無症候性心筋梗塞を検知する救命デバイス
-
0:01 - 0:03僕が13才の頃
-
0:03 - 0:05祖父を
無症候性心筋梗塞で亡くしました -
0:06 - 0:10もっとショックだったのは 75才の
-
0:10 - 0:15祖父は これという異常もなく
健康で活動的だったことです -
0:15 - 0:17ただ糖尿病を患っていました
-
0:18 - 0:20この経験がとても辛かったので
-
0:20 - 0:24この「サイレントキラー」と
戦うために何ができるか -
0:25 - 0:26探ってみようと思いました
-
0:27 - 0:30最近の研究成果を 読み進めると
驚いたことに -
0:30 - 0:34毎年 推定800万人近くが
-
0:34 - 0:37心筋梗塞で亡くなっているのです
-
0:38 - 0:40心筋梗塞には
様々な原因がありますが -
0:40 - 0:45最も多いのは 動脈血栓です
-
0:45 - 0:47血栓に血流が阻害され
-
0:47 - 0:50酸欠になった心筋細胞が
死に始めることが原因です -
0:51 - 0:54皆さんも 心筋梗塞の
症状を知っていますよね -
0:54 - 1:00胸や腕の痛み 息苦しさ 疲労感…
-
1:00 - 1:04でももう1つ
とてもよくある心筋梗塞で -
1:04 - 1:05同じく命にかかわるものが
あるんですが -
1:05 - 1:09それは症状を感じないので
検知するのがより難しいんです -
1:10 - 1:16無症候性心筋梗塞を起こした人たちは
何が起こっているのかも気づかず -
1:16 - 1:19治療を受けようともしません
-
1:19 - 1:25つまり患者は危機的な状態にあっても
必要な治療を受ける可能性が低いのです -
1:27 - 1:30もし 心臓発作が起こる前か後に
-
1:30 - 1:34偶然病院へ行ったとしても
-
1:34 - 1:39時間やお金のかかる検査や治療を
受ける必要があるかもしれません -
1:39 - 1:40時間やお金のかかる検査や治療を
受けなければならないかもしれません -
1:40 - 1:45それは 今の心臓発作の診断基準と
されている検査です -
1:45 - 1:47でも もっと心配なのは
-
1:47 - 1:51無症候性の心筋梗塞が
心筋梗塞の45%近くも -
1:51 - 1:53占めていることです
-
1:54 - 1:58糖尿病や類縁疾患を持つ患者は
神経を損傷し -
1:58 - 2:01心筋梗塞かもしれないと知らせる
-
2:01 - 2:08痛みを感じられません
-
2:09 - 2:12全くそれに気づかずに
あるいは何も感じないまま -
2:12 - 2:15心筋梗塞による損傷を
受けているかも知れないのです -
2:17 - 2:22高リスクの患者たちは
すでに神経損傷を受けており -
2:22 - 2:26すぐに医療の処置を求めません
-
2:27 - 2:31彼らは 発作の兆候に
全く気づけないのです -
2:32 - 2:35僕の祖父も 高リスクの患者でした
-
2:36 - 2:39この問題をもっと 調べていきました
-
2:39 - 2:42心臓のことを理解するために
出来るだけ多くの資料を読み -
2:42 - 2:45研究者に会い
インドのあちこちの研究所で働きました -
2:46 - 2:513年の長期間 辛抱強く
調査を続け ついに -
2:51 - 2:55今日皆さんに効果のある解決策について
お話ししたいと思います -
2:56 - 2:59非侵襲的で 安価なデバイスです
-
2:59 - 3:05持ち運びができて 高リスク患者が
常に身に付けることができます -
3:06 - 3:09血液検査の必要性を大幅に減らし
-
3:09 - 3:15常時作動し 設定した間隔で
データを収集し 分析します -
3:15 - 3:19こうしたデータを集めるのは
ただ1つの目的 つまり -
3:19 - 3:22心筋梗塞を検知するためです
-
3:23 - 3:28これは将来私たちの救命に役立つ
有望なソリューションです -
3:29 - 3:32皆さんの心臓は 想像以上に賢くて
心不全に陥る前に -
3:33 - 3:38胸部の痛みなどの症状を通じて
-
3:38 - 3:41何度も体に警告するんです
-
3:42 - 3:46こうした症状は
心臓が酸素の豊富な血流を -
3:46 - 3:48失う事で誘発されます
-
3:49 - 3:51しかし神経損傷のことを
思い出して下さい -
3:52 - 3:56それが心筋梗塞が起こる前の
そうした兆候をかき消してしまうので -
3:57 - 4:00更に 死の危機が近づきます
-
4:01 - 4:04患者が疾患特有の症状は何かを
知らない ということもあります -
4:06 - 4:10一方で 心臓は特定の
バイオマーカーを放出します -
4:10 - 4:15心臓バイオマーカー
あるいはタンパク質は -
4:15 - 4:17SOS信号の働きをするのですが
-
4:17 - 4:19それが血流に放たれ
-
4:19 - 4:21心臓に危険が迫っていると伝えます
-
4:22 - 4:24危険が高まるほど
-
4:24 - 4:28心臓バイオマーカータンパク質は
-
4:28 - 4:30極端にどんどん増加して行きます
-
4:30 - 4:33僕のデバイスは
このデータだけを使います -
4:34 - 4:37迅速な治療を受ければ
必ず命が助かるような -
4:37 - 4:40心筋梗塞の初期段階において
-
4:40 - 4:47こうした心臓バイオマーカーが
存在していることが鍵なのです -
4:48 - 4:52僕のデバイスは
専らその存在に基づいています -
4:53 - 4:54デバイスはこう働きます
-
4:55 - 4:59シリコンパッチを 手首や
胸の辺りに装着します -
5:00 - 5:05バイオマーカー検査のために
針を刺す必要もありません -
5:05 - 5:12このパッチはH-FABPという
心筋梗塞に特有のバイオマーカーだけを -
5:12 - 5:14検知して分離し追跡できます
