WEBVTT 00:00:00.909 --> 00:00:02.529 キャサリン・ブレイクモアです 00:00:02.927 --> 00:00:07.199 「DRC(カリフォルニア州 障害者の権利) 」の元常務です 00:00:08.407 --> 00:00:12.119 DRCは 障害者支援組織として 国の法の元に設立した 00:00:12.220 --> 00:00:14.904 州の業務代理機関です 00:00:15.024 --> 00:00:18.894 DRCの使命は 障害者の方々への支援です 00:00:19.038 --> 00:00:24.492 彼らの人権を守るために 様々な推進活動をしています 00:00:25.102 --> 00:00:30.110 とても幸運なことに 私はこれまで40年ほど 00:00:30.196 --> 00:00:35.268 障害者の方々を代弁する弁護士として 近年では常務としても 00:00:35.268 --> 00:00:38.926 人権や 教育を受ける権利 00:00:39.005 --> 00:00:42.061 住まいを確保する権利を守るために 00:00:42.141 --> 00:00:44.609 DRCにて努めてきました 00:00:44.762 --> 00:00:50.738 「ADA(障がいのあるアメリカ人法)」には 基調となる他の法令がある 00:00:50.804 --> 00:00:52.967 私はそう考えます その法令とは 00:00:53.225 --> 00:00:56.472 個別障害者教育法や リハビリテーション法第504条 00:00:56.796 --> 00:00:59.025 障がい者の方々の社会への融合 NOTE Paragraph 00:00:59.362 --> 00:01:04.637 差別解消を実現するための 大切な法令です 00:01:05.114 --> 00:01:08.474 1977年 私は とても若い弁護士でした 00:01:08.738 --> 00:01:11.457 その頃 教育関連の仕事に 多く関わりました 00:01:11.768 --> 00:01:18.468 一番初めに担当した事案は ジェレミーというお子さんでした 00:01:18.578 --> 00:01:21.996 小学一年生が終わった夏 00:01:22.077 --> 00:01:24.221 ジェレミーは 家族と 道を渡っていました 00:01:24.283 --> 00:01:29.042 そして不運なことに 車にひかれ 四肢が麻痺してしまいました 00:01:29.651 --> 00:01:33.974 母親が 次年度に学校に通うための 手続きをしようとしました 00:01:34.206 --> 00:01:36.720 ジェレミーの障がいにより 00:01:36.835 --> 00:01:39.674 その地元の学校には戻れない と告知されたのです 00:01:39.912 --> 00:01:45.097 その代わり 隔離された養護学校へ 通わされるかもしれなかった 00:01:45.391 --> 00:01:47.849 障がいを持った子ども達のみが 通う学校へです 00:01:47.980 --> 00:01:51.222 ご両親に相談を受け この案件を引き受けました 00:01:51.268 --> 00:01:53.649 友達と同じ地元の学校に通えない 00:01:53.744 --> 00:01:59.315 それは紛れもない差別です 根本的に間違っている 00:01:59.789 --> 00:02:02.835 違法な行為です 00:02:02.928 --> 00:02:05.821 個別障害者教育法に反しています 00:02:06.057 --> 00:02:09.241 公判前の審理で 彼の代弁者として 裁判所へ同行しました 00:02:09.931 --> 00:02:14.015 裁判所で 私の心を打った 出来事がありました 00:02:14.151 --> 00:02:18.734 ジェレミーの同級生と親御さんが たくさん応援に来てくれたのです 00:02:18.885 --> 00:02:22.314 一年生と二年生の子ども達です 00:02:22.378 --> 00:02:25.627 ジェレミーにはたくさんの友達がいました 00:02:25.770 --> 00:02:29.215 非常に効果的だったのは 彼らがニュース番組で発言したことです 00:02:29.259 --> 00:02:34.256 どうしてジェレミーは 一緒に学校に通えないのか 00:02:34.475 --> 00:02:38.480 みんながどんなに ジェレミーを必要としているか 00:02:38.510 --> 00:02:43.534 なぜ昨年はよくて今年はダメなのか わからない と訴えたのです 00:02:43.760 --> 00:02:48.070 これは 私にとって 差別的な行為に挑戦する 00:02:48.082 --> 00:02:51.707 初めての機会でした 必ず成し遂げようと思いました 00:02:51.957 --> 00:02:54.160 ジェレミーを地元の学校に送る 00:02:54.270 --> 00:02:57.395 お友達と同じ環境にいられるように 00:02:57.504 --> 00:03:03.475 「ADA」の スゴさ に気付かされた 最初の出来事がありました 