WEBVTT 00:00:00.000 --> 00:00:02.000 すべての人間の生命 00:00:02.000 --> 00:00:05.000 すべての生命は植物に依存しています 00:00:05.000 --> 00:00:09.000 そのことを少しお話ししたいと思います 00:00:09.000 --> 00:00:11.000 ちょっと考えてみてください 00:00:11.000 --> 00:00:14.000 みなさんがアフリカの小さな村に住んでいたとしても 00:00:14.000 --> 00:00:16.000 大都会に住んでいたとしても、 00:00:16.000 --> 00:00:18.000 あらゆるものは結局は植物に由来するものです 00:00:18.000 --> 00:00:20.000 食品、薬、 00:00:20.000 --> 00:00:23.000 燃料、建設工事、衣類、 00:00:23.000 --> 00:00:26.000 などのすべての目に見えるもの、 00:00:26.000 --> 00:00:28.000 あるいは私たちにとって大切な精神的なものやレクリエーションもそうです 00:00:28.000 --> 00:00:30.000 あるいは土壌形成、 00:00:30.000 --> 00:00:32.000 その大気への影響 00:00:32.000 --> 00:00:34.000 一次的生産などもそうです 00:00:34.000 --> 00:00:37.000 なんと、ここにある書物さえ植物から作られているのです 00:00:37.000 --> 00:00:40.000 これらのものはすべて植物に由来するのです 00:00:40.000 --> 00:00:43.000 もし植物がなかったとしたら私たちもここにはいなかったでしょう。 NOTE Paragraph 00:00:43.000 --> 00:00:45.000 今植物たちは危機にあります 00:00:45.000 --> 00:00:47.000 気候変動によって植物は危機にあるのです 00:00:47.000 --> 00:00:49.000 さらに、植物はこの惑星状で私たちのような者と共存している理由からも 00:00:49.000 --> 00:00:51.000 危機に瀕しているのです 00:00:51.000 --> 00:00:54.000 私たちのような者は植物やその生息環境を 00:00:54.000 --> 00:00:56.000 破壊するようなことをしたがります 00:00:56.000 --> 00:00:58.000 食糧生産だろうと 00:00:58.000 --> 00:01:01.000 そこにあるべきではない場所への 00:01:01.000 --> 00:01:04.000 外来植物の移植だろうと 00:01:04.000 --> 00:01:07.000 生息環境を他の目的に使用することであろうと 00:01:07.000 --> 00:01:11.000 これはすべて、植物たちがが適応するか死ぬか 00:01:11.000 --> 00:01:14.000 移動するしかないということを意味します 00:01:14.000 --> 00:01:16.000 しかし時には植物たちにとって移動というものがとても困難だということが分かります 00:01:16.000 --> 00:01:19.000 都市やその他のものが移動の邪魔になるかもしれないからです NOTE Paragraph 00:01:19.000 --> 00:01:22.000 だから、もし人間の生活がすべて植物に依存しているとしたら 00:01:22.000 --> 00:01:24.000 我々がその植物を救うために努力すべきだということには道理があるのではないでしょうか 00:01:24.000 --> 00:01:26.000 私はそう思います 00:01:26.000 --> 00:01:29.000 そこで、植物たちを救うためのあるプロジェクトを紹介させていただきたいと思います 00:01:29.000 --> 00:01:31.000 植物たちを救う方法は 00:01:31.000 --> 00:01:33.000 種を保存しておくことです 00:01:33.000 --> 00:01:37.000 なぜかというと、種は、その様々な美点の中でも 00:01:37.000 --> 00:01:39.000 植物の未来だからです 00:01:39.000 --> 00:01:42.000 将来の世代のためのすべての遺伝子情報は 00:01:42.000 --> 00:01:44.000 種の中にあります 00:01:44.000 --> 00:01:46.000 さてここにある建物ですが 00:01:46.000 --> 00:01:49.000 大したビルには見えませんね 00:01:49.000 --> 00:01:51.000 しかし、地下にはたくさんの階があります 00:01:51.000 --> 00:01:53.000 ここは世界最大のシード・バンクなのです 00:01:53.000 --> 00:01:56.000 シード・バンクはイギリス南部だけではなく 00:01:56.000 --> 00:01:59.000 世界中に分布しています。