WEBVTT 00:00:00.000 --> 00:00:01.752 はい!どうもアバタローです。 00:00:01.795 --> 00:00:05.529 本日は、宮本武蔵の[五輪書] コチラをご紹介いたします。 00:00:05.529 --> 00:00:10.036 どんな本かと言いますと 生涯『無敗』と言われる最強の剣豪が残した 00:00:10.036 --> 00:00:12.045 戦いの『極意書』でございます。 00:00:12.045 --> 00:00:15.601 まず、どういった方にお役に立ちそうな 内容なのかをお伝えいたします。 00:00:15.601 --> 00:00:17.936 [物怖じしない、強い自分を作りたい] 00:00:17.965 --> 00:00:19.732 [仕事が出来るようになりたい] 00:00:19.732 --> 00:00:21.329 [勝負ごとに強くなりたい] 00:00:21.329 --> 00:00:23.475 [我が道を進み、夢を叶えたい] 00:00:23.475 --> 00:00:25.713 これに一つでも、当て嵌まるのであれば 00:00:25.713 --> 00:00:29.525 [五輪書]は間違いなく そのニーズに嵌る作品であると思います。 00:00:29.525 --> 00:00:32.182 ...と、言いますのも 本書は、ただ『剣術』について 00:00:32.182 --> 00:00:34.346 指南しているだけの本ではないのです。 00:00:34.346 --> 00:00:39.288 就職活動、ビジネス、スポーツといった あらゆる勝負所で負けない為の 00:00:39.288 --> 00:00:42.406 原理原則が書かれた 人生の『攻略本』 00:00:42.406 --> 00:00:46.850 それが[五輪書]という訳でございます。 因みに、ハーバードビジネススクールでは NOTE Paragraph 00:00:46.850 --> 00:00:50.418 [五輪書]を経営学のテキストとして 採用していたこともあり 00:00:50.418 --> 00:00:55.389 誕生から、400年近い年月が経った今でも 現代ビジネスにも通じる『書籍』として 00:00:55.389 --> 00:00:59.960 世界的にも高い評価を得ているのです。 更に、孤独の中で己の剣を磨き 00:00:59.960 --> 00:01:04.162 我が道を突き進んだ『宮本武蔵』の生き方は 個人の力を高め 00:01:04.162 --> 00:01:08.196 より高く羽ばたこうと志を持って 努力されている方にとっても 00:01:08.221 --> 00:01:11.360 大いにご参考いただけるものと 確信しております。 00:01:11.360 --> 00:01:15.866 そこで、この動画では [五輪書]を誰でもしっかり楽しんでいただけるよう 00:01:15.866 --> 00:01:19.161 難しい表現を避け カジュアルにご紹介をして参ります。 00:01:19.161 --> 00:01:23.703 最強の侍が残したパワフルで 刺激的な戦闘哲学の世界を 00:01:23.703 --> 00:01:27.008 是非、最後までお楽しみください。 それでは、参りましょう。 00:01:27.008 --> 00:01:28.966 宮本武蔵、[五輪書] 00:01:29.152 --> 00:01:33.008 では、まず中身に入る前に 『宮本武蔵』という人物と 00:01:33.008 --> 00:01:36.497 [五輪書]の構成について サラっと触れさせてください。 00:01:36.497 --> 00:01:41.401 『宮本武蔵』彼の生涯については 諸説ありますが、1584年。 00:01:41.401 --> 00:01:47.136 播磨の国、今の兵庫県に生まれ 1645年に ”没した” とされています。 00:01:47.231 --> 00:01:49.118 ...ですから、活躍した時期としては 00:01:49.118 --> 00:01:52.690 安土桃山時代の終わりから 江戸時代の初期に当たります。 00:01:52.690 --> 00:01:56.825 宮本武蔵は、凄まじい鍛錬の末 最強の武士になったわけですが 00:01:56.825 --> 00:02:00.770 実は、幼少期から天才的な才能があったと 言われています。 00:02:00.770 --> 00:02:04.156 初めての真剣勝負は... なんと!13歳の時。 