1
00:00:07,025 --> 00:00:09,125
生物学者であるあなたの任務は
希少なミツバチ

2
00:00:09,125 --> 00:00:14,132
アピス・トゥライフェクタの絶滅を
防ぐことです

3
00:00:14,132 --> 00:00:18,789
手元のテラリウムには この種の
最後の60匹がいます

4
00:00:18,789 --> 00:00:24,163
既に適切な大きさと形の
ワイヤーフレームも作っておきました

5
00:00:24,163 --> 00:00:28,033
さて このフレームを
ハチが住める巣にするためには

6
00:00:28,033 --> 00:00:32,164
ハチが各巣房に蜜ろうを詰める
手助けをする必要があります

7
00:00:32,164 --> 00:00:35,424
巣房を詰めるには
２つの方法があります

8
00:00:35,424 --> 00:00:38,264
１つ目は その中に
ハチを入れることです

9
00:00:38,264 --> 00:00:42,727
一度入れたハチは
そこから出すと死んでしまいます

10
00:00:42,727 --> 00:00:43,757
２つ目は

11
00:00:43,757 --> 00:00:50,150
空の巣房が 蜜ろうが詰まった
３つ以上の巣房と接していれば

12
00:00:50,150 --> 00:00:54,950
既に巣房にいるハチたちが
空の巣房に移り そこを変化させます

13
00:00:54,950 --> 00:00:58,950
ハチが巣の中の巣房を
すべて変化させると

14
00:00:58,950 --> 00:01:04,735
ハチを１匹追加して
このハチを女王バチにできます

15
00:01:04,735 --> 00:01:09,096
このハチの巣をうまく管理すれば
新しいハチが生まれ

16
00:01:09,096 --> 00:01:11,286
絶滅を防ぐことができます

17
00:01:11,286 --> 00:01:15,831
蜜ろうが詰まった巣房３つ以上と
隣り合っている巣房がない場合

18
00:01:15,831 --> 00:01:18,501
ハチはそのままで
移動することはありません

19
00:01:18,501 --> 00:01:23,785
また 巣房に蜜ろうを詰めたハチが
女王バチになることは できません

20
00:01:23,785 --> 00:01:30,297
ワイヤーフレームに59匹のハチを入れて
巣房をすべて変更させてから

21
00:01:30,297 --> 00:01:32,437
残りの１匹を
女王バチにすることもできます

22
00:01:32,437 --> 00:01:36,437
しかし これでは たった１回の失敗で
絶滅につながってしまいます

23
00:01:36,437 --> 00:01:40,717
存立できる巣を
数多く作る方が良いのです

24
00:01:40,717 --> 00:01:43,817
では ハチ60匹でいくつの巣を
作ることができるでしょうか？

25
00:01:43,817 --> 00:01:45,787
ここで一時停止して考えてみましょう

26
00:01:45,787 --> 00:01:46,487
答えまであと３秒

27
00:01:46,487 --> 00:01:48,707
答えまであと２秒

28
00:01:48,707 --> 00:01:50,738
答えまであと１秒

29
00:01:50,738 --> 00:01:51,707
答えまであと０秒

30
00:01:51,707 --> 00:01:56,595
皆さんが 考えているこの問題は
自己持続する連鎖反応の一種です

31
00:01:56,595 --> 00:02:01,494
少ない数のハチでどのように
ハチの巣全体を変化させるかという問題です

32
00:02:01,494 --> 00:02:05,144
必要なハチの数は 少ないほど良いのです

33
00:02:05,144 --> 00:02:12,145
では どれぐらい少ない数のハチで
連鎖反応を起こせるのでしょうか？

34
00:02:12,145 --> 00:02:13,915
最初の問題から始めましょう

35
00:02:13,915 --> 00:02:16,175
この問題には とても賢い
アプローチがあります

36
00:02:16,175 --> 00:02:19,515
まず 蜜ろうが詰められた巣房の
辺の数を数えて

37
00:02:19,515 --> 00:02:22,035
周の長さの合計を考えてみましょう

38
00:02:22,035 --> 00:02:25,615
この３つの巣房に
ハチを入れたとします

39
00:02:25,615 --> 00:02:29,615
変化した巣房の周長は
