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マジックマッシュルームはうつ病を治せるか?|ロザリンド・ワッツ|TEDxOxford

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    こちらは カークは
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    5年間うつ症状に苦しみました
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    抗うつ剤や カンセリングを試しましたが
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    ダメでした
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    2015年5月に インペリアルカレッジで
    シロサイビンを処方されました
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    マジックマッシュルームに
    含まれる幻覚剤です
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    それ以来 彼のうつ症状はなくなりました
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    これは ベンです
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    彼は 30年間うつ症状に苦しみました
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    その間 あらゆる治療を試しました
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    認知行動療法、グループ療法
    あらゆる薬剤が医師から処方されました
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    でも効果はありませんでした
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    2015年7月 シロサイビンが投与され
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    それ以降 うつ症状が消えました
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    彼のうつ症状が消えただけでなく
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    去年
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    演劇コースと版画コースの受講を終え
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    10年ぶりに飛行機に乗り
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    今の彼は キャリアも社会生活も
    順風満帆です
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    彼の顔はお見せできません
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    なぜなら マジックマッシュルームは
    違法な幻覚剤なので
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    匿名にするよう 頼まれたからです
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    マジックマッシュルームと聞いて
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    思い浮かぶのは
    60年代の落伍者が
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    飛べると思って 窓から飛び降りたり
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    発狂することかもしれませんが
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    マジックマッシュルームは ベンとカークに
    正反対の効果を及ぼしました
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    マッシュルームの評判は悪いですが
    次の疑問を投げざるを得ません
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    私たちの知らないことで
    マッシュルームが知っているのは何か?
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    マッシュルームが起こす
    私たちにできない作用とは?
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    私は インペリアルカレッジ
    幻覚剤研究グループの
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    臨床心理学者です
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    この科学者と臨床医からなる
    活気あふれる研究グループは
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    非常に型破りな疑問を
    最も型通りの方法で投げかけています
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    リーダーは神経科学のパイオニアである
    ロビン・カーハート=ハリス博士で
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    統括を行うデイビッド・ナット博士は
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    世界的に有名な神経精神薬理学者です
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    両者は 幾多ものお役所仕事をクリアして
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    私たちは 去年初めて シロサイビンを使った
    うつ病治療研究ができるようになりました
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    この研究では 治療抵抗性の
    20人のうつ病患者に
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    治療環境で シロサイビンの
    大量投与を1回行いました
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    さて 患者数は少ないように見えますが
    見事な成果が出ました
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    シロサイビン投与後 何度も
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    患者のうつ評価点に低下が見られました
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    患者たちのうつ症状は減り続け
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    うつ評価点には
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    抗うつ剤や カウンセリングなど
    従来の治療法に期待されるよりも
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    ずっと大きな低下が見られました
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    うつ評価点は すぐに低下し
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    下がった状態が持続しました
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    投与後 半年が経ってなお
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    6人が うつの症状のない
    寛解状態でした
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    3人はあまり投薬に反応せず
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    うつ症状の緩和はわずかで
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    効果も1週間程でした
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    しかし 11人については 2ヶ月間
    うつ症状が大幅に低下し
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    その後 次第に
    うつの症状が戻り始めました
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    とてもがっかりするかもしれませんが
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    抗うつ剤ですと 毎日服用しなければならず
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    不快な副作用があり
    効き目が出るまで数週間かかります
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    これは 一時的緩和ケアであり
    完治には至りません
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    でも シロサイビン療法なら
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    うつの症状が即座に軽減し
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    すぐに心の安定が戻り
    効果は数ヶ月持続します
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    副作用はなく
    症状を抑えるというよりは
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    根本原因に作用しているようでした
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    うつは 容赦なく執拗につきまとう病気です
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    チャーチルは「黒い犬」と呼びました