00:02:04.156 --> 00:02:09.738 名のある剣士が相手だったにも関わらず 見事、勝利を収め、そこから20代後半まで 00:02:09.738 --> 00:02:14.744 実に、60回以上の真剣勝負において 一度たりとも負けることがなかったそうです。 00:02:14.876 --> 00:02:18.772 しかし彼は... ただ、強いだけの人物ではありませんでした。 00:02:18.772 --> 00:02:22.693 歌を詠んだり、水墨画を描いたり 文化面、芸術面においても 00:02:22.693 --> 00:02:26.373 マルチな才能を発揮しました。 そして、60歳を過ぎた頃 00:02:26.373 --> 00:02:31.661 熊本県の ”霊巌洞” という洞窟に籠り 自分の人生の集大成として 00:02:31.661 --> 00:02:34.542 [五輪書]を残し この世を去ったという訳です。 00:02:34.600 --> 00:02:37.764 この『五輪』という言葉は もともと仏教用語でして 00:02:37.764 --> 00:02:40.519 宇宙を構成している『5つの要素』 00:02:40.519 --> 00:02:45.280 [地][水][火][風][空]を 表していると言われています。 00:02:45.280 --> 00:02:49.581 宮本武蔵は、その 仏教的宇宙観に基づき[五輪書]を 00:02:49.581 --> 00:02:56.336 [地の巻][水の巻][火の巻] [風の巻][空の巻]...という5つの章に区分し 00:02:56.336 --> 00:03:00.137 戦いの極意を解いたのです。 では、以上の点を踏まえて 00:03:00.137 --> 00:03:02.935 早速ひとつ目。 [地の巻]から見ていきましょう。 00:03:02.935 --> 00:03:06.750 戦いの道を究めた! 私がそう確信するに至ったのは 00:03:06.750 --> 00:03:10.434 50の歳になってからだ。 しかし、私はなにも... 00:03:10.434 --> 00:03:13.733 剣の技術だけを追求し 生きてきたわけではない。 00:03:13.733 --> 00:03:19.504 「書道」「彫刻」「絵画」そういった 様々な文芸についても独学でマスターしている。 00:03:19.504 --> 00:03:21.883 何故、そんな器用なことが できるか、と思うだろう? 00:03:21.883 --> 00:03:25.772 理由は一つしかない。 何かひとつの物事を究めた人間は 00:03:25.772 --> 00:03:28.944 その経験を他の物事にも 応用できるのだ。 00:03:28.944 --> 00:03:32.415 つまり、[一をもって万を知る]ことは 可能なのである。 00:03:32.484 --> 00:03:37.149 また、人間生きていれば 己の人生を賭けた戦いに臨む時があるだろう。 00:03:37.149 --> 00:03:40.665 その時にあなたが 何を心掛けるべきなのかを伝えておく。 00:03:40.665 --> 00:03:44.389 それは、自分の持てる ”道具” を 全て使い切ることだ。 00:03:44.389 --> 00:03:48.612 本来、使えるはずの武器や道具を 何の役にも立てることなく 00:03:48.612 --> 00:03:53.317 ただ腰に収めたまま、敗れ去る。 そんなことは、真剣勝負の世界では許されない。 00:03:53.317 --> 00:03:56.472 ただ、注意しなければならないのは それらの道具が 00:03:56.472 --> 00:03:59.638 常に、有効に働くわけでは ない!ということだ。 00:03:59.638 --> 00:04:03.191 どんな物事にも、必ず ”今しかない!” というタイミングが存在する。 00:04:03.191 --> 00:04:07.354 道具とは、最も適した瞬間に使われてこそ その意味を成すのだ。 00:04:07.354 --> 00:04:08.698 はい!いかがでしょうか。 00:04:08.698 --> 00:04:11.687 [地の巻]は、[五輪書]の 総論的なパートであり 00:04:11.687 --> 00:04:15.980 武士として、正しい道の地盤を固める為の 原則について解かれています。 