WEBVTT 00:00:07.150 --> 00:00:08.200 こんにちは 00:00:09.102 --> 00:00:12.432 北海道 小樽でガラスを作っています 00:00:12.992 --> 00:00:14.592 木村幸愛(ゆきえ)と申します 00:00:14.934 --> 00:00:18.934 今日は制作の格好で 吹き竿も持ってきました 00:00:20.029 --> 00:00:24.159 こんなとこで喋ることなんて もちろんありませんので 00:00:24.166 --> 00:00:27.836 これ持ってたら なんとか正気を保てるかなと 思って持ってきたんですけど 00:00:27.856 --> 00:00:28.866 (笑) 00:00:30.075 --> 00:00:32.855 今日は どうなるかわかりませんが 宜しくお願いします 00:00:32.944 --> 00:00:35.944 (拍手) 00:00:37.192 --> 00:00:40.712 私がやっているのは宙吹きガラスと申します 00:00:42.601 --> 00:00:46.391 およそ1,200度でガラスを溶かしていて 00:00:46.415 --> 00:00:50.135 そして 24時間そのガラスを 溶かし続けています 00:00:50.518 --> 00:00:53.488 この竿の先に そのガラスを巻いてきて 00:00:53.505 --> 00:00:56.405 紙リンと呼ばれる 新聞紙を畳んで ― 00:00:56.857 --> 00:00:59.437 水で濡らしたものを掌の上に乗せて 00:00:59.461 --> 00:01:01.981 それで形を成形していきます 00:01:02.270 --> 00:01:05.290 よく「熱くないですか?」と聞かれるんですが 00:01:05.312 --> 00:01:06.962 掌は熱くないです 00:01:06.983 --> 00:01:10.263 ただ 1,200度のガラスなんで 00:01:10.280 --> 00:01:12.810 紙リンの水分が一気に沸騰して 00:01:12.827 --> 00:01:15.477 手に垂れてきた時は 紙リンを投げ出してしまうぐらい 00:01:15.504 --> 00:01:17.064 めちゃくちゃ熱いです 00:01:17.173 --> 00:01:22.253 それ以外は 手で触れないので 金属のジャックと呼ばれる道具や 00:01:22.267 --> 00:01:25.427 ピンセットの大っきな ピンサーと呼ばれる道具で 00:01:25.454 --> 00:01:29.814 指先の代わりに摘まんだり 引っ張ったり 00:01:29.834 --> 00:01:30.834 ねじったり 00:01:30.834 --> 00:01:32.484 そんな感じで作っています 00:01:32.757 --> 00:01:35.897 制作の時は ディスコミュージックなんかを掛けて 00:01:35.902 --> 00:01:37.562 ノリノリで作ってます 00:01:38.008 --> 00:01:40.428 服装も大体こんな感じで 00:01:40.818 --> 00:01:43.378 ちょっと今日は ええ方のやつ 着て来ましたけど 00:01:43.476 --> 00:01:44.796 (笑) 00:01:44.965 --> 00:01:46.585 楽しく作っています 00:01:46.810 --> 00:01:50.130 そしてどんなものを作っているかと言いますと 00:01:50.152 --> 00:01:53.322 例えば 小樽の海をイメージしたペンダントとか 00:01:54.269 --> 00:01:56.409 ハートを閉じ込めたペンダントとか 00:01:56.980 --> 00:02:00.980 あとは ハートをモチーフにした飾り瓶とか 00:02:02.999 --> 00:02:06.169 カラフルな透明色をたくさん使ったお皿とか 00:02:06.716 --> 00:02:08.576 グラスとか 00:02:09.514 --> 00:02:11.214 花器とか 00:02:11.703 --> 00:02:13.443 アロマポットとか 00:02:13.663 --> 00:02:16.263 あとはオブジェなんかも作ったりとか 00:02:17.128 --> 00:02:20.228 トロフィーなんかも 制作依頼を受けて作ったりしています 00:02:20.880 --> 00:02:25.750 ガラスは ただの何でもない塊だけでも すごく綺麗ですので 00:02:26.112 --> 00:02:28.952 いつもそれには負けたくないと思っています 00:02:29.108 --> 00:02:31.658 私が手を加えることによって 00:02:31.681 --> 00:02:35.681 もっと綺麗に もっと魅力的になれば ― そう思いながら作っています 00:02:37.301 --> 00:02:42.941 私は 大阪出身で 高校時代まで大阪で過ごしました 