0:00:00.000,0:00:01.710 はい!どうもアバタローです 0:00:01.710,0:00:05.014 本日はドイツの哲学者[br]ニーチェの[ツァラトゥストラ] 0:00:05.014,0:00:06.602 こちらをご紹介いたします 0:00:06.602,0:00:08.243 どんな作品かと言いますと 0:00:08.243,0:00:09.663 人生を前向きに 0:00:09.663,0:00:13.922 肯定的に生きぬく力を与えてくれる[br]世界的名著でございます 0:00:13.922,0:00:17.520 まず、どういった方にお役に立ちそうな[br]内容なのかをお伝え致します 0:00:17.520,0:00:19.834 [自分の人生に意義を見出せない] 0:00:19.834,0:00:21.964 [気の弱い自分を吹き飛ばしたい] 0:00:21.964,0:00:23.974 [もう一回人生をやり直したい] 0:00:23.974,0:00:26.418 [自己肯定感の低さをどうにかしたい] 0:00:26.418,0:00:30.760 これに1個でも当て嵌まれば[br]ニーチェについて全くご存じない方でも 0:00:30.760,0:00:33.628 今回の動画は[br]見ていただく価値はあると思います。 0:00:33.628,0:00:34.507 ここ数年 0:00:34.507,0:00:37.191 自己肯定感について悩んでいる方が多く 0:00:37.191,0:00:40.199 巷には、そういったジャンルの本が[br]溢れていますよね 0:00:40.199,0:00:44.537 ただ、色んなテクニックや知識を仕入れても[br]あまり効果が見られなかったのであれば 0:00:44.537,0:00:48.164 「ニーチェ」という劇薬に頼るのも[br]ひとつの解決策です 0:00:48.164,0:00:50.839 と言いますのも、ニーチェ哲学のテーマは 0:00:50.839,0:00:52.182 [生の肯定]であり 0:00:52.182,0:00:55.824 徹底的に自分の人生を[br]肯定することを説いているんです 0:00:55.824,0:00:58.951 そして本日ご紹介をさせていただく[br][ツァラトゥストラ]は 0:00:58.951,0:01:01.031 ニーチェ哲学の集大成であり 0:01:01.031,0:01:03.767 人生のネガティブループを強制終了させる 0:01:03.767,0:01:06.602 最強の「劇薬」である、というわけです 0:01:06.602,0:01:09.046 ニーチェは、本書について[br]次のように述べています。 0:01:09.046,0:01:12.581 私は、「ツァラトゥストラ」を書くことにより[br]これまで人類に贈られた 0:01:12.581,0:01:14.507 [最大の贈物]をした 0:01:14.507,0:01:17.351 何千年先にも届く、声を持ったこの本は 0:01:17.351,0:01:20.194 およそ、ありうる限り[br]最高の書物である! 0:01:20.194,0:01:23.448 ここで、彼がなぜ[br]こういった独特な表現を使い 0:01:23.448,0:01:26.245 自信に満ち溢れた発言をしているかについては 0:01:26.245,0:01:29.039 動画の後半にいくにつれて[br]見えてくると思います 0:01:29.039,0:01:32.545 因みに、難しい話かもしれないとご心配の方 0:01:32.545,0:01:33.418 大丈夫です! 0:01:33.418,0:01:35.836 哲学に関する知識は一切要りません 0:01:35.836,0:01:37.366 手ぶらでオーケーでございます 0:01:37.366,0:01:39.246 お茶でも飲みながらリラックスして、 0:01:39.246,0:01:41.094 ぜひ最後まで[br]楽しんで行ってください 0:01:41.094,0:01:42.379 それでは参りましょう 0:01:42.379,0:01:43.726 ニーチェ[ツァラトゥストラ] 0:01:44.079,0:01:45.249 まず、どういった流れで 0:01:45.249,0:01:48.686 お話をさせていただくか[br]整理をしておきたいと思います 0:01:48.686,0:01:49.857 大きく3つです 0:01:49.857,0:01:50.998 [-本日の内容-[br]1. ニーチェの生涯] 0:01:50.998,0:01:52.346 [2. ツァラトゥストラについて] 0:01:52.346,0:01:53.418 [3. 運命愛] 0:01:53.418,0:01:56.321 以上、3つのテーマに沿って[br]進めてまいります 0:01:56.321,0:01:58.846 というわけで、早速[br]ひとつ目から見て行きましょう 0:01:58.846,0:02:00.238 フリードリヒ・ニーチェ[br][ニーチェの生涯] 0:02:00.238,0:02:02.148 彼は1844年 0:02:02.148,0:02:04.944 ドイツの前身である[br]プロイセンの東部にある 0:02:04.944,0:02:08.827 レッケンという小さな村で[br]牧師の息子として生まれました 0:02:08.827,0:02:12.033 ただ、彼は見た目は子供[br]頭脳は大人という 0:02:12.033,0:02:13.515 いわゆる天才少年でして 0:02:13.515,0:02:14.737 [ニーチェは規格外の天才][br]勉強はできる 0:02:14.737,0:02:16.960 作曲もできる[br]詩も書ける 0:02:16.960,0:02:18.801 しかもセンスは抜群 0:02:18.801,0:02:22.028 と言うように、始めから普通の子供では[br]なかったと言います 0:02:22.028,0:02:24.461 そして、20代の半ばという若さで 0:02:24.461,0:02:27.533 スイスにあるバーゼル大学の[br]教授に就任します 0:02:27.533,0:02:29.836 [20代半ばでバーゼル大学教授][br]しかも当時の彼は、教員資格も、 0:02:29.836,0:02:32.748 博士号もなく、ただの学生という立場で 0:02:32.748,0:02:34.535 教授に推薦されたそうです 0:02:34.535,0:02:38.053 如何にニーチェが[br]並外れた存在であったかがよく分かります 0:02:38.053,0:02:42.065 ただ常に、右肩上がりといかないのが[br]人生でございます 0:02:42.065,0:02:45.509 ニーチェの快進撃は[br]30歳手前ぐらいでピタッ!と止まり 0:02:45.509,0:02:49.411 そこから数々の試練が[br]怒涛の如く彼を襲います 0:02:49.411,0:02:52.591 [天才哲学者の苦悩][br]苦労して書き上げた書籍は、ことごとく売れない 0:02:52.591,0:02:54.612 授業をやっても学生は来ない 0:02:54.612,0:02:56.815 教授に推薦してくれた恩師 0:02:56.815,0:02:58.777 そして、友人からも見放され 0:02:58.777,0:03:00.864 更に慢性的な頭痛に加え 0:03:00.864,0:03:02.697 胃の痛み・吐き気も治まらない 0:03:02.697,0:03:05.296 そのうえ、女性関係も上手く行かない 0:03:05.296,0:03:07.335 もう絶不調が止まりません 0:03:07.335,0:03:10.255 そして、そんな呪いがかかったような状態の中 0:03:10.255,0:03:14.229 彼は渾身の力を込めて[br]1冊の本を生み落とします 0:03:14.229,0:03:15.650 それが[ツァラトゥストラ] 0:03:15.650,0:03:16.678 [ツァラトゥストラ・・・売れず][br]ただこの本 0:03:16.678,0:03:18.792 タイトルがちょっと怪しすぎて 0:03:18.792,0:03:20.600 あまり手に取る気が起きません 0:03:20.600,0:03:23.021 しかも内容も正直いって[br]理解しにくいです 