消す 55 00:04:08,235 --> 00:04:11,805 新たな星がつくられることは無い 56 00:04:13,244 --> 00:04:17,844 かくして宇宙は終わる。ビッグバンのような爆発ではなく、線香花火のように.. 57 00:04:17,844 --> 00:04:19,844 35 兆年 最後の赤色矮星死滅 58 00:04:21,360 --> 00:04:24,820 炎となって燃え尽きるのではなく、 氷の世界に消えてゆくのだ 59 00:04:28,440 --> 00:04:29,700 135 兆年 退化の時代 60 00:04:29,800 --> 00:04:37,700 最後の恒星の死とともに、星空の時代は終わる 61 00:04:40,600 --> 00:04:47,620 私たちの世界は星の骸が散らばった宇宙の墓場となる 62 00:04:50,560 --> 00:04:55,800 我らが太陽は高温、高密度に縮退した星の死骸、 白色矮星となる 63 00:05:01,740 --> 00:05:03,740 その燃料が尽きる間際, 64 00:05:04,200 --> 00:05:11,140 火が消えた白色矮星の残熱が放つかすかな輝き 65 00:05:15,749 --> 00:05:18,009 今の地球の位置から眺めると、 66 00:05:18,009 --> 00:05:23,849 晴れた夜の満月ほどの明るさしかない 67 00:05:29,470 --> 00:05:36,800 死んだ星々とブラックホールが点在する暗い虚空の闇に唯一光るのは 68 00:05:36,800 --> 00:05:40,860 白色矮星の放つほのかな光のみ 69 00:05:50,780 --> 00:05:56,360 廃墟と化した宇宙。しかし星の死骸、ゾンビたち、これがさらなる未来へと導く 70 00:06:06,960 --> 00:06:12,300 時が経つと死んだ星や惑星は重力の作用で銀河から冷たい虚空へと押しやられる 71 00:06:18,440 --> 00:06:23,360 偶然が重なると、褐色矮星が衝突し新たな星を生み出すこともあるだろう 72 00:06:28,080 --> 00:06:31,300 中性子星衝突は漆黒の闇を超新星爆発の閃光で貫く 73 00:06:31,300 --> 00:06:33,300 中性子星衝突 6^21年(60垓年) 74 00:06:51,240 --> 00:06:57,620 白色矮星は生物が命をつなぐ避難所となる 75 00:07:05,640 --> 00:07:10,300 しかし白色矮星もしだいに力を失い、死ぬ。 76 00:07:10,300 --> 00:07:12,300 しかし白色矮星もしだいに力を失い、死ぬ。 1𥝱年: 星は黒色矮星となる 77 00:07:13,760 --> 00:07:17,540 こうして残った星々の最後の姿は黒色矮星。 2^24年(2𥝱年) 78 00:07:17,720 --> 00:07:23,380 白色矮星はすっかり冷たくなり、もはや熱や光をほとんど放出しない。 79 00:07:27,528 --> 00:07:33,358 黒色矮星は暗く高密度な縮退物質の崩れ行く球体。 80 00:07:34,551 --> 00:07:37,331 星の灰と言ってもよい。 81 00:07:38,539 --> 00:07:42,079 これを構成する原子同士は強烈に圧縮されたために 82 00:07:42,080 --> 00:07:46,080 黒色矮星の密度は太陽の百万倍に達する。 83 00:07:54,540 --> 00:07:57,560 星がこの段階にたどり着くまでにはとてつもない時間が必要なので 84 00:07:57,560 --> 00:08:01,560 現在の宇宙にはまだ存在しないと考えられる 85 00:08:11,040 --> 00:08:15,500 銀河から脱出できなかったすべての物質は中心にある 超巨大ブラックホールに吸い込まれてゆく 86 00:08:17,000 --> 00:08:22,980 ブラックホールが残存物質を飲み込む 12^28年(12穣年) 87 00:08:26,440 --> 00:08:30,500 栄光の炎に輝く長い休眠から覚めたブラックホール 88 00:08:48,500 --> 00:08:50,500 縮退の時代 89 00:08:51,640 --> 00:08:58,880 この時期に生き残る異文明があるならばブラックホールの回転パワーが最後に頼るエネルギーとなる. 90 00:09:05,300 --> 00:09:09,360 私たちの生命の速度は現在手に入るエネルギーで決定されている。 91 00:09:10,620 --> 00:09:15,692 そこで、遠い宇宙には全く異なる速度に基づいた、意識を持つ生命体もあると想像できる。 