WEBVTT 00:00:07.618 --> 00:00:09.747 もし誰かがあなたを「かす」と呼んだなら 00:00:09.747 --> 00:00:11.451 あなたは多分憤慨するでしょう 00:00:11.451 --> 00:00:12.868 しかし 科学的には 00:00:12.868 --> 00:00:14.451 それらは案外遠くない存在です 00:00:14.451 --> 00:00:15.503 あなたは今まで 00:00:15.503 --> 00:00:17.367 食べ物がどこから来たか 考えたことがありますか? 00:00:17.367 --> 00:00:18.721 植物や動物やきのこに 00:00:18.721 --> 00:00:20.404 由来していると言うかもしれませんが 00:00:20.404 --> 00:00:21.960 おそらくあなたは 00:00:21.960 --> 00:00:23.720 その植物 動物 きのこを養う 00:00:23.720 --> 00:00:26.867 腐った有機物や排泄物については 考えたくないでしょう 00:00:26.867 --> 00:00:29.352 でも実際に あなたの体の大部分は 00:00:29.352 --> 00:00:31.935 池の浮きかすのようなものから 00:00:31.935 --> 00:00:34.772 たった2~3段階のところにいます 00:00:34.772 --> 00:00:36.564 生態系の全ての動物 00:00:36.564 --> 00:00:38.109 さんご礁の生き物たちから 00:00:38.109 --> 00:00:39.485 湖の魚 00:00:39.485 --> 00:00:40.821 サバンナのライオンに至るまで 00:00:40.821 --> 00:00:42.362 直接的であれ 間接的であれ 00:00:42.362 --> 00:00:44.325 死んだ物から栄養を得ています 00:00:44.325 --> 00:00:46.826 我々の体の有機物の多くは 00:00:46.826 --> 00:00:48.617 十分にさかのぼっていけば 00:00:48.617 --> 00:00:50.413 光合成を通じて 00:00:50.413 --> 00:00:52.249 二酸化炭素と水からできています 00:00:52.249 --> 00:00:54.070 植物は日光のエネルギーを使い 00:00:54.070 --> 00:00:57.178 周囲の二酸化炭素と水を 00:00:57.178 --> 00:00:59.587 グルコースと酸素に変えています 00:00:59.587 --> 00:01:01.283 そのグルコースは その後 00:01:01.283 --> 00:01:02.701 葉や茎 根や果実などを形作る 00:01:02.701 --> 00:01:06.845 より複雑な有機分子に変換されます 00:01:06.845 --> 00:01:08.764 有機分子に蓄えられたエネルギーは 00:01:08.764 --> 00:01:11.557 我々が良く知る食物連鎖を支えます 00:01:11.557 --> 00:01:13.950 おそらく あなたはこのようなイラストを 00:01:13.950 --> 00:01:15.537 見たことがあると思います 00:01:15.537 --> 00:01:16.981 これらは緑の食物連鎖で 00:01:16.981 --> 00:01:19.241 生きた植物が基礎になっています 00:01:19.241 --> 00:01:22.034 しかし実際の地球の生態系では 00:01:22.034 --> 00:01:23.989 植物のうち たった10%程度しか 00:01:23.989 --> 00:01:26.002 生きているうちに食べられません 00:01:26.002 --> 00:01:27.701 それでは残りの90%は? 00:01:27.701 --> 00:01:29.159 それでは 秋の日の地面を 00:01:29.159 --> 00:01:30.326 見てみましょう 00:01:30.326 --> 00:01:32.079 生きた植物は死んだ部分 - 00:01:32.079 --> 00:01:33.748 落ち葉や折れた枝 00:01:33.748 --> 00:01:35.501 そして地下の根でさえも落としています 00:01:35.501 --> 00:01:36.919 多くの植物は幸運にも 00:01:36.919 --> 00:01:38.617 食べられることなく一生を終えます 00:01:38.617 --> 00:01:41.254 その結果 残骸が残されます 00:01:41.254 --> 00:01:44.540 食べられず 消化されず 死んだ植物の全ての組織 00:01:44.540 --> 00:01:47.200 地球上の植物の90%は どうなるのでしょうか? 