全部で辺18個分です

40
00:02:29,615 --> 00:02:33,445
しかし 真ん中の巣房が
蜜ろうが詰まった３つの巣房と接しているため

41
00:02:33,445 --> 00:02:36,205
ハチは この巣房も変化させます

42
00:02:36,205 --> 00:02:37,905
すると周長は
どう変化したしょうか？

43
00:02:37,905 --> 00:02:39,885
やはり18ですね！

44
00:02:39,885 --> 00:02:45,034
ハチが 残りの巣房を変化させても

45
00:02:45,034 --> 00:02:47,044
やはり 周長に変化はありません

46
00:02:47,044 --> 00:02:49,094
どういうことなのでしょうか？

47
00:02:49,094 --> 00:02:54,346
少なくとも３辺がハチに優しい空間に
接している各巣房が変化するときに

48
00:02:54,346 --> 00:02:58,732
これらの辺が
周長から取り除かれます

49
00:02:58,732 --> 00:03:03,388
そして 最大で３つの新しい辺が
周囲に追加されます

50
00:03:03,388 --> 00:03:08,943
ですから 変化したハチの巣の周長は
変わらないか 減少するのです

51
00:03:08,943 --> 00:03:12,543
最終的なハチの巣全体の
周長は 54なので

52
00:03:12,543 --> 00:03:17,171
最初にハチを入れた時の
巣の周長は

53
00:03:17,171 --> 00:03:20,781
少なくとも 54でなければなりません

54
00:03:20,781 --> 00:03:25,590
この54を接することのない
各巣房の辺の数である６で割ると

55
00:03:25,590 --> 00:03:31,490
巣全体を変化させるには
最少でも９匹のハチが 必要だと分かります

56
00:03:31,490 --> 00:03:32,790
幸先は良さそうですが

57
00:03:32,790 --> 00:03:37,690
まだ この９匹のハチを
どこに入れればよいのか

58
00:03:37,690 --> 00:03:40,230
もっと必要なのかという
難しい問題が残っています

59
00:03:40,230 --> 00:03:41,650
もっと小さく考えてみましょう

60
00:03:41,650 --> 00:03:47,930
これまでに ３匹のハチでこの大きな巣を
完全に変化できると分かっています

61
00:03:47,930 --> 00:03:49,810
もう少し大きいと どうでしょうか？

62
00:03:49,810 --> 00:03:52,120
このハチの巣の周長は 30ですから

63
00:03:52,120 --> 00:03:55,240
少なくとも５匹のハチを
入れる必要があります

64
00:03:55,240 --> 00:03:57,170
６匹なら簡単です

65
00:03:57,170 --> 00:04:01,640
このように配置すれば たった３段階で
巣全体に蜜ろうが入れられます

66
00:04:04,634 --> 00:04:06,103
でも もっと良い方法があります！

67
00:04:06,103 --> 00:04:10,283
実は この巣房には
ハチを入れる必要はありません

68
00:04:10,283 --> 00:04:13,683
他のハチたちが自力で
この場所を変更してしまうからです

69
00:04:19,481 --> 00:04:22,431
パターンの始まり方が分かったようです

70
00:04:22,431 --> 00:04:24,941
これを巣全体に拡大できるでしょうか？

71
00:04:24,941 --> 00:04:28,281
このように９匹のハチを入れることです

72
00:04:28,281 --> 00:04:31,524
彼らが活動し始めると
連鎖反応を引き起こし

73
00:04:31,524 --> 00:04:36,284
巣の真ん中を埋めて
縁へと広がっていきます

74
00:04:38,879 --> 00:04:43,875
10匹目のハチを 完成した巣に加えると
女王バチになります

75
00:04:43,875 --> 00:04:46,555
このプロセスを 更に５回繰り返すと

76
00:04:46,555 --> 00:04:50,555
アピス・トゥライフェクタの
最後の60匹による

77
00:04:50,555 --> 00:04:53,535
６つの巣作りを手伝うことが
できました

78
00:04:53,535 --> 00:04:56,705
全体的にとても良い
ハチまりになりましたね