00:02:43.623 --> 00:02:46.263 ガラスを始めるようになったきっかけは 00:02:46.279 --> 00:02:50.919 高校時代の恩師が 吹きガラス工場に 連れて行ってくれたことでした 00:02:51.140 --> 00:02:54.030 そこには真ん中に大っきな釜があって 00:02:54.046 --> 00:02:58.046 ゴーゴーと火が燃えていて 00:02:58.582 --> 00:03:02.612 その真っ赤な火を前に 真剣に立ち向かう職人さんを見て 00:03:03.017 --> 00:03:06.329 率直に わあ凄い めっちゃ格好いい 00:03:06.329 --> 00:03:08.822 と思ったのが最初の印象でした 00:03:08.822 --> 00:03:12.282 そこで初めて溶けたガラスを 触らせてもらったんですけど 00:03:12.880 --> 00:03:16.880 トロトロで 熱すぎて 何も もちろんできませんでした 00:03:17.025 --> 00:03:20.305 でもその時に見た 溶けたガラスは 00:03:20.805 --> 00:03:23.555 オレンジ色に静かに発光していて 00:03:23.579 --> 00:03:25.439 それがものすごく綺麗で 00:03:25.753 --> 00:03:29.093 そんな魅力みたいなものが忘れられなくて 00:03:29.107 --> 00:03:32.487 一人で職人の世界に 飛び込んでみることにしました 00:03:33.425 --> 00:03:38.165 周りからは 「あんたそんな 続かへんから止めとき」 00:03:38.356 --> 00:03:42.473 「そんな寒いとこ行って あんた寒がりなのにどないすんの」 00:03:42.473 --> 00:03:48.153 と言われたんですけど 18歳の希望に燃えた私を誰も止められず 00:03:48.170 --> 00:03:50.330 一人で小樽にやって来ました 00:03:51.332 --> 00:03:53.022 ちょっと話は変わるんですけど 00:03:53.022 --> 00:03:55.615 小学校の時から空手を始めまして 00:03:55.615 --> 00:03:58.315 中学の時には全国で2位になりました 00:03:58.975 --> 00:04:01.975 (拍手) 00:04:03.115 --> 00:04:04.683 すごく負けず嫌いで 00:04:04.683 --> 00:04:06.723 1番になりたいと思ってたんです 00:04:07.803 --> 00:04:11.083 正直 ガラスを始める時も 00:04:11.483 --> 00:04:13.983 若かったですし 世間知らずでしたし 00:04:14.373 --> 00:04:16.999 「もしかしたら これやったら 1番なれるんちゃうやろか?」 00:04:16.999 --> 00:04:19.769 なんて思ってたんですけど 00:04:19.769 --> 00:04:22.984 そんな根拠のない自信みたいなものは 00:04:23.004 --> 00:04:26.044 その後 速攻でズタボロになりました 00:04:26.714 --> 00:04:30.444 職人の世界に 飛び込んだはいいんですけど 00:04:30.474 --> 00:04:34.984 その世界は 私が想像してたよりも 遥かに厳しい世界でした 00:04:36.114 --> 00:04:37.934 どんどん つらくなっていって 00:04:37.940 --> 00:04:39.240 頑張ってはいたんですけど 00:04:39.240 --> 00:04:40.990 毎日しんどくなって 00:04:41.550 --> 00:04:44.770 当時は携帯電話も持ってなかったですし 00:04:44.790 --> 00:04:48.440 雪の中 公衆電話から電話するんですけど 00:04:50.330 --> 00:04:53.680 テレホンカードの数字が みるみる減っていきますし 00:04:53.880 --> 00:04:57.380 近くに話ができる友達も居なかったですし 00:04:59.182 --> 00:05:02.792 家族には弱音は吐きたくなかったですし 00:05:03.392 --> 00:05:06.852 そんな感じで精神的にも けっこう追い詰められていって 00:05:08.082 --> 00:05:10.132 しんどくなっていったんですけど 00:05:10.151 --> 00:05:12.781 ふっと見える小樽の海の景色には 00:05:12.781 --> 00:05:15.662 何度か心を救われたのを覚えています 00:05:16.432 --> 00:05:18.762 ここまで近くに海とかは無かったので 00:05:19.531 --> 00:05:21.691 「あー 海ってええなぁ」と思いました 00:05:22.993 --> 00:05:25.873 そんなところで