WEBVTT

00:00:00.000 --> 00:00:01.099
日本語版字幕担当：
ミシガン大学所属 − 瀬川恵、矢嶋彩香
ボランティア − 東梅ひろみ, M.D.

00:00:01.099 --> 00:00:02.574
足と足首の筋骨格系検査法（完全版）
ミシガン大学 
家庭医療学科
タラ・マスターハンター, M.D.
マイケル・マクカートニー, M.D.

00:00:02.574 --> 00:00:09.432
完全な評価を確実に行うために、 足首と足の筋骨格系検査は系統立った方法で行うのが最善です。

00:00:09.432 --> 00:00:17.121
次のビデオは足首と足の損傷を評価する際に用いられる一般的な検査法を多数取り入れている推奨された診察手順です。

00:00:17.121 --> 00:00:19.891
まず立った状態で脚の解剖学的構造について評価します。

00:00:19.891 --> 00:00:27.843
筋肉の萎縮、皮膚の変化、あるいは扁平足、凹足、
腱膜瘤（外反母趾）などの解剖学的変異を調べます。

00:00:32.136 --> 00:00:36.105
後ろから観察し、
外側につま先が二本以上でていないか確認します。

00:00:36.105 --> 00:00:41.266
これはいわゆるtoo many toes 兆候で、
足の過度の回内や前足部外転を示唆します。

00:00:41.266 --> 00:00:44.962
患者につま先立ちをさせて、かかとの位置を確認します。

00:00:44.962 --> 00:00:50.238
通常、かかとの位置は中央から内反位に移動します。

00:00:50.238 --> 00:00:54.555
患者が歩いて検者から遠ざかったり近づいたりするときの
歩行状態を観察してください。

00:00:54.555 --> 00:01:04.305
有痛性歩行や過度の回内や回外がないか注意してください。

00:01:04.305 --> 00:01:06.553
次に能動的可動範囲を評価します。

00:01:06.553 --> 00:01:11.662
痛みや可動域に制限がある場合は
他動的に同じ動きを繰り返してください。

00:01:14.079 --> 00:01:15.402
まず足の背屈、

00:01:15.402 --> 00:01:18.870
底屈、

00:01:18.870 --> 00:01:20.949
内がえし、

00:01:20.949 --> 00:01:22.363
外がえし、

00:01:22.363 --> 00:01:24.364
親指の背屈、

00:01:24.364 --> 00:01:26.814
親指の底屈、

00:01:26.814 --> 00:01:28.546
次に負荷に対する抵抗力を調べます：

00:01:28.546 --> 00:01:31.085
足の背屈、

00:01:31.085 --> 00:01:34.151
底屈、

00:01:34.151 --> 00:01:36.449
内がえし、

00:01:36.449 --> 00:01:38.890
外がえし、

00:01:38.890 --> 00:01:41.962
親指の背屈、

00:01:41.962 --> 00:01:45.699
底屈。

00:01:45.699 --> 00:01:48.301
次に解剖学的ランドマークを触診し
圧痛がないか調べてください：

00:01:48.301 --> 00:01:52.449
ふくらはぎの膨らみ、

00:01:52.449 --> 00:02:00.648
アキレス腱のハグランド変形、

00:02:00.648 --> 00:02:11.145
脛骨に沿って触診しどこかに圧痛がないかを調べます。

00:02:11.145 --> 00:02:15.791
内果、

00:02:15.791 --> 00:02:18.957
三角靭帯、

00:02:18.957 --> 00:02:22.873
足根管、

00:02:22.873 --> 00:02:30.017
後脛骨筋および後脛骨筋腱、

00:02:30.017 --> 00:02:34.957
舟状骨および舟状骨結節、

00:02:34.957 --> 00:02:40.623
腓骨頭を含めた腓骨、

00:02:40.623 --> 00:02:46.957
外果、

00:02:46.957 --> 00:02:49.206
前距腓靭帯、

00:02:49.206 --> 00:02:51.271
踵腓靭帯、

00:02:51.271 --> 00:02:54.074
後距腓靭帯、

00:02:54.074 --> 00:02:59.995
腓骨筋腱、

00:02:59.995 --> 00:03:04.613
距骨ドーム、

00:03:04.613 --> 00:03:09.752
踵骨および踵骨の脂肪体、

00:03:09.752 --> 00:03:15.530
足底筋膜、

00:03:15.530 --> 00:03:21.949