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    私たちの患者たちは「コンクリートの上着」
    「頭に被った頭陀袋」
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    「鍵のかかった箱」「監獄」と呼びます
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    患者たちは 3〜11種類の抗うつ剤と
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    6タイプの対話療法を試しましたが
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    症状から解放されませんでした
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    彼らは うつという
    自らの監獄から抜け出せないでいました
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    例外なしにです
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    現代は うつ病の蔓延期に
    入りつつあります
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    うつ病は 世界的に
    障害の原因の第一位であり
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    ここにいる誰もが影響を受けるでしょう
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    あなたの大切な誰かにせよ
    あなた自身にせよ です
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    でも 私たちはうつ病をわかっていません
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    うつ病の原因はよく分かっていません
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    科学者たちの膨大な努力にも関わらず
    未だ 決定的な治療法は見つかっていません
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    うつ病をよく理解できていないのです
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    うつ病は 様々な要因が
    複雑に合わさって起こります
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    うつ病に冒されると
    悲しみ、恥、苦悩が押し寄せることもあります
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    時には あらゆる感情を押し殺すだけの
    暗幕にもなり得ます
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    うつは 検査をして
    治療できる病気ではありません
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    一人ひとり 症状が異なります
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    では うつ病という監獄の扉を開けるには?
  • 4:34 - 4:38
    その鍵は 決して簡単なものではなく
    一人ひとり違ったものになるでしょう
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    したがって 私たちの研究では
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    最初は シロサイビンが患者の脳に
    及ぼす影響を調べていました
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    シロサイビンは 脳を 硬直した状態から
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    柔軟に 高度連携した状態にします
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    シロサイビンが 脳の鍵を開けると言えます
  • 4:57 - 5:00
    研究では 脳をスキャンしました
  • 5:00 - 5:02
    そして 柔軟性が増すのを
    確認できました
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    また 症状を数値化し
  • 5:05 - 5:08
    うつ病の症状が 激減するのを確認できました
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    でも それでめでたしではありません
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    患者本人の言葉で 確認したかったのです
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    何が起きているのか?
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    シロサイビンがどう作用しているのか?
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    そこで 投薬の6ヶ月後
    全ての患者にインタビューを行い
  • 5:18 - 5:22
    インタビューの記録を分析し
    シロサイビンの作用について
  • 5:22 - 5:24
    次の2つのテーマにたどり着きました
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    しかし これらのテーマに触れる前に
  • 5:26 - 5:30
    幻覚体験がどんなものかを
    明確にしておかねばならないと思います
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    幻覚剤は 無意識の精神状態を
    意識下の状態にします
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    人生の中で築き上げられ
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    本人の見えない所に
    押しやられた重要な事柄が
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    さしずめ 箪笥の後ろに押しやられ
    しわくちゃになった
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    衣類のようになって
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    出現し 出てきて
  • 5:47 - 5:49
    目には見えないけれども
    具体化します
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    記憶、感情、痛み、愛情、苦悩など
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    何であれ 隠れていたものが 出現し
    あなたにそれを感じろと訴えかけます
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    信じられないくらい痛ましく
    信じられないくらい甘美かもしれません
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    研究対象の患者たちは
    概して3タイプの経験をしたと言いました
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    第1に 過去のトラウマの体験です
  • 6:07 - 6:10
    第2は 自分の人生に対する洞察 —
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    ネガティブなパターンと
    それを変える方法です
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    そして第3に 調和と絆と結合の体験です
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    中には 一度の服用で 3つの体験を
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    全て体験した患者もいます
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    さて これが私たちの治療室です
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    患者の両側に2人のセラピストがいます
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    患者は 目隠しをされ
    椅子に深く腰掛けて 音楽を聞き
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    心に何が浮かんでも
    身を任せるように言われています
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    また彼らは 前もって セラピストの
    カウンセリングを受けて
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    セラピストを信頼し
    安心できるようにしています
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    でも セラピストは
    カウンセリングの枠組みを決めたり
  • 6:46 - 6:48
    その内容を指示したりはしません
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    でも カウンセリングには
    1つの枠組みがあります
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    始まりと中盤と終わりがあり
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    それらの間には
    ごく洗練された方法で築かれた
  • 6:57 - 6:59
    アイデアとシンボルの流れがあります
  • 6:59 - 7:04
    まるで 非常に優れたセラピストが
    計画したかのようにです
  • 7:04 - 7:07
    さて 私は前職の
    幻覚とは関係のない精神療法医の時
  • 7:07 - 7:10
    NHSで 会話療法を行なっていました
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    患者用のためのカウンセリング計画を立てたり
  • 7:13 - 7:16
    トラウマを起こした経験について
    患者が話す手伝いをするには?
