0:00:06.954,0:00:09.124 好きなカードを一枚引いて下さい 0:00:09.124,0:00:12.014 残りも全部引いてみて下さい 0:00:12.014,0:00:15.848 この52枚組みのトランプというものは[br]何世紀にもわたり使われてきました 0:00:15.848,0:00:18.098 毎日 何千ものトランプが 0:00:18.098,0:00:21.134 世界中のカジノでシャッフルされ 0:00:21.134,0:00:23.719 その度にカードの順番は入れ替わります 0:00:23.719,0:00:26.431 よくシャッフルされたトランプを引く度に 0:00:26.431,0:00:27.642 殆どのケースは 0:00:27.642,0:00:29.431 今までに存在したことのない 0:00:29.431,0:00:30.848 初めての配列のカードを 0:00:30.848,0:00:33.729 手にしているのです 0:00:33.729,0:00:35.764 これはどういうことでしょうか? 0:00:35.764,0:00:37.900 答えは52枚のカード もしくは 0:00:37.900,0:00:42.348 他のものでもいいですが[br]何種類の配列が可能かを考える事です 0:00:42.348,0:00:45.620 52はさして大きな数とは[br]思えないかもしれませんが 0:00:45.620,0:00:48.035 まずはもっと小さな数から[br]始めてみましょう 0:00:48.035,0:00:49.932 例えば 4人が番号のついた 0:00:49.932,0:00:52.348 4つの椅子に座ろうとすると 0:00:52.348,0:00:54.460 何通りの座り方が可能でしょうか? 0:00:54.460,0:00:56.598 まず初めは 4人のうち誰でも 0:00:56.598,0:00:57.920 最初の椅子に座れます 0:00:57.920,0:00:59.132 この椅子が埋まると 0:00:59.132,0:01:01.466 残りは3人になります 0:01:01.466,0:01:03.262 2番目の人が着席すると 0:01:03.262,0:01:05.218 3番目の椅子に対して 0:01:05.218,0:01:06.680 2人が残ります 0:01:06.680,0:01:08.680 3人目が座ると 最後に残った1人は 0:01:08.680,0:01:10.431 4つ目の椅子に 0:01:10.431,0:01:12.347 座るしかありません 0:01:12.347,0:01:15.098 何通りのアレンジが可能なのか[br]つまり順列を 0:01:15.098,0:01:16.814 ひとつひとつ書き出していくと 0:01:16.814,0:01:18.818 4人が4つの椅子に座るには 0:01:18.818,0:01:22.180 24通りの座り方があることになります 0:01:22.180,0:01:23.991 しかしもっと大きな数の場合は 0:01:23.991,0:01:25.532 この方法は時間がかかります 0:01:25.532,0:01:27.848 もっと早い方法は無いのでしょうか 0:01:27.848,0:01:29.286 最初からやり直してみましょう 0:01:29.286,0:01:31.370 1つ目の椅子には 0:01:31.370,0:01:32.682 4通りの選択肢があります 0:01:32.682,0:01:35.999 すると2番目の椅子には[br]3通りの選択肢があるわけです 0:01:35.999,0:01:37.461 そして3番目の椅子には 0:01:37.461,0:01:39.847 2通りの選択肢があります 0:01:39.847,0:01:43.181 最後の選択肢をひとつずつ数えるのではなく 0:01:43.181,0:01:46.262 各椅子に座れる選択肢の数を[br]掛け算してみましょう 0:01:46.262,0:01:49.096 4x3x2x1 0:01:49.096,0:01:51.848 同じく24になります 0:01:51.848,0:01:53.681 興味深いパターンが表れました 0:01:53.681,0:01:56.729 まず配列するものの数を数えます 0:01:56.729,0:01:58.098 この場合4つになりますね 0:01:58.098,0:02:00.847 そして1ずつ小さい整数を 0:02:00.847,0:02:02.902 1になるまで掛けていきます 0:02:02.902,0:02:04.514 驚くべき発見ですね 0:02:04.514,0:02:06.449 それゆえ数学者は 0:02:06.449,0:02:08.574 階乗として知られるこの計算を 0:02:08.574,0:02:10.345 表す記号として 0:02:10.345,0:02:12.038 感嘆符(!)を選びました 0:02:12.038,0:02:15.514 原則として正の整数の階乗は 0:02:15.514,0:02:17.416 同じ整数と1までの全ての整数の 0:02:17.416,0:02:18.876 同じ整数と1までの全ての整数の 0:02:18.876,0:02:21.836 積として計算されます 0:02:21.836,0:02:23.263 このシンプルな例だと 0:02:23.263,0:02:24.596 4人の人たちが 0:02:24.596,0:02:26.181 椅子に座っていく事を 0:02:26.181,0:02:28.052 4の階乗で表せるので 0:02:28.052,0:02:29.975 24になります 0:02:29.975,0:02:31.808 さて トランプに戻りましょう 0:02:31.808,0:02:33.598 4人が着席する際には 0:02:33.598,0:02:35.431 4の階乗を計算したので 0:02:35.431,0:02:37.598 52枚のカードを配置するには 0:02:37.598,0:02:40.014 52の階乗を計算すればよいのです 0:02:40.014,0:02:43.066 幸い計算機を使えば 0:02:43.066,0:02:45.014 自分で計算をせずに済みます 0:02:45.014,0:02:46.431 その結果から 0:02:46.431,0:02:47.931 可能な配列の数は 0:02:47.931,0:02:52.368 8.07 x 10^67で 0:02:52.368,0:02:55.788 8の後に0が67個並びます 0:02:55.788,0:02:57.458 どれぐらい大きな数なのでしょうか? 0:02:57.458,0:02:59.708 仮に52枚のカードの順列を 0:02:59.708,0:03:01.752 毎秒書き出していくのを 0:03:01.752,0:03:04.378 ビッグバンが起きたとされる 0:03:04.378,0:03:06.344 138億年前に開始したとすると 0:03:06.344,0:03:09.094 未だに終わることはなく 0:03:09.094,0:03:11.676 これからとてつもなく[br]長い時間がかかります 0:03:11.676,0:03:13.426 実はカードの順列は 0:03:13.426,0:03:16.345 地球上にある原子の数より多いとされます 0:03:16.345,0:03:18.593 地球上にある原子の数より多いとされます 0:03:18.593,0:03:20.759 今度 カードをシャッフルする時には 0:03:20.759,0:03:22.093 今までに存在せず 0:03:22.093,0:03:23.174 これからも存在しないであろう 0:03:23.174,0:03:25.235 何かを手にしているのだと 0:03:25.235,0:03:27.344 思い起こしてみて下さい