WEBVTT 00:00:09.594 --> 00:00:11.123 エンパシーとは何なのでしょう? 00:00:11.123 --> 00:00:14.748 シンパシーとはなぜ大幅に異なるのでしょう? 00:00:14.748 --> 00:00:17.303 エンパシーは繋がりを強めます。 00:00:17.303 --> 00:00:20.264 シンパシーは断絶を生み出します。 00:00:20.264 --> 00:00:22.146 エンパシーは大変興味深いものです。 00:00:22.146 --> 00:00:25.030 テリーザ・ワイズマンという看護学の学者は、 00:00:25.030 --> 00:00:28.980 エンパシーが関与してくる多種多様な職種を研究し、 00:00:28.990 --> 00:00:31.745 エンパシーを4つの資質に分類しました。 00:00:31.745 --> 00:00:33.064 視野の転換 - 00:00:33.086 --> 00:00:35.271 他者の視点に立つことのできる能力、 00:00:35.291 --> 00:00:38.411 ないしは他者のものの見方がその本人にとっては真実であるということを認識する力。 00:00:38.411 --> 00:00:39.764 評価の回避 - 00:00:39.764 --> 00:00:41.177 これは簡単なことではありません。 00:00:41.187 --> 00:00:44.166 我々の大半は他人に評価を下すことを嬉々として行いますからね。 00:00:44.307 --> 00:00:45.960 他者の中に存在する感情を認知すること、 00:00:45.960 --> 00:00:47.714 そしてその感情を伝達できること。 00:00:47.972 --> 00:00:51.832 つまりエンパシーとは、人と「共に」感じることなのです。 00:00:51.832 --> 00:00:56.264 そして私としては、このような隔離された場所としてエンパシーをイメージしています。 00:00:56.264 --> 00:01:01.260 誰かが深い穴の中に落ち込んでいて、底の方から叫んでいます。 00:01:01.260 --> 00:01:03.888 「この中に嵌り込んじゃった、暗いよ、飲み込まれそうだよ」ってね。 00:01:03.888 --> 00:01:06.279 そこで私たちは穴を覗き込み、 00:01:06.279 --> 00:01:08.398 「おーい!」って呼びかけ、降りて行きます。 00:01:08.398 --> 00:01:10.333 「僕はここに落ち込んでしまうのがどんな気持ちか知ってるよ。… 00:01:10.333 --> 00:01:12.129 君は一人じゃないよ」って。 00:01:12.129 --> 00:01:13.810 シンパシーはというと、 00:01:13.810 --> 00:01:15.913 「あらら!」 00:01:15.913 --> 00:01:18.108 「そりゃマズイねぇ」 00:01:18.108 --> 00:01:21.075 「うーんと…いや」 00:01:21.121 --> 00:01:23.900 「サンドイッチでも食べる?」 00:01:24.270 --> 00:01:26.937 エンパシーは意識的にする選択です。しかも自分を傷つけてしまうかもしれない選択です。 00:01:26.937 --> 00:01:29.341 なぜなら誰かと繋がろうとするならば、 00:01:29.351 --> 00:01:34.341 その感情と関連づけられた自分自身の内側にあるものと繋がらないといけないからです。 00:01:34.341 --> 00:01:40.935 殆どの場合、エンパシーな反応は「それでもさ…」なんてセリフで始まることはまずありません。 00:01:41.265 --> 00:01:42.420 そうなんです、 00:01:42.420 --> 00:01:45.372 私たちはこれをしょっちゅうしてしまいます。ご存知ですか? 00:01:45.462 --> 00:01:48.904 誰かが自分に物凄く辛い出来事を話してくれたとします。 00:01:48.904 --> 00:01:50.926 すると私たちはその話を「銀色に縁取り」しようとしてしまうのです。 00:01:50.926 --> 00:01:54.189 この言い回しは本来は動詞じゃないのでしょうけど、動詞的に使わせてください。 00:01:54.219 --> 00:01:56.251 私たちって、話に銀の縁取りをしたがるんです。 00:01:56.251 --> 00:01:58.431 例えばですね、「流産してしまったの」 00:01:59.229 --> 00:02:01.028 「だとしても、妊娠は可能な身体だって判明したじゃないか」 00:02:01.028 --> 00:02:02.597 「結婚生活が破綻しかけているんじゃないかと思うの」 00:02:03.115 --> 00:02:06.264 「だとしても、結婚自体はできたじゃないか」 00:02:09.113 --> 00:02:11.021 「ジョンが退学させられるの」 00:02:11.021 --> 00:02:13.304 「だとしても、サラちゃんの方は優秀な生徒じゃないか」 00:02:13.304 --> 00:02:16.212 大変辛い話に直面したとき、 00:02:16.222 --> 00:02:18.551 私たちが時として犯してしまうこととは、 00:02:18.551 --> 00:02:22.371 物事を好意的に作り替えようとすることです。 00:02:22.371 --> 00:02:25.811 もし私があなたに非常に辛い話をするとしたら、私がかけて欲しい言葉は 00:02:26.026 --> 00:02:26.936 「そうか…」 00:02:27.243 --> 00:02:30.300 「なんて言ってあげたらいいのかすら分からないよ。でも話してくれてありがとう」 00:02:31.331 --> 00:02:32.658 なぜなら実のところ、 00:02:32.658 --> 00:02:36.070 積極的な対応が状況を好転させることは稀だからです。 00:02:36.070 --> 00:02:40.242 状況を好転させられるのは、「繋がること」によってなのです。 00:02:45.297 --> 00:02:46.988 字幕:シャンティ・フーラ翻訳チーム