WEBVTT

00:00:00.817 --> 00:00:04.346
私は昨年 273人の
スタートアップ企業の創業者に会いました

00:00:04.689 --> 00:00:06.952
誰もが資金を必要としていました

00:00:06.976 --> 00:00:08.413
テック企業への投資家として

00:00:08.437 --> 00:00:11.101
私の目標は 面談者を選抜し
誰が何か非常に大きなことをする―

00:00:11.125 --> 00:00:12.760
潜在能力があるのかを

00:00:12.784 --> 00:00:16.267
素早く見極めることでした

NOTE Paragraph

00:00:16.887 --> 00:00:18.591
人を優れた創業者たらしめるものとは？

00:00:18.615 --> 00:00:20.824
このことは日々
自分自身に問いかけています

00:00:21.186 --> 00:00:23.043
一部のベンチャーキャピタリストは

00:00:23.067 --> 00:00:25.472
創業者の経歴を元に投資しています

00:00:25.496 --> 00:00:27.448
アイビーリーグ校の出身か？

00:00:27.472 --> 00:00:29.395
一流企業で働いたことがあるか？

00:00:29.419 --> 00:00:31.363
大きなビジョンを
抱いたことがあるか？

00:00:31.387 --> 00:00:33.920
実質的に どれだけ賢いのか？

NOTE Paragraph

00:00:34.522 --> 00:00:38.391
他のベンチャーキャピタリストは
創業者の感情指数（EQ）を評価します

00:00:38.869 --> 00:00:40.742
この人は いかに上手くチームを構築し

00:00:40.766 --> 00:00:43.670
顧客や取引先と
信頼関係を築けるのだろうか？

NOTE Paragraph

00:00:44.496 --> 00:00:47.639
私はスタートアップ創業者を
異なる方法で評価していますが

00:00:47.663 --> 00:00:49.228
それは難しいことではありません

00:00:49.252 --> 00:00:51.852
私はある特徴に注目しています

00:00:52.204 --> 00:00:54.341
IQでもなければ
EQでもありません

00:00:54.688 --> 00:00:55.888
それは適応能力です

00:00:56.339 --> 00:01:00.314
様々な変化が避けがたい状況下で
いかに上手く

00:01:00.338 --> 00:01:01.514
対処できるかです

00:01:01.538 --> 00:01:03.967
私にとって 唯一最大の決め手です

00:01:04.378 --> 00:01:05.903
適応能力自体を

00:01:05.927 --> 00:01:09.094
一種の知能であると捉えて

00:01:09.118 --> 00:01:12.054
適応指数（AQ）とは

00:01:12.078 --> 00:01:15.546
測定や検査ができ 向上もできる
とする考えに 私も同意します

NOTE Paragraph

00:01:16.301 --> 00:01:18.953
とはいえAQは スタートアップの
創業者だけのものではなく

00:01:19.447 --> 00:01:21.899
世界が急速に進み
私たちみんなにとって

00:01:21.923 --> 00:01:23.749
重要性が増していると考えています

00:01:23.773 --> 00:01:26.963
技術の変化が加速し

00:01:26.987 --> 00:01:29.220
脳が対応を強いられています

00:01:29.244 --> 00:01:33.053
その対象は オートメーション化により
変化する仕事内容かもしれないし

00:01:33.053 --> 00:01:36.205
よりグローバル化した世界で
移り変わる地理や政治 あるいは

00:01:36.229 --> 00:01:39.619
変わりゆく家族のありかたや
個人同士の関係かもしれませんが

00:01:39.934 --> 00:01:42.537
個人として 集団として

00:01:42.561 --> 00:01:44.807
企業・政府として 
私たち一人一人が

00:01:44.826 --> 00:01:49.503
人類史上 かつてない程の変化に
取り組むことを余儀なくされています

NOTE Paragraph

00:01:50.014 --> 00:01:52.767
では 適応能力をどのように
評価するのでしょうか？

00:01:53.419 --> 00:01:56.043
私は創業者と面談するとき
３つの秘訣を使っています

00:01:56.067 --> 00:01:57.456
まず １つ目

00:01:57.480 --> 00:02:00.154
直近の就職の面接試験を
思い出してください

00:02:00.178 --> 00:02:02.416
どんな質問をされましたか？