92 00:09:15,692 --> 00:09:19,592 そうならば私たちの想像も及ばぬ広い領域を理解する生命体であるかもしれない。 93 00:09:21,555 --> 00:09:23,325 生命体が存在すること、 94 00:09:23,325 --> 00:09:27,635 たとえ10兆年に一度の出来事であるとしても 何の不思議もない。 95 00:09:30,836 --> 00:09:35,346 たとえ我々人類が絶滅したとしても、 96 00:09:35,346 --> 00:09:38,089 遠い未来のどこかで 97 00:09:38,089 --> 00:09:43,049 宇宙に変動が起き、再び知的生命体が 一瞬だけでも、存在できるかもしれない。 98 00:09:44,560 --> 00:09:48,560 知性体は時間の大海で孤島のように 隔絶されているのかもしれない。 99 00:09:54,280 --> 00:09:56,360 宇宙時間の膨張 9^33年(90溝年) 100 00:09:56,620 --> 00:10:03,540 宇宙の膨張速度が加速し、ついには光速を超えて 広がり始める 101 00:10:05,760 --> 00:10:13,320 この時点で、遠隔の銀河や星の後退速度はあまりに速く、観測不能となる 102 00:10:14,560 --> 00:10:20,560 宇宙の神秘は永遠の扉の向こうに秘蔵される 103 00:10:24,000 --> 00:10:25,360 陽子崩壊 104 00:10:25,620 --> 00:10:33,120 最新科学の予測によれば原子自体も崩壊し宇宙の中に何の物質も残さず消える 105 00:10:34,780 --> 00:10:40,080 私たちの世界を構築する原子の基本要素の一つ 陽子 106 00:10:40,083 --> 00:10:42,053 これすら自然に崩壊してしまう 107 00:10:44,329 --> 00:10:47,609 ブラックホールの引力を逃れたどのような物質も 108 00:10:47,609 --> 00:10:51,600 ついには陽子崩壊によって消滅する 109 00:10:58,940 --> 00:11:07,320 陽子崩壊は未解明なので、未来旅行のこれからの章は新たな発見次第で全く別の内容となりうる 110 00:11:18,320 --> 00:11:23,330 黒色矮星内部の物質、宇宙最後の物質は 111 00:11:23,330 --> 00:11:29,810 最終的には消滅し、輻射となって虚空へ消え 112 00:11:29,810 --> 00:11:33,570 後には全く何も残らない 113 00:11:42,318 --> 00:11:47,358 黒色矮星が消えると、宇宙にはただ一個の原子さえ残らない 114 00:11:52,080 --> 00:11:58,880 かつて物質で溢れていた宇宙に残るのは光の粒子と ブラックホールのみ 115 00:12:07,040 --> 00:12:09,340 ブラックホールの時代始まる 10^42年(100正年) 116 00:12:12,000 --> 00:12:16,000 生命が寄りすがる惑星、恒星、星系は無い 117 00:12:21,000 --> 00:12:26,660 この段階でさえ宇宙はやっと時を刻みだしたばかり 118 00:12:28,740 --> 00:12:32,740 人間の時間スケールでは子宮から頭が見えた頃 20^43年(2000正年) 119 00:12:36,000 --> 00:12:42,400 熱も光もない空虚、宇宙はその生涯のほとんどをここで過ごす 120 00:12:47,500 --> 00:12:56,780 灼熱の誕生と極寒の死、そのはざまに生命が輝く安全な避難所を宇宙はほんの一瞬だけ与える 121 00:12:57,240 --> 00:13:02,080 突き進む宇宙の時間の青春期に明るい台風の目が現れ 122 00:13:02,080 --> 00:13:04,360 生命はここで可能となる 123 00:13:08,340 --> 00:13:12,340 しかし、それは瞬く間に過ぎ去る 124 00:13:15,350 --> 00:13:23,610 誕生から最後のブラックホール消滅までの宇宙の生涯のほんの一部分でだけ 125 00:13:23,610 --> 00:13:27,380 生命が可能となるが、その期間の割合は 126 00:13:27,380 --> 00:13:38,110 10億分の1を9回乗じ、さらにそれの1000分の1パーセントにすぎない 127 00:13:45,086 --> 00:13:48,366 ブラックホールが宇宙構造の基本単位となる 128 00:13:52,817 --> 00:13:57,597 銀河系の姿。