またそのことは後で触れます 00:01:59.000 --> 00:02:01.000 この建物は核攻撃にも耐える構造になっています 00:02:01.000 --> 00:02:04.000 願わくはそのようなことにならなければいいのですが NOTE Paragraph 00:02:04.000 --> 00:02:06.000 だから、シード・バンクを設立しようとすれば 00:02:06.000 --> 00:02:08.000 そこに何を保存するかを決めなければなりません 00:02:08.000 --> 00:02:10.000 そこで私たちは、何よりもまず保存したいものが 00:02:10.000 --> 00:02:13.000 最も危機に瀕している種であると決定しました 00:02:13.000 --> 00:02:15.000 それらは乾燥地域の種です 00:02:15.000 --> 00:02:18.000 そこでまず最初に私たちは 00:02:18.000 --> 00:02:20.000 50カ国と契約を結びました 00:02:20.000 --> 00:02:23.000 それはその50カ国の国家元首や 00:02:23.000 --> 00:02:25.000 事務方と契約締結のための 00:02:25.000 --> 00:02:27.000 交渉をすることを意味します 00:02:27.000 --> 00:02:29.000 世界中の、これらのオレンジ色になっている国々に 00:02:29.000 --> 00:02:32.000 私たちは120の協力機関を持っています 00:02:32.000 --> 00:02:34.000 世界中から人々が研究のために研究所にやってきます 00:02:34.000 --> 00:02:36.000 そして彼らは自国に戻り、正確にいかにして 00:02:36.000 --> 00:02:39.000 これらの種を採集するかを計画するのです 00:02:39.000 --> 00:02:41.000 彼らは、これらの植物が生息すると言われる地域に 00:02:41.000 --> 00:02:44.000 タグを付ける人々を何千人も持っています 00:02:44.000 --> 00:02:46.000 彼らはそれらの植物を探します。そして開花しているものを見つけ、 00:02:46.000 --> 00:02:50.000 種をつけたときにそこに戻り 00:02:50.000 --> 00:02:53.000 種を採集します 全世界でです NOTE Paragraph 00:02:53.000 --> 00:02:57.000 これらの種――そのある部分はとても非技術的なものです 00:02:57.000 --> 00:03:00.000 それらをみんなスコップで袋に詰め込み乾燥させるのです 00:03:00.000 --> 00:03:03.000 ラベリングもします。あるところでは 00:03:03.000 --> 00:03:06.000 ハイテクを用い、あるところではローテクを用います 00:03:06.000 --> 00:03:08.000 主要なことは、それらの種を、 00:03:08.000 --> 00:03:11.000 低温で、とても慎重に乾燥させなければならないということです 00:03:11.000 --> 00:03:13.000 それからそれらを、極めて低湿度の中で 00:03:13.000 --> 00:03:15.000 摂氏マイナス20度―― 00:03:15.000 --> 00:03:17.000 華氏で言えばマイナス4度だと思います――で 00:03:17.000 --> 00:03:21.000 貯蔵しなければなりません 00:03:21.000 --> 00:03:24.000 そうすればこれらの種は、 00:03:24.000 --> 00:03:27.000 我々の考えではその多くは数千年後に 00:03:27.000 --> 00:03:29.000 数百年後なら間違いなく 00:03:29.000 --> 00:03:32.000 発芽することが可能になるのです。 NOTE Paragraph 00:03:32.000 --> 00:03:35.000 それらの種がまだ生育可能かどうか不明な場合それらを貯蔵することはよくありません 00:03:35.000 --> 00:03:38.000 そこで私たちは10年ごとに 00:03:38.000 --> 00:03:41.000 持っているすべての種のサンプルで発芽テストを行います 00:03:41.000 --> 00:03:43.000 ネットワークなので、 00:03:43.000 --> 00:03:46.000 世界中の人々が同じことをしています。 00:03:46.000 --> 00:03:49.000 それで私たちは発芽プロトコルを発展させることができるのです 00:03:49.000 --> 00:03:52.000 それは、私たちが、これらの種を発芽させるための、 00:03:52.000 --> 00:03:54.000 暑さと寒さとそのサイクルの正確なコンビネーションを 00:03:54.000 --> 00:03:57.000 知っているということを意味します 00:03:57.000 --> 00:03:59.000 それはとても有用な情報なのです 00:03:59.000 --> 00:04:01.000 我々はこれらを生育させ 00:04:01.000 --> 00:04:05.000 これらの種の出身地の人々に伝えます 00:04:05.000 --> 00:04:07.000 いいですか 00:04:07.000 --> 00:04:09.000 実際私たちはこれらの種を後で得るためにのみ貯蔵しているわけではありません 00:04:09.000 --> 00:04:11.000 これらの栽培の困難な植物をどのように発芽させるか 00:04:11.000 --> 00:04:13.000 についての情報をみなさんに提供できますと。 