0:03:23.021,0:03:25.076 ですので、本人の期待とは裏腹に 0:03:25.076,0:03:27.011 当時、まったく売れなかったんです 0:03:27.011,0:03:29.085 しかもよりによって、4部構成にして 0:03:29.085,0:03:31.412 4冊に分けて、気合を入れて[br]出版したんです 0:03:31.412,0:03:32.899 その結果、爆死です! 0:03:32.899,0:03:34.466 特に、最後の第4部は 0:03:34.466,0:03:37.706 あまりに売れなさ過ぎて、自分で知り合いに 0:03:37.706,0:03:40.967 「これを貰ってやってくれないか」と[br]配り歩いていたそうです 0:03:40.967,0:03:42.377 そんな状況の中 0:03:42.377,0:03:44.880 流石のニーチェも[br]”もう本なんか書くか” と 0:03:44.880,0:03:46.487 腐ってしまうのかと思いきや 0:03:46.487,0:03:48.930 [ニーチェの執念][br]なんと彼はそのまま、筆を握り続け 0:03:48.930,0:03:51.490 次々と著作を生み出していきます 0:03:51.490,0:03:53.594 しかも、それらの作品のほとんどが 0:03:53.594,0:03:58.427 あの滑りに滑った[ツァラトゥストラ]を補足し[br]解説するという書籍なんです 0:03:58.427,0:03:59.625 凄い執念です! 0:03:59.625,0:04:03.593 どれだけ彼が本作に[br]魂を込めていたかが伺えます 0:04:03.593,0:04:06.577 しかし、そんな[br]力強い精神を持ったニーチェも 0:04:06.577,0:04:08.421 [ニーチェの限界][br]遂に、限界を迎えます 0:04:08.421,0:04:12.784 1889年、彼が[br]45歳を迎える年の頃です 0:04:12.784,0:04:16.189 滞在していたイタリア[br]トリノの広場で事件は起こりました 0:04:16.189,0:04:17.271 一説によると 0:04:17.271,0:04:19.738 鞭でバンバン叩かれている[br]馬に駆け寄り 0:04:19.738,0:04:22.520 その馬の首を[br]泣いて抱きしめながら発狂し 0:04:22.520,0:04:25.542 [ニーチェの精神崩壊][br]そして意識を失ってしまった、と言われています 0:04:25.542,0:04:27.551 幸い意識は戻ったのですが 0:04:27.551,0:04:30.064 彼の心は完全にこのとき壊れてしまい 0:04:30.064,0:04:33.356 二度と元のニーチェに戻ることは[br]ありませんでした 0:04:33.356,0:04:35.241 ただ、運命とは皮肉なもので 0:04:35.241,0:04:36.916 [酷評が一転、再評価へ][br]実は、このタイミングになって 0:04:36.916,0:04:40.272 ようやくニーチェの著作に対する[br]評価が高まって来るんです 0:04:40.272,0:04:43.930 「ニーチェ文庫」という出版社までできて[br]本もバンバン売れていきます 0:04:43.930,0:04:47.006 しかし、ニーチェにどれだけ[br]いまの状況を言い聞かせても 0:04:47.006,0:04:49.383 何も認識することが出来ない 0:04:49.383,0:04:52.490 そして精神に[br]異常がで始めてから約10年後 0:04:52.490,0:04:54.213 55歳という若さで 0:04:54.213,0:04:56.658 ニーチェは天に旅立って行った[br]というわけです 0:04:57.073,0:04:58.604 [ニーチェの生涯については以上です][br]ニーチェの人生について 0:04:58.604,0:05:01.515 超高速で見てきましたが[br]ここまでよろしいでしょうか 0:05:01.515,0:05:05.156 以上のストーリーを踏まえたうえで、[br]彼が渾身の力を込めて 0:05:05.156,0:05:06.761 生み落とした最高傑作 0:05:06.761,0:05:09.126 [ツァラトゥストラ]について[br]見て行きたいと思います。 0:05:09.126,0:05:11.227 [ツァラトゥストラとは?][br]まず簡単に、どういったお話かといいますと、 0:05:11.227,0:05:14.820 「ツァラトゥストラ」というおじさんが[br]10年間山籠もりをし、 0:05:14.820,0:05:18.348 孤独の中で知恵を蓄え[br]それを他の人間たちにも 0:05:18.348,0:05:20.416 分けてやりたいと言って下山をする。 0:05:20.416,0:05:22.884 そして、その中で様々な人と出会い 0:05:22.884,0:05:26.817 語り合いながら自分の知恵を[br]分け与えていくといったお話です。 0:05:26.817,0:05:29.142 因みに、このツァラトゥストというのは 0:05:29.142,0:05:31.977 ゾロアスター教の開祖である[br]ゾロアスターを 0:05:31.977,0:05:33.395 ドイツ語読みしたものです 0:05:33.395,0:05:36.991 ただニーチェ哲学と、ゾロアスター教は[br]全然関係がありませんので、 0:05:36.991,0:05:39.284 ここは、スルーしていただいて大丈夫です 0:05:39.284,0:05:41.881 大事なのは、ツァラトゥストラ[br]というおじさんが 0:05:41.881,0:05:44.340 ニーチェの分身である、ということです 0:05:44.340,0:05:46.674 ですから、山から下りて来たツァラトゥストラが 0:05:46.674,0:05:48.978 人々に語っていることは、すべて 0:05:48.978,0:05:52.316 ニーチェの言葉として[br]捉えてえていただく必要があるわけです 0:05:52.316,0:05:53.914 では早速、見て行きましょう。 0:05:53.914,0:05:56.361 [ツァラトゥストラ、降臨][br]まず、山から下りて来たツァラトゥストラは 0:05:56.361,0:05:59.041 森の麓で、ひとりの老人と出会います 0:05:59.041,0:06:01.857 そして、あなたは森で[br]「何をしているのか」と 0:06:01.857,0:06:02.757 尋ねるのです 0:06:02.757,0:06:05.367 すると、その老人は[br]「歌を歌ったりして 0:06:05.367,0:06:08.578 神様を讃えたりしているんですよ」と[br]答えるのですが、 0:06:08.578,0:06:12.003 これに対し、ツァラトゥストラは[br]とんでもない衝撃を受けます。 0:06:12.003,0:06:15.045 そして心の中で[br]次のように呟きました。 0:06:15.045,0:06:16.025 [老人の言葉に驚愕!][br]「あり得ない!」 0:06:16.025,0:06:19.915 「この老人は、まだあのことを[br]誰からも聞いていないのか」 0:06:19.915,0:06:22.093 「神は死んだということ」を 0:06:22.362,0:06:23.905 [神は死んだとは?][br]はい!ここでストップします 0:06:23.905,0:06:26.686 さっそく有名なセリフが出てきました 0:06:26.686,0:06:28.361 神は死んだ! 0:06:28.361,0:06:32.361 ニーチェを知らない方も、このパワーワードは[br]聞いたことがあるんじゃないでしょうか 0:06:32.361,0:06:34.880 では、この「神は死んだ」という言葉。 0:06:34.880,0:06:36.744 これは一体[br]どういう意味なんでしょうか。 