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フォトンがバーに入ってきて… | フランク・ヴァン・ ミエルロ | TEDxBeaconStreet

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    この4月から
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    早番の時間帯に仕事することにしました
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    2つ気がついた事があります
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    早朝の4時というのは
    あまりに早すぎて ずっと大変です
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    いっぽう早起きのおかげで
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    素晴らしく美しい日の出があると知りました
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    太陽の光には何かしら不思議な力があるのです
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    光は言うまでもなくフォトンですが
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    フォトンというのは興味深い粒子で
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    質量がなくて
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    常に光速で運動し
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    ある量のエネルギーを
    抱え込んでいます
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    太陽から我々の元に届くフォトンは
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    様々なレベルのエネルギーを持っています
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    エネルギーあふれるブルーの光は
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    大きなエネルギーを持っていますが
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    空気の分子と相互作用して
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    散乱してしまいます
    それが空が青い理由です
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    一方のんびり屋の赤いフォトンは
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    大気中を妨げられることなく真っすぐ進むので
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    日の出は赤いのです
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    太陽から来る全てのフォトンは
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    このように様々なエネルギーを持っています
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    さて問題はここです
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    エネルギーを取り出す際には
    特定の1波長を選んで最適化することになり
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    それ以外の波長に対しては最適ではありません
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    この事を理解するには
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    ソーラーパネルの原理を
    説明しなくてはなりません
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    ソーラーパネルは半導体で作られていて
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    半導体から電気を取り出すために
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    電子を自然の状態から
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    伝導帯に持ち上げます
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    そのために必要となるエネルギーを
    バンドギャップと呼びます
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    これには3つのパターンがあります
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    まずフォトンが
    バンドギャップと同じエネルギーを持つ場合
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    電子を伝導帯に持ち上げて
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    役立てることができます
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    第二のパターンは
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    フォトンのエネルギーが
    バンドギャップよりも小さい時
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    この場合はフォトンは
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    使われずに通過します
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    電子を放出させるのに
    十分なエネルギーがないからです
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    最後のパターンは
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    フォトンがバンドギャップを上回る
    エネルギーを持つ場合です
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    この 余剰分のエネルギーもまた
    使うことができません
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    なぜならこの場合も1個のフォトンから
    1個の電子しか得られないからです
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    現在の技術で望める最高の効率は
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    得られるエネルギーのうち
    24%を取り出す事です
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    今日のソーラーパネルはこの原理的な
    限界値に限りなく近づいています
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    今年
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    ソーラーパネルは
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    世界で消費される電力のおよそ
    5パーセントを供給しています
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    もちろんこれではまだ不十分です
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    我々の電源構成を組み替えるには
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    もっともっとたくさんの
    ソーラーパネルを設置し
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    それぞれのパネルの効率を
    上げなければなりません
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    しかし我々は原理的な限界に直面しています
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    ここからどうやって先に
    進めば良いのでしょう?
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    ここでタンデムと呼ばれる解決策があります
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    ヨーロッパとアメリカの研究所で
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    民間の資金を主とした研究から
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    画期的な成果が生まれ
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    二種の半導体を利用して費用対効果の優れた
    タンデムモジュールができるようになりました
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    上側ではバンドギャップの大きい材料を使って
    エネルギーの大きいフォトンを取り出し
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    下側にはバンドギャップの小さい材料を使って
    エネルギーの小さいフォトンを捕まえます
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    タンデムはソーラーパネルの
    エネルギー出力効率を35%まで改善します
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    これを実現するために
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    我々は
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    あらゆる工学的課題と製造上困難な問題を
    解決しなくてはなりません
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    そして今日
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    費用対効果を満足する解決策が見えてきて
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    商業ベースのタンデムのモジュールが
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    実現される日は近いのです
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    これはソーラーパネルが1954年に
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    ベル研究所で最初に発明されて以来
    最大の革新です
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    世界のどこにタンデムが設置されようとも
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    単位面積当たりのエネルギー収量を
    増大させるからです
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    設置される全てのパネルが
    もっと効率的になります
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    これは極めて重要な技術なのです
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    我々は緊急性を持って
    たとえばインドなどの必要な所で
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    普及させなければなりません
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    インドは気候変動との戦いの最前線です
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    人々は新しい解決策に飢えています
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    人口あたりのエネルギー消費は
    世界で最も少ないのです
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    インドには
    石炭よりも優れた方法で
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    工業化する機会が与えられるべきです
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    タンデム発電は
    そこに貢献できる可能性があります
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    強力なタンデム発電モジュールで 水を
    酸素と水素に電気分解したらどうでしょう
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    エネルギー収量の向上したタンデム発電なら
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    クリーンな水素が経済的に実現可能になります
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    そしてクリーンな水素が得られれば
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    膨大な量のエネルギーを長期間蓄える事ができ
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    製鉄産業のエネルギー源にすることも可能です
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    タンデム発電は変革をもたらします
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    ただそれだけでは 不十分です
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    気候変動の問題に打ち勝つには
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    大変な覚悟が要ります
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    今のところ我々は負けつつある状態です
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    二酸化炭素の排出は減るどころか増えています
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    これを変化させるには
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    精神的に大きな変革が必要です
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    自分の惑星について
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    責任を持ってケアする必要があると
    考える者が
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    大半となるような 大きな転換点を
    越えていかなければいけないのです
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    現在我々はその転換点から
    ほど遠いところにいます
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    しかしタンデムの発明により
    道具立ては揃いつつあります
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    あとは我々がこれをいかに
    有効に使いこなすかにかかっています
Title:
フォトンがバーに入ってきて… | フランク・ヴァン・ ミエルロ | TEDxBeaconStreet
Description:

専門家の間で、気候変動にどのように対峙していくかについて共通の見解が広まりつつあります。フランク・ヴァン・ ミエルロはこのトークで刮目に値するより良い世界のビジョンを、タンデム太陽電池を含む技術要素の進化を交えて語ります。

タイトルについてピンと来なかった人の為に:

ある日フォトンがバーに入ってくる
バーテンダーがこう聞く
お荷物はないんですか?と
フォトンはこう返す
No I am traveling light.
=いや、身軽に(light)旅をしているんだ
=いや、私は旅する光(photon)なので

フランク・ヴァン・ ミエルロは 1366 Technologies Inc のCEO です。

MITとスタンフォードで工学を学んだフランク・ヴァン・ ミエルロは、化石燃料によらないエネルギー変換を過去12年間追求しています。何人もの世界的なプロフェッショナルからなるチームが彼の探究を支援しています。

このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
05:29

Japanese subtitles

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