00:03:03.627 --> 00:03:08.577 アメリカ連邦最高裁判決の 『Olmstead Case(オムステッド判決)』 00:03:08.746 --> 00:03:14.231 障がい者を不必要に施設に 隔離してはならないとした 00:03:14.388 --> 00:03:18.873 この判決と「ADA」は使える! とひらめいた瞬間でした 00:03:19.181 --> 00:03:25.227 「ADA」とこの判決を非常に 効果的に引例できた事例があります 00:03:25.328 --> 00:03:28.021 カリフォルニア州の公的資金削減に 00:03:28.402 --> 00:03:33.185 異議を唱えたときです 深刻な財政難に見舞われた 00:03:33.221 --> 00:03:38.345 2008年と2009年のことです 大幅な資金削減が提案され 00:03:38.434 --> 00:03:42.519 その対象となったのが 在宅支援事業など 00:03:42.571 --> 00:03:44.442 地域生活支援でした 00:03:44.683 --> 00:03:50.417 「DRC」の弁護団が 主張したのは 00:03:50.723 --> 00:03:57.090 この資金削減は「ADA」に反していて 障がい者を施設に追いやる行為 00:03:57.191 --> 00:04:00.844 それは『Olmstead Decision』への 違法行為だと 00:04:00.986 --> 00:04:04.933 二度 連邦最高裁判所へ出向き 二度 勝訴を得ました 00:04:05.057 --> 00:04:11.950 人々を不必要に施設に追いやる ことになるような州の政策を 00:04:12.038 --> 00:04:15.991 「ADA」は禁じている という判決でした 00:04:15.991 --> 00:04:20.289 「ADA」は人権を守る 00:04:21.070 --> 00:04:27.412 非常に力を持った手段であり 引例し続けるべき法令です 00:04:29.071 --> 00:04:34.801 ここ数カ月のうちに 我々が学んだのは 00:04:34.870 --> 00:04:41.568 状況改善のために「ADA」を手段として 引例し続ける機会は常にある 00:04:41.998 --> 00:04:46.705 パンデミックが気付かせてくれた 高いリスクが特にそうです 00:04:46.814 --> 00:04:51.067 障がい者の方々 特に隔離されて 孤立して過ごしている方々 00:04:51.282 --> 00:04:53.880 介護施設が直面している リスクです 00:04:55.753 --> 00:05:00.526 新型コロナウィルスは介護施設へ 過度な影響を与えました 00:05:00.638 --> 00:05:04.989 密集した環境での生活 00:05:05.059 --> 00:05:12.091 この病気に対する障がい者の方々の 脆弱性が要因でした 00:05:12.214 --> 00:05:17.620 カリフォルニア州が再開する 準備を進めていることを受けて 00:05:17.701 --> 00:05:22.679 「ADA」の大切さをしっかりと 心にとめていなけれない 00:05:22.772 --> 00:05:25.370 人々は地域生活を必要としている 00:05:25.832 --> 00:05:27.355 全ての人が受け入るべきだと 00:05:27.613 --> 00:05:31.404 再開に当たり 障がい者の方々の ニーズの答えるために 00:05:31.491 --> 00:05:33.942 心を尽くさなければなりません 00:05:34.149 --> 00:05:39.600 障がい者や高齢者の方々が 主に生活する場所は介護施設 00:05:39.630 --> 00:05:45.830 という概念を捨て どのような新しい 支援システムを生み出せるか 00:05:46.016 --> 00:05:51.921 障がい者の方々が参加する アクティビティが行われるのは 00:05:52.022 --> 00:05:58.653 特別な日のプログラムではなく もっと大きな地域での交流の機会を 00:05:58.782 --> 00:06:04.422 与えることを保障する この辺りの課題について 00:06:04.545 --> 00:06:08.074 やるべきことは沢山あります 00:06:08.472 --> 00:06:14.296 もう一つ大切なことは この時期を生かして 00:06:14.302 --> 00:06:17.968 交差性における人権提唱の声を 高らかにすることです 00:06:18.277 --> 00:06:25.249 黒人とヒスパニック系の人々は 多大な差別にさらされてきました 00:06:25.517 --> 00:06:29.094 そしてパンデミックの影響を 過度に受けました 00:06:29.227 --> 00:06:33.890 差別に対する注目が大いに高まっている この機をきっかけに 00:06:34.003 --> 00:06:40.089 広域な人権推進地域社会として団結して 障がい者をも含んだ 包括的で 00:06:40.391 --> 00:06:45.172 調和のある 差別のない社会を 実現しようという情熱が高まっています