0:06:36.744,0:06:38.058 簡単に言ってしまいますと 0:06:38.058,0:06:39.693 もう、この世の中には 0:06:39.693,0:06:43.387 絶対的な真理や、価値なんてものは[br]"ない" と言っているんです 0:06:43.387,0:06:46.185 自然科学が発達する前の人類は 0:06:46.185,0:06:49.074 自分たちの頭で[br]理解できない事柄については 0:06:49.074,0:06:52.862 「神のなせる業」[br]「神の意図」であると解釈をし 0:06:52.862,0:06:54.229 納得をして来ました 0:06:54.229,0:06:57.089 ところがその神の[br]深淵なる意図を解明しようと 0:06:57.089,0:07:01.818 人類は科学技術を発達させ[br]神の存在を前提とする世界観を 0:07:01.818,0:07:04.306 自らの手によって[br]破壊してしまったわけです 0:07:04.306,0:07:05.632 例えば、天動説 0:07:05.632,0:07:08.421 地球は、宇宙の中心であり[br]その他の天体は 0:07:08.421,0:07:12.086 [天動説は絶対的な真理][br]この地球の周りを[br]グルグル回っているだけだというこの説は 0:07:12.086,0:07:14.167 中世のキリスト教世界においては 0:07:14.167,0:07:16.139 まさに絶対的真理でした 0:07:16.139,0:07:19.349 反対意見を言おうものなら、もう[br]大変なことになってしまいます 0:07:19.349,0:07:20.766 しかし、地動説という 0:07:20.766,0:07:23.813 科学に基づいた[br]新たな解釈が生まれたことによって 0:07:23.813,0:07:27.066 [神を前提とする世界観が崩れていった][br]ジワリジワリと、神を前提とする世界観が 0:07:27.066,0:07:28.271 崩れて行ったわけです 0:07:28.271,0:07:30.217 人間の存在も同様です。 0:07:30.217,0:07:31.743 神が天地を創造し 0:07:31.743,0:07:35.426 自分を模って男と女を[br]作り上げたという「創造論」 0:07:35.426,0:07:38.403 これも旧約聖書をベースとしたストーリーですが、 0:07:38.403,0:07:41.894 「進化論」という新たな学説によって[br]揺らいでしまいました。 0:07:41.894,0:07:43.341 [西洋世界の常識を疑い そして破壊した][br]つまりニーチェは 0:07:43.341,0:07:46.701 人間は、自分たちの手で[br]絶対的真理はないと 0:07:46.701,0:07:47.821 証明してしまった。 0:07:47.821,0:07:49.974 もっと乱暴に言えば、自分たちの手で 0:07:49.974,0:07:52.699 神を殺してしまったのだという、主張をし 0:07:52.699,0:07:56.813 西洋世界のこれまでの常識を[br]丸々ひっくり返しにいったわけです。 0:07:56.813,0:07:58.701 となりますと、その影響は、 0:07:58.701,0:07:59.974 [ニーチェ以前の哲学を破壊][br]哲学にも及んできます。 0:07:59.974,0:08:02.788 ニーチェ以前の哲学は、神の存在 0:08:02.788,0:08:06.189 絶対的真理の存在を[br]前提として成り立っていました。 0:08:06.189,0:08:08.195 [哲学の父ソクラテス][br]例えば、哲学の父「ソクラテス」 0:08:08.195,0:08:11.255 彼は街の人に話しかけては[br]「善とは何か」 0:08:11.255,0:08:14.837 「徳とは何か」と、その答えを求めて[br]問い続けていました。 0:08:14.837,0:08:16.230 [ソクラテスの弟子プラトン][br]そして、弟子のプラトンは 0:08:16.230,0:08:19.783 その問いの答えに対し[br]「イデア」という概念を用いて 0:08:19.783,0:08:21.269 説明を試みました。 0:08:21.269,0:08:23.376 [絶対的真理の存在を前提としている][br]要するに、ニーチェ以前の哲学者は、 0:08:23.376,0:08:26.532 それぞれの説明、解釈の仕方は違えど 0:08:26.532,0:08:28.289 「普遍的な善ってあるよね」 0:08:28.289,0:08:30.842 「普遍的な徳もあるね」[br]というように 0:08:30.842,0:08:35.067 絶対的な真理の存在を[br]前提に物事を考えていたんです。 0:08:35.067,0:08:36.700 [これまでの哲学を破壊した人物][br]ところがニーチェは「ない!」 0:08:36.700,0:08:37.985 「そんなものはない!」 0:08:37.985,0:08:41.507 「絶対的な価値」「絶対的な基準」「絶対的な真理」 0:08:41.507,0:08:44.010 そんなものは「あるわけない!」[br]と主張しました。 0:08:44.010,0:08:45.016 それ故彼は、 0:08:45.016,0:08:47.949 これまでの哲学を[br]破壊した人物とされているわけです。 0:08:48.453,0:08:50.222 [絶対的なものがないと何がいけない?][br]ここで話を元に戻しましょう。 0:08:50.222,0:08:54.124 では、この世界に「絶対的な価値」[br]「絶対的真理」がない状態だと 0:08:54.124,0:08:55.638 何がいけないんでしょうか。 0:08:55.638,0:08:57.477 どんな問題が生じるんでしょうか。 0:08:57.477,0:09:00.284 別に私は、何の宗教も信じてはいないし 0:09:00.284,0:09:02.890 哲学のこととか[br]絶対的ナンチャラとか 0:09:02.890,0:09:05.436 そんな難しいことを考えて[br]生きているわけじゃないし 0:09:05.436,0:09:06.577 関係ないね! 0:09:06.577,0:09:09.550 もしかしたら、そう思われる方も[br]いるかもしれませんが 0:09:09.550,0:09:10.625 実はこの問題 0:09:10.625,0:09:14.495 人間が人間として生きている以上[br]誰にでも関係してきてしまう 0:09:14.495,0:09:15.910 大事なお話なのです。 0:09:15.910,0:09:19.418 絶対的なものが存在しないということは[br]言ってしまえば 0:09:19.418,0:09:21.412 [信じられるものがなくなる][br]何も信じるものが ”ない” 、ということです。 0:09:21.627,0:09:23.222 例えば[br]想像してみてください。 0:09:23.222,0:09:25.174 高度経済成長期の日本。 0:09:25.174,0:09:27.287 バブル絶頂だったときの日本。 0:09:27.287,0:09:30.031 [信じられる物語があった時代を私たちは経験][br]この時代は「21世紀の資本」でもやりましたが 0:09:30.031,0:09:32.977 頑張ったら頑張った分だけ[br]報われる時代でした。 0:09:32.977,0:09:35.449 たくさん勉強をして、名門大学に入って 0:09:35.449,0:09:37.737 一流企業に入ってしまえば「一生安泰」 0:09:37.737,0:09:39.125 人をたくさん雇い 0:09:39.125,0:09:40.443 物をたくさん作れば 0:09:40.443,0:09:41.493 売り上げも上がる。 0:09:41.493,0:09:43.545 働けば働くほど、給料も上がる。 0:09:43.545,0:09:44.623 そんな時代です。 0:09:44.623,0:09:47.598 つまり、頑張れば[br]人生どうにかなるという道筋が 0:09:47.598,0:09:49.333 間違いなくあったわけです。 0:09:49.333,0:09:51.190 だから、自分の夢や希望。 0:09:51.190,0:09:52.335 そして、家族の為に 0:09:52.335,0:09:55.254 出世の為に、辛いことも[br]苦しいことも耐えられたし 0:09:55.254,0:09:57.309 歯を食いしばって努力が出来ました。 