00:04:15.980 --> 00:04:19.506 整理しますと... [1つの道を究めると、横展開しやすい] 00:04:19.506 --> 00:04:22.058 [勝利のためには、使えるものは全て使う] 00:04:22.058 --> 00:04:24.741 [何事もタイミングが肝である] ということでした。 00:04:24.741 --> 00:04:26.817 宮本武蔵と言えば『二刀流』 00:04:26.817 --> 00:04:29.343 そういったイメージをお持ちの方も 多いと思いますが 00:04:29.343 --> 00:04:32.448 彼は、いつ、如何なる時でも 『二刀流』であったかというと 00:04:32.448 --> 00:04:35.507 実は、そうではありません。 戦う相手の力量や人数。 00:04:35.507 --> 00:04:38.610 場所などを考えながら 一刀で戦ったり、二刀で戦ったり 00:04:38.610 --> 00:04:42.919 刀の「長さ」や「種類」を変えたりして 臨機応変に対応することで 00:04:42.919 --> 00:04:46.072 全ての戦いに勝利してきたのです。 何が言いたいかと言いますと... 00:04:46.072 --> 00:04:49.855 宮本武蔵は、自分の手札が 100あるなら100使え!と 00:04:49.855 --> 00:04:52.729 『精神論』を振りかざしている 訳ではないのです。 00:04:52.729 --> 00:04:56.808 まずは、今...自分が持っている 全てのカードを整理する。 00:04:56.941 --> 00:05:01.187 次に、必要な切り札を絞り込む。 最後に、適切なタイミングで 00:05:01.187 --> 00:05:04.350 切り札を全て出し切り そして、勝利をする。 00:05:04.350 --> 00:05:09.986 このように、合理的に勝ち筋を頭の中で 描き切ることの重要性を説いているんです。 00:05:09.986 --> 00:05:14.400 だからこそ、彼は刃物を持った人間と 60回以上死闘を繰りひろげても 00:05:14.400 --> 00:05:17.063 最後まで命を 奪われなかった、という訳です。 00:05:17.283 --> 00:05:19.302 では次、行きましょう。 [水の巻]です。 00:05:19.302 --> 00:05:23.528 この書に記された一文一句は 私が命を懸けて書いたものである。 00:05:23.528 --> 00:05:26.719 それ故、決して適当な気持ちで 読んではいけない。 00:05:26.719 --> 00:05:31.105 ”習おう” といった気持ちを捨て 今の自分の仕事や生活に当て嵌め 00:05:31.105 --> 00:05:35.035 頭をよく使い よく考えを巡らしながら読むのだ。 00:05:35.035 --> 00:05:37.501 まず、『兵法の道』 において大切なこと。 00:05:37.501 --> 00:05:40.911 それは、『心の在り方』なんだ。 特に、戦いの場において 00:05:40.911 --> 00:05:44.926 持てる力を十分に発揮するには どんな状況でも動じない 00:05:44.926 --> 00:05:47.484 『平常心』が求められる。 例えば、今... 00:05:47.484 --> 00:05:49.727 自分の目の前に 大勢の敵が居たとしよう。 00:05:49.727 --> 00:05:54.340 その際、相手の数に圧倒されてはいけない。 たくさんの問題を抱えてしまった時は 00:05:54.340 --> 00:05:59.595 一遍に全てを片付けようとするのではなく 似たような種類のものを一塊にして 00:05:59.595 --> 00:06:04.303 一つ一つ倒して行けば 必ず活路を切り開くことが出来るはずだ。 00:06:04.303 --> 00:06:06.203 また、人生という戦場において 00:06:06.203 --> 00:06:11.396 自分より遥かに能力が勝る者と 刃を交わえなければならない時がある。 00:06:11.396 --> 00:06:14.543 この時、多くの者は 気持ちが一歩も二歩も引いてしまい 00:06:14.543 --> 00:06:16.494 自分の負けを覚悟するだろう。 00:06:16.494 --> 00:06:18.322 だが、逆に考えて欲しい。 00:06:18.322 --> 00:06:22.305 能力において格上の者は 自分よりも格下の者を見た時 00:06:22.305 --> 00:06:27.554 ”コイツは、自分よりも劣った人間だ” と 侮り...