ギリギリで頑張ってはいたんですけど 00:05:25.873 --> 00:05:27.893 やっぱり挫折してしまいました 00:05:28.643 --> 00:05:32.693 職人の世界に飛び込んで 2年で辞めてしまいました 00:05:33.370 --> 00:05:34.710 でもその時 00:05:34.710 --> 00:05:38.210 ここは辞めても ガラスは絶対に止めないぞと 00:05:38.210 --> 00:05:40.450 それだけは心に誓っていました 00:05:40.851 --> 00:05:42.571 そして大阪に帰って 00:05:42.591 --> 00:05:46.741 また新たな場所で ガラスに携われることになったんです 00:05:46.941 --> 00:05:48.688 職人の世界は 00:05:48.688 --> 00:05:51.688 見て覚えろっていうものだったんですけど 00:05:51.688 --> 00:05:53.728 正直 見てはいたんですけど 00:05:53.738 --> 00:05:55.278 自分のことで精一杯で 00:05:55.558 --> 00:05:59.878 でも ガラスを 窯から巻いては持っていく — 00:05:59.878 --> 00:06:01.918 ガラスを巻いては持っていく というのを 00:06:01.918 --> 00:06:03.578 毎日繰り返していたので 00:06:03.578 --> 00:06:08.988 その部分だけは 次に働いた先の 大阪の先輩も認めてくれたんです 00:06:09.070 --> 00:06:13.600 先輩に「お前 ガラス巻いてくんのだけは 天下一品やな」と 00:06:14.060 --> 00:06:17.690 「こんなトロトロのガラス なかなか扱えれる奴はおれへんぞ」と 00:06:18.190 --> 00:06:21.620 「そやのに2年もやってて なんでコップの1個も作られへんねん」 00:06:21.650 --> 00:06:23.060 と言われました 00:06:23.700 --> 00:06:27.320 そうか 私はコップの1個も作れないんだと 00:06:28.660 --> 00:06:30.810 改めて気付かされました 00:06:31.070 --> 00:06:34.400 そしてその先輩が 自分でガラスを巻いてきて 00:06:34.550 --> 00:06:36.850 自らコップを作ってくれるのを 00:06:36.850 --> 00:06:39.024 言葉で全部説明してくれたんです 00:06:39.444 --> 00:06:42.574 「ここは この時に こうやから ここで こう冷ますんや」 00:06:42.574 --> 00:06:43.824 とか そんな感じで 00:06:44.274 --> 00:06:48.084 そうすると今まで見て覚えてきたものが 00:06:48.374 --> 00:06:51.244 頭の中にパズルのピースみたいに あったんですけど 00:06:51.374 --> 00:06:54.714 それが言葉で教えてもらったことによって 00:06:54.774 --> 00:06:57.474 一気にババババっと組み上がっていきました 00:06:58.344 --> 00:07:01.684 そしてスッと一気に 理解できるようになったんです 00:07:02.104 --> 00:07:05.884 その後からはコップが すらっと作れるようになったんです 00:07:06.558 --> 00:07:09.888 これは自分でもとても気持ちのいい体験でした 00:07:10.348 --> 00:07:12.138 そして それからは ― 00:07:13.458 --> 00:07:16.878 これやったら なんでも作れるんちゃうかなと思いまして 00:07:17.358 --> 00:07:20.138 色んなものに挑戦していくようになりました 00:07:22.478 --> 00:07:23.778 その時に — 00:07:24.581 --> 00:07:28.581 初めてガラスが楽しいと 思えるようになったんです 00:07:28.581 --> 00:07:30.601 それまで私にとってガラスは 00:07:30.620 --> 00:07:32.560 つらいものでしかなかったので 00:07:33.500 --> 00:07:38.540 そして場所を横浜の方にも移しまして 00:07:40.470 --> 00:07:42.130 経験を重ねていきまして 00:07:42.745 --> 00:07:47.535 30歳の時に夫の故郷でもある 小樽に戻ってきて 00:07:47.548 --> 00:07:50.728 自分の工房を作るために 戻ってくることになりました 00:07:52.050 --> 00:07:57.030 場所も決まって アメリカから溶解炉も輸入して 00:07:57.050 --> 00:08:00.150 「ギャラリーオープンや!」