0:09:57.309,0:09:58.945 ところが今は、どうでしょうか。 0:09:58.945,0:10:01.850 [信じられる物語を奪われると人はどうなるのか?][br]企業を神の如く、絶対的な存在とみなし 0:10:01.850,0:10:05.155 定年まで面倒をみて貰おうという[br]終身雇用神話は 0:10:05.155,0:10:07.042 もはや過去のものとなりました。 0:10:07.042,0:10:10.366 いつ職を失うか[br]いつ食いっぱぐれるか、分からない。 0:10:10.366,0:10:11.844 そして将来、何を目指し 0:10:11.844,0:10:14.091 何に希望を持ち[br]頑張ればいいのか分からない。 0:10:14.091,0:10:17.637 そういった漠然とした不安だけが[br]日に日に大きくなっている。 0:10:17.637,0:10:19.045 それが今の状態です。 0:10:19.045,0:10:21.970 このように人が[br]絶対的に信じるものを失い 0:10:21.970,0:10:23.724 何のために生きるのか 0:10:23.724,0:10:26.412 その意義を見出せなくなる状態のことを 0:10:26.412,0:10:28.201 [ニヒリズム]と言います。 0:10:28.201,0:10:31.011 そしてこの「ニヒリズム」が[br]蔓延していきますと 0:10:31.011,0:10:34.165 [末人]と呼ばれる人間が大量発生すると 0:10:34.165,0:10:36.001 ニーチェは、警鐘を鳴らしたのです。 0:10:36.001,0:10:39.444 [最後の人間「末人」とは?][br]末人というのは、最後の人間とも訳されるのですが、 0:10:39.444,0:10:40.629 簡単に言ってしまえば 0:10:40.629,0:10:43.775 将来に対して[br]何の憧れも希望もなく 0:10:43.775,0:10:48.741 ただ、楽に無難に惰性的に生きることを[br]よし!とする人のことを指します。 0:10:48.741,0:10:52.204 これは勿論、本人だけに[br]原因があるわけではないと思います。 0:10:52.204,0:10:55.544 ただ、この「末人」にだけは[br]絶対になっちゃダメ! 0:10:55.544,0:10:57.866 これがニーチェの[br]揺るぎないスタンスなんです。 0:10:57.866,0:11:01.169 イヤイヤ、私だって[br]好きで希望を失ってるわけじゃないんです。 0:11:01.169,0:11:04.932 「末人になるな」って言うんだったら[br]私等、一体なに人になればいいんですか。 0:11:04.932,0:11:06.340 そう、突っ込みたくなりますが 0:11:06.340,0:11:08.118 結論、「超人になってください!」 0:11:08.118,0:11:09.854 これがニーチェの回答でございます。 0:11:09.854,0:11:11.407 「えっ!?超人ですか?」 0:11:11.407,0:11:12.736 「はい!超人です」 0:11:12.736,0:11:15.491 [ツァラトゥストラの前半のテーマ「超人思想」][br]そして、今から紹介しますニーチェの超人思想。 0:11:15.491,0:11:17.482 これが「ツァラトゥストラ」の前半。 0:11:17.482,0:11:20.258 「第1部」「第2部」の[br]メインテーマとなるわけです。 0:11:20.258,0:11:22.639 ここは非常に重要で、面白いテーマなので 0:11:22.639,0:11:25.157 是非、抑えていただきたいところでございます。 0:11:25.157,0:11:29.503 では早速、作品の中で超人について語られる[br]シーンについて見て行きましょう。 0:11:29.503,0:11:30.888 [街に向かうツァラトゥストラ][br]先程、ツァラトゥストラは 0:11:30.888,0:11:32.489 老人と会話をしていましたが 0:11:32.489,0:11:35.125 それが終わると森を抜けて[br]街に向かいます。 0:11:35.125,0:11:38.560 すると、街の市場の方で、[br]なんかザワザワしているんですね。 0:11:38.560,0:11:40.426 "なんだろう?" と思って近づいてみますと 0:11:40.426,0:11:43.925 [綱渡りのショーが始まるらしい][br]町内イベントで綱渡りのショーが行われるらしく 0:11:43.925,0:11:46.639 それで、町中の人が集まって来ていた[br]というわけです。 0:11:46.639,0:11:49.412 「楽しみだなぁ」「まだかなぁ」[br]そんな声が聞こえる中 0:11:49.412,0:11:53.148 山籠もりで蓄えた知恵を[br]吐き出したくてしょうがないツァラトゥストラが 0:11:53.148,0:11:56.380 [近づいていくツァラトゥストラ まさか...][br]フラフラしながらその群衆の中に近づいて行きます。 0:11:56.380,0:11:59.349 誰か適当な人を捕まえて[br]説教でも始めちゃうのかな? 0:11:59.349,0:12:00.748 と思いきや、そうではないんです。 0:12:00.748,0:12:02.608 [ツァラさんのトークショー:お題は超人思想][br]なんと彼はその、民衆全員に向けて 0:12:02.608,0:12:03.427 叫んでしまうんです。 0:12:03.427,0:12:04.839 ツァラトゥストラ:皆さん、よく聞きなさい! 0:12:04.839,0:12:07.537 私は今から、皆さんに「超人」について教えます。 0:12:07.537,0:12:09.454 皆さんはかつて、猿でした。 0:12:09.454,0:12:13.050 しかし、今の人間は猿以上に[br]猿なのであります。 0:12:13.050,0:12:15.362 なるほど、これは怪しいおじさんが 0:12:15.362,0:12:18.092 意味不明なことを[br]叫んでるようにしか聞こえません。 0:12:18.092,0:12:22.241 当然そこにいた人々は、そんな彼を[br]まったく相手にしませんでした。 0:12:22.241,0:12:25.545 しかし、ツァラトゥストラは気にせず[br]奇妙な演説を続けます。 0:12:25.545,0:12:27.902 そして超人について、話を終えたところで 0:12:27.902,0:12:30.532 群衆の中の一人が、大声で叫びました。 0:12:30.532,0:12:32.049 [綱渡り芸の前口上と馬鹿にされる][br]群衆:よし!これで綱渡り芸の 0:12:32.049,0:12:33.486 前口上はバッチリだ!」 0:12:33.486,0:12:35.940 それじゃ早速、超人に登場して貰って 0:12:35.940,0:12:38.233 その超人技とやらを披露して貰おう!」 0:12:38.233,0:12:40.816 すると、この人のボケがドカン!とウケてしまい 0:12:40.816,0:12:43.760 ツァラトゥストラは、皆から馬鹿にされ[br]大笑いされてしまうのです。 0:12:43.760,0:12:45.945 [綱渡り芸のスタート][br]そんな中、綱渡り芸が始まりました。 0:12:45.945,0:12:48.604 人々もその様子を[br]固唾を呑んで見守っています。 0:12:48.604,0:12:50.070 [綱渡り芸のスタート][br]ここで、ツァラトゥストラ。 0:12:50.070,0:12:52.716 [10年間山籠もりした男のトークは止まらない!][br]馬鹿にされたショックで、黙り込むのかと思いきや 0:12:52.716,0:12:54.398 なんと、まだ喋り続けています 0:12:54.398,0:12:57.586 そしてここで、非常に重要な[br]セリフを口にするのです 0:12:57.586,0:12:59.182 [人間は動物と超人との間に張り渡された1本の綱][br]人間という生き物は 0:12:59.182,0:13:03.518 動物と超人との間に張り渡された[br]1本の綱である。 