油断し、隙が生まれるものなのだ。 00:06:27.554 --> 00:06:30.411 つまり、自分や相手の表面だけを見比べて 00:06:30.411 --> 00:06:34.619 どっちが優れ、どっちが劣っているとか 先入観を持ってしまうことは 00:06:34.619 --> 00:06:38.014 非常に危険な考え方なんだ。 食うか、食われるかの世界では 00:06:38.014 --> 00:06:41.511 如何なる時も心は濁らせない。 これが鉄則なんだ! 00:06:41.511 --> 00:06:44.926 また、自分の進むべき道が 定まった時も同様だ。 00:06:44.926 --> 00:06:49.686 やる!と決めたからには 雑念を取り払い、あれこれ余計なこと考えず 00:06:49.686 --> 00:06:53.492 無心で取り組むといいだろう。 「千里の道も一歩から」 と言うように 00:06:53.492 --> 00:06:56.513 どんな物事だろうと直ぐに 成果は出ない。 00:06:56.513 --> 00:06:58.959 地道な鍛錬が、必ず必要になる。 00:06:58.959 --> 00:07:02.327 あなたが今日、やるべきことは 昨日のあなたに勝つことなんだ。 00:07:02.327 --> 00:07:04.876 それを何日も、何年も 積み重ねていく。 00:07:04.876 --> 00:07:06.751 『鍛錬』とは、そういうものなんだ。 00:07:06.764 --> 00:07:08.032 はい!いかがでしょうか? 00:07:08.032 --> 00:07:10.566 この[水の巻]では 地道な『鍛錬』によって 00:07:10.566 --> 00:07:14.854 精神と肉体をコントロールすることの 重要性について解いています。 00:07:14.854 --> 00:07:18.869 まず、何においても重要なのは 『心の在り方』である、と。 00:07:18.869 --> 00:07:22.311 ...いうお話でしたが これは、色々な場面に当て嵌まりそうです。 00:07:22.311 --> 00:07:25.443 大学受験。大事な試合。重要な商談。 00:07:25.443 --> 00:07:30.055 緊張したせいで「実力の半分も出せなかったぁ」 なんてことは、実際によくあります。 00:07:30.061 --> 00:07:33.334 「いつも通り、自然体でやればいいよ」 といった、アドバイスを貰っても 00:07:33.334 --> 00:07:36.774 逆に、緊張してしまうことだって 決して珍しくはありません。 00:07:36.774 --> 00:07:40.245 そもそも、自然体とは何かと言えば 不必要な力を抜き 00:07:40.245 --> 00:07:43.308 必要な力だけが入っている 状態のことを指します。 00:07:43.308 --> 00:07:46.385 つまり、心と体を 微調整するわけですから 00:07:46.385 --> 00:07:51.374 ある程度、経験を積んだ人でないと 身に付けることが困難な技術であると言えます。 00:07:51.374 --> 00:07:55.382 では、どうやって身に付ければいいのかというと とにかく「場数」をこなし 00:07:55.382 --> 00:07:59.427 日々「鍛錬」をするしかない。 それが、ここでの回答となります。 00:07:59.427 --> 00:08:04.807 非常に地味で、遠回りのようですが これが、自然体をマスターするための王道なのです。 00:08:04.807 --> 00:08:09.111 これを体得することによって 人は、高い集中状態に入ることができ 00:08:09.111 --> 00:08:13.041 結果として、高いパフォーマンスを 発揮することができるという訳です。 00:08:13.041 --> 00:08:17.897 因みに、宮本武蔵は 心の中に一切の雑念が無い状態を 00:08:17.897 --> 00:08:21.819 『無念無想』と呼び この状態に自分をもっていった上で 00:08:21.819 --> 00:08:24.458 強烈な一撃を 相手に放つそうです。 00:08:24.458 --> 00:08:26.738 まるで、全集中の呼吸みたいな話ですが 00:08:26.738 --> 00:08:31.639 何かしらで、高いパフォーマンスを発揮されたい方は ご参考にされてみては、いかがでしょうか? 00:08:31.639 --> 00:08:34.080 はい!