00:04:13.000 --> 00:04:15.000 そしてそういうことはすでに起こりつつあることです NOTE Paragraph 00:04:15.000 --> 00:04:17.000 それで私たちはどこまで到達したのでしょうか 00:04:17.000 --> 00:04:20.000 私は今日私たちの30億番目の種が 00:04:20.000 --> 00:04:23.000 今貯蔵されることを発表できることを 00:04:23.000 --> 00:04:25.000 うれしく思っています 00:04:25.000 --> 00:04:28.000 この惑星の全植物の10%に当たる24,000種が 00:04:28.000 --> 00:04:31.000 安全な状態になっています 00:04:31.000 --> 00:04:34.000 資金が得られれば、来年までに30,000種 00:04:34.000 --> 00:04:38.000 2020年までに世界の全植物の25%を貯蔵します 00:04:38.000 --> 00:04:40.000 これらは、皆さんがノルウエーのスヴァルバドに貯蔵されているのを 00:04:40.000 --> 00:04:43.000 ご覧になったかもしれないような穀物植物だけではありません 00:04:43.000 --> 00:04:45.000 あそこではすばらしい仕事がされています 00:04:45.000 --> 00:04:48.000 こちらの方は少なくとも100倍のサイズのコレクションです 00:04:48.000 --> 00:04:51.000 私たちは世界中に送られている何千という 00:04:51.000 --> 00:04:53.000 コレクションを持っています 00:04:53.000 --> 00:04:56.000 旱魃に強い森林植物の種はパキスタンとエジプトに送られます 00:04:56.000 --> 00:05:00.000 光合成能力の高い植物は 00:05:00.000 --> 00:05:03.000 ここアメリカ合衆国に来ます 00:05:03.000 --> 00:05:06.000 塩分に強い牧草種はオーストラリアに送られます 00:05:06.000 --> 00:05:08.000 このリストはずっと続きます NOTE Paragraph 00:05:08.000 --> 00:05:10.000 これらの種は状態回復のために用いられます 00:05:10.000 --> 00:05:13.000 だからここアメリカ合衆国のトールグラス・プレーリー国立自然保護区 00:05:13.000 --> 00:05:16.000 あるいはいくつかの国の地雷埋設地のような既にダメージを受けている生息地においては 00:05:16.000 --> 00:05:18.000 これらの種、このコレクションのおかげで 00:05:18.000 --> 00:05:22.000 状態回復が 00:05:22.000 --> 00:05:24.000 既に起きています 00:05:24.000 --> 00:05:26.000 スクリーンの左下にあるようないくつかの植物は 00:05:26.000 --> 00:05:28.000 最後の残されたものと 00:05:28.000 --> 00:05:31.000 なってしまっています 00:05:31.000 --> 00:05:35.000 この男性が種をトラックに積んでいるものはもう木が 00:05:35.000 --> 00:05:37.000 最後の30本しか残っていません 00:05:37.000 --> 00:05:39.000 たんぱく質のためにも薬品のためにも 00:05:39.000 --> 00:05:42.000 信じられないぐらい有用な植物です NOTE Paragraph 00:05:42.000 --> 00:05:46.000 私たちは中国やアメリカ合衆国 00:05:46.000 --> 00:05:49.000 その他たくさんの国で研修を行っています 00:05:49.000 --> 00:05:51.000 そのコストはどれぐらいかというと 00:05:51.000 --> 00:05:55.000 1種類あたり2,800ドルが平均です 00:05:55.000 --> 00:05:57.000 私はその価値を考えると安いものだと思います 00:05:57.000 --> 00:05:59.000 それにその科学的データも合わせて得ることが 00:05:59.000 --> 00:06:01.000 できるのです 00:06:01.000 --> 00:06:04.000 将来の研究は 00:06:04.000 --> 00:06:06.000 「10年ごとに植えることなしに、種の生存能力のための遺伝子的・分子的マーカーを 00:06:06.000 --> 00:06:08.000 どのようにすれば 00:06:08.000 --> 00:06:10.000 発見できるか」です 00:06:10.000 --> 00:06:12.000 そして私たちはもうほとんどゴールに近づいています 00:06:12.000 --> 00:06:14.000 ご清聴ありがとうございました 00:06:14.000 --> 00:06:17.000 (拍手)