0:13:03.518,0:13:07.683 渡って彼方に進むのも危うく[br]途上にあるのも危うく 0:13:07.683,0:13:10.109 後ろを振り返るのも危うく 0:13:10.109,0:13:12.198 おののいて立ちすくむのも危うい。 0:13:12.198,0:13:13.915 [言っている意味が分かりません!][br]はい!ここで一旦止めましょう。 0:13:13.915,0:13:16.888 彼が何を言わんとしているのか[br]考えてみたいと思います。 0:13:16.888,0:13:20.101 まず、「超人って何?」という[br]ところからお話をしていきます。 0:13:20.101,0:13:21.460 結論から言うと 0:13:21.460,0:13:25.034 「不屈の精神力」[br]そして、「力強い意志」をもち 0:13:25.034,0:13:29.434 自らの人生を肯定しながら[br]より高みへ向かおうとする存在。 0:13:29.434,0:13:31.542 それが「超人」のイメージです。 0:13:31.542,0:13:33.795 [超人=絶対コレ!という定義はない][br]なぜ、イメージ と申しあげたかと言いますと 0:13:33.795,0:13:35.272 実は「ツァラトゥストラ」では 0:13:35.272,0:13:39.175 具体的に、超人とはこういうものですと[br]定義付けをしていないんですね。 0:13:39.175,0:13:40.922 もし、定義付けをしてしまえば 0:13:40.922,0:13:44.653 ニーチェは、自ら絶対的な存在を[br]認めたことになってしまいますから 0:13:44.653,0:13:48.470 ここは、敢えて読者の想像に[br]委ねられているのかもしれません。 0:13:48.470,0:13:49.827 そして、人間というのは 0:13:49.827,0:13:54.023 その超人という存在に向かって[br]綱渡りのような危険を乗り越えていく 0:13:54.023,0:13:56.858 [人間は危険を冒しながら超人に向かう存在だ][br]そういう存在なんですよと、言っているわけです。 0:13:56.858,0:14:00.028 では、どうやったら[br]「超人」の域に到達できるのでしょうか。 0:14:00.028,0:14:01.371 [超人になるための3ステップ][br]ツァラトゥストラが言うには 0:14:01.371,0:14:03.583 人間の精神には「3段階」あって 0:14:03.583,0:14:05.911 どんどんそのレベルを上げていくことで 0:14:05.911,0:14:08.552 超人に近づくことが出来るそうです。 0:14:08.552,0:14:10.683 その段階には名前が付いており、 0:14:10.683,0:14:12.610 第一段階が[ラクダ] 0:14:12.610,0:14:14.358 第二段階が[獅子」 0:14:14.358,0:14:16.806 第三段階が[幼子]です。 0:14:17.107,0:14:18.412 [第1ステージ:ラクダ][br]順番に見て行きます。 0:14:18.412,0:14:20.793 まず、初めの「ラクダの段階」というのは 0:14:20.793,0:14:23.389 重い荷物を背負って[br]我慢するステージです。 0:14:23.389,0:14:25.521 自分の身に積極的に負荷をかけ 0:14:25.521,0:14:28.377 そこで、自分の強みを獲得するわけです。 0:14:28.377,0:14:29.737 学校での勉強。 0:14:29.737,0:14:30.944 会社での仕事。 0:14:30.944,0:14:32.530 体を鍛える事。 0:14:32.530,0:14:34.864 人それぞれに[br]ラクダのステージがあります。 0:14:34.864,0:14:38.221 そして忍耐力や[br]自分の強みが磨かれたのなら 0:14:38.221,0:14:39.985 [第2ステージ:獅子][br]次の段階は[獅子]です。 0:14:39.985,0:14:43.413 このステージは[br]窮屈な状態から解放され 0:14:43.413,0:14:45.790 自由を求める者が進む段階です。 0:14:45.790,0:14:48.872 既存の「価値観」「常識」「権威」に対して 0:14:48.872,0:14:51.489 ハッキリと自分の言葉で「No」と言える。 0:14:51.489,0:14:54.021 そんな独立の精神を持った段階。 0:14:54.021,0:14:56.172 それがこの、獅子のステージです。 0:14:56.172,0:14:58.532 [第3ステージ:幼子][br]そして最後、第三段階になると 0:14:58.532,0:15:00.940 獅子は、幼子に変身をします。 0:15:00.940,0:15:03.238 自らの想像力に身を委ね 0:15:03.238,0:15:05.545 勝手に自由気ままに遊ぶ。 0:15:05.545,0:15:08.429 まるで幼い子供のような[br]無邪気な精神。 0:15:08.429,0:15:11.204 それこそが最終段階なのだ[br]というわけです。 0:15:11.204,0:15:14.145 どれだけ大人が[br]世の中の理不尽さを嘆いていても 0:15:14.145,0:15:17.343 将来を悲観しても[br]幼い子供には関係がありません。 0:15:17.343,0:15:21.722 彼ら彼女らにとって[br]世界は無条件に肯定されるものであり 0:15:21.722,0:15:23.359 心のままに戯れ 0:15:23.359,0:15:24.399 無心に遊び 0:15:24.399,0:15:26.465 自由に創造的に今 0:15:26.465,0:15:28.385 この瞬間、瞬間を生きています。 0:15:28.385,0:15:31.422 つまり、超人たる者は[br]この3つのプロセスを経て 0:15:31.422,0:15:34.289 最終的には、幼子のような精神を 0:15:34.289,0:15:36.391 その身に宿すものなのだ[br]というわけです。 0:15:36.519,0:15:38.363 [ツァラトゥストラの前半はこれにて終了][br]さぁ、1部、2部のメインテーマである 0:15:38.363,0:15:40.861 [超人]に関するお話は、ここでお終いですが 0:15:40.861,0:15:44.755 この内容が、第3部、第4部[br]後半の内容へと繋がって行きます。 0:15:44.755,0:15:46.231 この後半パートのテーマは、 0:15:46.231,0:15:47.759 [永遠回帰]と呼ばれる 0:15:47.759,0:15:50.060 「ツァラトゥストラ」の中心思想でございます。 0:15:50.060,0:15:52.166 [一番重要なパートです][br]つまり、今からお話しするところが 0:15:52.166,0:15:54.735 この動画の最も重要な箇所であり、 0:15:54.735,0:15:58.251 「ニーチェ哲学」を学ぶ上で[br]絶対に外せないテーマというわけです。 0:15:58.251,0:15:59.704 では早速、見て行きましょう。 0:15:59.704,0:16:02.483 [永遠回帰とは?][br]まず、「永遠回帰」とは、一体何なんでしょうか。 0:16:02.483,0:16:03.819 結論から言いますと 0:16:03.819,0:16:06.468 同じことが[br]無限に繰り返されるという 0:16:06.468,0:16:07.899 仮説のことを指します。 0:16:07.899,0:16:09.347 [人生の無限ループ][br]もうちょっと具体的に言うと 0:16:09.347,0:16:12.519 あなたは今の人生を[br]永遠に繰り返している。 0:16:12.519,0:16:13.810 前世も、来世も 0:16:13.810,0:16:15.889 ずっと同じ人生を繰り返している。 0:16:15.889,0:16:20.163 無限ループの中をグルグル、グルグルと[br]生き続けているんですよという「仮説」です。 