中心は超大質量ブラックホールに占められ、周囲に小さいブラックホールが軌道周回する。 129 00:14:01,843 --> 00:14:06,353 ブラックホールに満たされたゾンビ銀河の 進化は終わらない 130 00:14:10,351 --> 00:14:14,921 彼らは互いに食いあい巨大化し、超大質量ブラックホールに出会い飲み込まれ、それはさらに巨大化するだろう 131 00:14:14,921 --> 00:14:18,381 宇宙はまだ刺激的でダイナミックな場所だ 132 00:14:18,381 --> 00:14:24,351 これは数千年、数百万年程度ではなく数兆年規模で起きる物語 133 00:14:30,000 --> 00:14:35,000 この遥か遠い時代には、ブラックホール合体が 宇宙の主要な出来事となる 134 00:14:39,000 --> 00:14:44,000 私たちの太陽の数兆倍もの質量に達するものもあらわれるだろう 135 00:14:49,660 --> 00:14:54,940 これらが合体する際に発せられる重力波は全宇宙にまで響き渡る 136 00:14:56,400 --> 00:15:00,400 ブラックホールは太鼓の木槌のように 時空空間を強打し 137 00:15:09,116 --> 00:15:12,146 非常に特徴的な調べを奏でる 138 00:15:18,110 --> 00:15:21,420 これまで長い間連れ添ってきた2つのブラックホールを想像してみよう 139 00:15:22,378 --> 00:15:28,148 彼らの生涯の終り頃、互いを回転する速度はほんの一瞬で数千キロ移動するまでに達する 140 00:15:32,381 --> 00:15:38,951 このような回転の軌跡は空間の雷鳴を引き起こす、実際に時空の波動となる 141 00:15:53,401 --> 00:15:59,161 宇宙を強打するブラックホールが放つ波動は空間の縮小、拡大を引き起こす 142 00:16:03,388 --> 00:16:07,668 これが重力波で、文字通り宇宙に響き渡る音である 143 00:16:07,668 --> 00:16:16,438 ブラックホール同士の回転がやがて終わり静かに融合、停止するまで、この波動は光の速度で伝わってゆく 144 00:16:21,381 --> 00:16:23,421 もしあなたが近くにいたとしたら 145 00:16:23,421 --> 00:16:27,421 空間の縮小、拡大により耳が共鳴し 146 00:16:27,421 --> 00:16:29,681 実際にその音が聞こえるだろう 147 00:16:39,396 --> 00:16:43,396 非常に重いブラックホールに小さなブラックホールが落ちるのを想像してみよう 148 00:16:43,396 --> 00:16:49,416 今聞いているのは小さなブラックホールが接近するごとに空間を叩く音です 149 00:16:58,392 --> 00:17:01,472 落下するにつれ速く音は大きくなる 150 00:17:22,895 --> 00:17:25,935 科学者たちはかつてブラックホールは不滅と考えていたが, 151 00:17:25,935 --> 00:17:28,425 いずれは死ぬだろう 152 00:17:29,402 --> 00:17:35,912 これは想像を絶するほど先の未来 何千兆年先に起こりうることで 153 00:17:35,912 --> 00:17:40,149 そのような先の未来ではブラックホールさえも 消滅し始める 154 00:17:52,385 --> 00:17:57,425 量子力学によると、空間は仮想粒子に満たされている 155 00:17:57,425 --> 00:18:02,485 それと常に対生成している反粒子で 156 00:18:02,485 --> 00:18:07,995 別れ、また一緒になり、そして互いを消滅させている。 157 00:18:13,412 --> 00:18:15,572 ブラックホールが存在する環境では 158 00:18:15,572 --> 00:18:20,672 一対の仮想粒子の片方がブラックホールに落ちることがある 159 00:18:20,680 --> 00:18:25,420 対消滅に必要なパートナーを置き去りにして 160 00:18:27,400 --> 00:18:33,420 見捨てられた粒子はブラックホールが発する 放射線としてあらわれる 161 00:18:36,420 --> 00:18:41,420 それゆえ、ブラックホールは不死ではない 162 00:18:43,412 --> 00:18:50,692 巨大爆発で完全に消滅するまで、消失速度はますます増加する 163 00:18:57,180 --> 00:19:06,440 量子力学は粒子と放射線がブラックホール の 