それでは次 [火の巻]について見ていきます。 00:08:34.080 --> 00:08:38.164 まず、戦いにおいて重要なのは 『先手を取る』ということだ。 00:08:38.164 --> 00:08:40.237 この先手の取り方は 3種類ある。 00:08:40.237 --> 00:08:43.386 まず、1つが... 自分から仕掛けに行き『先手を取る』 00:08:43.386 --> 00:08:46.104 2つ目が... 相手が攻めて来た時に『先手を取る』 00:08:46.104 --> 00:08:50.225 最期3つ目が...自分と相手が 同じタイミングでぶつかった時に 00:08:50.225 --> 00:08:53.058 『先手を取る』と、いうものだ。 どんな戦いだろうが 00:08:53.058 --> 00:08:54.961 先手の取り方は、これ以外にない。 00:08:54.961 --> 00:08:58.795 常に、自分から仕掛けることだけが 先手ではないが、出来ることならば 00:08:58.795 --> 00:09:02.359 自分から仕掛け、相手を翻弄し 優位に立ちたいものだ。 00:09:02.359 --> 00:09:07.072 また、戦いの世界においては 何処で戦うのかも非常に重要になって来る。 00:09:07.072 --> 00:09:10.843 自分にとって「有利な場所」 相手にとって「不利な場所」とは、何処だろうか? 00:09:10.843 --> 00:09:15.701 そういったことを考え、徹底的に リサーチを済ませた上で本番に臨むことだ。 00:09:15.701 --> 00:09:20.591 そして、自分自身の身を相手の立場に置き換えて 向こうは一体、どんな手を使ってくるのか 00:09:20.591 --> 00:09:23.905 想像力を働かせながら シュミレーションを行っておくことだ。 00:09:23.905 --> 00:09:28.212 また、勝負ごとの世界での チャンスの掴み方についてもコツを伝えておこう。 00:09:28.212 --> 00:09:31.163 結論から言えば... 「崩れ」によく注目するのだ。 00:09:31.163 --> 00:09:35.671 どのような物事においても、必ずどこかで 「崩れ」が生じる瞬間がある。 00:09:35.671 --> 00:09:39.696 例えば、家が崩れ 荷が持崩れ、相手陣営が崩れる。 00:09:39.696 --> 00:09:44.461 チャンスとは正に、こういった 「崩れ」の瞬間にこそ訪れるものなのだ。 00:09:44.461 --> 00:09:49.303 それを捉え行動をし、イケると思ったら 一気に畳みかけ、勝利を掴むと良い。 00:09:49.303 --> 00:09:50.480 はい!ここで止めましょう。 00:09:50.480 --> 00:09:54.000 この[火の巻]では 敵と戦うの際の具体的な戦術。 00:09:54.000 --> 00:09:56.268 駆け引きなどについて 説いている章になります。 00:09:56.268 --> 00:10:00.576 簡単にまとめますと... 先手を取り、自分の有利な環境で戦い 00:10:00.576 --> 00:10:03.533 更に崩れたタイミングを狙いましょう というお話でした。 00:10:03.533 --> 00:10:08.592 要するに、スポーツマンシップに乗っ取って フェアーに戦うのではなく、自分の土俵に乗っかって 00:10:08.592 --> 00:10:11.252 自分にとって、有利に戦いましょう という訳です。 00:10:11.252 --> 00:10:15.828 例えば、宮本武蔵の場合。 太陽の向き、視点の高さ、足場の高さなど 00:10:15.828 --> 00:10:19.634 自分が有利で、相手が不利な環境を 事前に現場調査をし 00:10:19.634 --> 00:10:23.262 そこに相手を誘導した上で 敵を叩きのめしていたと言います。 00:10:23.262 --> 00:10:27.595 つまり、仕事でも何でも成功を納める為には そのための環境をまずもって 00:10:27.595 --> 00:10:30.949 作る必要がある、と言うわけです。 因みに、以前紹介した 00:10:30.949 --> 00:10:35.150 [銃・病原菌・鉄]でも似たような話がありましたが 覚えていますでしょうか? 00:10:35.150 --> 00:10:39.317 簡単に言いますと... 