1 00:00:00,000 --> 00:00:04,000 “すべてのものに繋がりがある” 2 00:00:04,000 --> 00:00:07,000 シネコック族インディアンである私は そう教えられて育ちました 3 00:00:07,000 --> 00:00:09,000 漁業を営む 小さな部族で 4 00:00:09,000 --> 00:00:12,000 集落がロングアイランドの 南東端にあります 5 00:00:12,000 --> 00:00:15,000 ニューヨーク州 サウサンプトンの近くです 6 00:00:15,000 --> 00:00:18,000 私がまだ 小さな女の子だった頃 7 00:00:18,000 --> 00:00:23,000 ある夏の暑い日に 祖父に連れられ 日なたに座っていました 8 00:00:23,000 --> 00:00:27,000 空には雲ひとつ ありません 9 00:00:27,000 --> 00:00:30,000 そのうち汗が 出てきました 10 00:00:30,000 --> 00:00:33,000 すると祖父が空を指さして 言ったんです 11 00:00:33,000 --> 00:00:36,000 “ほら 見えるかい” 12 00:00:36,000 --> 00:00:38,000 “あれはお前の一部 なんだよ” 13 00:00:38,000 --> 00:00:41,000 “お前の汗は やがて雲になり” 14 00:00:41,000 --> 00:00:46,000 “雲は雨になって 植物を育み” 15 00:00:46,000 --> 00:00:49,000 “その植物を食べて 動物は生きているんだ” 16 00:00:49,000 --> 00:00:52,000 私はずっと自然を 追い続けてきました 17 00:00:52,000 --> 00:00:57,000 このすべての命の繋がりを 描き出せるからです 18 00:00:57,000 --> 00:01:00,000 2008年から嵐を 追うようになりました 19 00:01:00,000 --> 00:01:03,000 娘に言われたからです “ママ あれ撮らなきゃ” 20 00:01:03,000 --> 00:01:10,000 3日後 私は車を飛ばして 21 00:01:10,000 --> 00:01:17,000 ある巨大な雲を追いかけていました “スーパーセル” です 22 00:01:17,000 --> 00:01:21,000 グレープフルーツ大の ひょうを降らせたり 23 00:01:21,000 --> 00:01:23,000 凄まじい竜巻を 起こすこともありますが 24 00:01:23,000 --> 00:01:30,000 そういうケースは 実は2%だけです 25 00:01:30,000 --> 00:01:35,000 この雲が成長すると 幅80キロメートルにも広がって 26 00:01:35,000 --> 00:01:39,000 厚みも20キロメートルに 達します 27 00:01:39,000 --> 00:01:41,000 その大きさゆえ この雲の下では日が遮られ 28 00:01:41,000 --> 00:01:46,000 とても暗く不気味な 感じがします 29 00:01:46,000 --> 00:01:49,000 嵐を追っていると その存在が 体全体で感じられます 30 00:01:49,000 --> 00:01:53,000 背中にあたたかく湿った 空気が吹き付け 31 00:01:53,000 --> 00:02:00,000 土や小麦や草や荷電粒子の 匂いを感じます 32 00:02:00,000 --> 00:02:04,000 そして雲の色も特別で 33 00:02:04,000 --> 00:02:09,000 ひょうが降る時は 緑色や青緑色に見えます 34 00:02:09,000 --> 00:02:12,000 私は雷にも敬意を 抱くようになりました 35 00:02:12,000 --> 00:02:14,000 私の髪は元々 ストレートだったんです 36 00:02:14,000 --> 00:02:16,000 (笑) 37 00:02:16,000 --> 00:02:17,000 ウソですよ 38 00:02:17,000 --> 00:02:19,000 (笑) 39 00:02:19,000 --> 00:02:23,000 嵐の雲が動いているのを見ると ワクワクします 40 00:02:23,000 --> 00:02:27,000 渦を巻いたり 回ったり 波打ったり 41 00:02:27,000 --> 00:02:31,000 “乳房雲”は まるでラバランプのよう 42 00:02:31,000 --> 00:02:34,000 かわいい怪物へと育ちます 43 00:02:34,000 --> 00:02:36,000 そういう雲の写真を 撮っていると 44 00:02:36,000 --> 00:02:40,000 祖父の言葉が 心によみがえります 45 00:02:40,000 --> 00:02:42,000 雲を見上げる時 私はただ— 46 00:02:42,000 --> 00:02:44,000 雲を見ているわけ ではありません 47 00:02:44,000 --> 00:02:47,000 宇宙を形作るのと 同じプロセスを 48 00:02:47,000 --> 00:02:51,000 目撃しているという誇らしい思いに 満たされています 49 00:02:51,000 --> 00:02:58,000 銀河も 太陽系も 太陽も そしてこの地球も 50 00:02:58,000 --> 00:03:02,000 このように生まれてきたんです 51 00:03:02,000 --> 00:03:05,000 私に繋がるすべてのものに— ありがとう 52 00:03:05,000 --> 00:03:07,000 (拍手)