00:02:02.440 --> 00:02:06.579
多分「～した時のことを教えてください」
みたいなことでしたよね？

00:02:07.125 --> 00:02:10.037
でも 適応能力を試す面接では

00:02:10.061 --> 00:02:12.561
私は「もしも～だったら」と
質問するのが好きです

00:02:12.585 --> 00:02:15.363
もしも主な収入源を
一晩で失ってしまったら？

00:02:15.387 --> 00:02:17.776
もしも熱波のせいで 全ての顧客が

00:02:17.800 --> 00:02:19.752
店に来なくなったら？

00:02:19.776 --> 00:02:22.987
過去よりも「もしも～だったら」と
質問することで

00:02:23.011 --> 00:02:24.829
シミュレーションするよう脳に強いて

00:02:24.853 --> 00:02:27.694
将来起こりうる
複数のシナリオを想定します

00:02:27.718 --> 00:02:29.122
先見の明があるか

00:02:29.146 --> 00:02:33.671
明確なシナリオをいくつ挙げられるかで
多くのことがわかります

NOTE Paragraph

00:02:34.175 --> 00:02:37.754
シミュレーションの練習をするのは
適応能力を向上するための

00:02:37.778 --> 00:02:39.818
ある種 無難な試験台です

00:02:39.842 --> 00:02:43.818
いかに情報を理解して
暗記するかをテストする代わりにー

00:02:43.842 --> 00:02:45.604
IQテストのようなものではなくー

00:02:45.628 --> 00:02:47.993
制限された状況の中
目標達成のために

00:02:48.017 --> 00:02:51.365
どのように情報を取り扱うかを
テストします

NOTE Paragraph

00:02:52.850 --> 00:02:56.672
創業者の適応能力を評価する
２つ目の秘訣は

00:02:56.696 --> 00:02:59.210
固定観念を捨てられるかを見ます

00:02:59.538 --> 00:03:03.839
主体的に固定観念を捨てる人は
既存の知識に疑問を呈し

00:03:03.863 --> 00:03:07.396
新しい情報をそのデーターに
上書きしようとします

00:03:07.720 --> 00:03:10.505
コンピューターの
ディスククリーンアップみたいに

00:03:11.053 --> 00:03:13.156
デスティン・サンドリンの
例を見てみましょう

00:03:13.180 --> 00:03:18.078
ハンドルを右に切ると左に
左に切ると右に進む自転車を組立てました

00:03:18.101 --> 00:03:20.037
「あべこべ自転車」と名付け

00:03:20.061 --> 00:03:22.006
８か月近くもかけて

00:03:22.030 --> 00:03:25.030
いくらか普通に
乗れるようになりました

00:03:25.759 --> 00:03:28.910
デスティンが
新しい自転車に乗るために

00:03:28.934 --> 00:03:30.656
従来の乗り方を捨て去れたのは

00:03:30.680 --> 00:03:33.206
私たちの適応能力の
素晴らしさを示しています

00:03:33.656 --> 00:03:35.061
適応能力は 不変ではありません

00:03:35.085 --> 00:03:38.252
むしろ懸命に 多大な努力をすることで
私たちはみんな

00:03:38.276 --> 00:03:40.688
それを向上させられるのです

NOTE Paragraph

00:03:40.712 --> 00:03:44.603
ガンジーは自叙伝の巻末を
こう締めくくりました

00:03:44.627 --> 00:03:47.159
「自分を無にしなければならない」

00:03:47.903 --> 00:03:50.506
とても充実した
ガンジーの人生の様々な時点で

00:03:50.530 --> 00:03:54.807
彼は初心に戻ろうとしていました
つまり無の境地にです

00:03:54.831 --> 00:03:56.220
固定観念を捨てるためです

00:03:56.244 --> 00:03:59.077
ガンジーは高いAQスコアを
持っていたと言っても

00:03:59.101 --> 00:04:00.949
過言ではないでしょう

NOTE Paragraph

00:04:00.973 --> 00:04:02.125
（笑）

NOTE Paragraph

00:04:02.149 --> 00:04:03.458
３つ目で最後の秘訣は

00:04:03.482 --> 00:04:06.149
創業者の適応能力を評価するために

00:04:06.173 --> 00:04:09.053
人生と 携わる事業に

00:04:09.077 --> 00:04:11.315
探索を取り入れている人々を探します