00:01:47.200 --> 00:01:48.846 それらは退廃物となり 00:01:48.846 --> 00:01:51.700 茶色の食物連鎖と呼ばれるものの 出発点になります 00:01:51.700 --> 00:01:54.034 このような様子をしています 00:01:54.034 --> 00:01:55.475 植物に起こる事は 00:01:55.475 --> 00:01:58.064 食物連鎖の上位の生物にも起こります 00:01:58.064 --> 00:01:59.398 一部は生きたまま食べられますが 00:01:59.398 --> 00:02:00.818 大部分は死んで腐った場合のみ 00:02:00.818 --> 00:02:02.609 食べられることになります 00:02:02.609 --> 00:02:04.142 この食物連鎖の全体で 00:02:04.142 --> 00:02:06.031 生物は死んで 体が腐る前にも 00:02:06.031 --> 00:02:07.655 不要な有機物を体から落としたり 00:02:07.655 --> 00:02:10.699 消化後の残り物を排出します 00:02:10.699 --> 00:02:13.246 このような死は恐ろしく思えますよね? 00:02:13.246 --> 00:02:14.581 でもそんなことはありません 00:02:14.581 --> 00:02:16.584 全ての退廃物は 00:02:16.584 --> 00:02:18.533 最終的には微生物や腐食動物に消費されます 00:02:18.533 --> 00:02:21.169 そのため 現実には 00:02:21.169 --> 00:02:23.452 我々を含む多くの他の生物を助ける 00:02:23.452 --> 00:02:25.368 茶色の食物連鎖の基礎を形作るのです 00:02:25.368 --> 00:02:26.701 科学者たちは 00:02:26.701 --> 00:02:27.469 この退廃物が 00:02:27.469 --> 00:02:29.712 想像以上に巨大なエネルギー源であり 00:02:29.712 --> 00:02:31.885 自然の生態系の大半を 支えていることを学んでいます 00:02:31.885 --> 00:02:34.182 しかし1つの生態系内における 相互関係は 00:02:34.182 --> 00:02:36.476 これよりもっと複雑です 00:02:36.476 --> 00:02:38.118 食物連鎖が実際に表現するところは 00:02:38.118 --> 00:02:40.651 エネルギーの単一の流れです 00:02:40.651 --> 00:02:42.694 そしてどの生態系の中でも 00:02:42.694 --> 00:02:43.859 これらの多くの流れが 00:02:43.859 --> 00:02:44.987 お互いに連携しており 00:02:44.987 --> 00:02:46.363 相互関係の豊かなネットワーク 00:02:46.363 --> 00:02:48.739 もしくは 食物網の形成は 死骸が 00:02:48.739 --> 00:02:52.243 ネットワークの各段階を サポートすることによってなされています 00:02:52.243 --> 00:02:53.538 その結果生じる食物網は 00:02:53.538 --> 00:02:54.617 密接につながっているので 00:02:54.617 --> 00:02:55.829 ほとんど全ての種が 00:02:55.829 --> 00:02:58.032 退廃物から2段階以内に位置づけられます 00:02:58.032 --> 00:03:00.002 たとえ人間であってもです 00:03:00.002 --> 00:03:01.616 あなたは腐ったものや 00:03:01.616 --> 00:03:03.783 フンや池のかすを 直接は食べないでしょうが 00:03:03.783 --> 00:03:06.091 あなたが食べる物はそうしているはずです 00:03:06.091 --> 00:03:07.841 我々の食べる多くの動物― 00:03:07.841 --> 00:03:09.927 例えば 豚や家禽 きのこや甲殻類 00:03:09.927 --> 00:03:11.851 なまずや底魚は 00:03:11.851 --> 00:03:15.475 退廃物を直接食べたり そこから作られたものを 00:03:15.475 --> 00:03:16.891 食べたりしています 00:03:16.891 --> 00:03:19.686 もしあなたが自然界は 排泄物だらけだと思うのだとしたら 00:03:19.686 --> 00:03:20.945 それは正しいです 00:03:20.945 --> 00:03:23.566 ある生物にとってのごみは 他の生物にとっては金なので 00:03:23.566 --> 00:03:25.025 死んで腐ったものは全て 00:03:25.025 --> 00:03:27.152 食物網を通じて 我々や 00:03:27.152 --> 00:03:29.070 地球上の多くの生物を養うエネルギーを 00:03:29.070 --> 00:03:30.992 究極的に供給するのです 00:03:30.992 --> 00:03:35.175 “Food for thought (考えるヒント)” が ここにあります