と 気合いを入れてたんですけど 00:08:00.150 --> 00:08:04.260 溶解炉は稼働から5日目で いきなり壊れました 00:08:05.650 --> 00:08:07.200 えーっ!てなって 00:08:08.080 --> 00:08:09.690 もうどうしようとなって 00:08:09.690 --> 00:08:13.170 新聞にもオープンの日を 載せてもらってましたし 00:08:15.350 --> 00:08:17.060 どうしよう?となって 00:08:17.080 --> 00:08:18.090 泣きながら 00:08:18.090 --> 00:08:22.040 夫と一緒に食べた焼きそばの味は 今でも忘れられないです 00:08:23.214 --> 00:08:25.124 そんなこと あったんですけど 00:08:25.124 --> 00:08:27.984 なんとかオープンすることができました 00:08:27.984 --> 00:08:31.984 家族とか知人とか友人の支えがありまして 00:08:32.579 --> 00:08:36.579 そして 私が独立すると腹をくくって 00:08:37.339 --> 00:08:40.029 これで生きていくと決めた時から 00:08:40.049 --> 00:08:42.839 家族の態度も 変わってきたような気がするんです 00:08:43.849 --> 00:08:48.039 特に父は大阪から小樽に来る度に 00:08:48.059 --> 00:08:53.749 ギャラリーの中の机なんかを 夫を一番弟子にして 作っていってくれています 00:08:55.119 --> 00:08:59.809 ギャラリーの棚も 2人で仲良く作ってくれたりして 00:09:01.685 --> 00:09:07.105 そして夫は父の一番弟子に加え 00:09:07.135 --> 00:09:10.285 私の専属アシスタントにもなって 00:09:10.306 --> 00:09:13.236 工房での作業も ずっと一緒にやってくれています 00:09:13.236 --> 00:09:16.836 夫はそれまでガラスは やったことはなかったんですよね 00:09:16.836 --> 00:09:21.386 そして大阪の母や妹 — 00:09:22.106 --> 00:09:24.166 小樽の夫の母も 00:09:24.186 --> 00:09:27.356 内職や経理なんかで 手伝ってくれるようになりまして 00:09:27.975 --> 00:09:32.605 私の独立が 家族の共通の 話題になるというのは 00:09:32.618 --> 00:09:36.238 最初から意図していたことでは ありませんでした 00:09:36.248 --> 00:09:40.148 ガラスを始めた頃は 一人でガラスを頑張って 00:09:40.158 --> 00:09:43.848 いつか家を建てたら みんなが幸せになれるんちゃうかなとか 00:09:43.868 --> 00:09:46.168 そんなようなことを思ってたんですけど 00:09:46.908 --> 00:09:52.688 私の想像しないところで 家族の絆は深まっているように思います 00:09:53.774 --> 00:09:59.404 そして今ではもう一つ ガラスを続ける理由が増えたような気がします 00:10:00.846 --> 00:10:02.696 「プロポーズに使いたい 00:10:02.726 --> 00:10:05.406 大切な瞬間なので協力して欲しい」 00:10:07.006 --> 00:10:11.536 遠方から「年に一度の楽しみ」 と言って来てくださる方 00:10:12.460 --> 00:10:14.085 「あなたを見てると 00:10:14.085 --> 00:10:19.615 小さい頃に体が不自由になった娘が 元気だったら という姿を想像する」 00:10:20.215 --> 00:10:25.315 力強い握手と共に「あなたを応援してる」 と言ってくれた おばあさま 00:10:25.565 --> 00:10:27.285 そして届く手紙 00:10:27.725 --> 00:10:30.325 いつからか ガラスを作ることで 00:10:30.325 --> 00:10:34.325 随分と人様の人生に 触れることになっていました 00:10:35.111 --> 00:10:37.701 そして人様の人生に触れることは 00:10:37.701 --> 00:10:41.011 正直 楽しい事ばかりではないです 00:10:41.799 --> 00:10:44.529 つい去年も こんな出来事がありました 00:10:45.289 --> 00:10:46.999 釧路の村上さん 00:10:47.499 --> 00:10:50.229 この方はギャラリーをオープンしたての頃 00:10:51.009 --> 00:10:54.799 ギャラリーを開けても誰も来てくれない そんな時に 00:10:54.809 --> 00:10:57.059 「雑誌を見て素敵と思って来たのよ」 00:10:57.059 --> 