0:16:20.163,0:16:22.630 繰り返しになりますが[br]これは仮設であり 0:16:22.630,0:16:25.845 事実か、事実でないかは[br]あまり重要ではありません。 0:16:25.845,0:16:29.085 仏教の世界にも「輪廻思想」という[br]教えがありますが 0:16:29.085,0:16:31.845 「永遠回帰」とは[br]全く異なる概念になります。 0:16:31.845,0:16:35.104 生命は、色んなものに[br]無限に生まれ変わり続ける。 0:16:35.104,0:16:36.628 これが「輪廻思想」です。 0:16:36.628,0:16:39.525 例えば、私の来世は[br]大資産家かもしれないし 0:16:39.525,0:16:41.003 小さなクラゲ かもしれない。 0:16:41.003,0:16:42.197 そういうお話です。 0:16:42.197,0:16:43.968 [あなたはずっとあなたのまま、それが永遠回帰][br]一方、「永遠回帰」の場合は 0:16:43.968,0:16:47.742 同じ人が、同じ人生をグルグル永遠に[br]ループし続けるというものです。 0:16:47.742,0:16:49.221 さて、ここで質問です。 0:16:49.221,0:16:53.464 皆さまはこの、「永遠回帰」の思想を[br]受け入れることが出来ますか。 0:16:53.464,0:16:55.865 それとも、同じ人生をループし続けるなんて 0:16:55.865,0:16:57.841 「勘弁してくれ!」と、拒絶されますか。 0:16:57.841,0:17:00.765 [最大の重し][br]もちろん正解はありませんし、人それぞれです。 0:17:00.765,0:17:04.444 因みに、ニーチェは別の著作で、[br]この「永遠回帰」の思想を 0:17:04.444,0:17:08.001 人間にとっての最大の[br]重石であると表現しています。 0:17:08.001,0:17:12.025 要するに、人間というのは、[br]余ほど幸せで恵まれた人でない限り 0:17:12.025,0:17:15.588 忘れ去りたい過去のトラウマ、失敗・過ちが 0:17:15.588,0:17:17.139 1つや2つあるでしょうと。 0:17:17.139,0:17:21.649 それを無限に経験し続けるのは、[br]過去の記憶が消去されているとはいえ 0:17:21.649,0:17:24.193 誰だって嫌でしょうと[br]そう言ってるんですね。 0:17:24.193,0:17:27.457 [「最大の重し」だが、「最強の武器」でもある][br]ただ、この思想というのは、その人の捉え方次第で 0:17:27.457,0:17:31.530 人生を大きく変えるくらいの[br]強力な「武器」にもなるんです。 0:17:31.530,0:17:35.950 仮に本当にループし続けると[br]真剣に想像してみてください。 0:17:35.950,0:17:36.963 どうでしょうか。 0:17:36.963,0:17:40.064 永遠にネガティブで、否定的で[br]不幸な人生か。 0:17:40.064,0:17:43.596 永遠にポジティブで、肯定的で[br]幸福な人生か。 0:17:43.596,0:17:45.801 極端な2つの選択肢が 0:17:45.801,0:17:47.933 目の前に浮かび上がってくるはずです。 0:17:47.933,0:17:49.861 さぁ、選びたいのはどっちですか。 0:17:49.861,0:17:52.435 [永遠回帰は、人生を好転させる思考法][br]そう聞かれれば、どう考えても後者しかありません。 0:17:52.435,0:17:56.133 そして、もし後者を選べば[br]永遠に繰り返しても ”良い” と 0:17:56.133,0:18:00.131 思えるような人生にしようと[br]前を向いて生きていくしかなくなるんです。 0:18:00.131,0:18:01.893 つまり、「永遠回帰」というのは 0:18:01.893,0:18:03.634 神が死んだ後の世界。 0:18:03.634,0:18:08.381 絶対的に信じるものが失われた世界で[br]末人に陥ることなく 0:18:08.381,0:18:12.691 人生を肯定的に、力強く[br]前向きに歩んでいく為の 0:18:12.691,0:18:14.060 「思考法」と言えるわけです。 0:18:14.060,0:18:15.158 では、一体どうすれば 0:18:15.158,0:18:18.720 「永遠回帰」の思想を受け入れることが[br]出来るようになるのでしょうか。 0:18:18.720,0:18:20.406 [理屈は分かるけど...難しそうだ][br]頭で理屈は分かっても 0:18:20.406,0:18:23.324 なかなか、自分のものにするのは難しそうです。 0:18:23.324,0:18:27.004 そこでニーチェは、「永遠回帰」を[br]自分のものとする条件として 0:18:27.004,0:18:30.517 [ニヒリズムの克服が前提となる][br]ニヒリズムを克服する必要がある、と説きました。 0:18:30.517,0:18:34.895 イメージしづらいと思いますので[br]今から実際にニヒリズムを克服し 0:18:34.895,0:18:38.098 [永遠回帰を受け入れた者の物語][br]永遠回帰を受け入れた人間を描いている 0:18:38.098,0:18:41.034 「ツァラトゥストラ」の重要な[br]ワンシーンを紹介いたします。 0:18:41.034,0:18:42.442 どんな場面かというと 0:18:42.442,0:18:45.352 1人の若い牧人が倒れているところを 0:18:45.352,0:18:47.926 ツァラトゥストラが[br]発見するというシーンです。 0:18:47.926,0:18:48.981 牧人というのは 0:18:48.981,0:18:51.413 馬とか、牛とか[br]羊などのお世話をする人です。 0:18:51.413,0:18:53.075 [ツァラトゥストラと牧人][br]その主人が倒れている横で 0:18:53.075,0:18:54.368 犬がギャンギャンと鳴いています。 0:18:54.368,0:18:56.738 そして、その声に[br]ツァラトゥストラが気付き 0:18:56.738,0:18:58.495 「何事だ」と言って近づいて行くんです。 0:18:58.495,0:19:01.485 そこで彼は、とんでもない光景を[br]目の当たりにします。 0:19:01.485,0:19:04.625 [蛇に窒息させられそうな牧人][br]なんと!倒れ込んでいる牧人の口から 0:19:04.625,0:19:07.719 黒い蛇の尻尾が[br]ニョロッと出ていたんです。 0:19:07.719,0:19:11.998 牧人は、余りの苦しさにのたうち喘ぎ、[br]痙攣を起しています。 0:19:11.998,0:19:15.286 そこで、ツァラトゥストラは、[br]その牧人を助けなければと 0:19:15.286,0:19:18.011 うわぁっ!と近づいて行き[br]蛇の尻尾をギュッと掴み 0:19:18.011,0:19:20.120 力いっぱい引っ張って[br]口から出そうとします。 0:19:20.120,0:19:23.310 ところが、まったく[br]蛇を引きずり出すことができません。 0:19:23.310,0:19:24.626 何度やっても同じでした。 0:19:24.626,0:19:26.564 そこで、ツァラトゥストラは絶叫します。 0:19:26.564,0:19:28.897 [牧人よ、蛇を噛め!][br]ツァラトゥストラ:蛇の頭ごと噛みちぎってしまえ! 0:19:28.897,0:19:29.795 さぁ!噛むんだ! 0:19:29.795,0:19:30.610 噛んでしまえ!」 0:19:30.610,0:19:34.120 すると牧人は、言われるがままに[br]蛇をガブッと噛みちぎり 0:19:34.120,0:19:35.539 その頭を吐き捨て 0:19:35.539,0:19:37.569 それと同時に[br]パッと立ち上がります。 0:19:37.569,0:19:39.685 [あれ?ぼ・・・牧人さん][br]そして、この様子を見たツァラトゥストラは 0:19:39.685,0:19:40.884 次のように語ります。 