究極の牢獄から脱出することを認めている 164 00:19:07,300 --> 00:19:12,880 宇宙最後の大規模構造,ブラックホール消失が始まる 165 00:19:15,000 --> 00:19:19,000 消失する度に暗黒世界を光が照らす 166 00:20:00,540 --> 00:20:08,960 ブラックホールは徐々に消えてゆくが、我々が未だ知らない未知の力による宇宙の膨張は止まらない 167 00:20:12,000 --> 00:20:17,600 この先は人類知識の未踏地帯 探求と発見の先陣争いの場 168 00:20:17,920 --> 00:20:22,460 哲学者や詩人たちは尋ねた 「世界は炎で終わるのか、それとも氷か?」 169 00:20:23,415 --> 00:20:26,445 今,ひとつの答えを出すことができる 170 00:20:28,403 --> 00:20:34,443 最新の検証によると、宇宙膨張は減速するどころかますます加速し制御不能になっている 171 00:20:35,411 --> 00:20:41,451 それゆえ、宇宙は氷の中で死ぬと私たちは考える 今から数兆年の数兆倍先の未来に 172 00:20:45,403 --> 00:20:47,903 空虚な空間それ自体がエネルギーを持つ 173 00:20:47,903 --> 00:20:51,383 全ての立法センチの空間には、 物質の有無にかかわらず、 174 00:20:51,383 --> 00:20:54,193 粒子、物質、放射線その他の有無にかかわらず.... 175 00:20:54,193 --> 00:20:57,783 エネルギーがある、空間それ自体にも 176 00:21:00,428 --> 00:21:04,428 アインシュタインによれば、このエネルギーは宇宙を押しやる力を持つ 177 00:21:07,400 --> 00:21:12,450 宇宙を加速させる奇妙なものは何なのか? 私達はこれを「ダークエネルギー」と呼んでいる 178 00:21:14,617 --> 00:21:18,407 これが宇宙で最も優勢なもの 179 00:21:18,407 --> 00:21:23,417 宇宙の物質エネルギー量のほぼ3/4が このダークエネルギー 180 00:21:23,417 --> 00:21:25,477 しかしその正体は不明だ 181 00:21:29,897 --> 00:21:35,187 物質や放射線とは異なり,ダークエネルギーは宇宙が 膨張しても希薄、消滅しない 182 00:21:36,682 --> 00:21:41,462 この性質が宇宙の未来に決定的な意味合いを持つ 183 00:21:43,384 --> 00:21:46,184 さて、宇宙の未来はどうなるのか。 184 00:21:47,654 --> 00:21:52,414 ダークエネルギーが今のように優性を保ち、斥力を行使続けるのなら 185 00:21:52,414 --> 00:21:55,360 宇宙は永遠に膨張するだろう 186 00:22:00,411 --> 00:22:06,211 時とともにひたすらより速くなり続ける- 暴走宇宙 187 00:22:08,404 --> 00:22:15,974 宇宙エネルギーの70%は空虚な空間に存在するが、 その理由は理解されてない 188 00:22:17,407 --> 00:22:19,447 一方, 将来何が起こるのかわかっている 189 00:22:21,178 --> 00:22:26,968 そのエネルギーが消えないのなら、 宇宙は冷たく、暗く、空虚になるだろうと 190 00:22:30,104 --> 00:22:32,444 これがあり得る未来の姿 191 00:22:33,400 --> 00:22:37,400 いや、違うかもしれない。 ダークエネルギーを理解していないのだから 192 00:22:37,400 --> 00:22:41,500 それが分かるまでは未来を知ることはできないし、 私たち自身の起源を知ることも出来ない 193 00:22:41,500 --> 00:22:45,400 それが知りたくてこの分野を研究しているのです 194 00:22:47,380 --> 00:22:54,300 ダークエネルギーの正体を知ると 未来のビジョンが劇的に変わるだろう 195 00:22:56,300 --> 00:23:02,240 時間が経過とともにこのエネルギーが弱くなるのなら 宇宙は重力による崩壊 "ビッグ・クランチ"を起こす 196 00:23:04,000 --> 00:23:10,220 強くなってゆくならば宇宙は "ビッグ・リップ"で引き裂かれる 197 00:23:12,860 --> 00:23:22,000 物理学者はこの宇宙以外にそれぞれ固有物理法則を持った複数の宇宙"多元宇宙"があるのではと疑い始めている 198 00:23:25,200 --> 00:23:33,560 生命誕生に適した条件を持つ宇宙もあるだろうが、そうでなければその宇宙は崩壊するか引き裂かれるだろう 199 00:23:35,900 --> 00:23:42,000 それとも我々の想像をはるかに超える異質な宇宙があるかもしれない 200 00:23:46,000 --> 00:23:52,360 この謎を解く鍵はどこかにあって 我々に発見されることを待っている 201 00:23:52,980 --> 00:23:58,520 現在予測されているのはこれまで以上に冷たく空虚になってゆく宇宙。 