西洋諸国は、多くの国々を植民地化し 00:10:39.317 --> 00:10:44.556 歴史的『勝者』とはなったが、それは 彼らが優れた人種だったからではなくて 00:10:44.556 --> 00:10:49.124 ただ単に、「有利な環境がそうさせただけだ」 と、主張をしている作品です。 00:10:49.124 --> 00:10:51.382 つまり、どんな勝負ごとに臨む時でも 00:10:51.382 --> 00:10:55.200 自分が今いる環境が そもそも勝てる土俵なのかを 00:10:55.200 --> 00:10:58.035 客観的に見つめることが 「重要だ」と言えそうです。 00:10:58.035 --> 00:11:00.680 はい!それでは次 [風の巻]について見ていきましょう。 00:11:00.680 --> 00:11:04.898 我が流派は...勝つことを第一とする 『二天一流』である。 00:11:04.898 --> 00:11:09.284 しかし、私は...ただ自分の流派だけを 知っていれば良いとは思わない。 00:11:09.284 --> 00:11:13.264 他の流派の考え、やり方を知り その違いを知ることもまた 00:11:13.264 --> 00:11:16.154 自分の道を究める上で 大切なことなのだ。 00:11:16.154 --> 00:11:20.284 例えば、長い刀であるほど リーチが長い分「有利だ」と説く流派がある。 00:11:20.284 --> 00:11:24.717 これについては一理あるが、明らかに 兵法の原理原則を理解していないと言える。 00:11:24.717 --> 00:11:28.679 まず、ひとつの手段を絶対的なものと 信じ込んでしまっている時点で 00:11:28.679 --> 00:11:32.060 その人物の自信のなさ 心の弱さが伺える。 00:11:32.060 --> 00:11:35.465 そもそも、何が起こるか分からない 真剣勝負の世界において 00:11:35.465 --> 00:11:38.327 この道具を使えば間違いない なんてはずはない。 00:11:38.327 --> 00:11:41.298 そういった偏った発想は 命取りになるだろう。 00:11:41.298 --> 00:11:43.843 また、「刀は、強く振るべきである」だとか 00:11:43.843 --> 00:11:47.747 「早く振るべきである」だとか こういった、型に嵌まった考え方もよくない。 00:11:47.747 --> 00:11:51.985 そもそも、命の取り合いをしている最中に 弱く切るとか、強く切るとか 00:11:51.985 --> 00:11:55.217 力の入れ具合を呑気に 調整している暇などないのだ。 00:11:55.217 --> 00:11:57.508 本当に考えるべきことは、今... 00:11:57.508 --> 00:12:01.603 自分の目の前にいる敵を ”なぎ倒す!” という ただ、その目的だけだろう。 00:12:01.603 --> 00:12:05.768 また、我が『二天一流』は、構えがあって 構えが無いことを極意とする。 00:12:05.919 --> 00:12:10.711 『構え』とは本来、自分の身を守る上で 最も大切な「基本の型」だ。 00:12:10.711 --> 00:12:13.273 ただ、なんでもかんでも 『構え』に縛られ過ぎて 00:12:13.273 --> 00:12:16.774 本来の目的を果たせないようでは 本末転倒だ。 00:12:16.774 --> 00:12:19.817 目の前の敵が構える暇もないうちに 『先手』を打ち 00:12:19.817 --> 00:12:22.526 相手の構や リズムを崩してやった方が 00:12:22.526 --> 00:12:24.931 よっぽど、効果的な場面など幾らでもある。 00:12:24.931 --> 00:12:26.841 何のための基本動作なのか。 00:12:26.841 --> 00:12:28.752 何のための道具なのか。 00:12:28.752 --> 00:12:31.868 その目的、その本質を 忘れてしまってはいけない。 00:12:31.868 --> 00:12:35.976 また「剣術」には様々なテクニックが 存在するが、何事においても 00:12:35.976 --> 00:12:40.209 ただ、小手先ばかりに捕らわれるのは あまり良い傾向とは言えない。 