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    患者が 違った視点を持つ
    手助けをするには?
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    自分への思いやりを持ったり
    変化のための動機を作るには?と考えました
  • 7:22 - 7:25
    そして私はこれら全てを
    試し定着させようと努めました
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    でも セラピストから出たものは
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    患者は それを何やら
    彼らの外部のこととして体験し
  • 7:30 - 7:33
    時として 的外れでした
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    でも シロサイビン療法で
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    患者が自力で 治癒をしていく様を
    私はこの目で見ました
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    アイデアは全て
    彼らの内面から出たものであり
  • 7:41 - 7:43
    それらは 力強く自己変革的なものでした
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    なぜなら レッスンを計画したのが
    もっとも間違いのないセラピスだったから —
  • 7:48 - 7:49
    すなわち患者本人です
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    さてテーマですが
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    シロサイビンの効果について
    患者がどう言ったか?です
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    クリッカーが壊れてしまいました
  • 8:03 - 8:05
    別のを頂けますか?
  • 8:05 - 8:06
    (笑)
  • 8:06 - 8:07
    わかりました
  • 8:08 - 8:11
    次のスライドが出てきませんが
    その内容を言います
  • 8:11 - 8:14
    第1のテーマは
    内面の鍵を開けることです
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    患者たちの描写によると
    内面の感情が閉じ込められた状態から
  • 8:19 - 8:21
    解放された状態になったそうです
  • 8:21 - 8:24
    彼らの描写によれば
    感情から逃げる状態から
  • 8:24 - 8:26
    それを受け入れる状態になったそうです
  • 8:26 - 8:28
    患者さんたちは
    うつの状態において
  • 8:28 - 8:31
    ストレスのかかる
    痛ましいことが起こった時に
  • 8:31 - 8:33
    いかに感情が遠ざけられ
    抑制されるかを語りました
  • 8:33 - 8:37
    彼らは — 私たちの社会は
    苦しむことの価値を認めません
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    苦しみは弱さだとみなされます
  • 8:39 - 8:41
    そこで 彼らは 感情を
    箱の中に入れるようになります
  • 8:41 - 8:46
    サムは「男の子は泣かない」と言われて育ち
  • 8:46 - 8:49
    苦しみを黙ってしのぐように
    なったことを思い出しました
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    患者の多くは
    自分の気持を処理できません
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    理由は 人生の中で
    多くのことが起き過ぎて
  • 8:56 - 8:57
    痛みを抱えていた年月が長過ぎたので
  • 8:57 - 9:00
    それに少しでも向き合うための
    能力を欠いていました
  • 9:00 - 9:03
    彼らは 自分の痛みを避けるために
    様々なことをしていました
  • 9:03 - 9:08
    食べ物、テレビ、鎮痛剤などでの自己治療から
  • 9:08 - 9:10
    しばしば 抗うつ剤の服用に到りますが
  • 9:10 - 9:13
    それは彼らの苦しみの根本原因に
    作用するものではなく
  • 9:13 - 9:15
    最もひどい時の痛みを
    鈍らせるためだけでした
  • 9:15 - 9:18
    しかし 他の感情も鈍らせてしまっていました
  • 9:18 - 9:22
    また非常に多くの患者たちが
    感情が鈍り ものを感じられないと言いました
  • 9:22 - 9:24
    多くの患者が
  • 9:24 - 9:27
    人生で 子供の時に
    トラウマを経験したと言っていました
  • 9:27 - 9:31
    そして トラウマを処理したり
    起こったことについて考慮できませんでした
  • 9:31 - 9:36
    しかし シロサイビン服用の体験中に
    彼らはこれらの気持ちを処理できたのです
  • 9:36 - 9:37
    ジョンは —
  • 9:39 - 9:40
    ジョンはどこでしょうか?