0:19:40.884,0:19:43.029 [もはや、牧人ではない][br]ツァラトゥストラ:私の目の前にいた男は 0:19:43.029,0:19:44.675 もはや牧人ではなかった。 0:19:44.675,0:19:46.444 イヤ、人間でもなかった。[もはや、牧人ではない] 0:19:46.444,0:19:47.948 一人の変容した者。 0:19:47.948,0:19:49.706 光りに包まれた者だった。 0:19:49.706,0:19:51.590 そして、彼は高らかに笑った。 0:19:51.590,0:19:55.513 今まで地上のどんな人間も[br]笑ったことがないほど高らかに。 0:19:56.341,0:19:57.632 [意味が分かりません!][br]いかがでしょうか、このシーン。 0:19:57.632,0:19:59.545 非常に重要な場面なんですが 0:19:59.545,0:20:01.679 言わんとしていること[br]分かりましたでしょうか。 0:20:01.679,0:20:04.388 要するに、この七転八倒している[br]牧人というのは 0:20:04.388,0:20:05.977 [牧人は、ニヒリズムに囚われ苦しむ人間][br]ニヒリズムに囚われた 0:20:05.977,0:20:07.661 人間のことを描いているんです。 0:20:07.661,0:20:09.146 もうちょっと、分かりやすく言いますと 0:20:09.146,0:20:12.161 こんな、希望もない世界に[br]生きている意味なんかないじゃないか! 0:20:12.161,0:20:14.126 頑張ったってどうせ、報われないじゃないか! 0:20:14.126,0:20:15.231 「どうせ私なんか!」 0:20:15.231,0:20:16.224 「どうせ私なんか!!」 0:20:16.224,0:20:18.335 こういったニヒリズムに[br]陥ってしまいますと 0:20:18.335,0:20:20.108 私たちは、あの牧人のように 0:20:20.108,0:20:24.326 息苦しい人生を送ることに[br]なってしまいますよと、言っているわけですね。 0:20:24.326,0:20:27.321 [牧人は、弱い己を殺しニヒリズムを克服した][br]しかし牧人は、自分を苦しめる蛇を噛みちぎり 0:20:27.321,0:20:28.957 窮地を脱しましたよね。 0:20:28.957,0:20:31.587 すなわち、これこそが[br]ニヒリズムの克服なんです。 0:20:31.587,0:20:32.764 もっと具体的に言えば 0:20:32.764,0:20:34.646 「不安」「恐怖」「嫉妬」 0:20:34.646,0:20:37.605 「失望」「自己不信」といった[br]色んなことに囚われ 0:20:37.605,0:20:41.108 人生を悲観的に捉えることしか[br]できなかった弱い自分を 0:20:41.108,0:20:42.540 自ら噛み殺したんです。 0:20:42.540,0:20:46.144 [新たな力強い自分に生まれ変わる覚悟を決めよ][br]そして、新たな力強い自分に生まれ変わる覚悟を決め 0:20:46.144,0:20:48.337 自分の人生を[br]否定的なものから 0:20:48.337,0:20:50.850 肯定的に捉え直すことに成功し 0:20:50.850,0:20:52.145 高らかに笑った。 0:20:52.145,0:20:55.383 これこそが「永遠回帰」の思想を[br]受け入れ実践し 0:20:55.383,0:20:59.625 自らの全生涯を肯定した者の[br]姿であるというわけです。 0:20:59.625,0:21:01.200 [永遠回帰の実践的態度][br]また、ニーチェは「永遠回帰」の 0:21:01.200,0:21:03.703 実践的態度として、最も重要なのは 0:21:03.703,0:21:05.666 苦しい人生を目の前にし 0:21:05.666,0:21:08.135 死にたくなるほど絶望したとしても 0:21:08.135,0:21:09.932 ”これこそが、人生なのか! 0:21:09.932,0:21:11.856 だったらもう一度、掛かってこい!と 0:21:11.856,0:21:14.626 勇気を持って立ち向かうことである[br]と説きます。 0:21:14.626,0:21:16.470 今、生きているこの瞬間を 0:21:16.470,0:21:18.608 「これこそ、私の人生なのだ!」と 0:21:18.608,0:21:20.550 自信を持って肯定できる人は、 0:21:20.550,0:21:23.077 これまで、歩んできた過去を振り返っても 0:21:23.077,0:21:24.484 「これで良かったんだ」と 0:21:24.484,0:21:26.225 肯定することが出来ます。 0:21:26.409,0:21:28.671 そして未来に対しても[br]臆することなく 0:21:28.671,0:21:31.841 前向きに、肯定的に[br]歩んで行くことが出来ます。 0:21:31.841,0:21:34.275 更にこれが[br]永遠にループするとなれば 0:21:34.275,0:21:35.549 「自分が生きる世界」 0:21:35.549,0:21:36.663 「自分の命」 0:21:36.663,0:21:38.666 「自分の人生」そのすべてが 0:21:38.666,0:21:41.878 永遠に肯定され続けることを[br]意味するわけです。 0:21:41.878,0:21:43.099 つまり、今! 0:21:43.099,0:21:45.557 この瞬間を肯定さえしてしまえば 0:21:45.557,0:21:48.756 永遠の肯定ループが生まれる[br]というお話です。 0:21:48.756,0:21:51.391 それ故ニーチェは[br]「永遠回帰」の思想を 0:21:51.391,0:21:53.488 [およそ到達しうる限りの 0:21:53.488,0:21:56.472 最高の肯定の定式]と、名付けました。 0:21:56.472,0:22:00.080 そして、この思想を[br]受け入れた者が辿り着く「思考の領域」 0:22:00.080,0:22:01.392 それが[超人]なんです。 0:22:01.392,0:22:04.026 勿論、そこに至る道は[br]決して楽ではありません。 0:22:04.026,0:22:07.322 1本の綱を渡るように[br]大きな危険を伴います。 0:22:07.322,0:22:09.997 しかし、絶対に安全な道があると 0:22:09.997,0:22:11.708 頑なに信じ何もせず 0:22:11.708,0:22:13.758 時が経つのを[br]ただ、待っているだけでは 0:22:13.758,0:22:16.063 あの牧人のように[br]苦しむしかないんです。 0:22:16.063,0:22:19.107 であれば、自分の弱さを[br]思い切って断ち切って 0:22:19.107,0:22:20.736 勇気をもって前進しましょう。 0:22:20.736,0:22:22.701 そして、やれるだけのことを全部やって 0:22:22.701,0:22:25.726 自分の何もかもを[br]肯定してしまえ!と言っているわけです。 0:22:25.726,0:22:27.295 [ツァラトゥストラはここでお終い][br]さぁ、いかがでしたでしょうか。 0:22:27.295,0:22:29.171 端折りに端折って、進めてきましたが 0:22:29.171,0:22:31.505 「ツァラトゥストラ」に関しては[br]ここでお終いです。 0:22:31.505,0:22:33.862 作品の肝となっている「超人思想」 0:22:33.862,0:22:35.033 そして、「永遠回帰」 0:22:35.033,0:22:37.016 ざっくりイメージいただけたでしょうか。 0:22:37.016,0:22:38.570 最後に、ニーチェが提唱した 0:22:38.570,0:22:41.393 [運命愛]について簡単に触れて[br]終わりたいと思います。 