(H-FABP ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白) -
5:14 - 5:20そしてそれが血中で
一定の濃度に達すると -
5:20 - 5:25警告を発します
従来より単純で簡単で安価な -
5:26 - 5:28心筋梗塞診断法です
-
5:29 - 5:33バイオマーカー濃度データの追跡を
このようなシステムで行えば -
5:34 - 5:38今後の研究の進展に伴って
-
5:38 - 5:42高リスクの患者が バイオマーカーの
血液検査の為に通院する必要性は -
5:42 - 5:44大幅に減らせます
-
5:44 - 5:47常にこのデバイスを装着して
-
5:47 - 5:50バイオマーカーの上昇を
リアルタイムで感知できるからです -
5:51 - 5:57従って バイオマーカー濃度が
危機的な値を超えたとデバイスが検知すれば -
5:57 - 6:01高リスクの患者は発作の危機が迫り
緊急に病院へ行くようにという -
6:01 - 6:04警告を受けられるのです
-
6:05 - 6:08デバイスが患者の心筋損傷の
-
6:08 - 6:11完全な分析結果を得られなくても
-
6:11 - 6:13患者に危機が迫っており
-
6:13 - 6:17緊急の治療が必要だと警告し
知らせられるだけで -
6:17 - 6:22患者にとっては
大きな助けになるでしょう -
6:23 - 6:28高リスクの患者は
生き延びるために治療を求める時間を -
6:28 - 6:30稼ぐことができます
-
6:31 - 6:33結果として
-
6:33 - 6:39心筋梗塞の後に必要になる 高価で
侵襲的な治療をせずに済むのです -
6:41 - 6:45デバイスを高リスクの患者に
試用してもらって観察研究を行ったところ -
6:45 - 6:48臨床試験の結果
-
6:48 - 6:5296%近くの精度と
感度が保証されました -
6:53 - 6:57僕は2種類のデバイスを
作ろうと考えました -
6:57 - 7:011つはバイオマーカーの値を
分析できるもの -
7:01 - 7:04そして農村の人々向けの
もっとシンプルな -
7:04 - 7:08バイオマーカーが危機的値を
超えた時に振動するだけのものです -
7:09 - 7:12現在の心疾患ケアに於ける進歩の
実情は -
7:12 - 7:16予防のためのセルフケアや技術よりも
対症療法が中心となっています -
7:17 - 7:20いわば心筋梗塞が
起こるのを待ってから -
7:20 - 7:23もっぱら対症療法に大がかりな
医療資源を投入しています -
7:24 - 7:28でも それまでにもう回復できない
損傷が起こっているのです -
7:29 - 7:32僕は今こそ医療を考え直さなければ
ならない時だと 確信しています -
7:33 - 7:36先手を打つための医療技術の確立が必要です
-
7:36 - 7:39変化がもたらされるべき時は
10年後でもなく -
7:39 - 7:405年後でもなく
-
7:40 - 7:42今なのです
-
7:42 - 7:46いつか こんなデバイスのおかげで
-
7:46 - 7:50僕のように祖父を失くす人が
いなくなるよう願っています -
7:50 - 7:52ありがとうございました
-
7:52 - 7:53(拍手)
-
7:53 - 7:55ありがとうございました
-
7:55 - 7:57(拍手)
-
7:57 - 7:58ありがとうございました
- Title:
- 無症候性心筋梗塞を検知する救命デバイス
- Speaker:
- アカシュ・マノージ
- Description:
-
あなたは恐らく一般的な心筋梗塞の症状をご存知でしょう。それは、胸や腕の痛み、息切れ、そして疲労などです。でももう1つ、同じくらい危険で、なおかつ無症状であるが故に察知するのが難しい場合があります。この短いトークで、17才の発明家アカシュ・マノージが、サイレントキラーを食い止めるために非侵襲的で安価なウエアラブル・パッチによって生死を分ける危機的な瞬間に患者に警告を伝える仕組みを紹介します。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 08:15
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for A life-saving device that detects silent heart attacks | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for A life-saving device that detects silent heart attacks | ||
Shoko Takaki accepted Japanese subtitles for A life-saving device that detects silent heart attacks | ||
Shoko Takaki declined Japanese subtitles for A life-saving device that detects silent heart attacks | ||
Shoko Takaki edited Japanese subtitles for A life-saving device that detects silent heart attacks | ||
Shoko Takaki edited Japanese subtitles for A life-saving device that detects silent heart attacks | ||
Natsuhiko Mizutani rejected Japanese subtitles for A life-saving device that detects silent heart attacks | ||
Shoko Takaki accepted Japanese subtitles for A life-saving device that detects silent heart attacks |