  • 9:43 - 9:45
    ここですね
  • 9:45 - 9:47
    彼は 子供時代に虐待を受けました
  • 9:47 - 9:51
    シロサイビンを服用した時
    ジョンは巨大な樽を見ました
  • 9:51 - 9:54
    そしてその樽の中では
    考えることも 話すこともできない
  • 9:54 - 9:56
    自分の痛みや恥の全てが入っています
  • 9:56 - 9:58
    彼はそれに取り組みました
    ものすごく辛い経験でした
  • 9:58 - 10:00
    でも カウンセリングの間に
  • 10:00 - 10:03
    彼は その箱の鍵を開けて
    過去を受け入れることができました
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    非常に強烈な体験だったので
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    彼らの多くは 数年ぶりに泣きました
  • 10:07 - 10:09
    感情を受容し その感情の中で
    生きられるという
  • 10:09 - 10:11
    カタルシスを生む体験です
  • 10:11 - 10:17
    6時間で認められた効果は
    通常の治療で6年かかる効果です
  • 10:18 - 10:22
    さて2つ目のテーマは
    外側の鍵を開けることです
  • 10:25 - 10:29
    患者たちは 絶たれたつながりを
    取り戻す体験だと言いました
  • 10:29 - 10:32
    彼らは うつは 次第に起こる
    内面への引きこもりだと言いました
  • 10:32 - 10:35
    自分の愛する人から徐々に離れ
  • 10:35 - 10:37
    自分のアイデンティティから遠ざかり
  • 10:37 - 10:40
    自分自身の思考の罠に捕まり
  • 10:40 - 10:42
    自分の思考の片隅に捕まるようなもので
  • 10:42 - 10:46
    絶えず 自分を攻撃する否定的な思考に
    閉じ込められるようなものだと表現し
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    そして シロサイビンを服用すると
    つながりが回復し始めたそうです
  • 10:51 - 10:53
    ベンは次のように言いました
  • 10:53 - 10:58
    「自分の脳内コンピュータが
    断絶を解消(デフラグ)したような気分だ
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    頭の中が模様替えされたような
    感覚を経験しました
  • 11:01 - 11:03
    頭の中が 全部
    整理されていくのを体験して
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    断片化された脳が
    整理されたように思いました
  • 11:05 - 11:07
    なんて素晴らしいことか?
