これは整然と並んだ数字の山にしか
見えないかもしれませんが
実は 数学の至宝なのです
インドの数学者はこれを 須弥山の階段
イランでは ハイヤームの三角形
中国では 楊輝の三角と呼んでいました
西洋では フランスの数学者
ブレーズ・パスカルにちなみ
パスカルの三角形として知られています
後からこの輪に加わったのに名前がついて
ちょっとずるい気もしますが
でも パスカルは
それだけの貢献をしています
ではなぜ そんなにも数学者たちを
魅了してきたのでしょうか?
それは パターンと
秘密の宝庫だからです
まず何と言っても
生成パターンがあります
まず1とその両側を囲む
目には見えない0から始めます
その2つを足して
次の行を生成します
そして これを繰り返していきます
さらに続けていけば
このように―
パスカルの三角形は無限に続きます
この各行は(x+y)^nという形で表される
二項展開の係数に対応しています
ここで n は列の数を表し
0から数え始めます
n=2で展開すると
(x^2) + 2xy + (y^2)となります
係数 つまり変数の前にある数は
パスカルの三角形のその列の数字と
同じになっています
n=3 も同様で
このように展開します
このように全ての係数を探すのに
この三角形は手軽な方法です
しかし これだけではありません
例えば 各行の数字を足していくと
次々に 2の累乗が得られます
任意の行で 各数字を
十進法展開にあてはめてみると
例えば 2行目の場合
(1x1) + (2x10) + (1x100)で
これは121ですから
11の二乗です
6行目で同じことを行うと
合計は1,771,561で
これは 11^6です
幾何学的な応用もあります
この対角線を見てみましょう
最初の2列は 単なる1の羅列ですが
次は正の整数で
自然数としても知られています
しかし 次の対角線の数は
三角数と呼ばれています
それは 点をいくつも積み上げていくと
この数の正三角形の形に
積み上げられるからです
次の対角線は正四面体数と呼ばれています
先程と同じように
正四面体に積み重なるからです
今度は奇数に影を
付けていったらどうでしょうか
三角形が小さい時は
大したことはありませんが
何千もの列になってくると
シェルピンスキーの三角形という
フラクタルが得られます
この三角形は
数学の賜物であるだけでなく
なかでも とりわけ
確率や組み合わせの領域の計算では
大変便利なものです
例えば あなたが子供を
5人欲しいと思ったとして
理想の家族である
女の子3人と男の子2人になる
確率を知りたいと思ったとしましょう
2項展開で表すと
女の子+男の子の五乗です
では 5列目を見てみましょう
最初の数字は女の子5人
最後の数字は男の子が5人の場合です
3番目の数字を求めます
すべての可能性の内10ですから
10/32
つまり 31.25% です
または 無作為に12人の友人の中から
5人をバスケットボールの選手に
選ぶとしましょう
5人のグループは
幾通り考えられるでしょうか?
組み合わせでは
12 C 5
この方程式を使って計算するか
三角形の12列目の
6つ目の要素を見ればいいのです
すると 答えが出ます
パスカルの三角形のパターンは
数学の織りなす美しさの証なのです
そして 今なお
新たな秘密が途切れることはありません
例えば 最近では
こういった種類の多項式の
展開方法が発見されました
この次は何が見つかるのでしょうか?
それは あなた次第です