00:12:40.209 --> 00:12:44.109 本来の目的とは 外れた些末なことに気を取られている間に 00:12:44.109 --> 00:12:46.673 敵から先に一本 取られてしまうのがオチだ。 00:12:46.673 --> 00:12:50.707 まずは、何をするにしても 基本となる土台をしっかりと学ぶといいだろう。 00:12:50.712 --> 00:12:52.156 はい!いかがでしょうか? 00:12:52.156 --> 00:12:54.459 [風の巻]では 他者と比較することで 00:12:54.459 --> 00:12:58.104 自分の道を広く、客観的に見つめる 大切さを説いています。 00:12:58.104 --> 00:13:01.936 整理しますと... 偏った考えや、思い込みを捨てること。 00:13:01.936 --> 00:13:04.179 本来の目的を忘れないこと。 00:13:04.179 --> 00:13:09.340 ノウハウやテクニックばかりに捕らわれず 基本を磨くこと、といったお話でした。 00:13:09.340 --> 00:13:12.611 江戸時代には、宮本武蔵の 『二天一流』以外に 00:13:12.611 --> 00:13:15.204 『柳生新陰流』とか 『一刀流』とか 00:13:15.204 --> 00:13:18.864 様々な流派があったことで知られています。 ただ、どの流派も 00:13:18.864 --> 00:13:22.084 華やかな技巧を凝らすことで 商売にしていたこともあり 00:13:22.084 --> 00:13:25.190 武蔵としては 本来の道から外れているのではないか、と 00:13:25.190 --> 00:13:27.143 批判的な気持ちもあったようです。 00:13:27.143 --> 00:13:29.597 あと、長い刀に関する言及がありましたが 00:13:29.597 --> 00:13:32.702 武蔵のライバルとして よく描かれる佐々木小次郎は 00:13:32.702 --> 00:13:35.420 長い刀を使う「剣豪」として知られています。 00:13:35.420 --> 00:13:39.593 江戸時代の一般的な刀の長さが 約70センチであったのに対し 00:13:39.593 --> 00:13:42.909 小次郎の刀は 約94センチと非常に長く... 00:13:42.909 --> 00:13:47.263 それを扱うのには 相当な技術が必要であったと、言われています。 00:13:47.263 --> 00:13:48.583 彼の刀は... 00:13:48.583 --> 00:13:51.237 『備前長船長光(びぜんおさふねながみつ)』という 名刀なんですが 00:13:51.237 --> 00:13:55.711 そのあまりの長さから、”物干し竿” という 名前で呼ばれ、恐れられていたそうです。 00:13:55.711 --> 00:14:00.809 そして、小次郎自慢の ”物干し竿” に対し 武蔵は、どういった手段で対抗したかと言いますと 00:14:00.809 --> 00:14:03.339 なんと!彼は 「俺のは、もっと長いぞ!」と言って 00:14:03.339 --> 00:14:08.183 1メートル39センチの木刀を用意して 戦いに挑んだと言います。 00:14:08.183 --> 00:14:14.083 つまり、彼は事前に、対戦相手の情報をリサーチし 真っ先にその「強み」を消しにいった訳です。 00:14:14.620 --> 00:14:17.323 では次、最後です。 [空の巻]を見ていきましょう。 00:14:17.344 --> 00:14:22.708 我が『二天一流』の究極の断りについて この[空の巻]に書き表すことにする。 00:14:22.710 --> 00:14:27.192 武士たるものは、「兵法」の道を身に付け 更に、その他の「文芸」についても 00:14:27.192 --> 00:14:30.100 よく稽古を続けるべきだ。 それによって人は 00:14:30.100 --> 00:14:33.918 心を磨き、一点の曇りもない 晴れ渡った境地に至る。 00:14:33.918 --> 00:14:35.676 それこそが、『空』の教えなのだ。 00:14:35.676 --> 00:14:39.062 はい!だいぶ短いですが [空の巻]は、これでお終いです。 00:14:39.062 --> 00:14:42.126 この書は、極めて短い エピローグ的なところでして 00:14:42.126 --> 00:14:46.745 宮本武蔵が武士としての人生から導きだした 『哲学』を説く章になります。 