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    以来 私は筋の通った思考ができ
    あれこれ考えることが減りました」と
  • 11:12 - 11:14
    また 他の患者も
    同じプロセスを
  • 11:14 - 11:15
    それぞれの方法で語りました
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    霧が晴れたようだと言う者や
    視界が開けたと言う者もいます
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    ジョンは 暗い家に明かりをつけたような
    感覚だったと言いました
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    このように心の再起動が起こったあと
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    彼らは 自分の感覚とつながり
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    自己や自己のアイデンティティと
    つながりました
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    カークは 人生をスムーズに
    進んでいるような心地がしたと言い
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    患者たちは他者と
    つながることができたのです
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    ジョンは 7年ぶりに
    妻とディナーに出かけ
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    10代に戻ったようだったと言いました
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    患者の多くが自然とつながりを感じました
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    自然は テレビや絵画で
    見るようなものではなく
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    一体感を感じたそうです
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    また 初めて精神的な原理に
    触れたという人もいました
  • 11:49 - 11:50
    何人かは です
  • 11:50 - 11:56
    全体としては 捕らわれた状態から
    解き放され のびのびと 自由になりました
  • 11:59 - 12:03
    「変性意識状態」は
    何千年もの間世界中で
  • 12:03 - 12:05
    重視されてきました
  • 12:05 - 12:07
    でも 科学的な研究は
    始まったばかりで
  • 12:07 - 12:09
    私たちは今年大きな研究を
    前に興奮しています
  • 12:09 - 12:12
    今も慎重に物事を進めています
  • 12:12 - 12:14
    それについて まだ多くは分かっていません
  • 12:14 - 12:16
    それが 誰にでも使えるとは限りません
  • 12:16 - 12:18
    だから慎重に進めて
  • 12:18 - 12:21
    シロサイビンが いかに
    どのタイミングで役立つか
  • 12:21 - 12:24
    今後5年間で 多くのことを学ぶつもりです
  • 12:25 - 12:28
    でも 私はシロサイビンが
    心のケアに革命をもたらすと考えます
  • 12:28 - 12:33
    私たちの研究の被験者たちは
    短期治療や絆創膏のような
  • 12:33 - 12:36
    表面的な治療は役に立たなかったと言います
  • 12:36 - 12:37
    役立たなかったのは
  • 12:37 - 12:39
    痛みの本質に到達するものが
    何もなかったからです
  • 12:39 - 12:43
    そして うつ病の流行において
    助けを必要とする人が多くいます
  • 12:43 - 12:44
    たくさんの人が助けを必要としています
  • 12:44 - 12:47
    そして NHSには
    長期治療を施す予算がありません
  • 12:47 - 12:50
    何年もにわたる精神療法を
    全員には施せないのです
  • 12:50 - 12:53
    でも 私が思うに
    もしシロサイビンを
  • 12:53 - 12:57
    私が行なっていた治療のような
    既存の短期療法に組み込めば
  • 12:57 - 13:01
    既存の療法をずっと効果的で
    力強い治療にできるでしょう
  • 13:01 - 13:04
    薬剤を使った補完療法こそが
  • 13:04 - 13:06
    ただ檻を歩き回るのではなく
  • 13:06 - 13:09
    苦しみから抜け出す道を開きます
  • 13:10 - 13:14
    さて マジックマッシュルームは
    うつ病という檻を開けるか?
  • 13:15 - 13:17
    答えは否です
  • 13:17 - 13:20
    うつ病の檻を開けるのは
    マッシュルームではありません
  • 13:20 - 13:21
    患者本人なのです
  • 13:21 - 13:24
    マッシュルームは その鍵を示すだけです
  • 13:24 - 13:25
    ありがとうございました
  • 13:25 - 13:28
    (拍手)
Title:
マジックマッシュルームはうつ病を治せるか?|ロザリンド・ワッツ|TEDxOxford
Description:

インペリアル・カレッジの臨床心理学者が、マジックマッシュルーム(シロサイビン、シロシビンとも表記)を治療環境で使用すると、いかにうつ病治療に非常に効果が現れたかについて語ります。このトークにおいて、彼女は、セラピストとして働いた経験を引き合いに出しながら、研究プロジェクト、「Psilocybin for Depression(うつ病研究のためのシロサイビン)」、について語り、何人かの患者と驚くべき効果のストーリーを紹介しています。

ロザリンド・ワッツ博士は、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで臨床心理学の訓練を受けました。NHSで6年間心理療法を行なった後、インペリアルカレッジの臨床試験チームに加わり、うつ病治療薬としてのシロサイビン(マジックマッシュルーム)の調査を行なっています。博士の研究は、この興味深い治療法における患者側からみた肯定的な視点を解説しています。

このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
13:37

Japanese subtitles

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