202 00:24:03,160 --> 00:24:07,980 しかし疑問が浮上する「この終わりは新たな始まりにつながるだろうか?」と 203 00:24:10,400 --> 00:24:17,420 いろいろな考えがあり、宇宙の終わりはある意味では新たな宇宙の始まりそのものだという説 204 00:24:24,300 --> 00:24:30,400 エントロピーがすべてを消し去る前にこの宇宙を脱出する方法があるかもしれないと考える者もいる 205 00:24:32,520 --> 00:24:38,400 仮想宇宙のシミュレートは可能で,又は充分なエネルギーがあれば別の宇宙を創り出すことも可能かもしれない 206 00:24:43,407 --> 00:24:46,847 数学と方程式を駆使して導かれる答えは このようになる 207 00:24:46,847 --> 00:24:53,187 もし途方もないエネルギーを一点に閉じ込めている原子をこじ開けることが出来るとしたら 208 00:24:53,187 --> 00:24:57,187 おそらく「ベービー宇宙」への戸口を 開くことが可能になる 209 00:25:02,919 --> 00:25:10,209 ありとあらゆるものの死に直面した時 - これがおそらく唯一の逃避の可能性 210 00:25:11,920 --> 00:25:16,672 全く憶測の域を出ないが、ここから非常に興味深い可能性が導き出される 211 00:25:16,680 --> 00:25:20,980 知的生命体が存在する宇宙があるならば, 212 00:25:20,980 --> 00:25:25,960 彼らは「ベービー宇宙」と「救命艇」を創りだし、創造された宇宙を無数に増やすだろう 213 00:25:29,895 --> 00:25:34,675 その多元宇宙のどこかで進化が起こるかもしれない 214 00:25:34,675 --> 00:25:37,435 適者生存の可能性がある 215 00:25:38,892 --> 00:25:44,012 知的な生命が存在しない宇宙は子を持つことがない 216 00:25:44,012 --> 00:25:47,962 しかし、私たちが住む適度な温度と星を持つ宇宙では 217 00:25:47,962 --> 00:25:52,762 新たな宇宙を創造出来る文明が生まれ、 そこからさらに繁殖することができるかもしれない 218 00:26:00,000 --> 00:26:05,940 この宇宙を脱出する方法が無ければエントロピーは最後に残った超巨大ブラックホール破壊まで増大を続ける 219 00:26:08,700 --> 00:26:15,760 最後のブラックホール爆発と死、 これが宇宙を照らす最後の光となる 220 00:27:24,400 --> 00:27:30,900 想像もつかないほどの時を経て, ブラックホールさえも消滅してしまい, 221 00:27:30,903 --> 00:27:36,251 今,宇宙には光子だけが海となって残るが 222 00:27:36,251 --> 00:27:43,291 それも宇宙の膨張で絶対零度に向かい, それと同じ温度へと冷却される 223 00:27:57,376 --> 00:28:03,926 最後の星の最後の残骸が崩壊し ついに何もなくなると 224 00:28:03,926 --> 00:28:10,940 全てがおなじ温度となり 宇宙の物語はついに終わる 225 00:28:12,580 --> 00:28:14,460 時間は無意味となる 226 00:28:14,920 --> 00:28:21,400 宇宙の生涯に初めて永遠と不変が訪れる 227 00:28:21,406 --> 00:28:27,901 エントロピーの増加は止まる、 宇宙にはもう無秩序がなくなるから 228 00:28:28,620 --> 00:28:33,460 もう何も起こらない、 そしてそのままになる、永遠に... 229 00:28:38,280 --> 00:28:45,000 奇跡はどこにでもある。暗闇にも、静寂にも..そして学ぶ、どんな状況であれ、そこに満足を見出すと。 ヘレン ケラー 230 00:29:18,000 --> 00:29:21,000 Amara.orgコミュニティによる字幕