00:14:46.745 --> 00:14:49.546 因みに、ここは [空の巻]よりも前に見て来た 00:14:49.546 --> 00:14:52.263 他の4巻を 全て体得することによって 00:14:52.263 --> 00:14:55.449 初めて到達できる領域である、と 言われています。 00:14:55.449 --> 00:14:59.329 すごく簡単に言いますと 宮本武蔵が、剣の道を追求したように 00:14:59.329 --> 00:15:03.753 自分の道をひたすら突き進んだ先に 『真の自由』が待っている。 00:15:03.753 --> 00:15:07.113 これが『空』と呼ばれる 最終境地なのだ、というお話です。 00:15:07.113 --> 00:15:09.881 実際は、もっと 遥かに奥深いところなので 00:15:09.881 --> 00:15:13.164 ご興味のある方は『原点』を 当たってみていただければと思います。 00:15:13.164 --> 00:15:16.479 ...という訳で 5つの巻物に関しては、ここでお終いです。 00:15:16.479 --> 00:15:19.373 仕事や日々の生活など 色んなことに当て嵌めて 00:15:19.373 --> 00:15:22.586 取り入れられそうなものを 見つけていただけましたでしょうか? 00:15:22.586 --> 00:15:27.307 この変化の激しい時代において ひとつの道をまっすぐ進んで行くことは 00:15:27.307 --> 00:15:29.517 決して、簡単なことではありません。 00:15:29.517 --> 00:15:32.266 もしかしたら... この道は行き止まりかもしれない。 00:15:32.266 --> 00:15:35.478 進んでいる途中で 閉ざされてしまうかもしれない。 00:15:35.478 --> 00:15:39.247 そういった不安や恐怖が 常に、付きまとって来ます。 00:15:39.247 --> 00:15:41.395 しかし、一つの道を究めることは 00:15:41.395 --> 00:15:44.921 あらゆる可能性の扉を開く 『鍵』になるのだ、と 00:15:44.921 --> 00:15:48.206 宮本武蔵は、その生き方によって 示してくれました。 00:15:48.206 --> 00:15:51.419 もし、今やりたいことがあるのに 躊躇しているのであれば 00:15:51.419 --> 00:15:55.063 彼の言葉と、そして自分を信じて とにかく無心になって 00:15:55.063 --> 00:15:57.439 我が道を進んでみてはいかがでしょうか? 00:15:57.439 --> 00:16:01.825 その道の先には真の自由が... あなたを待っているかもしれません。 00:16:01.825 --> 00:16:05.561 はい!というわけで 宮本武蔵[五輪書]以上でございます。 00:16:05.561 --> 00:16:06.955 いかがでしたでしょうか。 00:16:06.955 --> 00:16:09.988 日本の古典は 主に「人間同士の絡み」や 00:16:09.988 --> 00:16:14.785 その中で生まれる「心の繊細な動き」に 注目した作品が多いのですが 00:16:14.785 --> 00:16:17.994 [五輪書]のように ただ「勝つ」ことのみを追求した 00:16:17.994 --> 00:16:22.770 一人の人間の生き方 考え方が解かれた古典は、極めて珍しく 00:16:22.770 --> 00:16:24.880 貴重な作品だと言われています。 00:16:24.880 --> 00:16:27.855 ご興味を持たれた方は 是非、チェックしてみてください。 00:16:27.855 --> 00:16:30.697 また、途中で紹介しました [銃・病原菌・鉄]については 00:16:30.697 --> 00:16:32.555 動画概要欄に貼っておきます。 00:16:32.555 --> 00:16:35.213 是非、こちらも併せて ご覧いただければと思います。 00:16:35.213 --> 00:16:39.669 面白かった、参考になったという方は 高評価・コメントなどいただけますと嬉しいです。 00:16:39.669 --> 00:16:42.143 また、チャンネル登録も よろしくお願い致します。 00:16:42.143 --> 00:16:45.306 それではまた、次の動画でお会いしましょう。 ありがとうございました。