中足骨頭、

00:03:21.949 --> 00:03:27.283
第五中足骨基部、

00:03:27.283 --> 00:03:32.136
種子骨、

00:03:32.136 --> 00:03:38.073
足指骨あるいは足指も調べます。

00:03:38.073 --> 00:03:46.034
足首や足の損傷を評価する為の検査手法の例として、
次のような一連の検査が挙げられます。

00:03:46.034 --> 00:03:49.621
スクイーズテストは足首の靭帯の損傷を評価する検査です。

00:03:49.621 --> 00:03:53.434
足を背屈させた状態で脛骨と腓骨を一緒に握りしめます。

00:03:53.434 --> 00:03:55.236
痛みがあれば検査は陽性です。

00:03:55.236 --> 00:03:58.359
クライガーテストを行って靭帯の負傷を評価します。

00:03:58.359 --> 00:04:02.745
膝を固定した状態で、足を背屈させ外旋させます。

00:04:02.745 --> 00:04:07.050
痛みがあれば検査は陽性です。

00:04:07.050 --> 00:04:11.110
前引き出しテストは
前距腓靭帯の安定性を評価する検査です。

00:04:11.110 --> 00:04:15.422
足をやや底屈させ、
すねを固定してかかとを前に引っ張ります。

00:04:15.422 --> 00:04:21.928
弛緩がみられたりやエンドポイントが曖昧な場合は
陽性の検査となり、前距腓靭帯損傷を示唆します。

00:04:21.928 --> 00:04:27.859
距骨傾斜テストは前距腓靭帯と踵腓靭帯の
両方の安定性を評価する検査です。

00:04:27.859 --> 00:04:31.691
足をやや底屈させ、かかとを固定して足を内がえしさせます。

00:04:31.691 --> 00:04:35.109
反対側の足も同じ様に調べ、内がえしの程度を比較します。

00:04:35.109 --> 00:04:40.148
２３度以上の内がえし、
または左右の差が５度以上あった場合は陽性の検査となり、

00:04:40.148 --> 00:04:45.813
前距腓靭帯と踵腓靭帯に損傷がある事を示唆します。

00:04:45.813 --> 00:04:50.524
踵骨スクイーズテストは疲労骨折などの
踵骨の損傷を評価する検査です。

00:04:50.524 --> 00:04:52.812
踵骨に圧縮力を与えます。

00:04:52.812 --> 00:04:55.396
痛みがあれば検査は陽性です。

00:04:55.396 --> 00:04:59.981
中足ねじりテストはリスフラン関節捻挫のような、
中足に起こる損傷を評価する検査です。

00:04:59.981 --> 00:05:02.731
かかとを安定させて中足を回転させます。

00:05:02.731 --> 00:05:06.480
痛みがあれば検査は陽性です。

00:05:06.480 --> 00:05:09.063
マルダーテストとはモートン神経腫を調べる検査です。

00:05:09.063 --> 00:05:12.276
第一中足骨頭部と第五中足骨頭部を
一緒に持って握りしめます。

00:05:12.276 --> 00:05:15.184
痛みや感覚異常があれば検査は陽性です。

00:05:15.184 --> 00:05:21.063
クリック音が聞こえたら、それはマルダーサインと呼ばれ、
繊維性神経腫を示唆します。

00:05:21.063 --> 00:05:23.314
足根管のあたりでチネルテストを行い、

00:05:23.314 --> 00:05:31.182
足根管症候群から生じる痛み，感覚麻痺、
しびれが引き起こされないか調べます。

00:05:31.182 --> 00:05:35.736
うつぶせの状態でトンプソンテストを行い、
アキレス腱の安定性を調べます。

00:05:35.736 --> 00:05:41.209
膝を９０度に曲げて、ふくらはぎを握りしめ、
足の底屈を観察します。

00:05:41.209 --> 00:05:45.746
底屈がみられない場合はアキレス腱断裂を示唆します。

00:05:45.746 --> 00:05:50.183
足首と足の検査を終える前に
神経血管系の検査について記録しておく事が重要です。

00:05:50.183 --> 00:05:56.626
ここでは足背動脈拍動、後脛骨動脈拍動、
そして毛細血管再充満を調べています。

00:05:56.626 --> 00:05:59.931
患者の既往歴に応じて更に神経血管系の検査が
必要になる場合もあります。

00:05:59.931 --> 00:06:00.728
謝辞：本ビデオの翻訳は、静岡県の支援の下、地域医療再生基金を用いた「静岡－ミシガン大学家庭医療後期研修、教育及び研究」（SMARTER FM）プロジェクトの一部として行われました。