00:10:59.019 と言って 来てくださいました 00:10:59.909 --> 00:11:02.859 「あなたの赤を見ると元気になるのよ」 00:11:02.859 --> 00:11:05.589 って言ってくださいました 00:11:06.719 --> 00:11:12.089 村上さんは長い間 癌と闘病されていました 00:11:13.769 --> 00:11:17.769 「本当はね つらい時はたくさんあるのよ 00:11:18.029 --> 00:11:21.859 でも あなたのアクセサリーをつけて 病院に行くと 00:11:21.879 --> 00:11:23.999 お出かけみたいでウキウキできるから」 00:11:23.999 --> 00:11:25.969 って言ってくださいました 00:11:26.319 --> 00:11:31.599 毎年 北海道が桜で満開になる 一番季節のいい時に 00:11:31.619 --> 00:11:35.409 旦那様と共にギャラリーに 訪れてくださいました 00:11:36.359 --> 00:11:41.559 去年の春 いらっしゃらないので どうしたのかなと思って電話してみると 00:11:42.419 --> 00:11:44.949 既に亡くなられていました 00:11:46.349 --> 00:11:49.419 悲しくて涙が出ました 00:11:49.419 --> 00:11:51.669 ガラスをやっていなければ 00:11:51.691 --> 00:11:55.431 こんな悲しみを味わうことも なかったのかなとさえ思いました 00:11:57.001 --> 00:12:01.891 でも 村上さんが下さった温かさは 00:12:01.913 --> 00:12:05.583 私は生涯忘れることはないと思っています 00:12:06.032 --> 00:12:10.442 喜びも悲しみも全て受け止めていきたい 00:12:10.462 --> 00:12:12.992 そう思える出来事でした 00:12:15.784 --> 00:12:22.034 何かを作る理由 続ける理由 何を作るかというのは 00:12:22.054 --> 00:12:25.204 私は変わっていっていいと思っています 00:12:25.204 --> 00:12:28.814 また 変わっていくもんなんじゃないかと 思っています 00:12:28.814 --> 00:12:33.384 よく 将来何を作りたいですかって 聞かれることがあるんですけど 00:12:33.384 --> 00:12:36.194 私はこの答えにいつも困ってしまいます 00:12:36.714 --> 00:12:39.044 というのも 将来作りたい物は 00:12:39.044 --> 00:12:43.954 その未来にならないと きっとわからないような気がするんです 00:12:44.119 --> 00:12:49.389 今 作ってる物や 取り組んでいる物の積み重ねが 00:12:49.389 --> 00:12:52.449 きっと未来の自分を変えていくと思っています 00:12:52.589 --> 00:12:57.409 そんな未来が楽しみになるような 挑戦をしていきたいと思っています 00:12:58.389 --> 00:13:03.659 ガラスを始めた頃は 1番になりたいという 向こう見ずな理由でした 00:13:04.100 --> 00:13:08.100 そして挫折をした後は 意地で続けてました 00:13:08.820 --> 00:13:13.320 ガラスの技術の習得にワクワクして 続けてきた時もありましたし 00:13:14.130 --> 00:13:17.450 習得技術がついてきた頃からは 00:13:17.470 --> 00:13:20.930 次はどんな表現をしてみようかなと いつも考えてるような気がします 00:13:21.744 --> 00:13:26.424 これからもガラスを作る理由は 変わり続けると思っています 00:13:27.404 --> 00:13:29.154 でも最初に ― 00:13:29.744 --> 00:13:31.544 「ガラスをやりたい!」 00:13:31.544 --> 00:13:32.624 「これや!」 00:13:32.626 --> 00:13:36.566 と思った時の そのスパークリングな気持ち 00:13:36.936 --> 00:13:40.936 それだけはずっと信じ続けたいと思っています 00:13:42.567 --> 00:13:46.387 だから私はガラスにこだわっています 00:13:47.787 --> 00:13:51.787 いつか海の見える場所に工房をつくって 00:13:52.207 --> 00:13:58.237 これからも もっともっと 人の心に 響くような作品を作り続けていきたい 00:13:58.257 --> 00:14:01.467 それが今の私の夢です 00:14:01.477 --> 00:14:04.379 今日はどうもありがとうございました 00:14:04.379 --> 00:14:07.379 (拍手)