0:22:41.393,0:22:42.583 [運命愛]というのは 0:22:42.583,0:22:46.766 一言で言ってしまえば[br]自分の運命を全て受け入れ肯定し 0:22:46.766,0:22:49.432 愛する心の態度のことを意味しています。 0:22:49.432,0:22:51.635 [部分的に受け入れず全て受入れ肯定せよ][br]ニーチェの思想に基づくならば 0:22:51.635,0:22:55.518 この世界に、絶対的な「善」も「悪」も[br]存在しないということになります。 0:22:55.518,0:22:59.634 であれば、自分の人生で起こる[br]様々な出来事ひとつひとつに 0:22:59.634,0:23:01.495 これは楽しかったから「〇(まる)」[br][部分的に受け入れず全て受入れ肯定せよ] 0:23:01.495,0:23:03.531 これはキツかったから「×(バツ)」 0:23:03.531,0:23:05.700 と、部分的に受け入れるのではなく 0:23:05.700,0:23:08.822 その全てを愛することの大切さを説いたわけです。 0:23:08.822,0:23:10.390 [そうは言っても辛いものは辛い][br]ただそうやって綺麗サッパリ 0:23:10.390,0:23:12.015 気持ちの整理がつけばいいんですが[br][そうは言っても辛いものは辛い] 0:23:12.015,0:23:14.667 それが出来なくて悩むのが[br]我々人間でございます。 0:23:14.667,0:23:15.777 自分の存在。 0:23:15.777,0:23:17.635 自分の人生に価値を見出せず 0:23:17.635,0:23:20.195 できることなら、もう一回[br]過去に戻ってやり直したい。 0:23:20.195,0:23:23.653 そんな気持ちが夜な夜な[br]出てきてしまうことだってあるわけです。 0:23:23.653,0:23:25.683 しかしニーチェは、次のように言います。 0:23:25.683,0:23:26.722 [たった1度でいい] 0:23:26.722,0:23:31.027 [本当に魂が震えるほどの悦びを味わったのなら 0:23:31.027,0:23:33.169 その人生は生きるに値する] 0:23:33.169,0:23:34.546 つまり、生きている間に 0:23:34.546,0:23:37.806 言葉では言い表せないような歓びを[br]手に入れさえすれば 0:23:37.806,0:23:40.982 全ての苦しみ、全ての悲しみを引き連れてでも 0:23:40.982,0:23:44.591 あなたは自分の人生を[br]もう一度生きることを望むはずだ! 0:23:44.591,0:23:46.912 だから、どんな運命だろうと愛し、 0:23:46.912,0:23:51.347 自分の人生を前向きに、肯定的に[br]生きれば良いのだと言っているわけです。 0:23:51.347,0:23:54.111 ニーチェ哲学のテーマは「生の肯定」ですが、 0:23:54.111,0:23:57.682 この「運命愛」は正に[br]その象徴的な概念と言えます。 0:23:57.682,0:24:02.277 しかし、そんな非常に前向きでパワフルな[br]思想の持主であるニーチェですが 0:24:02.277,0:24:04.234 彼自身の人生と言えば 0:24:04.234,0:24:06.983 実に、苦悩と悲哀に満ちたものでした。 0:24:06.983,0:24:09.232 才能があっても仕事は評価されず、 0:24:09.232,0:24:12.928 発狂するほど苦しみ精神を病んで[br]この世を去るんです。 0:24:12.928,0:24:16.038 これが永遠に回帰するのかと考えますと 0:24:16.038,0:24:17.845 正直ゾッとしてしまいます。 0:24:17.845,0:24:18.819 ただ彼は、 0:24:18.819,0:24:21.034 晩年に書いた自叙伝において、 0:24:21.034,0:24:23.925 自身の人生を[br]次のように振り返っています。 0:24:23.925,0:24:25.239 [どうして私は] 0:24:25.239,0:24:28.460 [私の全生涯を感謝せずにおれようか?] 0:24:28.460,0:24:31.245 [そして、だからこそ私は私自身に] 0:24:31.245,0:24:34.597 [私の生涯を、語り聞かせようとしているのである] 0:24:34.597,0:24:36.747 ニーチェの精神が崩壊するのは 0:24:36.747,0:24:40.815 この言葉を残した[br]わずか数ヶ月後と言われています。 0:24:40.815,0:24:45.927 つまり彼は、最後の最後まで[br]苦悩に満ちた自分自身の運命を愛し、 0:24:45.927,0:24:49.254 「生の肯定」という自分の哲学を貫き通し 0:24:49.254,0:24:51.492 その人生を全うしたのです。 0:24:51.656,0:24:53.160 そしてニーチェは、自分の死後 0:24:53.160,0:24:56.351 何百年か先に、きっと[br]ニヒリズムが世界を覆い尽くし、 0:24:56.351,0:25:01.059 人々から希望を奪い、生きる意味を[br]失わせてしまうだろうと予見していました。 0:25:01.059,0:25:02.193 だからこそ彼は、 0:25:02.193,0:25:04.811 自分の魂と声を宿した人格。 0:25:04.811,0:25:07.980 [ツァラトゥストラ]を作り上げ[br]絶望の前に立ち尽くす 0:25:07.980,0:25:10.373 未来の人類への贈り物としたのです。 0:25:10.373,0:25:12.274 どこまでも生を肯定し、 0:25:12.274,0:25:15.774 運命を愛した天才哲学者。[br]フリードリヒ・ニーチェ。 0:25:15.774,0:25:18.317 彼の贈り物が開かれるべき時は 0:25:18.317,0:25:20.009 まさに今なのかもしれません。 0:25:20.514,0:25:22.492 というわけで、ニーチェの[br][ツァラトゥストラ] 0:25:22.492,0:25:23.421 以上でございます。 0:25:23.421,0:25:24.580 いかがでしたでしょうか。 0:25:24.580,0:25:27.729 ニーチェ哲学はやはり、パワーが凄いですね。 0:25:27.729,0:25:28.957 圧倒されてしまいます。 0:25:28.957,0:25:32.497 もしこの後、お時間があるようでしたら[br]概要欄に貼ってあるリンクから 0:25:32.497,0:25:35.226 岡本太郎さんの[br][自分の中に毒を持て] 0:25:35.226,0:25:36.697 こちらをチェックしていただきますと 0:25:36.697,0:25:39.285 また、新たな発見があると思います。 0:25:39.285,0:25:40.138 と言いますのも、 0:25:40.138,0:25:43.900 岡本太郎さんの思想にもっとも影響を与えたのは 0:25:43.900,0:25:46.621 フランスの哲学者「バタイユ」[br]という人物なんですが、 0:25:46.621,0:25:49.592 このバタイユに影響を与えたのが[br]ニーチェなんです。 0:25:49.592,0:25:52.203 すから、岡本太郎さんの力強い言葉には、 0:25:52.203,0:25:54.061 何処かニーチェっぽさがあります。 0:25:54.061,0:25:56.496 そういったところに[br]注目して観ていただきますと、 0:25:56.496,0:26:00.159 今日の内容の解釈の幅が広がって[br]更に気持ちを 0:26:00.159,0:26:02.833 高めていただけるのではないかなと、思います。 0:26:02.833,0:26:07.724 面白かった、参考になったという方は[br]高評価・コメントなどいただけますと嬉しいです。 0:26:07.724,0:26:10.266 また、チャンネル登録も[br]よろしくお願い致します。 0:26:10.266,0:26:12.223 ではまた、次の動画でお会いいたしましょう。 0:26:12.223,0:26:13.187 ありがとうございました。