00:04:11.638 --> 00:04:16.082
探索と活用の間には
一種の自然な緊張感があります

00:04:16.106 --> 00:04:17.360
総じて私たちは

00:04:17.384 --> 00:04:20.161
活用を過大評価する傾向にあります

00:04:20.185 --> 00:04:21.452
要はこういうことです

00:04:21.815 --> 00:04:23.363
2000年に

00:04:23.387 --> 00:04:26.617
ある男性が ブロックバスター社のCEO
ジョン・アンティオコとの

00:04:26.641 --> 00:04:28.355
会議を画策して

00:04:28.379 --> 00:04:29.950
ブロックバスター社の開始間もない

00:04:29.974 --> 00:04:33.109
オンライン事業での提携を提案すると

00:04:33.133 --> 00:04:36.498
CEOのジョンは会議室の外まで響く
大声で笑い飛ばして言いました

00:04:36.522 --> 00:04:38.579
「お客様は数百万人いて

00:04:38.603 --> 00:04:40.984
成功した店舗は何千にも上る

00:04:41.008 --> 00:04:42.969
私は資産に重点を置く必要があるんだ」

NOTE Paragraph

00:04:43.373 --> 00:04:45.191
なんと 会議の相手は

00:04:45.215 --> 00:04:48.283
ネットフリックスのCEO
リード・ヘイスティングスでした

00:04:48.683 --> 00:04:52.696
2018年ネットフリックスは
約1兆7,000憶円の収益を上げ

00:04:52.720 --> 00:04:57.061
2010年 ブロックバスター社は
破産を申請しました

00:04:57.085 --> 00:04:59.117
あの会議の10年後です

00:04:59.736 --> 00:05:01.172
ブロックバスター社のCEOは

00:05:01.196 --> 00:05:04.979
成功した自身のビジネスモデルの活用に
あまりにも固執したため

00:05:05.003 --> 00:05:07.868
次の手を見極めることが
できませんでした

00:05:08.169 --> 00:05:10.399
よって 過去の栄光が

00:05:10.423 --> 00:05:13.222
潜在的な適応能力の敵となったのです

NOTE Paragraph

00:05:13.717 --> 00:05:15.466
一緒に働いている創業者たちには

00:05:15.490 --> 00:05:18.855
探求とは 常に探し続ける状態だと
定義しています

00:05:18.879 --> 00:05:21.023
自分の成功に酔いしれるのではなく

00:05:21.047 --> 00:05:25.224
将来 命取りとなる可能性があるものを
先見の明で探し続けるのです

00:05:26.192 --> 00:05:28.629
適応能力について調べ始めた頃

00:05:28.653 --> 00:05:31.433
私が大興奮したのは
適応能力は向上できることです

00:05:31.811 --> 00:05:34.610
私たち一人一人には
もっと適応できる能力があるのです

00:05:35.109 --> 00:05:36.585
でも 筋肉のように考えてみてください

00:05:36.609 --> 00:05:38.522
訓練しなくてはなりません

00:05:38.546 --> 00:05:41.117
時間がかかっても
落ち込まないでください

00:05:41.141 --> 00:05:42.734
デスティン・サンドリンの例のように

00:05:42.758 --> 00:05:45.774
彼が自転車に乗れるようになるまで
８ヶ月かかりました

NOTE Paragraph

00:05:45.798 --> 00:05:49.131
時間をかけて 私が創業者に用いる
秘訣を使って

00:05:49.155 --> 00:05:52.379
「もしも～だったら」と質問し
積極的に固定観念を捨て

00:05:52.403 --> 00:05:56.371
活用より探索を優先すれば

00:05:56.395 --> 00:05:58.085
仕事で主導権を握ることができるのです

00:05:58.109 --> 00:06:00.561
次に何か大きな変化があった時には

00:06:00.585 --> 00:06:02.185
すでに心構えが出来ているのです

NOTE Paragraph

00:06:02.569 --> 00:06:05.759
私たちは IQとEQより
いかに早く適応できるのかが

00:06:05.783 --> 00:06:09.418
重要な時代に足を踏み入れています

00:06:09.442 --> 00:06:12.958
これらの方法が 皆さんのAQを
高める助けになれば幸いです

00:06:12.976 --> 00:06:15.046
ありがとうございました

00:06:15.046 --> 00:06:18.028
（拍手）